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感染症の日本史 の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

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2021/03/13

歴史は繰り返すことをまさに示してくれる本です。江戸時代から感染症には隔離がある程度認識されていたこと、ただその知恵があまり広まらなかったことや、スペイン風邪の時にも、なかなか行政が動けなかったことなどが具体的に述べられています。今と同じだと痛感させられます。それでも現代では科学が...

歴史は繰り返すことをまさに示してくれる本です。江戸時代から感染症には隔離がある程度認識されていたこと、ただその知恵があまり広まらなかったことや、スペイン風邪の時にも、なかなか行政が動けなかったことなどが具体的に述べられています。今と同じだと痛感させられます。それでも現代では科学が発達したおかげで、対策がたてやすくなっているのではと、希望も持たせてくれる内容です。歴史は繰り返すが、それでも少しずつでも社会は良くなっていると思いたくなりました。

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2021/03/04

新型コロナウィルスで世界が一転した現在だからこそ読んでほしい一冊 日本はいかにして感染症を乗り越えてきたか? 感染症の歴史や予防、そしてワクチンやウィルスという概念のなかった時代にいかにして日本人は戦ってきたのか? 平安の史記、江戸時代の随筆、政治家や文豪たちの日記や記録から見...

新型コロナウィルスで世界が一転した現在だからこそ読んでほしい一冊 日本はいかにして感染症を乗り越えてきたか? 感染症の歴史や予防、そしてワクチンやウィルスという概念のなかった時代にいかにして日本人は戦ってきたのか? 平安の史記、江戸時代の随筆、政治家や文豪たちの日記や記録から見る感染症の歴史を記した本。 日本人のゾーニング文化 疫病を忌神としてとらえた「張り紙」護符文化 歴史を変えた「はしか」パンデミック 攘夷を加速させた「麻疹」 スペイン風邪の脅威 皇室や宰相を襲った感染症 文学者たちが残したスペイン風邪の記録 などなど… 目に見えないウィルスと戦ってきた日本人の歴史 今も昔も変わらないのかもしれないな~と思うことも多々 例えば… スペイン風邪を恐れるあまり自粛警察気味になった志賀直哉の話などは「おお~!あなたもですか!?」でも志賀直哉のすごいところは自分で「わちゃ~やりすぎてるよオレ…」的に自虐&反省してそれを克明に文章で残しているところ。イマドキの自粛警察に比べればかわいいものです。 他にも…給付金 コロナ禍で様々な物議を醸した給付金。 実は江戸時代にもありました。 パンデミックとなった疱瘡。 山口の岩国藩では藩民にまんべんなく米の給付を与え、さらに隔離措置もとったう。 ところがその対極に長崎の大村藩はなんと給付なき隔離…つまりほとんど棄民という措置を取ったのだとか。 ひい~!! 他にも名君と言われた上杉鷹山は「自粛」をやめて政治や経済を動かすことを考えたとか… このあたりは今の政治家にも通じる悩ましい話です。 あと、読んでみたいと思ったのは 一般庶民がパンデミックの中でどう過ごしてきたのかということを記した十二歳のスペイン風邪 大叔母の百年前日記野田正子日記抄」 スペイン風邪が流行る中、街に繰り出す人、休校で時間ができたので遊びに行く人、お祭りやパレードなどでにぎわう街など…実は人の思うことや行動ってあまり変わっていないのかもしれない…。

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2021/02/13

患者史というのは、まさにブログやツイッターだと思うのだけど、そういう個人の記録が未来のためになるのであれば素晴らしい

Posted byブクログ

2021/02/06

天然痘や麻疹、スペイン風邪など、ワクチンもなかった時代に日本人はどのように感染症に対応してきたのか。感染症はどのようにして広まり、終息したのか。患者はどこで感染したのか。学者による研究や当時の人々の日記などから考察する。特に大正時代のスペイン風邪は、現代のコロナウィルスと似たとこ...

天然痘や麻疹、スペイン風邪など、ワクチンもなかった時代に日本人はどのように感染症に対応してきたのか。感染症はどのようにして広まり、終息したのか。患者はどこで感染したのか。学者による研究や当時の人々の日記などから考察する。特に大正時代のスペイン風邪は、現代のコロナウィルスと似たところもあって興味深い。 2020年9月発行で、コロナ第1波が落ち着いたあたりに執筆されたようだ。その後だいたい予想されている通りの展開になっている。 非常事態宣言下で自粛中、タイムリーな読書だった。今のコロナウィルスのパンデミックは、歴史にどういう影響を与えるんだろうか。

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2021/01/23

2021年1月23日読了。 「自由か管理か」、「第一系列」に属する中国、インドが台頭する中、「第2系列」の欧米、日本をどうバージョンアップさせるのか。

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2021/01/22

過去の感染症からコロナとどう向き合うか、どう防御するかを読み解いています。 今のような科学がなくとも、隔離だったりゾーニングをしているところがすごいなぁと思いました。 そして領主は懐が深いというか、領民に対して手厚く保護していました。 上杉鷹山はその中でも素晴らしい施策をした方だ...

