1,800円以上の注文で送料無料

感染症の日本史 の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/06/25

コロナ前から「感染症の歴史」的な本は、数多くあっていろいろと読んできたのだが、コロナ以降は日本の感染症を扱った本が増えた。 ふだん古い時代を考えるとき、つい戦前と戦後、明治と江戸では断絶された世界のように感じがちだ(教科書の記述から受ける印象もそんな感じ)。 しかし、数々の日...

コロナ前から「感染症の歴史」的な本は、数多くあっていろいろと読んできたのだが、コロナ以降は日本の感染症を扱った本が増えた。 ふだん古い時代を考えるとき、つい戦前と戦後、明治と江戸では断絶された世界のように感じがちだ(教科書の記述から受ける印象もそんな感じ)。 しかし、数々の日本の感染症にまつわるエピソードを読むと、日本(人)の歴史は途切れることなくつながっていて、そして震災同様、日本人は忘れっぽい(教訓が生かせない)のだなあと改めて感じさせられた。政治や行政の対応が遅れがちなのも、今に始まった話じゃない。 と読んできて、、、 最後に、著者の師匠である、速水融氏のことを描いた章が登場する。正直、本書の趣旨とは少々ズレているような気がするのだが、実はこの章が一番の読みどころ。 数量史料を駆使する、速水史学の考え方、アプローチがコンパクトにかつ分かりやすくまとめられている。著者と速水氏の関係、速水氏が網野義彦氏、宮本常一氏について語ったくだり等々、読み物としても面白い。この章だけでも本書を手に取る価値がある……とは少々言い過ぎか。 ”積ん読”してある、速水氏の名著『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』も読みたくなった。

Posted byブクログ

2020/11/19

100年に1度はパンデミックがあって、今年はその年にあたるってことかなぁ。 100年前はスペイン風邪で、日本だけで45万人が亡くなったという。 コロナ騒動の初期(2020/4)において、 「接触8割減の徹底を」 北大教授、最大40万人超死亡 って、シミュレーションって格好つけ...

100年に1度はパンデミックがあって、今年はその年にあたるってことかなぁ。 100年前はスペイン風邪で、日本だけで45万人が亡くなったという。 コロナ騒動の初期(2020/4)において、 「接触8割減の徹底を」 北大教授、最大40万人超死亡 って、シミュレーションって格好つけてるけど、この数字じゃね? いずれにせよ、100年前や、もっと前の多くの記録が残っているようだが、本書を読むまで、全く知らされていなかった、、、というのは何が問題なんだろう?

Posted byブクログ

2020/10/18

2020/10/18 感染症の世界史の本を読んでから、いつか日本史バージョンも出るんだろうなーと思っていたら、やっぱりこの人の本が出てきたので読みました。 新型コロナウイルスが猛威を振るっている最中ではありますが、感染症の世界史の中でも、人類は感染症と常に戦ってきて、現在を生きて...

2020/10/18 感染症の世界史の本を読んでから、いつか日本史バージョンも出るんだろうなーと思っていたら、やっぱりこの人の本が出てきたので読みました。 新型コロナウイルスが猛威を振るっている最中ではありますが、感染症の世界史の中でも、人類は感染症と常に戦ってきて、現在を生きている人々はその感染症に打ち勝ってきた人々の子孫であると言うことを念頭において、じゃあ日本はどうだったんだろうかと、考えることができました。 皇室や軍隊でも昔から、同じように感染症の脅威が存在し、どのように対策を取っていたのか、現在と共通する部分、相違な部分、使えるところ、反省すべきところなどがこれを読むことで見えてくるのではないかと思います。 大正時代にスペイン風邪=インフルエンザが流行ったときに一般の人々はどのように行動していたのかという部分においてはまさに、現在の我々が学ぶべきところです。 当時の政治も感染症に大きく左右され、出来事が変わった背景には感染症の脅威が実はあったのだということは歴史を勉強する上で人間の行動を大きく変えることである以上もっと知っておくべきかなとも思います。

Posted byブクログ

2020/10/08

新型コロナウイルスが大流行している今を生きる自分たちは、「あと何ヶ月でワクチンができ、収束するのだろうか」や「今週は三連休だったので2週間後には感染者が増えているだろう」など、未来のことについて目を向けがちだ。しかし、未来を考えてもなるようにしかならない。そんな時は、歴史的にどん...

新型コロナウイルスが大流行している今を生きる自分たちは、「あと何ヶ月でワクチンができ、収束するのだろうか」や「今週は三連休だったので2週間後には感染者が増えているだろう」など、未来のことについて目を向けがちだ。しかし、未来を考えてもなるようにしかならない。そんな時は、歴史的にどんな感染症が流行り、そして自分たちの祖先たちはどのように乗り越えてきたのか、について知ることが大切だと思う。そんな私たちに、たくさんの感染症の前例、それに対する良い対策と悪い対策、などたくさんのことを教えてくれる一冊。さほど文量も多くなく読みやすかった。

Posted byブクログ

2020/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スペイン風邪のことは新型コロナが出てくるまでは、聞いたことがある程度だった。 ずっと100年前はどう対処してたのか興味があったので、拝読した。 昭和天皇も罹ってらしたとは知らなかった。 先人に学ぶことは沢山あるな……と。 そして徹底して文字の人であった永井荷風もすごい。寝込んでいても一行でも日記書くんだ……。

Posted byブクログ

2020/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

<目次> 第1章  人類史上最大の脅威 第2章  日本史のなかの感染症~世界一の「衛生観念」のルーツ 第3章  江戸のパンデミックを読み解く 第4章  はしかが歴史を動かした 第5章  感染の波は何度も襲来する~スペイン風邪百年の教訓 第6章  患者史のすすめ~京都女学生の「感染日記」 第7章  皇室も宰相も襲われた 第8章  文学者たちのスペイン風邪 第9章  歴史人口学は「命」の学問~わが師・速水融のことども <内容> 古文書の読み解きならぴか一の著者の本。ここでは師である、歴史人口学者・速水融氏の話も出てくる。歴史学はコロナウィルスの前に無策のように見えるが、コツコツと古文書や文献を読み解いていくと、この本のようにさまざまな教訓が見えてくる。それが今回のパンデミックでも役に立つ。みんなが知ったかをしゃべっているが、過去の教訓は重い言葉ばかりだ。そして、師の速水融氏の研究についても触れられている。この人の本は(『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』)などは読まねばならないだろう。

Posted byブクログ

2020/08/25

【生命、安全に直結する歴史の教えとは?】人類史上、最大の脅威はつねに感染症だった。史料から貴重な教訓を発掘、未来に活かす歴史的思考法を示す。

Posted byブクログ