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魯肉飯のさえずり の商品レビュー

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43件のお客様レビュー

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2023/07/03

台湾が好きなので台湾メシや雪穂さんの実家が出てくるシーンが楽しめました。 ご飯食べたい! 就活に疲弊していたとはいえ、結婚に飛びついてしまった桃嘉はちょっと甘かったかなって思いました。 流されての現在があるのに、私の気持ちを分かって欲しいとはなかなかの察してちゃんだな〜そりゃあ...

台湾が好きなので台湾メシや雪穂さんの実家が出てくるシーンが楽しめました。 ご飯食べたい! 就活に疲弊していたとはいえ、結婚に飛びついてしまった桃嘉はちょっと甘かったかなって思いました。 流されての現在があるのに、私の気持ちを分かって欲しいとはなかなかの察してちゃんだな〜そりゃあ良い様に扱われるだろうな…と。 まぁそれを加味しても聖治さんは微妙なパートナーだな。それが彼なりの夫としての愛情表現なんだろうけれど。 そして親にとっては子供っていつまでも小さいままなんだなってちょっと面映い気持ちになりました。家族に恥をかかせない様にって頑張ろうとする雪穂さんがいじらしい。

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2023/06/26

台湾出身の母と日本人の父をもち、日本で育ち、結婚した主人公と、その母を軸に展開する物語。 日本語がなかなか上達せず、想いがうまく伝えられないもどかしさを感じる母。 そんな母を恥ずかしく感じてしまう娘。 夫から何げなく振るわれる暴力や言葉に傷つきながら、 ゆっくりと自分を見つめ...

台湾出身の母と日本人の父をもち、日本で育ち、結婚した主人公と、その母を軸に展開する物語。 日本語がなかなか上達せず、想いがうまく伝えられないもどかしさを感じる母。 そんな母を恥ずかしく感じてしまう娘。 夫から何げなく振るわれる暴力や言葉に傷つきながら、 ゆっくりと自分を見つめていく。 家族の記憶、魯肉飯の香り。 自分目線になりがちな「ふつう」という価値観。

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2023/03/25

台湾人の母、日本人の父親をもつ桃か。大学卒業後そのままエリートサラリーマンの聖司と結婚。でも浮気がちでタイプが異なり、桃かの体を大切に扱わない彼に対し、違和感を抱えて生活している。 そして母の雪穂。台湾から夫とともに来日し、娘の中学受験ではたどたどしい日本語で面接に臨む。 日本語...

台湾人の母、日本人の父親をもつ桃か。大学卒業後そのままエリートサラリーマンの聖司と結婚。でも浮気がちでタイプが異なり、桃かの体を大切に扱わない彼に対し、違和感を抱えて生活している。 そして母の雪穂。台湾から夫とともに来日し、娘の中学受験ではたどたどしい日本語で面接に臨む。 日本語が母語の娘とうまく意思疎通できず悩む。 文化や歴史、個人の葛藤がからみあい、大変読み応えのある本。近くてもよく知らない台湾という国が、より複雑さをもって感じられる。

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2023/03/16

個人の、家庭の、そして違う国の、それぞれの価値観が擦れ合っていく苦しさと、向かい合える幸せとを感じました。

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2022/12/30

"なにじん"かどうかはその時々の環境によって変わっていくもの。誰から生まれたかだけではなくてそのひとの思考体系で日々変化することなのだろう。 八角が効いた魯肉飯を食べてみたい

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2022/12/24

魯肉飯、ルーロー飯て、漢字を見ただけで美味しそう。台湾式にロバプンとルビがふってある。 台湾人の母をもつ桃嘉にとって特別な料理。でも新婚の夫、聖司のために張り切って作っても「こういうものよりもふつうの料理の方が俺は好きなんだよね」と喜んでもらえない。 物語は桃嘉と母雪穂の視点か...