過去の感染症からコロナとどう向き合うか、どう防御するかを読み解いています。 今のような科学がなくとも、隔離だったりゾーニングをしているところがすごいなぁと思いました。 そして領主は懐が深いというか、領民に対して手厚く保護していました。 上杉鷹山はその中でも素晴らしい施策をした方だったんですね。 どこかの国の首相も、お読みになったそうですから、ぜひ良い所を真似していただければ良いのですが。 過去から学ぶ大切さ、とは言ってもこのように本にして説明して頂けたのは良かったです。

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2021/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

安住アナのラジオに磯田先生が出演されていて、この本の話もされていたので、興味を持って読んだ。 ラジオで先生は、「歴史とは靴である」とおっしゃっていた。パンデミックは未曽有の事態ではなく、過去の時代にも乗り越えてきたことだから、歴史を調べれば参考になる事例が見つかる。 コロナに限らず、何か問題に直面にした時、自分の頭だけでゼロから考えるのではなくて、過去にさかのぼって事例を徹底的に調べることは、解決策を見つけるのに有効なのだと思った。 ■引用 患者史 過去と同類のものが、反復的に襲ってくる→歴史が役に立つ 本能的な人間心理は変わらないものがある 感染症の対策には、総合的な知性が必要 長く幅広く時間軸で物事を捉える歴史学がもっとも威力を発揮する 緊急時のリーダーは、世評は放置し、仁慈、良心に従って断行する必要があります 世界を見て、1番、感染者や死者を減らしている国の対策を素早く取り入れるのが大切です。 地球を1つに見て、最善と思われる対策事例があれば、どんなに手間でも、政府は力の限りそれを真似たほうがいい。 ワクチンを開発し、集団免疫を獲得するのが我々のゴール 自衛隊が感染予防の見本を示している おそらく化学兵器に対する訓練が行き届いているから ノウハウを共有すべき 速水先生の言葉 「磯田くん、インド行ってみたらわかるよ。人は経済合理的には行動していない。伝統や慣習や宗教に基づいて生きている」 同じ国の中でも、地方によって特徴は異なる。多様性がある。

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2021/01/05

文章が好き ◯ 作品全体の雰囲気が好き ◯ 内容結末に納得がいった ◯ また読みたい その他 ◯ 学び直したいなあ。 学生時代の受験勉強が面白くなかったけれど、今いろいろ興味をもつことができるのは、あの無味乾燥な受験勉強があったおかげなのか。 「歴史」ってこんなにも面白い...

文章が好き ◯ 作品全体の雰囲気が好き ◯ 内容結末に納得がいった ◯ また読みたい その他 ◯ 学び直したいなあ。 学生時代の受験勉強が面白くなかったけれど、今いろいろ興味をもつことができるのは、あの無味乾燥な受験勉強があったおかげなのか。 「歴史」ってこんなにも面白いものなのか。コロナ禍での皮肉な気づき。

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2020/12/26

良書。 著者の本は相変わらず素晴らしい。歴史家として、社会に役立つためには何をすればよいか探求していることが伝わる。 ほんと沢山の伝染病に見舞われてきたことが分かる。当たり前のことなのだ。ただ、世界は変わってきたので時代にあった対策が必要だ。 隔離はどの時代でも有効な対策だ。栄養...

良書。 著者の本は相変わらず素晴らしい。歴史家として、社会に役立つためには何をすればよいか探求していることが伝わる。 ほんと沢山の伝染病に見舞われてきたことが分かる。当たり前のことなのだ。ただ、世界は変わってきたので時代にあった対策が必要だ。 隔離はどの時代でも有効な対策だ。栄養、体力を整えることも。

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2020/12/11

以前から、「一度(一冊)は磯田さんの本を読んでみたい」とは思っていたものの、通っている図書館ではなかなか巡り合わなかったのですが、今回、自分の興味にぴったりの本を見つけたので、借りて読んでみました。 この本を読んで、歴史を学ぶ意義とは、「過去を学ぶ」のではなく、「過去で学ぶ」あ...

以前から、「一度(一冊)は磯田さんの本を読んでみたい」とは思っていたものの、通っている図書館ではなかなか巡り合わなかったのですが、今回、自分の興味にぴったりの本を見つけたので、借りて読んでみました。 この本を読んで、歴史を学ぶ意義とは、「過去を学ぶ」のではなく、「過去で学ぶ」あるいは「過去から学ぶ」ことで、「未来を考える」ことにある、ということを強く感じました。 そういう意味では、この本の真骨頂は、「過去の日本の感染症の歴史から、2020年10月~12月にCOVID-19の第3波が起こる」と予想していること、そして実際に第3波がやってきたことにあると思います。 欲を言えば、第3波の可能性について、事前にもっと大きな声を上げることで、その訪れを防いでほしかったのですが、防いでいたらいたで、「第3波は来なかったじゃないか」という声も出そうなので、結果論を述べることの安易さに負けることなく、勇気をもって予測することは、よりよい未来を築くうえで、我々にとって大きな課題だと思いました。 以前読んだ、気候から歴史を考える本も面白かったですが、感染症から歴史を考えるのも面白いですね。 歴史をあまりに単純化するのは危険だと思いつつも、いろんな観点を手に入れる上で、ある切り口から歴史を学ぶことは非常に有用であることを、この本は、改めて気づかせてくれたと思います。

Posted byブクログ