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汚れた手をそこで拭かない の商品レビュー

3.7

245件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    92

  3. 3つ

    93

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

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2024/01/29

この短篇集を読んでふと思う。 ちょっとしたウソが破滅を呼ぶ。今まで何かしらウソを吐いて、良かったことがあったっけ?

Posted byブクログ

2023/10/27

本作の紹介で、「誰でも人生で2択のクイズを3回間違えたら起こる」という説明は非常に的を射ているなと思う。誰しもが「自分の保身のためにごまかしたり、嘘をついたりするとろくなことが起こらないから、正直に自分の非を認めること」と言われることがある。まあそう簡単にはいかない訳だが…。「お...

本作の紹介で、「誰でも人生で2択のクイズを3回間違えたら起こる」という説明は非常に的を射ているなと思う。誰しもが「自分の保身のためにごまかしたり、嘘をついたりするとろくなことが起こらないから、正直に自分の非を認めること」と言われることがある。まあそう簡単にはいかない訳だが…。「お金」「信用」「世間体」。現代社会 にはそれにとりつかれている人も沢山いるし、 「失望されたくない!」と思うことは私もある。 嘘をついたことも数え切れないほどある。 誰しも嘘をつく。そう、時と場合。全てをバカ正直に話せば良い訳ではない。 そう、ただ運が悪かっただけ…。

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2023/10/15

過ちを誤魔化そうとすればするほど追い詰められていく。 どの話も、なんとかやり過ごそうと焦って内心でビクビクしている様子がリアルで、こちらまで緊張してきた。

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2023/09/11

一つの過ちを誤魔化そうとしてまた過ちを犯し収集つかないほど罪が広がっていく冷や汗だらっだらになるミステリーが収められた短編集。 汚れた手を拭いてはいけないところで拭いちゃったから、どんどん汚れが広がっていってしまったような短編集で、だから「汚れた手をそこで拭かない」というタイトル...

一つの過ちを誤魔化そうとしてまた過ちを犯し収集つかないほど罪が広がっていく冷や汗だらっだらになるミステリーが収められた短編集。 汚れた手を拭いてはいけないところで拭いちゃったから、どんどん汚れが広がっていってしまったような短編集で、だから「汚れた手をそこで拭かない」というタイトルが本当に秀逸! 子供の頃、海外の衝撃事件を紹介するテレビ番組で、アメリカで虫歯が痛すぎて猟銃で虫歯を撃って顔の半分が吹っ飛んだ人がいて(確か一命は取り留めたと思う)。 それ見て、あああ気持ちはすごいわかる!!と思った。 冷静に考えれば今より悪くなる行動なのに、その時はダメージの大小の判断がつかない。 この小説もなんかその感覚と同じだった。 ごく普通の人たちが罪を上乗りしていくので、わかる!私もテンパってやっちゃうかもなーと、思わせるリアルさにハラハラしました。 そして各小説の結末がまさかそんなところから!というところから足元をすくわれるようなホワイダニットで、やられたーーー!と、気持ちよく裏切られます。

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2023/09/06
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すごく好き! 1 星3 妹は死んじゃってるし胸糞が薄れちゃってはいるなぁ..(え) 2 星5 おもれえ!!胸糞全振りかと思ったらよくできた脚本だった! 3 星 4 悲しくなった..こういうボケていく話は.. 4 星 3 これは正味ありきたりな話なので 5 星 5 すごくドキドキした...(悪い意味で) 最後のオチもすごくいいし地味に伏線も回収された..ある意味ハッピーエンドなのでは??? 全体的にすごくよく、、今まで読んだ短編集では確実にトップ...なお気持ち 誰かに短編集いいのないかと聞かれたら確実にこれいうやろなぁ(え)

