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インビジブル の商品レビュー

3.8

70件のお客様レビュー

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    10

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

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2022/08/13

92初読みの作者。戦後の混乱期と大阪の混沌とした様子が目に浮かぶ作品。堂場瞬一の戦後の警察の話しとは構成が違って面白い。東京モンと学のない大阪人という組み合わせはありきたりだが、新人刑事の成長物語としても読み応えがあった。自作にも期待です。

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2022/08/11

戦後の大阪の連続猟奇殺人事件を巡るミステリー。 2020年の書下ろしということで、終戦70周年を意識して書かれたと思われます。 満州での開拓団の悲惨さを描いたものは多くありますが、アヘンと絡めたものは初めて読みましたし、大阪市警視庁という存在も初めて知りました。 各章の冒頭の開...

戦後の大阪の連続猟奇殺人事件を巡るミステリー。 2020年の書下ろしということで、終戦70周年を意識して書かれたと思われます。 満州での開拓団の悲惨さを描いたものは多くありますが、アヘンと絡めたものは初めて読みましたし、大阪市警視庁という存在も初めて知りました。 各章の冒頭の開拓団の生き残りの独白から事件の真相に繋がるのですが、真犯人は自分の予想から外れてしまいました。 登場人物のほどんどが負の戦争体験を抱えているのがより深みを持たせてくれていると思います。

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2022/07/07

若い作家さんの力のこもった小説はいいね。へぼ侍と似た感じの小説だったので次は違った雰囲気の本よみたいな。

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2022/06/17

戦後の混乱期のまだまだ社会が大東亜戦争をひきづりつつ新しいものに翻弄されるほんのわずかな時期に起こった連続殺人事件を解明する大阪市警察庁の二人の刑事。 北摂の戦後の雰囲気がまだまだ感じられる時期に、満州帰りの縁者を持つ私にはとても濃く心に残る話でした。 (指田さんもよく広告で見知...

戦後の混乱期のまだまだ社会が大東亜戦争をひきづりつつ新しいものに翻弄されるほんのわずかな時期に起こった連続殺人事件を解明する大阪市警察庁の二人の刑事。 北摂の戦後の雰囲気がまだまだ感じられる時期に、満州帰りの縁者を持つ私にはとても濃く心に残る話でした。 (指田さんもよく広告で見知ってるし)

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2022/05/18

若いのによく書いたなあと思う。いっぱい調べて書いたんだろうなあ、すこいわ。 参考文献に黒田清さんの名前はあるし「石つぶて」まである。勉強する作家さんなんだ。

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2022/03/19

戦後の大阪、様々なことがゴタゴタしているなか、起きた連続殺人事件。この話は、舞台が大阪であることで、さらに臨場感が伝わってくる。

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2021/12/07
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戦時中の満州のエピソードがフラッシュバックすることで、犯人や犯行の動機の見当がついてしまうのだが、ミステリー小説としての「落ち度」を些細なものにしてしまうくらいの熱量に溢れている。 米国流の自治体警察が占領政策で導入されていたという知られざる史実に驚愕し、また傷痍軍人が麻薬漬けにされて組織犯罪の温床となっているアメリカの現実が当時の日本にもあった(今の大麻騒ぎなど大したことないと思える)ことに震撼する。

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2021/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まずは、何しろ舞台がいい。大阪市内、それも京橋スラム(現OBP近辺)や中の島西端と安治川に茨木市って、これまさに俺の生活エリアにぴったり当てはまる。令和と昭和29年のこの地域の違いに唖然とするが地理感覚はバッチり分かるので、距離や時間が皮膚感覚で分かって読みやすい。 アパッチ族は超有名作「日本三文オペラ」(開高健)や、小松左京作品などで知っていたし、大阪大空襲の悲惨さ、終戦直前の京橋高架橋への爆撃被害などの悲劇も諸資料で知識があった。これらもこの本にグイグイのめりこめた要因である。 警察小説としては、当時戦後の改革の余波で数年間だけ存在した、大阪市警(自治体警察)の奮闘という珍しいタイプの警察小説。治安維持(アカ対策)の絡みで国家警察(国警)のベテランが捜査陣に加わるのだが、市警のたたき上げ巡査がその国警と班を組まれ、反目から理解、そして協力していくという王道バディもの。新喜劇でもここまでベタちゃうで的古典大阪弁と、小津映画のセリフのような標準語との掛け合いが、暗い雰囲気漂いがちなストーリーに彩を添えるのがまたよい。 犯人捜し的ミステリー要素は薄め(こいつなん?的な驚きは若干ある)ながら、硬派警察小説として、敗戦国日本の戦後のリアル描写小説として、大阪地域小説として、非常によくできた読み応えある1冊だった。

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2021/11/11

戦後間もない大阪で、国警と自治警が併存していた時代の中で、守屋恒成警部補と新城洋巡査が殺人事件を捜査する物語だが、ごちゃ混ぜの雰囲気の中にも警察自体の高揚感が滲み出ている感じだ.戦前の満州でのいきさつも絡んでいるが、国会議員秘書・宮益の死体が発見され、仁科、菅沼と続くなかで、捜査...

戦後間もない大阪で、国警と自治警が併存していた時代の中で、守屋恒成警部補と新城洋巡査が殺人事件を捜査する物語だが、ごちゃ混ぜの雰囲気の中にも警察自体の高揚感が滲み出ている感じだ.戦前の満州でのいきさつも絡んでいるが、国会議員秘書・宮益の死体が発見され、仁科、菅沼と続くなかで、捜査陣も混乱するが、帝大出身で国警の守屋の言動が注目される.凶器が銃剣であったことが判明し、覚醒剤との関連も浮かび上がった.満州での怨みに耐えかねた伏屋の、北野議員への復讐計画が実行された訳で満州では澤と名のった男の悪戸さが突出していたと感じた.面白かった.

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2021/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

★3.5 面白かった。事件を追うストーリーと時々挟まれる何者かの過去のストーリーの2つが進行。一見関係性が不明の被害者たちと犯人が繋がったときはスッキリ。にしても、犯人意外だった。 ネタバレ 伏屋と友人は満州で、アヘンの製造の仕事に従事することに、その後シベリアに戦争で派遣されるが、その際に雇い主である北野に妻子を見てられ、殺される。 その後、日本に戻り、友人の娘が、北野のアヘン栽培工事で働いてることを知り、北野への復讐を始める。

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