1,800円以上の注文で送料無料

これからの男の子たちへ の商品レビュー

4.5

95件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/08/08

■どんな本か 離婚やセクハラ事案等を多く手がける女性弁護士が、男の子2人を育てるにあたり目の当たりにした『男らしさ』の呪縛から自由になるには、また性加害者にならないよう、差別に加担しないようになるにはどうしたらか、を対談も交えつつ伝える本。 ■内容 ・子育てでは否応なく世間から...

■どんな本か 離婚やセクハラ事案等を多く手がける女性弁護士が、男の子2人を育てるにあたり目の当たりにした『男らしさ』の呪縛から自由になるには、また性加害者にならないよう、差別に加担しないようになるにはどうしたらか、を対談も交えつつ伝える本。 ■内容 ・子育てでは否応なく世間からの扱われ方に、その社会の常識やジェンダー観投影される。つまり男の子もまた、社会からの扱われ方で『男』になる。であれば、どのようなことに注意したらよいのでは?という問いからのスタート。 第1章 ジェンダーバイアス ・男の子への何気ない言葉の投げかけ、有害な男らしさの萌芽になりかねない。 ・男らしさとされるものについて、ポジティブな面もあるがネガティブな面の弊害、意識低い。 特に①男の子ってバカだよね問題、②カンチョー放置問題、③男の子の意地悪は好意の裏返し問題 いずれも行為の矮小化を生んでいる。 第2章 男の子たちにかけられる呪い ・同質な『ホモソーシャルな絆』の支配力大きい。 ・非モテを悪質にこじらせると、ヤらせてくれない女が悪いという被害妄想が膨らみ、犯罪犯すようなインセルになる可能性ある。 ・女の子には、男の子に好かれるためにバカなフリしなくていい、と伝えてあげたい。 [対談・桃山商事]恋バナ聞いているうちにジェンダー問題に行き着いた。感情言語化する力、男女に違いあり。 第3章 セックスする前に男子に知っておいてほしいこと ・セックスの意味知るのは、漫画や友だちから。 ・日本では世界で一般的な包括的性教育導入されていない。なんなら歯止め規定があるから公的にはセックス教えられないし、人権の意識も薄い。 ・AVはファンタジーだし、制作側も一部そう発言しているが、リテラシーないまま見ると何が真似していけないことなのか分からない。(だから真似するなと字幕を入れろ。) ・避妊は何があっても省いてはいけない。 [対談・星野俊樹] ・低学年の男の子たちには、多様性の教えちゃんと響く。高学年だと聞いてくれないことも多くなる。 第4章 セクハラ・性暴力についてどう教えるか ・強制性交罪検挙数910人のうち906人が男性。被害は一定数男性も含むが加害は圧倒的に男性が多い。 ・痴漢中に勃っているか?過半数がNO。 ・性暴力が日常の延長にある女性と、それを想像できない多くの男性。(男性の被害のイメージはセクシーおねぇさんがグイグイ迫ってくるもの?でも屈強な男たち数人に羽交締めにされて集団で襲われることだってあるかもしれないのに) ・反面教師にすべき大人の態度は、レイプカルチャー(被害者側に落ち度あるような指摘)、エロネタ扱い、気づいても助けない態度。 第5章 カンチガイを生む表現 ・エロいことになってるからエロく感じる。 ・異性愛男性の性欲だけ特権扱いで非対称的。 ・嫌がることを楽しむコンテンツの問題性。性暴力に簡単にエロ記号つけてはいけない。 ・しずかちゃんのエッチなシーンは必要か? [対談・小島慶子] ・もう自分たちより上のの男世代はもはや諦めて、エネルギーを次の世代の育成化に当てよう。 ・弱さを認めることが勇気。 第6章 これからの男の子たちへ ・弱さを否定せず、男であることで特権がある知ってほしい。一緒に社会を変えていきたい。 ■感想 たくさん書いてしまったのは、それだけ自分に刺さったということ。男の子の子育て本みたいなタイトルだが、想像と違うこと書いてあった、みたいな人もいるかもしれないな。ただ、単に子育てに端を発しているだけで、関わってくる問題は子育て層だけじゃない。 私はどちらかというと差別に敏感な方かと認識していたが、意地悪は好意の裏返し問題とか、言ってたことあるわ、と反省。それに、助けられているか、についても。いざ今日痴漢を見て迷いなくSOSボタン押せるか、とか。 でも若い世代に自分と同じ悔しい思いをさせたくないという気持ちも強い。であれば、声をあげていいんだよなと思った。実はしずかちゃんのお色気シーンはちょっともやもやしていた。子どものものだから目くじら立てるのは違うのかと思っていたが、価値観が刷り込まれる子ども向けだから問題なのだとはっきりわかった。 女性差別問題は女性の問題じゃなく男女含めた社会全体という指摘は最も。自分の半径1メートルから、気をつけていこうと思えた。多くの人におすすめします。

