向日葵を手折る の商品レビュー
01月-14。4.0点。 父親が急死し、母の田舎に引っ越した中学生の主人公。友達と触れあいながら成長していくが、祭りのために用意した向日葵が全て折られたり、不穏な出来事が。 青春物語。哀しい真実だったが、最後は救いがあった。 引き込まれるように読んだ。面白い。
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彩坂美月さんは初読みだが、非常に面白かった(過去の作品も読んでみたい)。山形の山あいの集落に越してきた、少女みのりが「向日葵男」によって向日葵が切り落とされる事件に遭遇、その後も次々に不穏な事件が発生する。事前情報だとミステリーっぽかったが、ミステリーの要素もありつつ少女少年の青...
彩坂美月さんは初読みだが、非常に面白かった(過去の作品も読んでみたい)。山形の山あいの集落に越してきた、少女みのりが「向日葵男」によって向日葵が切り落とされる事件に遭遇、その後も次々に不穏な事件が発生する。事前情報だとミステリーっぽかったが、ミステリーの要素もありつつ少女少年の青春小説としても読める内容となっている。序盤からかなり緻密に伏線張ってあって最後に一気に回収されるのは気持ちいい。自然の表現とか田舎の閉鎖空間的の描写も読み応えがあり、昔のドラマの「白線流し」を思い出した(世界観は似ている)。
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「夏の王国で目覚めない 」を読んでからすっかり彩坂美月さんファンになってしまったのですが、本作も青春ミステリーということでしたが、とても素敵な物語でした。 田舎暮らしの風景がとても瑞々しく描かれているだけでなく、登場人物それぞれがとても活き活きしており、季節の移り変わり、時間の...
「夏の王国で目覚めない 」を読んでからすっかり彩坂美月さんファンになってしまったのですが、本作も青春ミステリーということでしたが、とても素敵な物語でした。 田舎暮らしの風景がとても瑞々しく描かれているだけでなく、登場人物それぞれがとても活き活きしており、季節の移り変わり、時間の流れが成長物語としてとても魅力的でした。 一方で向日葵男の正体は?というミステリー(ホラー)要素も微妙なバランスで絡んでおり、読んでいて次は何が起きるんだろうというドキドキもありました。 そして彩坂美月さんの作品らしさを感じるとても爽やかで気持ちの良い終わり方もとても良かったです。
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メインが少年少女だし、「青春ミステリー」という謳い文句の割に序盤から不穏な空気で、結果、最後までだいぶ不穏だった。 しかしそこに思春期特有の空気がまざり、何とも言えない甘酸っぱい雰囲気に。 作中、何年もたってるところも良かった。 おもしろかった。
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ほぼ一気読み。向日葵男の都市伝説がメインかと思いきや、少年少女の成長物語だった。男子2人と女子1人の関係性がとても良いから、恋愛に発展する前の小学生までで終わってほしいとも思ったが、中学以降も変に浮わつかず良い流れだった。それにしてもこの手の男子2人には割って入れない眩しさがある...
ほぼ一気読み。向日葵男の都市伝説がメインかと思いきや、少年少女の成長物語だった。男子2人と女子1人の関係性がとても良いから、恋愛に発展する前の小学生までで終わってほしいとも思ったが、中学以降も変に浮わつかず良い流れだった。それにしてもこの手の男子2人には割って入れない眩しさがあるな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
勝手にホラーサスペンスかと思って読み始めたのだけど、違った。 得体のしれないぞわっとする怖さが途中で別の怖さに変っていく。田舎の町のほとんど人の出入りのない暮らしの中で起こりうる怖さ。いかにもありそう。あるかもいやきっとあるね、と。 父親を亡くしたため母親のふるさとで暮らすことになった小学5年生みのり。 同じように転校生だった怜と、ずっと土地で暮らしてきた隼人とみのりの関係が、どんどん変化していく。その変化の意味。隼人のイメージの変化にやられる。変化しすぎ、いや、でも、まぁ、なるほど、ひっかかったよ。 排他的で同族的な田舎の人々と、「外から来た人」「一度外に出て戻ってきた人」たちの距離。 殺人鬼向日葵男のうわさを背景にみのりの成長を共に見守る気分。 最初のぞわっとした怖さからのラスト、気持ちいい。
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王様のブランチで紹介されていたので購入しました。 内容紹介から察するに青春小説に軽めのミステリーが加えられた作品なのかと思ったのですが、意外とバイオレンスで残酷な描写があったため、驚きました。明るい部分と暗めの部分の落差がありすぎた印象でした。 父親がくも膜下出血により他界し...
王様のブランチで紹介されていたので購入しました。 内容紹介から察するに青春小説に軽めのミステリーが加えられた作品なのかと思ったのですが、意外とバイオレンスで残酷な描写があったため、驚きました。明るい部分と暗めの部分の落差がありすぎた印象でした。 父親がくも膜下出血により他界し、母の生まれ育った山形に移ることになった主人公・みのり。 そこでは、ある噂が広まっている。向日葵男という子供を殺す怪物がいるという。そうしている間に向日葵が切られたり、襲われたりとミステリーなことが起き、しまいには・・・。果たして、向日葵男の正体とは? 物語としては、主人公の小学6年と中学の約4年間が語られています。明るい部分では、田舎での人との交流や恋を匂わせるような描写が描かれていて、青春っぽさが描かれています。 一方、暗い部分では、暴力シーンや残虐シーンなどバイオレンスで残酷な内容に仕上がっていて、あまりの落差にびっくりしました。 田舎ならではの結束力が故に起きた悲劇の連鎖。事件の真相が切なく意外で衝撃的でした。伏線も散りばめられていて、正直期待していなかった分、よく出来上がった作品でした。 基本的には、みのりの物語ですが、他に登場する怜や隼人の物語としても解釈できました。中学生としては重すぎる出来事が次々と迫るのですが、その状況下での3人の絆が良くも悪くも固くなっていくのが垣間見られます。 切なく痛々しかったです。 前半は、ちょっと退屈かなと思いましたが、段々と衝撃的展開になっていくので、グイグイと惹きこまれました。 最後の章では、みのりが大人になった物語です。前の章まで、あの人がどうなったのかわからないまま終わったので、気になっていました。最後は直接的な表現ではなく、匂わせる表現でしたので、それがかえって感動を誘わせてくれました。色んな意味で衝撃を受けた作品でした。
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