深夜特急 新版(6) の商品レビュー
ついにヨーロッパに入り、旅もラストスパート。イタリアスペインポルトガルからのパリロンドン。ポルトガルの岬サグレスで旅を終える決意をした著者は、一気にロンドンまで進むが、ラストにもちゃんとオチあり。ロンドン中央郵便局から送るはずの、「我、到着せり」は、公衆電話からの「我、到着せず」...
ついにヨーロッパに入り、旅もラストスパート。イタリアスペインポルトガルからのパリロンドン。ポルトガルの岬サグレスで旅を終える決意をした著者は、一気にロンドンまで進むが、ラストにもちゃんとオチあり。ロンドン中央郵便局から送るはずの、「我、到着せり」は、公衆電話からの「我、到着せず」となる。 そこで終わるが、サクッと帰国したのかな? 帰国する時どんな気持ちなのかな? 帰国してまず何を食べたかな? まだまだこちらは気になるところもあるけれど、いつかポルトガルのサグレスにも行ってみたい。 あとパリで牡蠣と白ワインもやってみたい。 しかしラストが物価の高いヨーロッパになるこのルートは、なかなかお金の管理が難しいですな。
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ヨーロッパはやっぱり退屈。ただ度の終着点がロンドンではなく何となく行ったユーラシアの端であるポルトガルの小さな田舎町であるサグレス。そこで好意により止めてもらった民泊で見た朝焼けに衝撃を受けて度の終わりを決意するシーンは最高だった。いつか絶対いく
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初めて日本以外の海外を意識した瞬間というのは人によって大きく違うだろう。一般論的に言えば、海外を旅する、というのがその瞬間の王道であると思う。しかしながら、直接旅をしなかったとしても間接的に海外、ひいては世界を意識するというのは可能でもある。 私自身にとって海外を意識したのは、...
初めて日本以外の海外を意識した瞬間というのは人によって大きく違うだろう。一般論的に言えば、海外を旅する、というのがその瞬間の王道であると思う。しかしながら、直接旅をしなかったとしても間接的に海外、ひいては世界を意識するというのは可能でもある。 私自身にとって海外を意識したのは、大沢たかおが主演する本書のドラマ版であった。というのも、高校1年生のとき、必修の地理の授業で教師が授業時間を使ってこのドラマの映像を流してくれたからである。とはいえ、全体のストーリーなどは忘れてしまっていて、強烈に印象に残っているのは冒頭の香港の猥雑なシーンくらいなのではあるが(ただし、それは大学生になって初めての海外旅行で香港を訪れ、深夜特急にも出てくるチョンキンマンションに滞在した、という影響も大きいかもしれない)。 高校1年生のときから、四半世紀の年齢を重ねた今、ロバートキャパの一連のノンフィクション等で著者の作品を読んではいるものの、その原点たる本書を読んでいなかったということで、5月の連休を利用して一気に読んだ次第。 広い意味では旅行記という括りになるだろうが、実際にユーラシア横断の旅をしてから、かなりの年月を経て本書が執筆されたという経緯もあるのだろうが、単なる事実や時系列の積み重ねには堕しないストーリーテリングの才に満ち溢れている。そして本書を読むことで強い旅情を誘われるのは、やはり本書の持つ高いエネルギーの力に他ならない。
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南ヨーロッパ・ロンドンの旅。いよいよ終わる、そんな感覚と終わりたくないという感覚。旅に出ると感じる相反する二つの感情が、一気に湧き上がってくる最終巻。同じように読者も、終わってしまうことへの寂しさと安堵感を共にしていったことだろう。これを読んだ大学生の当時は、ヨーロッパはつまらん...
南ヨーロッパ・ロンドンの旅。いよいよ終わる、そんな感覚と終わりたくないという感覚。旅に出ると感じる相反する二つの感情が、一気に湧き上がってくる最終巻。同じように読者も、終わってしまうことへの寂しさと安堵感を共にしていったことだろう。これを読んだ大学生の当時は、ヨーロッパはつまらんなという感想だった。何度か出てくる、スリルやドラマが起こらないからだ。イタリアでも、スペインでも、要すればある一定の生活レベルが存在しているために、旅人に対しての特別な意識がないからである。NY編とかもつまらないんだろうな、なんせサプライズが起きにくいのだから。そして、旅に出ようと決めた瞬間だった。親友と森戸海岸にバイクで行って、俺世界旅行してこようと思う。と言った。いいね、俺も行くわと。結局アジアを一緒に旅した。 旅の終わりに出会った人たちや体験してきたことを総まとめにするように、物語をとじていく。最初にやった大小を思い出しつつ、結局やらなかったモナコのカジノの話など、色々あったことを改めて思い出すことになる。 この小説の色褪せないところは、異国の地のドキドキ感とトラブルを楽しみながらすすむ感じは、変わらないからだ。いつの頃からか、守るものがあったり、仕事があったりで、海外に行くのは面倒だし、危険だしやめておこうなんて思うようになったらおしまいだ。Be a Traveller。自分が変わらない限り。今でこそ、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、サウジアラビア、ドバイ、モロッコ、アメリカ、中国などなど、とにかくいろんな国に行ったけれど、沢木耕太郎さんのもつ文章と味わい深い旅の香り、そこで勇気をもらって旅に出ることができたことに感謝しかない。
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年末年始で一気読み。 終わってしまった。。旅は終わってないみたいだけど。 こんな自由な生き方があっていいんだと、自分自身の頭の硬さをほぐしてもらったような、1,200ページの素晴らしい体験でした。アイスランド行ってみたい。
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深夜特急6.沢木耕太郎 モナコのカジノに吸い寄せられ南仏の旅へ、港町の美しい情景が感じられる。しかし、お決まりの寄り道をしてイベリア半島へ突入してしまう。終着点サグレスで、ポルトガルが"C"の国であると気づき満足感を見せる。クライマックスはロンドンであるが、本...
