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インビジブル の商品レビュー

3.8

70件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2021/09/22

満州開拓団時代の物語りから戦後になり、自治警察である大阪警視庁と国警の警備部の警察官二人を主人公に殺しの手口が似た三件の殺人事件の謎を解き明かして行く話し。戦後の混乱していた世相や荒ぽささらに大阪の猥雑さが重なり、どす黒い黒を感じながら読み終えました。力作だと思いますが、あっと驚...

満州開拓団時代の物語りから戦後になり、自治警察である大阪警視庁と国警の警備部の警察官二人を主人公に殺しの手口が似た三件の殺人事件の謎を解き明かして行く話し。戦後の混乱していた世相や荒ぽささらに大阪の猥雑さが重なり、どす黒い黒を感じながら読み終えました。力作だと思いますが、あっと驚く様なストーリーでもなく、主人公や他の登場人物に引き込まれる様な描写が欲しい、もっと筆を入れて欲しいと思いました。

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2021/08/26

08月-20。3.5点。 戦後すぐの大阪で、麻袋を頭に被さられ殺害される連続殺人が。東大卒の刑事と中卒新米刑事が、コンビを組んで解決にあたる。 戦後の混乱と、警察官同士の軋轢、犯人の憎悪がよく描写されている。結構面白かった。

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2021/08/03

戦後の大阪が舞台。 警察体制も変換期で、事件の真相を負いつつも、それぞれの立場での駆け引きが行われているのだが、ごちゃごちゃしてしまい、誰がどの機関なのかがわからなくなってしまう。 登場人物・警察機関の一覧が欲しかった。

Posted byブクログ

2021/07/31

戦争の傷跡の残る昭和29年の大阪を舞台に、当時GHQ主導のもと存在した自治警「大阪市警察庁」と国警の刑事たちが活躍する、クライム小説。インビジブルは、当時の時代が葬り去ろうとした満州移民の人たちのこと。存在を公にしないものの怒りから生み出される執念の犯罪に、自治警と国警の2人の刑...

戦争の傷跡の残る昭和29年の大阪を舞台に、当時GHQ主導のもと存在した自治警「大阪市警察庁」と国警の刑事たちが活躍する、クライム小説。インビジブルは、当時の時代が葬り去ろうとした満州移民の人たちのこと。存在を公にしないものの怒りから生み出される執念の犯罪に、自治警と国警の2人の刑事が迫っていく。戦後の怪しげな匂いが感じ取られるような筆致と、2人の刑事のバディ・ムービー的な要素が、とても面白かった。登場人物が続々と出すぎてメモしないと覚えられなかったけど、読み応えありました。

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2021/07/14
  • ネタバレ

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確かに多くの満州引き上げは美化された話ばかりで (ケシ栽培で儲けた人が身分証を戦争を機に変え国会議員や要職でなりあがっていく という仮説は さもありなん ただ守谷や新城たちの刑事としてのルールというか どの部分を警察小説を謳っているの??となった 戦後の苦しい中の一握の砂だけは見えた

Posted byブクログ

2021/07/05

終戦直後の大阪がメイン舞台。 混乱に紛れてなんでもあり感が伝わってドキドキしてくる。 戦時中の満洲がひんぱんに描かれていますので、誰かと繋がるのだなとわかってしまいます。ミステリというより、どう決着させるかが楽しむポイントでした。

Posted byブクログ

2021/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書備忘録591号。 ★★★★。 戦後間もない大阪を舞台にした警察小説。 舞台がちょうど中之島あたりだったのでちょっと親近感あり。 戦後米国統治時代の警察は、国警と自治警に分かれておりその確執が面白さを増す。 昭和29年、衆議院議員の秘書が、頭に麻袋を被せられた刺殺体として発見されたことに端を発する連続殺人事件。 ストーリーは、連続殺人事件の捜査と、戦中満州国開拓団で満州に渡り、ある植物を栽培することで当時としては裕福な暮らしをしたある男の物語が交互に語られる。 連続殺人事件は、大阪市警視庁の新米デカ新城が大阪府警察本部から派遣されたエリート警部補守屋と共に捜査を進めるがなかなか有力な手掛かりが得られない。 満州ストーリーは戦局の悪化、そしてソ連の侵攻と敗戦。地獄の捕虜生活を経て祖国に。 そして連続殺人事件と、満州開拓団の私怨が徐々に結び付いていく・・・。 そうです。満州で栽培していた植物はケシ。要するにアヘンです。戦時に必須だったモルヒネの原材料で、覚せい剤の原材料でもある。 満州で戦局の悪化に伴い組織の幹部に見捨てられ、妻と娘を失った男が、戦後、政治裏金の為に国内で覚せい剤という形に変えて同じ構造の悪事を働く満州開拓団幹部に復讐を果たすという連続殺人。 人物描写も良くできていて感情移入してしまいます。 電話も数少なく、警邏車両も数少ない。SLも活躍していている時代描写も良い感じでした。

