商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2020/08/20 |
JAN | 9784120053276 |
- 書籍
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魯肉飯のさえずり
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魯肉飯のさえずり
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商品レビュー
4
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台湾育ちの母親と日本育ちの娘。母親の子を想う描写に泣け、日本語で話してほしいという娘に日本語で話そうと努力し、そのために感情が昂ると何も言えなくなりもどかしくなる母親の気持ちや日本語が話せない母親に怒りや恥ずかしさ、そして思春期ゆえの母親に対する態度、両方の気持ちが分かり泣けてくる。 そして夫婦がうまくいく条件に妻が言いたいことをなんでも言えることという文章に大河の光る君で この男を選んだ理由は私のいう事を聞いてくれるから というフレーズを思い出す。 そして何故自分の恋愛がうまくいかないのか、相手から愛されていたとしても自分を分かってくれなかったり分かった振りをして自分の思い通りに進ませようとしていた。何故別れたいと思ったのか分からなかったが桃嘉夫婦を読んでよくわかった。桃嘉の母親、雪穂夫婦みたいな関係になりたい。素敵な夫婦でも思春期を持つ親の苦悩もあり言葉の葛藤で悩みどの家庭でも問題はあるが乗り越えていくために夫が妻を理解し、支えて受け入れる包容力があるなら強くなれるのだと教えてくれた気がする。 思ってる事を言ってくれないとわからない、何を望んでいるのかわからないと片言で泣きながら娘にいいそこで桃嘉が母親を守らないと決意し思春期に終止符を打つきっかけとなった場面では弱い部分も出していいのだと安心?した。 難しい小説を読んでいて頭をリフレッシュしたくて読んだのだがのめり込んでしまった。
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台湾人の母と日本で育った娘の話。「台湾生まれ日本語育ち」で書かれていた著者が小さい頃から感じていたことなどが具現化されているのかなあと感じた。心温まる話だった。
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中央公論新社、2020年8月。初出は『アンデル 小さな文芸誌』2018年6月~12月。織田作之助賞受賞作。 日本で育ち、日本語の環境で育った娘と台湾生まれで日本で暮らすことを選んだ母の声が響き合う物語。ことばはコミュニケーションにとって大切な道具だが、唯一の手段ではない。「こ...
中央公論新社、2020年8月。初出は『アンデル 小さな文芸誌』2018年6月~12月。織田作之助賞受賞作。 日本で育ち、日本語の環境で育った娘と台湾生まれで日本で暮らすことを選んだ母の声が響き合う物語。ことばはコミュニケーションにとって大切な道具だが、唯一の手段ではない。「ことばがつうじるからって、なにもかもわかりあえるわけじゃない」。中国語も台湾語も学んだわけではない娘と、とっさに日本語が出てこない母とのやりとりはもどかしいが、そのぶん、二人はじっくりと時間をかけてお互いのことを知ろうとし、それぞれのやり方で労ろうとする。作者は各章ごとに視点を変えながら、それぞれの気づきの瞬間をていねいに描き出していく。 読み始めた当初は、一人称語りで語られる娘の人物像と、母から見た娘のイメージがかけ離れているように感じられて少し戸惑ったが、それはこの物語にとっては必要な戦略(?)だったのだろう。娘の夫のわかりやすい愚かさ(こういう人間のことを「アタマのよいバカ」という)もよい。 ちょうど淡水に滞在した直後だったこともあって、娘が一人で出かけて行く淡水の駅と街並みとが思い出されてしまった。遠い海の向こうを想像しながら見る淡水の夕景のような、なつかしくあたたかい小説。
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