ナイルに死す 新訳版 の商品レビュー

アガサ・クリスティ(著者),黒原敏行(訳者)

2023/03/08

　最初の被害者でるまでかなり長い、が痴情のもつれからはじまるこじれた関係はなかなかに読ませる。このまま続いても良さそうだが、ポワロがいる以上殺人事件がはじまってしまう。
　どいつもこいつもなかなかの曲者、誰もが秘密を抱え、容疑者になりたくない一心で隠し事をする。それを一つ一つ紐解いていくのはやっぱり面白い。
　そして一番気に入ってるのは、ポワロのどこか乾いてるというか謎が解け裁きがあればソレでいいといった態度。面倒くさい性格して、どこでも入り込んで行くくせに、事件の顛末についてはどこかカラッとしてるのが不気味で好きだ

2023/02/06

久しぶりにミステリー小説を読んで元気が出た！
このページ数、この登場人物の人数で何故こんなに面白いのか！
映画を先に観てしまったので犯人は分かっていたが、それでもちゃんと振り回してくれる。
何がなんでもロマンスを入れるぞ！というクリスティの心意気が伝わってくる人間関係の結末には思わずにっこりしてしまった。

2022/12/18

ルネットを太陽、ジャクリーンを月と例えていたけども。最後まで読んで、犯人と動機を知った上で改めて例えを見ると、「サイモンは、ルネットを、ジャクリーンを照らす光源程度にしか思ってなかったのでは？」と思わされるなどと。

2022/11/06

美貌の資産家リネットと夫サイモンのエジプトでのハネムーンに暗雲が垂れこめていた。サイモンのかつての婚約者が銃を隠し二人を付け回しているのだ。不穏な緊張感が高まるなか、ナイル川をさかのぼる豪華客船上に一発の銃声が轟く。それは嫉妬ゆえの凶行か？船に乗り合わせたポアロが暴き出す意外な真相とは？

次々と起こる殺人事件。伏線が本当に見事で惚れ惚れする回収の仕方でした。完全にミスリードされたなあ。オリエント急行同様、豪華客船という密室で繰り広げられる人間劇にはわくわくした。登場人物が多いので最初は混乱しましたが、それぞれのキャラクターがつかめると非常に会話が面白い。本筋には関係ありませんでしたが、自分を平凡だと感じているも満足している女性が共産主義者から球根されて、結果違う人と結婚するまでの流れなんて、スカイラー夫人の反応も含めてこれぞ皮肉のきいたイギリスって感じ。人間関係や損得を交えた交流関係を書くのがクリスティの魅力だと思います。映画も見たくなってきた。

2022/09/03

ポアロもの。
トリック自体が複雑怪奇でなく、丁度よい感じに落ち着いているので、読みやすく、また理解しやすく、ミステリーとして見た時に良い作品であったと思う。

2022/08/07

最初の展開がゆっくりのため、読み終えるのに時間がかかった。
登場人物の把握が難しかった。
最後は展開が早くてすぐに読み切れた。

2022/07/21

ミステリー、旅行記、恋愛など様々な要素があって華やかな印象がある。実写化されてきたのもうなづける。
ストーリーはシンプルというか王道。
エジプト旅行に行きたくなる一冊。

2022/07/07

映画「ナイル殺人事件」を見て原作を手にとった。映画では登場人物の錯綜に不完全燃焼で、小説でも登場人物の記されたページと行きつ戻りつこの長編を読み進めた。解説にあるように前半に細かな伏線が張られているのを読み流した。まだまだ推理小説には馴染まないようだ。機会があったらもう一度映画を観ることにしよう。2022.7.7

2022/06/27

終わり方が儚くて美しくて好きです。

全体を通して愛がテーマになってて、やっぱミステリーの中で恋愛ってすごい重要な要素になるなと思いました（反抗の動機という意味で）。

登場人物多くて大変だったけど、どのキャラクターも個性的だし、魅力的！

ナイル川という舞台も、なんだかすこしだけ雰囲気を不気味にしててワクワク

2022/06/03

『ナイルに死す』はエジプトを訪れ、帰国してからその時の記憶に思いを馳せながら描いた作品だと、アガサ本人が述べている。海外を舞台にした作品だと “best”な出来栄えだという。

「ナイル川に死す」という映画が出ていて、あまり評判が良くないようだった。そのため、映画ではなく、小説の方を実際に手に取った次第である。

推理小説は自分で犯人を推察するタイプの人間ではないし、推理ドラマ、探偵ものを見ていて、「逆にこいつが怪しい」とか「やっぱりこいつかぁー」とか最初からわかっていたかのような口調で、横から茶々を入れてくる奴はむしろ嫌いなのだが、今回は犯人がなんとなくわかってしまった。愚痴がついこぼれてしまいました。失礼。

設定、ロマンス具合がなんとも絶妙。