Posted byブクログ

2021/06/22

「インビジブル」=目に見えない、つまり見えざる者ということだろうか。そこにいるのに、視覚としては認識しているのに見えていない。いてもいなくても同じ、というような。 昭和29年の大阪を舞台にした警察物。警察小説は好きで結構読んできたが、この作品では知らないことが多くて興味深い内容...

「インビジブル」=目に見えない、つまり見えざる者ということだろうか。そこにいるのに、視覚としては認識しているのに見えていない。いてもいなくても同じ、というような。 昭和29年の大阪を舞台にした警察物。警察小説は好きで結構読んできたが、この作品では知らないことが多くて興味深い内容だった。 国家地方警察(略して国警)と自治体警察(略して自治警)との合体の議論が行われている最中に起きた事件。代議士・北野の秘書、政治団体のリーダーが頭に麻袋を被せられて殺される。 個人的な怨恨なのか、それとも『政治テロル』なのか分からない中で、国警警備部から守屋警部補が派遣される。守屋と組むことになったのは大阪市警視庁東警察署の若手刑事・新城。 互いに違う立ち位置、捜査手法で挑むので時にぶつかり合うことや戸惑うこともありつつ、次第に良きバディとなっていく。 ミステリーとしてはそう複雑ではない。各話の冒頭に挟まれる満州のシーンの語り手が誰なのかを考えながら読めば大体の構図は見えてくる。 しかしそれよりも戦中・終戦直後の日本や日本を取り巻く環境にこれほど麻薬あるいは覚醒剤が関係していたとは改めて驚く。知識としては知っていても実際に物語として読むと深く突き刺さる。 しかしこの当時は当然のものとしてあった。薬局でも買えるほど手軽なものであり、それを作る者、原料を栽培する者など、その恩恵に預かる者もたくさんいた。これが何か人に悪い影響を与えるものだと分かっていても、それしか稼ぐ手段がなければそれに縋るしかない。そしてそんな人たちを見えざる者として使い捨てしていた者が多数いた。 若手刑事・新城はたくさんの矛盾やジレンマに遭遇する。『民主警察』と謳いながら全く民主的でない浮浪者たちの排除、法を遵守させるべき警察官たちのモラルの低さ、殺人捜査すら忖度や圧力で歪めさせようとする上層部にその上層部同士の政治的闘争。 一方で国警の守屋は不器用過ぎるほど真っ当だ。自身の父親の不正が許せず自ら告発、自殺に追いやったという彼は海千山千の相手でも警察権力で以って口を開かせようとし拗らせる。 逆に新城は上手く世間話の中で緒を掴む巧妙さも身につけていて、若手ながらなかなか頼もしい。 だがその新城もまた父親との確執があり、その父親が知らぬうちに覚醒剤中毒者になっていたという事実を突きつけられる。 この事件を象徴する『麻袋』。満州では現地の人々や労働者たちを容赦なく虐待し時に命まで奪っても『麻袋』で見えないものにしてしまった。 終戦直後の日本でも職にあぶれた人々や戦災孤児たちは見えざる者として居場所を追われ排除された。そしてかつて国策として麻薬を栽培していた人々も…。 事件自体は重苦しかったが、新城と守屋のコンビは良かった。また暑苦しくいかつい東警察署の面々も衝突はあれど事件捜査となれば頼もしい。 様々な時代の狭間…麻薬が違法になり警察が一体化し…の中でもがきつつも進む人、打ち捨てられる人、様々なドラマがあった。 それにしても北野はサイコパス。だがこういう人物ほど世に憚る。

Posted byブクログ

2021/06/21

戦後9年の警察が舞台。警察組織の統合に絡めて、麻薬の密売や政治家の汚職など、今に通じる犯罪は既にこの頃には始まっていたのか、など日本の戦後史の勉強にもなる小説。

Posted byブクログ

2021/06/16

面白かった。戦後の街の様子や、人々の生活、思想などが丁寧に描かれていた。ただ、容疑者の動機や人物像がもう少し突っ込んで描かれていたらよかったかな。3.7

Posted byブクログ