魯肉飯、ルーロー飯て、漢字を見ただけで美味しそう。台湾式にロバプンとルビがふってある。 台湾人の母をもつ桃嘉にとって特別な料理。でも新婚の夫、聖司のために張り切って作っても「こういうものよりもふつうの料理の方が俺は好きなんだよね」と喜んでもらえない。 物語は桃嘉と母雪穂の視点から交互に描かれる。 桃嘉は美術系の大学を卒業するも就職できず、逃げるように聖司と結婚して専業主婦になるが、しっくりいかない毎日。 最初の章は、桃嘉と聖司のぎくしゃくした結婚生活の描写が続き、正直読むのがしんどくて投げ出しそうになった。 こういうカップルは特に珍しくはないと思う。相性が悪かったのだと思うが、桃嘉の視点では、聖司と彼の家族、友人、同僚すべてが配慮の足らない思いやりのない日本人と決めつけているように見えて、確かに浮気するしひどい夫だが、彼女の被害者意識にもへきえきした。 母の雪穂も言葉の通じない日本で苦労しながら桃嘉に愛情をかけて育ててきた。夫で桃嘉の父、茂吉は優しく、妻子を大切にする人物で、唯一この父の存在に救われる思いがした。 最後は、聖司と別れ、新たな出会いもあり、希望の持てるラストで良かった。 やっぱり最後までヒロインに共感することはできなかったが、外国にルーツをもつ人が日本で生活するのは心細いこと。彼らの背後にある文化を尊重したいと思ったし、周囲のどういう言動が彼らを傷つけてしまうのか、想像力を持たないといけないなと思った。

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2022/11/13

桃嘉と台湾人の母・雪穂、二人の視点が入れ替わりながら進む物語。 女性の心情を掬い上げるように丁寧に描いてある。上手い作家さんだと思った。 母の実家を一人訪れた桃嘉の章が良い。 淡水河の水面に輝く夕日。鳥のさえずりのような台湾語。美味しそうな魯肉飯・・光と音、色や匂いまでもが感じ...

桃嘉と台湾人の母・雪穂、二人の視点が入れ替わりながら進む物語。 女性の心情を掬い上げるように丁寧に描いてある。上手い作家さんだと思った。 母の実家を一人訪れた桃嘉の章が良い。 淡水河の水面に輝く夕日。鳥のさえずりのような台湾語。美味しそうな魯肉飯・・光と音、色や匂いまでもが感じられて台湾に行ってみたくなる。 「ことばがつうじるからって、なにもかもわかりあえるわけじゃない。」 「だれといても、どこにいても、自分のいちばん近くにいるのは自分自身なの。だれよりもあなたがあなた自身のことをいちばん思いやってあげなくては。自分自身をないがしろにしながらひとさまのことを大事にしようだなんて、そんなのできっこないのよ」 娘を思う母親の気持ちが痛いほど伝わってくる。 自分らしくあるがままに生きていこうと決めた桃嘉が無性に愛おしくなった。

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2022/09/19

海外ルーツの子どもと親 それぞれの人生をふたりの視点で。 日本社会で生きていく葛藤がよく見える 周りからの勝手な押し付け。 本当はそうじゃないのに そんなつもりはなくとも 気づかず傷つけているかもしれない  言いたいことがいえる関係 そんな空気を紡いでいきたい

Posted byブクログ

2022/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

凄く良かった。台湾人の母と日本人の父の間に生まれた桃嘉が母親や彼女の親族を通し「台湾人」の血が流れる自分のルーツについて辿りながら、一人の人間として歩み始めるお話。 「言葉が通じるからって、何もかも分かり合えるわけじゃないのよ」という母親の言葉にハッとさせられた。夫とは言葉が通じても分かり合えずも母方の親族とは十分に通じなくても分かり合える。色々な「普通」とは違っても、相手を尊重し分かり合おうとする心が大切なのだと思う。 台湾と日本の歴史的な背景も描かれ、台湾についてもっと知りたくなった。

Posted byブクログ

2022/07/31

「わたしの羽、そんなにちぢこまってみえるの?」 桃嘉が聖司に対して心の中で疑問を投げかける一文。 言葉とは思いを他者に伝えるために使うものであるにも関わらず、同じ言葉を使う者同士でも使うことを躊躇い、結局''思い''だけで終わってしまう、そ...

「わたしの羽、そんなにちぢこまってみえるの?」 桃嘉が聖司に対して心の中で疑問を投げかける一文。 言葉とは思いを他者に伝えるために使うものであるにも関わらず、同じ言葉を使う者同士でも使うことを躊躇い、結局''思い''だけで終わってしまう、そんなもどかしさが詰まった一冊。 答えが見つかるわけでないが、そんな時に違う角度から指す光に目を向けることの大切さを教えてくれました。

Posted byブクログ