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感染症の日本史 の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

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2024/04/09

日本の歴史において感染症がどのような影響をもたらしたのか、考えたことなかったことに気づき、何らかの気づきを得ることを期待して、本書を手にした。 本書では、江戸時代以降(特にスペイン風邪)が日本社会に与えた影響を、統計的な観点と患者史の観点から、探る。 「感染症の歴史」と聞くと...

日本の歴史において感染症がどのような影響をもたらしたのか、考えたことなかったことに気づき、何らかの気づきを得ることを期待して、本書を手にした。 本書では、江戸時代以降(特にスペイン風邪)が日本社会に与えた影響を、統計的な観点と患者史の観点から、探る。 「感染症の歴史」と聞くと、感染症がどのように当地に至り、流行し、収束したかという一点のみが取り出されてしまう場合が多い。だが、感染症が流行していても、当時の人々の生活、政治はその期間も続いていること。そして、感染症の流行そのもののみならず、感染症が世の中を大きく動かす原動力になり、為政者が成す感染症対策もそれらに大きな影響を受けていること。以上を「感染症という補助線を引いてみると、日本史の新たな姿が見えてくるのです。」という一節から改めて気付かされた。

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2023/12/25

与謝野晶子、聖徳太子、原敬、宮沢賢治などなど、よく知られている歴史上の人物の史実から、主に日本の歴史で流行病がどう影響していたかを、先生お得意の臨場感ある語り口で読むことができる。 また、磯田先生の研究者のとしてのルーツについても触れられていてよかった。

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2023/07/01

史料から日本史上の感染症の歴史を紐解き、現代の感染症(執筆時点ではCOVID-19第2波)の示唆を得ようとする試み。江戸時代のコレラ流行、大正時代のスペイン風邪流行など、市民の日記から天皇の行動記録まで様々な史料から感染経路や流行の特徴を導いていくのが新鮮で面白い。

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2023/06/04

歴史家の磯田道史が、文字通り感染症の日本史を綴った一冊。 感染症は欧米や中国だけでなく日本でもあり、パンデミックも今と変わらずに存在したことがよくわかった。

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2023/04/26
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※このレビューにはネタバレを含みます

エマニュエル・トッド 新ヨーロッパ大全 速水先生の言葉を借りれば、この本は西側ヨーロッパ全域を構成する16カ国を483の地理的単位に分け、国境を取り払ったこの単位ごとに観察を行うことにより、一国内の差異を、ヨーロッパ内の特徴として捉えました 誰もが経済合理性に基づいて行動すると考えがちですが、そうではありません。速水先生はこう言っていました。磯田くん、インド行ってみたらわかるよ。人は、経済合理性には行動していない。伝統や習慣や宗教に基づいて生きていると 日本の場合、農奴は存在せず、独立自営の傾向の強い、小百姓の家族農業がおのずと盛んになり、経済社会が自発的に出来上がりました 鷹山は、これだけ手を尽くしたにもかかわらず、多くの領民が死んだのを悔やみ、去年、痘瘡流行、国民夭折につき、年始御儀式を略殺すと、翌年の祝賀をやめました

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2023/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ワクチンは2021だったから当たったことになる。最後の章歴史人口学の話が面白かった。これが書きたかったのかな。

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2022/09/24

歴史的な仮名遣いが多く読みずらかったが、9章の歴史人口学における統計の意味は良くわかった。 単なる数値としての統計では無く、その数値の裏にある人間の行動について解き明かさなければならない。 そう言うところが歴史学の面白いところなんだろうな。

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2022/08/21

コロナが流行しだした2020年の段階で、歴史家の磯田さんが日本の感染症の歴史を振り返った一冊。 歴史は未来の予言書だなぁ。 攘夷思想はコレラを持ち込んだ西洋人への嫌悪感から。ゼロコロナ政策を続ける中国で、クラスター発生源になりうる海外から入ってくる外国人を嫌がるのも歴史の繰り返し...

コロナが流行しだした2020年の段階で、歴史家の磯田さんが日本の感染症の歴史を振り返った一冊。 歴史は未来の予言書だなぁ。 攘夷思想はコレラを持ち込んだ西洋人への嫌悪感から。ゼロコロナ政策を続ける中国で、クラスター発生源になりうる海外から入ってくる外国人を嫌がるのも歴史の繰り返し。 スペイン風邪だって、3度大きな流行の波があったなら、コロナだって、何度も流行は繰り返す。 21年には収まっていて欲しいという思いも感じる本書でしたが、まだまだ収まらない2022年に読んだ。 原敬だってスペイン風邪にかかったんだから、岸田さんがコロナにかかるのも織り込み済みかな。

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2022/03/13

コロナに限らず、感染症は今に始まった事ではないといことがよくわかる。 結局手洗いうがいと普段の体力。

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2022/03/07
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スペイン・インフルエンザの世界的流行が、戦争=軍隊の移動に起因するものだ、という歴史的事実は、つい100年前のことだし記録もたくさん残っているのだから、少なくとも国の政治を司るひとたちの間では、当然のことと周知されていて然るべきではないのか。それなのに、何故アメリカ軍からの感染の染み出しを許してしまったのだろう。現在ウクライナ侵攻の真っただ中、どのように終結することになるか見当もつかないけれど、これによってまたCovid-19パンデミックが広がってしまうのでないかと懸念する。(2022-02-12L)

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