Posted byブクログ

2023/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

約一年ぶりの読書にはもってこいの選書だったと自分を褒めたい。特徴的な書名が目に入るたび気になってはいたので、読破できてとりあえずは満足。ただ、帯で煽っているほど怖くないし、新しくもないし、だからといってつまらなくもない。読書の筋力が衰えきった私には丁度いい作品でした。 簡素で平易、癖もなく素直な文体で描写もそこそこ丁寧。プロット重視で文体にはあまり重きを置かないタイプとみた。東野圭吾ほどシンプルではないけれど、恩田陸ほど文学的ではない、池井戸潤あたりが近しいような印象。短編作品全てに同じような薄暗く湿った空気が流れていて、ミステリーだからと言われたらそれまでなんだけど、ちょっと違う温度を差し込んでも良かったかなと思う。初めて読む作者さんで、しかも短編集なのでこれが全てとは言わないけれど、機会があれば他の作品も読んでみようかな、という程度。でもとりあえずは、このくらいの軽さならばすいすい読み進めるように、読書筋をまた一から鍛えねばなと思いました。 ■ただ、運が悪かっただけ、、、よく作り込まれてるな、と思った。自分の理屈っぽさがコンプレックスで、かつ中西の娘と同じように余命幾許もない十和子だからこそ辿り着けた真実が、最期に長年の呵責から夫を救う。にも関わらず、冷たい真実と十和子の最期が相まって暗い読後感。唯一、夫の自責の念はどこから?(実直で責任感が強いからと言われたらそれまで)という違和感を除けば、本当に隙のない構成。上手い。 ■埋め合わせ、、、客観的に見ればこの短編集の中で一番取り返しがつきそうなのに、一番焦りが心に迫って苦しかった。ジリジリと追いかけるような粘着質で細かい描写が見事に効いている。丸く収まりはしないだろうと思っていたけれどまさかの終着。これは予測できない。 ■忘却、、、個人的には一番好き。認知症の妻然り、急逝した息子然り、自業自得の隣人然り、内容的には多分に重さを孕んでいるのに、丁度いい短さに丁度いい塩梅の薄暗さでまとめた丁度いい短編。重いのに軽い。 ■お蔵入り、、、予想しうる結末。ただ、映画人生をかけた作品が正当に評価されるまで誤魔化せれば良かった筈なのに、罪から永遠に逃れられる可能性が出てきた途端に傾く天秤がなんとも人間臭くて良き。その後を読者の想像に任せられる余白が大きいのも、色んな想像ができて良いなと思った。 ■ミモザ、、、これも予想がつく話。に加えてドツボに嵌っていく美紀子の焦りが真に迫ってこない。情景は浮かんでくるんだけど下手な再現ドラマみたいな感じ。ただ、夫の自分へのベクトルの大きさやその質を察する場面は、美紀子と同じように衝撃だった。これも「お蔵入り」と同じように色んな想像ができて良き。 書名にはなにか意味があるのかなーと薄っすら思いながら読んだんだけど、全く見当がつかなかった。でも好き、センスある。

Posted byブクログ

2023/08/24
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信頼できるミステリ好きの知人に勧めて貰った本。 短編で読みやすく、読後の微妙な気持ちとは裏腹に、スッキリとしたオチが効いていた。 特に「埋め合わせ」はダブルミーニングになっていて、オチも良い。しかし、主人公が、何とか水の出しっぱなしを他責(子供のせい)にしようとしていることに、ことごとく気付いたんだろうか?五木田先生は。あそこまで冷静にここには○○先生がいるから~とか考えられるだろうか。 きっと五木田も常に「埋め合わせ」のことを考えているからでは無いだろうか?

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2023/08/18

短編集なので読みやすさは抜群。日常の出来事がテーマにされてるので他人事じゃない気分にさせられる。1個選択を間違えるごとにどんどん不幸になっていく感じがリアル。個人的にはプールの話が1番好き。失敗を隠したくて咄嗟に嘘ついちゃう気持ち分かるけど、気をつけないとなあ。

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2023/08/17

絶妙にぞわっとする…夏にちょうどいいかも?笑日常に潜む落とし穴、みたいな感じ。いちばん怖いのは人間なのかもしれないな〜 個人的に特に好きなのは「忘却」かな。隣人が亡くなった責任はどこに____? 全く予想もつかない結末だった。他の人にも勧めて感想を話したくなる笑笑 ぼーっと読...

絶妙にぞわっとする…夏にちょうどいいかも?笑日常に潜む落とし穴、みたいな感じ。いちばん怖いのは人間なのかもしれないな〜 個人的に特に好きなのは「忘却」かな。隣人が亡くなった責任はどこに____? 全く予想もつかない結末だった。他の人にも勧めて感想を話したくなる笑笑 ぼーっと読んでたからかタイトルの意味も「お金」が関係する短編だって言うのも気づかなかった。惹き付けられるタイトルだけど汚れた手を拭く…確かに…なるほど…って感じ。

Posted byブクログ

2023/08/01

短編集。 死の間際に、今までの人生を振り返り、何も成し遂げられなかった、せめて代わりに夫の苦しみをあの世に引き受けて逝こうと考えた妻に夫が告白する、「ただ運が悪かっただけ」 ついうっかりで引き起こしてしまったミスをなんとか取りもどそうとする「埋め合わせ」 だんだん痴呆の症状が出て...

短編集。 死の間際に、今までの人生を振り返り、何も成し遂げられなかった、せめて代わりに夫の苦しみをあの世に引き受けて逝こうと考えた妻に夫が告白する、「ただ運が悪かっただけ」 ついうっかりで引き起こしてしまったミスをなんとか取りもどそうとする「埋め合わせ」 だんだん痴呆の症状が出てくる妻と熱中症で他界した隣人のはなし「忘却」 この映画に全てを賭けている監督の「お蔵入り」 料理研究家として成功している主人公の元に昔の恋人が尋ねてくる「ミモザ」 ふとしたきっかけでどんどん事態が悪化していってもう本人にもどうにもならないところまで行ってしまう、誰でも巻き込まれてしまいそうな話。 そこまで後味悪くはないけどゆるいイヤミスだった。

Posted byブクログ