Posted byブクログ

2024/05/27

めちゃくちゃ大事な本に出合えてよかった。素直にそう思う。男の子の親だけでなくて、女の子の親も、男の子自身も、女の子も、いろんな人に読んでもらいたい気持ちを込めて、星5つ。 「ホント、それ!」と思うことばかりだわぁー、と思って読み始めたけど、男の子が妊娠させないために大事なことや...

めちゃくちゃ大事な本に出合えてよかった。素直にそう思う。男の子の親だけでなくて、女の子の親も、男の子自身も、女の子も、いろんな人に読んでもらいたい気持ちを込めて、星5つ。 「ホント、それ!」と思うことばかりだわぁー、と思って読み始めたけど、男の子が妊娠させないために大事なことや、性被害の加害者にならないことなども載っていて、多くの学びがあった。 私は男の子を持つ親として手に取った。子どもはまだ小さいけど、私自身が繰り返し意識したい内容だったし、いずれ息子自身にも読んで欲しい。中学生が読むにはちょっと難しいかもしれないけど、高校生じゃ遅い気もする…。 うちには娘もいて、娘にも手にとってもらいたい。 著者はこの本が出版された時点で小学生の男の子2人の母。シングルマザー。離婚調停を多く扱う弁護士。弁護士として、社会で生きる全ての苦しんでいる人に目を向けている感じがした。 女子にとっては、お仕事図鑑としてもおもしろいと思う。 なにより、性的同意に関することは、女の子自身の身を守るためにもぜひ知っておいたらいい。 夫が息子に対して「オトコのくせに情けない」と言っている。自分のことは棚に上げてよくそんなことを…と思いつつ「いやいや、今のご時世その子育てはマズイやろ…」と指摘し続けているけど、全然改善しない。 息子は2歳。「子どもだから泣くんちゃうの!?」「性別関係あるか!?」と言い続けているけど、先が思いやられる。 これは早いうちになんとかせな…と思っていたところ、フォローしてくれている方の本棚でこの本を見つけた。 小島慶子との対談内容で、 「夫を改善する努力をするより、次世代の息子たちに注力」「私たちの世代は、上の世代が囚われていた呪縛をアンインストールして、次世代を自由にしてあげることが宿題」というのが印象に残った。 男の子でも女の子でも、泣きたいときはあるし、意見を言いたいときもある。 男の子でも女の子でも、人を傷つけたり、乱暴な振る舞いや危険な行為など、許されない行為は許されない。 保育園でも「まぁ、男の子は活発だからしょーがないよねー」と言う保護者によく遭遇するけど、それで廊下を走っていいわけじゃない。万一自分の子どもが怪我でもさせられたらたまったもんじゃない、と常々モヤっとしている。 答えは見えないけど、まずは色々考えて、自分の気持ちを言語化していきたい。 ひるまず、しなやかに、夫や子どもの行動や発言でモヤッとしたことに向き合っていきたい。 家庭でどう性教育したらいいかな…って考えるきっかけにもなった。私自身、こういうことを親からも学校でも教えてもらってこなかった。だけど、めちゃくちゃ大事なことだと思う。 多くの人に、この本の内容が届きますように。 私の子どもたちがこの本を手にする年齢になったとき、「え、ムカシはこうだったの?」とかさらっと言える世の中になっていますように。

