向日葵を手折る の商品レビュー
父親が亡くなって母と山形の山間の小さな集落に引越してきた6年生のみのり。乱暴な少年の存在や、不気味な向日葵男の気配に怯えつつも、優しい同級生や自然の恵みに囲まれた環境に馴染んでいく。時折不穏な出来事が折り込まれつつ高校卒業まで過ごし、自身も成長し周囲の人も変化していく。いつまでも...
父親が亡くなって母と山形の山間の小さな集落に引越してきた6年生のみのり。乱暴な少年の存在や、不気味な向日葵男の気配に怯えつつも、優しい同級生や自然の恵みに囲まれた環境に馴染んでいく。時折不穏な出来事が折り込まれつつ高校卒業まで過ごし、自身も成長し周囲の人も変化していく。いつまでもこのままでいたいのに、時は一律に流れるという事実が切ない。 前半、話が都合よく進むのが不自然に思えて気が削がれたけど、最後まで読んで良かった。
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- ネタバレ
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なんて苦しくて、残酷で、だけど優しい物語なんだろうと思いました。 序盤は隼人への苛立ちが凄まじく、何度か読むのをやめそうになったのですがラストまで読むと隼人や怜、みのりが愛おしく感じました。 私自身も田舎に住んでいるので、みのりの感じた田舎特有の閉塞感には馴染み深いものがあります。隼人と怜がどんな思いで悲しみをやり過ごしてきたのかと思うと涙が出ました。 ラストでみのりはあの日言えなかったことをようやく伝えることが出来るのか、また来年の夏向日葵を見ながら読み返したいような気がします。
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ふと手にした本でした。表紙のイラストに惹かれたのかもしれません。 そうして一読した今、読んでよかったと感じています。おすすめします。一人の少女と、二人の男子。不思議な出来事の中に、彼らの思いが重なって、素晴らしいお話しです。
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”向日葵男”はいる! それは誰? 読み進むうちに、田舎の濃密な空気感や 生と死、暴力などの強烈な描写に圧倒された。 主人公たちが十代の子どもであるにもかかわらず、 暴力や死の描かれ方がかなり際どく 文字を追うのが辛くなる場面もあった。 その反面 山形の自然や風習、食べ物などが...
”向日葵男”はいる! それは誰? 読み進むうちに、田舎の濃密な空気感や 生と死、暴力などの強烈な描写に圧倒された。 主人公たちが十代の子どもであるにもかかわらず、 暴力や死の描かれ方がかなり際どく 文字を追うのが辛くなる場面もあった。 その反面 山形の自然や風習、食べ物などが 作者が山形県出身ということもあってか 生き生きと目に浮かぶようで楽しめた。 親や地域の人たちとの関わり、 友情、ほのかな恋愛を通して 少しずつ成長していく姿にも共感。 ミステリー好きとしては、 主だった謎がかなりの割合で主人公である少女の ひらめきや想像で語られるのがちょっとムムム? でありました!
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子供を殺す怪物、向日葵男は本当にいるのか? 父が亡くなり、母の実家の山形の小さな集落に越して来た小6の、みのり。東京育ちのみのりにとって、新しい土地で聞くこと見ること、全てが驚くことばかり。なかでも、子供たちみんなが怖れている向日葵男。この一冊の中にその存在感は常にあり続けます...
子供を殺す怪物、向日葵男は本当にいるのか? 父が亡くなり、母の実家の山形の小さな集落に越して来た小6の、みのり。東京育ちのみのりにとって、新しい土地で聞くこと見ること、全てが驚くことばかり。なかでも、子供たちみんなが怖れている向日葵男。この一冊の中にその存在感は常にあり続けます。誰もその姿を見たことはないけれども、気付けば視線を感じるような不穏な感覚‥‥ 12歳のみのりの目から見た集落の一年間が、ものすごい密度で描かれいます。今まで見たことのない緑の迫力、闇の深さ。集落上げての祭りの盛り上がり。集落の人々の密なつながり‥‥ そして、いつでも感じる向日葵男の存在‥‥ みのりが中学生になると、人間関係も色々変わり、みのりの目にも今まで見えていなかったものが見えてきます。向日葵男も一種の都市伝説で、子供だから怖かっただけなのかと‥‥ でも、やっぱりいる!向日葵男はいる! 素晴らしい構成だと思いました。 読者もみのり同様、一冊まるまる向日葵男に怯えます。 小学生の時の野蛮な男子達。中学生の時の初めてのトキメキ。変わっていく自分。そこに閉ざされた集落の大人たちが絡み、明らかになる真実。 面白かった!お薦めです!
