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インビジブル の商品レビュー

3.8

70件のお客様レビュー

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2021/02/10

この作品にも「時代」と「立場」を考えさせられた。終戦後のカンジはよくでているし丁寧な描写にサクサク読めたが肝心の事件の構図には「なんで」という違和感が残った。

Posted byブクログ

2021/02/06

 昭和29年の大阪で起きた連続殺人事件。戦後の混乱と貧しさから未だに抜け出せずにいる人々や世相を背景に、中卒叩き上げの若手と国警から派遣された帝大卒エリートがコンビを組んで事件の真相に迫ります。  2人のキャラがたち、歴史的背景の描写が素晴らしい。警察機構の仕組み、社会事情など読...

 昭和29年の大阪で起きた連続殺人事件。戦後の混乱と貧しさから未だに抜け出せずにいる人々や世相を背景に、中卒叩き上げの若手と国警から派遣された帝大卒エリートがコンビを組んで事件の真相に迫ります。  2人のキャラがたち、歴史的背景の描写が素晴らしい。警察機構の仕組み、社会事情など読み応えのある内容でした。

Posted byブクログ

2021/02/06

まだ戦後間もない昭和29年。大阪で、政治家の秘書殺しに端を発する連続殺人事件が起き、大阪市警視庁の新米巡査と国警のエリートキャリア警部補がコンビを組んで捜査に当たることに。捜査が進むにつれて、戦争にまつわる悲劇と、裏に隠された大掛かりな犯罪が明らかになっていく。 最初は全くちぐ...

まだ戦後間もない昭和29年。大阪で、政治家の秘書殺しに端を発する連続殺人事件が起き、大阪市警視庁の新米巡査と国警のエリートキャリア警部補がコンビを組んで捜査に当たることに。捜査が進むにつれて、戦争にまつわる悲劇と、裏に隠された大掛かりな犯罪が明らかになっていく。 最初は全くちぐはぐだった二人が、徐々にお互いを認めあっていく姿が面白い。戦争の跡が色濃い大阪の風景もよく描かれていて、当時の市井の雰囲気もよく伝わって来た。是非続編を書いてもらいたい。

Posted byブクログ

2021/02/05

一人称が不明の独言で幕を開け、前半にふと通り過ぎた影の薄いキャラが終盤に… という展開・・・ 誉田哲也さん、そして東野圭吾さんの影響を色濃く感じた。 読み応えもあり、結構楽しめた。 昭和29年に行われた警察機構の大改変… すなわち、 民主警察を標榜し戦後に施行された、 ...

一人称が不明の独言で幕を開け、前半にふと通り過ぎた影の薄いキャラが終盤に… という展開・・・ 誉田哲也さん、そして東野圭吾さんの影響を色濃く感じた。 読み応えもあり、結構楽しめた。 昭和29年に行われた警察機構の大改変… すなわち、 民主警察を標榜し戦後に施行された、 警察法に依る「自治警」と「国警」の二本立てから、再び「国警」への一本化へ… そのカオスの中起こった連続殺人事件… 「三十八度線」と呼ばれる大阪の無法地帯で、一人の代議士秘書の刺殺体が発見された事に端を発し、右翼団体代表の轢死、そしてチンピラ風の男の溺死と続いた事件は、遺体の頭部を覆っていた麻袋から同一犯の可能性が高まる。 戦争によって母親を失い、その戦争で障害を背負いアル中もどきの疫病神と化した元船乗りの父親と、何故か不平も言わずその父の面倒を見る世話焼きの姉と暮らす、 大阪警視庁の刑事・新城。 そして、 「国警」から派遣された帝大卒のエリート官僚…でありながら、曰く付きの過去を持つ男・守屋の二人がバディを組み、衝突を繰り返しながら捜査を進める中でお互いを尊重して行く。 そして、 事件解明の過程で見えてくる、 背後に横たわる余りにも大きな悪の構造… 戦争が絶対に無くならない理由… お約束といえる錬金の構図

Posted byブクログ

2021/02/02

途中までは会話でテンポよく展開してく箇所が多かったイメージ。戦後の混乱や大阪人の人柄?特性?で世界観が出来上がっていて読みやすい。 最初はなんだよこの親父って思っていた主人公の父親も物語が進むにつれて時代背景や想像できる経験などからなりたくてそうなったのではないことを理解できた。...