Posted byブクログ

2024/05/19

とてもよかった。男の子を育てている身として参考になる情報、身につまされる話がたくさんあった。 知らず知らずのうちに「有害な男らしさ」を身につけさせてしまわないよう、心して育てたいと思った。 でも男児を育てている親だけでなく、色々な人に読んで欲しい本。

Posted byブクログ

2024/05/10

ゲストの人たちもとても良かった。 言われてみれば確かにそうだと気づいたこともあった。男性は自分の頑張りの結果と異性の関係性を紐づけるトロフィーワイフの話も女性にはない価値観だったし男性特有の生きづらさを少しは知ることができた。 話もわかりやすくすらすら読める。

Posted byブクログ

2024/04/02

男らしさであれなんであれ変わらないものはない こと男らしさにおいては今は有害とまで言われている 変化していくためには自分の当たり前についてなぜ当たり前と思うかをよく考えてみること、そして次代への連鎖を断ち切るための行動をすること

Posted byブクログ

2024/03/21

私は女なので、女らしさの呪いしか感じたことがなかったが、男らしさの呪いについて理解した。 まずは息子に男も痛かったり辛かったり寂しかったりしたら、泣いていいんだよ、と伝えたい。

Posted byブクログ

2024/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読めば読む程…深かった ジェンダーという言葉を知ったのは大学生だった30年前 でも何となく腑に落ちないというかモヤモヤしたまま、自分の中には落とし込めてなかった 結局私もその膜の中にいたということを実感した 「ジェンダーバイヤス」「有害な男らしさ」「包括的性教育」「セクハラ・性暴力」「男性であることの特権」…そうか、社会や文化によって作られたものだったのか…それならそのことを理解した上で、変えることも出来ると思えた 少しずつでも意識して、言動の前にちょっと考えようと思う

Posted byブクログ

2024/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すごくよかったーー。これを2022年に求めていたのよ。と叫びたくなった。これ、この本。私が探していたの。 具体的に『性描写はR15のネット小説に必要か』という事は書かれていないのだけど、性描写のあれこれ、昨今の炎上萌え絵、男の子の価値観、再生産される女性蔑視の視点などなど、欲しかった情報盛りだくさんだった。 男の子を加害者にしないためにも、性暴力について教える必要があることが書かれている。 性暴力の厄介なところは「同性同士」になると、性的な意味を持つ接触ではないからOKという雰囲気だと思う。同性異性に限らず、「許可のない接触」は基本的にアウト。 この章で「7SEEDS 作:田村由美」がレイプ未遂事件を描いているとなっているけど、正直、この文脈でこの作品を勧めるのはどうかとも思う。だって、この作品のメインはそこではない。レイプ未遂が重大だという事は分かるけど、でも、その前も他の男たちも色々やっている。野生の中では男の理性など存在してる方が不思議だと他のキャラも言ってたけど、環境が特殊過ぎてこの作品を引き合いに出されてもピンとこないし、その環境で「レイプがどうのこうのなんて文明的な話ができるまともな感覚が残ってるのもどうかしてる」とも思ってしまった。 この流れでお勧めするなら「問題提起シリーズ作品 作:ももち麗子 『ひみつ』」の方がまだわかる。けど、ちょっと作品が古い。現代のこういう系統の作品ってないのかな。 現実の性暴力は「エロネタ」ではないし、男性こそ女性の声に耳を傾けて、性暴力排除の声を上げよう……と本では綴られていた。でもこれも、「女性はか弱くて可哀そうだから」になると、違うんだよなと思いながら、読んでしまった。 父親世代は諦めて、新しい世代の子供たちは今までの性別役割意識のアンインストールをしよう……とある。そして、その大変さも書いてある。周囲が持っている価値観を子供も受け取るから。 男性たちも自分の性欲を搾取されてるという視点は新しいと思った。確かに「男性視線のエロ」があふれてるのは、それだけ「男性の性欲で金を落としてもらうため」なのでその意味では「搾取」だろうなと。女性側になると逆で「売られるためのモノとして見られる」という意味での搾取になるのも忘れてはいけないけど。 読んでよかった。