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母から借りた本 ⚐⚑⚐ 父親が突然亡くなり、母親の実家の山形の山あいの集落で暮らすことになった小学6年生のみのり 集落の暮らしにも慣れ始めた夏、『向日葵流し』という行事のために育てられた向日葵の花が全て切り落とされる事件が起こった 子供達の間でまことしやかに囁かれる『向日葵男』...
母から借りた本 ⚐⚑⚐ 父親が突然亡くなり、母親の実家の山形の山あいの集落で暮らすことになった小学6年生のみのり 集落の暮らしにも慣れ始めた夏、『向日葵流し』という行事のために育てられた向日葵の花が全て切り落とされる事件が起こった 子供達の間でまことしやかに囁かれる『向日葵男』の存在 事件は向日葵男が起こしたものだという噂が流れる ⚐⚑⚐ 読了して大分経つが、中々感想を書けずにいた いやもう、好きすぎて… いい言葉が見つからなかった 母が貸してくれる本は微妙…というものも多いが、本作はかなり良かった! 母、でかしたっ! 読み始めはミステリーかな?と思ったけど、みのりと周辺の子供達の成長物語でもあった ほのかな恋心も含んでいたり、残虐な描写もあってホラーチックだったり 色んな要素が詰め込まれてるのに不思議と散漫な感じはない 山形の山あいの描写も細やかで何なら吹く風の匂いまで感じられそうなくらいなんだけど、そんな描写がくどい!と賞を逃したらしい この色鮮やかな描写のおかげで没入できたと思うんだけどなー
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全てが伏線だった。 前半中々進まなくて長いと感じ、少し退屈。。 でも後半は伏線回収〜感動が待っていて最後まで読んで良かった。 本当は星4.5くらいかな。
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残虐な描写があったり少し怖いところがあったりして苦手な部類なのだが、それだけではない重く、そして瑞々しい青春ミステリであった。 あと田舎、集落というなんともいえない閉鎖的な感じはわかるような気がします。私の田舎はここまで酷くはないけれども。 そして私は隼人が好きです笑
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2023年の年末から読みはじめ、 2024年元日、読み終えました。 前半の小学生時代がけっこう長く、しんどい描写もあり「長いな…」と途中で感じてしまう。 しかし、最後まで辿り着くと、前半があったからこその1つの物語だと納得できる1冊。 個人的には、中学生時代の みのり、怜、隼...
2023年の年末から読みはじめ、 2024年元日、読み終えました。 前半の小学生時代がけっこう長く、しんどい描写もあり「長いな…」と途中で感じてしまう。 しかし、最後まで辿り着くと、前半があったからこその1つの物語だと納得できる1冊。 個人的には、中学生時代の みのり、怜、隼人の切ない心の揺れがたまらなかった。 今年もよろしくお願いします。
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自然の中の人間模様が心地よく、いつまでも読んでいたくなる、青春ミステリーでした。 とにかく前半はお腹が空いてきます。 食用菊や茸、そしてあけびの肉詰め、山葡萄ジュース、よもぎパン、ウコギ飯、菜の花のおひたし、辛し和え、べーコンとノビルを炒めたパスタ、ノビル餃子、納豆を入れたひっぱ...
自然の中の人間模様が心地よく、いつまでも読んでいたくなる、青春ミステリーでした。 とにかく前半はお腹が空いてきます。 食用菊や茸、そしてあけびの肉詰め、山葡萄ジュース、よもぎパン、ウコギ飯、菜の花のおひたし、辛し和え、べーコンとノビルを炒めたパスタ、ノビル餃子、納豆を入れたひっぱりうどん、タラの芽やカタクリ花の天ぷらなど、山形県の季節に合わせた食事話しが所々にきて、最高です。 そこに夏の日差しや山からの景色、神社までの石段、暗闇の沼、夕方からはじまるお祭り、向日葵流しの川、そして真っ暗な夜空の星など描写が素晴らしく、雪が降る日に窓を開けたまま風呂に入るところも良かったです。 それだけでも充分楽しませているにも関わらず、向日葵ミステリーでジワジワと近づいてくる恐怖もあり、そこに小学生同士のいざこざから徐々に怪奇な出来事になり、中学生の青春もあり、中盤の土砂降りの二人のシーンと、八章の祭りの夜の二人のシーンは忘れられませんね。 「気がつかなかった!」と思ってしまうシーン続出で、前のページに戻ったりします。 そして最後ですよね。今井先生の技アリはやられました。 最近観た映画で、なんとなく是枝監督の怪物を思わせた、伝わらないからこその齟齬が映えていた感がありました。 個人的に 「隼人の父も、怜さん父も、かつては向日葵を流した子供だったのだ。」という文章が、全体をフォローしている一番好きな言葉でした。そして彩坂美月さんの想いも含まれている気がしました。 もう一度言っちゃいます。 いつまでもこの世界をのぞいていたかった。
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