沖晴くんの涙を殺して の商品レビュー
喜び以外の感情を失う事は人間らしさを失う事だと思った。 京香と出会った事で沖晴くんに色んな感情が戻ったけど、それはそれで辛そうだった。 どうしたって生きている限り生活は続く。 京香が亡くなってからの沖晴くんの人生は素敵だと思った。 産後メンタルなら泣けるかなと思っていたけど泣けず...
喜び以外の感情を失う事は人間らしさを失う事だと思った。 京香と出会った事で沖晴くんに色んな感情が戻ったけど、それはそれで辛そうだった。 どうしたって生きている限り生活は続く。 京香が亡くなってからの沖晴くんの人生は素敵だと思った。 産後メンタルなら泣けるかなと思っていたけど泣けず…笑
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「死神は呪いをかける。志津川沖晴は笑う。」 いつも笑っている。 生死を彷徨っている時に取引を申し込まれたら、多くの人が条件を適当に聞き流して願ってしまうだろうな。 「死神は嵐を呼ぶ。志津川沖晴は嫌悪する。」 突然感じたことは。 何も知らない子供のような優しさだったのかもしれない...
「死神は呪いをかける。志津川沖晴は笑う。」 いつも笑っている。 生死を彷徨っている時に取引を申し込まれたら、多くの人が条件を適当に聞き流して願ってしまうだろうな。 「死神は嵐を呼ぶ。志津川沖晴は嫌悪する。」 突然感じたことは。 何も知らない子供のような優しさだったのかもしれないが、周囲から見れば異常なことにしか見えないだろ。 「死神は命を刈る。志津川沖晴は怒る。」 広まっていく噂話。 護りたい気持ちが先行してしまっているのだろうが、全ての情報を知らない他人が口出しするのは違うだろ。 「死神は連れてくる。志津川沖晴は泣く。」 戻ってきていない。 何も感じなかった期間が長ければ長いほど、取り戻した時に溢れてきた気持ちを止めることは不可能だろう。 「死神は弄ぶ。志津川沖晴は恐怖する。」 失う悲しみを知る。 全てを思い出してしまったからこそ、相手の気持ちを考えるよりも先に自分の気持ちを優先したのだろうな。 「踊場京香は呪いをかける。志津川沖晴は歌う。」 乗り越えて生きる。 一生癒えることはない傷になるかもしれないが、それでも向き合うことが出来たのならば大丈夫なのかもな。 「死神の入道雲」 失った日に産まれ。 話すどころか会うことすら出来ないことを、時間はかかってしまったが受け入れることが出来たのだろうな。
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男女の大切な存在、そして片方が病気になって亡くなるお話し、予定調和で感動を誘うストーリーは結構ある。そういうお涙頂戴の読書は途中で止めてしまう。今回作者は感動を誘うことなく、喜び、悲しみ、怒り、嫌悪、恐れを登場人物の心情にぶつけ、隠さず描写した。さらに「死」というある意味「格好悪い様」を逃げずに読者に伝えた。自分の将来の「死」へのリアリティある姿に投影することに成功したんだと思う。なので、久しぶりに涙が溢れた。男性主人公の東日本大震災での喪失体験、PTSD、さらに大切な人の死。でも、生きるしかないんだ!⑤
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東北大震災で家族を失い一人ぼっちになった沖晴。孤独な彼に残されたのは「喜び」という感情。大切な人ができた時、沖晴はさまざま感情を取り戻して強くなっていく。ネガティブな感情も生きていくには必要なものかもしれない。「死」と「生」そして人とのつながり。悲しくて切なくも、人の温かさが伝わ...
東北大震災で家族を失い一人ぼっちになった沖晴。孤独な彼に残されたのは「喜び」という感情。大切な人ができた時、沖晴はさまざま感情を取り戻して強くなっていく。ネガティブな感情も生きていくには必要なものかもしれない。「死」と「生」そして人とのつながり。悲しくて切なくも、人の温かさが伝わる。
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震災をきっかけに喜び以外の感情を失くした"沖晴"と、余命一年と診断されて故郷に戻ってきた元音楽教師の"京香"の関わりを描いた恋愛小説のような小説。 余命幾ばくもないヒロインという設定はありがちだが、そこに感情をなくした相手役という設定が組み合わさり、面白かった。 読みやすかった。
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大震災で自分だけが生き残り、喜び以外の当たり前の感情を失った高校生の沖晴は、坂と階段ばかりの小さな町の港で、余命1年の宣告を受けて故郷に帰ってきた京香と出会う。 自分を助けにきたせいで家族が亡くなってしまった。泣く事も怒る事も忘れた沖晴。 死にゆく京香とともに、さらに京香の死を乗...
大震災で自分だけが生き残り、喜び以外の当たり前の感情を失った高校生の沖晴は、坂と階段ばかりの小さな町の港で、余命1年の宣告を受けて故郷に帰ってきた京香と出会う。 自分を助けにきたせいで家族が亡くなってしまった。泣く事も怒る事も忘れた沖晴。 死にゆく京香とともに、さらに京香の死を乗り越えて、沖晴は生きる力、感情を取り戻していく。 運命とか、罰とか関係ない。人は理由なく死んでいく。単純なことなんだが深い。永遠のテーマであろう。
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沖晴と踊場京香を中心としたライトノベルにありそうなお話ですが、額賀さんなので、それなりに読ませてもらえました。
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乳がんで余命1年の京香と、震災で家族を亡くした沖晴くんの物語。舞台は尾道あたりかなと思ったら、そうらしい。坂の風景が美しい町を想像して。 一つずつ感情を取り戻していく沖晴くんの様子は、読んでいてとても苦しい。それを見守り、ときに自分の死や母の最期についても考える京香。 震災を扱...
乳がんで余命1年の京香と、震災で家族を亡くした沖晴くんの物語。舞台は尾道あたりかなと思ったら、そうらしい。坂の風景が美しい町を想像して。 一つずつ感情を取り戻していく沖晴くんの様子は、読んでいてとても苦しい。それを見守り、ときに自分の死や母の最期についても考える京香。 震災を扱った小説は他にも読んだけれど、なんだろう、この作品はすごく心に沁みるというか。受け止め役がこの境遇なのが効いているのか。沖晴くんと一緒に、夜中にぼろぼろ泣いてしまった。 死神については、まぁそこは重要ではないというか、幻かもと思っていていいような気がする。 最終章で、その後の沖晴くんを見られたのも、よかったな。 沖晴くんの話をメインに置いてはいるけれど、京香の生き方も素敵だし、おばあさんもすごく魅力的。 カフェおどりば、通いたい。沖晴くんのお弁当も、毎回美味しそう。 「人は、特に理由もなく死ぬの。むしろ生きてる方が凄いんだよ。私達って、きっと、運よく、死んでないだけなんだよ」 という台詞で、意図するところは違うんだけれど、今自分が生きていることって奇跡なんだなと思わされた。 「最高の感涙小説」というキャッチコピーや評判は知らずに、たまたま見つけて読んだものだったけど、とてもいい小説だった。
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命について考えされられますね。 ただ死神とか設定が強引過ぎるように感じました。 泣かせようとし過ぎかな。 無理しなくても充分泣けるのに。
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生きていくために必要なものはなんだろう。生きている人たちすべてが大小様々に何かを背負い、それを、隠して日々を過ごしていて。誰かのことを思って生きるって難しい。生きていること自体が幸せで苦しくて愛しいものだと、なんとなく読み終えて感じました。
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