深夜特急6.沢木耕太郎 モナコのカジノに吸い寄せられ南仏の旅へ、港町の美しい情景が感じられる。しかし、お決まりの寄り道をしてイベリア半島へ突入してしまう。終着点サグレスで、ポルトガルが"C"の国であると気づき満足感を見せる。クライマックスはロンドンであるが、本来のゴールがみつからず、、
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
6巻を読み終えて、風景も心理描写もまるで自分の体験かのように感じ、好きな作品であると再確認させられました。 書きたいことはたくさんありますが、まとめると人も街も「生きている」からこそ、何が起こるか予測のできないものであり、面白く、魅力を感じるものなのだろうと。つまりそれは、この旅の中で筆者が強く惹きつけられたカジノであり、またここまでのゴールの見えなかった旅自体であるのだろうと感じました。
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文庫版の「深夜特急」の最終巻となる第6集。ヨーロッパ内を移動する旅。ギリシャから船でイタリアのプリンディッシに移動し、そこからは陸路での移動。ローマ、フィレンツエ、モナコ、マルセイユ、バルセロナ、バレンシア、マドリッド、リスボン、パリ、ロンドン等、私自身も行ったことがある場所が多...
文庫版の「深夜特急」の最終巻となる第6集。ヨーロッパ内を移動する旅。ギリシャから船でイタリアのプリンディッシに移動し、そこからは陸路での移動。ローマ、フィレンツエ、モナコ、マルセイユ、バルセロナ、バレンシア、マドリッド、リスボン、パリ、ロンドン等、私自身も行ったことがある場所が多くなってくる。これまでの旅のような大きなトラブルはヨーロッパでは起きず、順調に旅は続いていく。 第6集では、どこで旅を切り上げるかが沢木耕太郎にとって大きなテーマとなっていく。香港から始まった旅、一応、目的地はロンドンと決めているが、ロンドンに行き、旅を切り上げる決心がなかなかつかない。ポルトガルでいったん旅を切り上げる決心をして、パリ経由でロンドンに行くが、結局、もう少し旅を続けることにしたところで、「深夜特急」は完結する。 「深夜特急」を読み返すのは、何度目になるか分からない。5-6回は全体を読んでいると思う。私は、1度読んだ本を読み返すタイプの人間ではない。5-6回読んだ本は「深夜特急」だけだし、読み返すこと自体が珍しい。 この本を、最初に読んだのは、おおよそ30年以上前。こんな旅の仕方があるのだ、ということに驚きながら、また、各地で沢木耕太郎が巻き込まれる出来事や、あるいは、各地の様子等が面白くて、息もつかずに読んだことを記憶している。2度目以降は、筋は頭の中に入っているので、描かれている旅自体に新鮮な驚きはない。それでも、読み返すのは、私自身が、ここに描かれているようなこと、「このようなことをしてみたい」と思っており、自分自身をこの物語に投影しているからだろう。 でも、「このようなこと」ってどんなことだろう?ひとつは、日常から離れて、自由気ままに旅をすることだ。それは、「男はつらいよ」の寅さん的な生き方に憧れる気持ちに近い。もう一つは、自分自身の想像の及ばない世界を経験してみたい、ということだ。あらゆる意味で「遠くに行く」旅をしてみたい、ということだ。「深夜特急」の中で、沢木耕太郎は、旅を続けていくにつれ、旅に飽きてしまう部分が出てくる。そのことを、作品中に書いているが、そのようなこと自体も、「遠くに行く」「想像もつかない経験」のひとつになり得ると思うので、読み返しても面白く読んでいるのだろうと思う。
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良かった。その国々の様子も、作者の心境の変化もいい感じに主観と客観が織り混じっていておもしろかったし、文体も自然で読みやすかった。旅行行きたい。
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少しずつ読み進めていた『深夜特急』、ついに完結。 狂騒の香港や、衝撃のインドの巻も良かったけれど、街の美しさに素直に感動している最終巻の穏やかさも意外に好みだった。 旅も終盤を迎え、一周回って「外国ってわからない」「ほんとにわかっているのは、わからないということだけかもしれないな...
少しずつ読み進めていた『深夜特急』、ついに完結。 狂騒の香港や、衝撃のインドの巻も良かったけれど、街の美しさに素直に感動している最終巻の穏やかさも意外に好みだった。 旅も終盤を迎え、一周回って「外国ってわからない」「ほんとにわかっているのは、わからないということだけかもしれないな」という境地に達する著者。 みんながその認識でいれば、戦争なんて起こらないのに、と今の情勢に思いを巡らせずにはいられない。
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