Posted byブクログ

2023/12/30

20代前半の男性です。 日々同年代の男性陣と会話していて、会話の節々でどこかで女性へのリスペクトに欠いた発言をするタイミングが見受けられて違和感を感じていた。自分なりにこの社会の「有害な男らしさ」を理解したくて、この本を手に取った。 幼いうちに「ソフトな男尊女卑」を埋め込まれる...

20代前半の男性です。 日々同年代の男性陣と会話していて、会話の節々でどこかで女性へのリスペクトに欠いた発言をするタイミングが見受けられて違和感を感じていた。自分なりにこの社会の「有害な男らしさ」を理解したくて、この本を手に取った。 幼いうちに「ソフトな男尊女卑」を埋め込まれるせいで、「男なら泣くな」、「金稼げない男はみっともない」といった価値観に苦しめられる男性を多く見てきた。 苦しめられると同時に、上手いこと経済的に成功しても、全能感が故か女性を下にみる男性も多く見てきた。 前者は「ソフトな男尊女卑」を備えつつ、自分より成功して幸せそうな女性がいる現実に耐えられなくなり「女尊男卑」叫びだす。 後者はホモソーシャルなムラ社会に自分たちより有能な女性が入ってくることに拒否感を示し、女性の社会進出を阻む制度を温存させる。 女性というだけで疎外される構造になっており、なんとも絶望感を抱くし、私も男性の一人として「ごめんなさい」という気持ちになる。 これからの施策としては、男性側はもっと自分の言動を振り返って内省するべきだし、女性側も言うべき時は言っていくことが求められるだろう。 読破後には自分のモヤモヤした違和感を言語化することが出来たので、この本は非常に良かった。

Posted byブクログ

2023/11/29

社会の構造や教育と「有害な男らしさ(私と友人は外来種の男らしさと呼んでいる)」の関連性について、色々な観点から考察する一冊。 弁護士として、男児を育てる母親として、「こんなことができる人が増えたらいいな」と最後に語っている。 ・女性を人間として、普通に尊重すること。 ・「男らしさ...

社会の構造や教育と「有害な男らしさ(私と友人は外来種の男らしさと呼んでいる)」の関連性について、色々な観点から考察する一冊。 弁護士として、男児を育てる母親として、「こんなことができる人が増えたらいいな」と最後に語っている。 ・女性を人間として、普通に尊重すること。 ・「男らしさ」を競うことをやめ、「男らしくない」人をバカにしないこと。 ・自分の孤独や不安を、勝手に自分より「下」と決めつけた他人を貶めることで紛らわそうとしないこと。 ちなみにこの本は「男児を育てる母親」の間で人気らしいけど、それって結局母親に責任が押し付けられてる社会ってこと?と思ってモヤモヤする自分がいる。 弁護士という職業柄、男らしさと呼ばれるものに傷つけられた人たちをたくさん見ているだけでなく、 「父親(夫)世代はもうダメだから、私たちが子ども世代で食い止めなければ」という絶望とか使命感とか追い詰められ感とか、怒り以外の感情ももうっすら感じながら読んだ。 (実際、著者や対談相手の夫でさえ「外来種の男らしさ」が分からないし、子どもに教えられないと言っている。) 家事をする男性がどんなに増えても、「外来種の男らしさが根付くのを防ぐ」「加害者にしない」という観点でともに育児をするハードルは高いんだろうな。 この本を手に取る母親特有の悩みが少し分かった気がした。 子どもらを被害者に 加害者にもせずに このまちで暮らすため まず何をすべきだろう? と桜井さんも言っている。 願わくば、悩んでいる母親のパートナーで、父親の自覚がある人がこの本を読み、問題意識を共有してくれますように。

Posted byブクログ