途中までは会話でテンポよく展開してく箇所が多かったイメージ。戦後の混乱や大阪人の人柄?特性?で世界観が出来上がっていて読みやすい。 最初はなんだよこの親父って思っていた主人公の父親も物語が進むにつれて時代背景や想像できる経験などからなりたくてそうなったのではないことを理解できた。(このあたりは読者と主人公が同じ感情になっていく、リアルに感情移入できる箇所。読書してても滅多にないかんじ。

Posted byブクログ

2021/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦後の大阪に実在したという警視庁を舞台にした物語。真面目で堅物なエリート官僚刑事と青臭い若手刑事が最初はぶつかり合いながらも、次第にお互いの認め合い、犯人に迫っていくという、刑事物の定番中の定番とも言えるストーリーで、気持ち良く楽しめる。犯人目線で描かれる満州のアヘン栽培を発端とする一連の連続殺人事件も見応えがある。物語の舞台設計が絶妙だと感じた。ただしミステリーと言えるほどの、トリックも大どんでん返しもない。

Posted byブクログ

2021/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自治体警察は我がまちにも市警があったと教わったけど、大阪市に「もうひとつの警視庁」の呼称があったのか。国警官僚・守屋と大阪自治警の若手・新城を組ませて奇怪な連続殺人事件、それも政治絡みのヤマに充てる。守屋はとっても冷静で理論派なのに、聞屋はもちろん市民にまでオイコラ調ってのが傑作だ。こうした威圧的、高圧的な警官はさすがにもういないか。今や他の組織でも、部下にさえヘイコラだし。サスペンスとしてはさもありなんの凡庸な展開ながら、当時の大阪の泥臭いイメージと人間模様が浮かぶようだ。北野は退治されてもよかったぞ。

Posted byブクログ

2021/01/25

まだ警察が国家地方警察(国警)と自治体警察が存在していた時代の大阪で、殺人事件が発生。最初の被害者は三十八度線の空き地で死体が発見された宮益(北野衆議院議員の秘書)。次に、国鉄線路上で轢死体で発見された政治団体代表の仁科。そして、水死体で見つかった菅沼の三人。関係者は北野議員との...

まだ警察が国家地方警察(国警)と自治体警察が存在していた時代の大阪で、殺人事件が発生。最初の被害者は三十八度線の空き地で死体が発見された宮益(北野衆議院議員の秘書)。次に、国鉄線路上で轢死体で発見された政治団体代表の仁科。そして、水死体で見つかった菅沼の三人。関係者は北野議員とのつながりから政治テロルのセンで捜査をする。 捜査をするのは、大阪市警視庁東署の新城巡査と国警から来た守屋警部補の二人が中心となる。それぞれ考え方が違う組織で、ぎくしゃくしながらも刑事の矜持で捜査をする。一方、戦中に満州に渡った“俺”の物語も並行して進む。事件と“俺”との関係がなかなかリンクしてこない中、最後には新城や守屋の前に“俺”が登場する。ミステリなんだけど、犯人を推理するより戦後の混乱期を知り、当時の闇を生々しく知ることができた。

Posted byブクログ

2021/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昭和29年、大阪での連続殺人事件の裏に見え隠れする戦争の痛手。 満州開拓、汚職、アヘン栽培そして被疑者死亡へ至るまでの流れ。 二人の刑事の熱意が暗く痛ましい時代背景の中、鋭い輝きを持っている。 だけど、きっかけが無ければ読むべき本ではなかったのかも。私自身の感想としては。

Posted byブクログ

2021/01/11

第164回直木賞の候補作で、坂上泉さんの2作目。第二次世界大戦後の大阪で起こった猟奇殺人事件の謎に、中卒叩き上げと帝大卒エリートの二人の刑事のバディが迫る警察小説。 前半は中国の満州ターンもあり、戦後の人種の坩堝となった大阪の街が没入感MAXの凄まじいリアリティで描かれている。最...

第164回直木賞の候補作で、坂上泉さんの2作目。第二次世界大戦後の大阪で起こった猟奇殺人事件の謎に、中卒叩き上げと帝大卒エリートの二人の刑事のバディが迫る警察小説。 前半は中国の満州ターンもあり、戦後の人種の坩堝となった大阪の街が没入感MAXの凄まじいリアリティで描かれている。最初は見えない犯人の正体がじわじわ判明していくのが面白いし、警察内部の抗争や警察とマスコミとの戦後ならではの関係性など、現代の警察小説とはちょっと違う感じで新鮮だった。

Posted byブクログ