昭和16年夏の敗戦 新版 の商品レビュー
2024.03.11読了 最近Xで、ゲンロンでの猪瀬さんと東さんの対談が炎上していた。冒頭15分無料で視聴してみると、猪瀬さんの本書のことに東さんが言及しているのを聞いた。それまで猪瀬さんとが何者なのか知らなかった。 ちょうど日本軍の本を読んでいたところだったので、この流れで本...
2024.03.11読了 最近Xで、ゲンロンでの猪瀬さんと東さんの対談が炎上していた。冒頭15分無料で視聴してみると、猪瀬さんの本書のことに東さんが言及しているのを聞いた。それまで猪瀬さんとが何者なのか知らなかった。 ちょうど日本軍の本を読んでいたところだったので、この流れで本書を読もうと思った。 「総力戦研究所」という名前にまず惹かれた。太平洋戦争をするにあたってこんな研究がなされていたとは。 各省庁から集まった若手のエリートによる演練の結果、日本必敗の判断が下るも日本は戦争開戦へと至った。 その生々しい経緯(特に東條内閣と昭和天皇の思惑)を本書は丁寧に解説している。 そもそも、若手のエリートを集め総力戦研究を行ったことに驚いた。研究所を設置するくらい日本は意外にもまともだったのだ。 総力戦研究所での演練もまともであり、大本営の与件に対して、非常に正常な判断をしていく。特に、東南アジアで石油を得られたとしても、その運搬船が攻撃されて意味のないことはここで指摘されていた。 しかし、実際の内閣は開戦に踏み切った。東條英機に焦点を当て詳細に記述される。東條英機が反戦に翻弄していたことなんて初めて知った。結局は開戦となってしまった時の東條英機の心境読んで、戦争とは人を狂わせるし恐ろしいと思った。 まとまりのない感想だが、とても面白い本だった。
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第一章から読み始めるも途中で挫折。なんか読みにくい。積読に。 改めて読んでみる。今度は第三章から。 石破と猪瀬の対談が一番わかりやすい。 石破国会議員大絶賛。国会での質問でも複数回取り上げたとはびっくり。 敗戦と分かっていても海軍のメンツが猪突猛進に走らせたということか。 欺か...
第一章から読み始めるも途中で挫折。なんか読みにくい。積読に。 改めて読んでみる。今度は第三章から。 石破と猪瀬の対談が一番わかりやすい。 石破国会議員大絶賛。国会での質問でも複数回取り上げたとはびっくり。 敗戦と分かっていても海軍のメンツが猪突猛進に走らせたということか。 欺かれていた国民、命を捧げた若者にとっては余りにも悲しい。
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総力戦研究所の存在を知らなかったので、国力を含めた対米戦を研究していたことに安堵した。ただ、日本の命運がかかった研究に手を付けたのが開戦のわずか数ヶ月前だったこと、国の総力を上げて然るべき研究を官民から選りすぐられたエリートとはいえ実務10年前後の若者たちに行わせていたことには驚...
総力戦研究所の存在を知らなかったので、国力を含めた対米戦を研究していたことに安堵した。ただ、日本の命運がかかった研究に手を付けたのが開戦のわずか数ヶ月前だったこと、国の総力を上げて然るべき研究を官民から選りすぐられたエリートとはいえ実務10年前後の若者たちに行わせていたことには驚かされた。そして残念なのは、研究成果が反映されなかったこと・・・。結果論になるけれど、首脳陣の誰かがこの研究成果を吸い上げていたら多くの命が救われただろうと思うと胸が痛む。未来は見えないものだけど読める未来もあっただろうに・・・。
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総力戦研究所という機関が設置されていたことを初めて知った。重要な史実というだけでなく、現代にも通じる示唆が含まれているように感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なかなか難解なドキュメンタリー。 歴史に埋もれてる「総力戦研究所」を克明に記した面白い本。データ重視だと「日本必敗」だったのは明らかなのに、開戦したい軍部のシナリオどおりデータが捻じ曲げられていく様は今に通じるものがある。
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太平洋戦争開戦の数ヶ月前に集められた少壮のエリート達によって創られた「総力戦研究所」。彼らが集められるデータを全て検討して机上演習も遣り尽くして出した結論は、「日本必敗」。真珠湾攻撃と原爆投下を除いて時期や各国の動き等をピタリと当てたと言います。 だが、彼等の提言は「日本は(勝...
太平洋戦争開戦の数ヶ月前に集められた少壮のエリート達によって創られた「総力戦研究所」。彼らが集められるデータを全て検討して机上演習も遣り尽くして出した結論は、「日本必敗」。真珠湾攻撃と原爆投下を除いて時期や各国の動き等をピタリと当てたと言います。 だが、彼等の提言は「日本は(勝算のもっと低い)日露戦争でも勝てたのだから、今回も勝てる」と握り潰されてしまった。 今の日本社会でもこの悪弊は続いている、と言うのが本著の論旨でした。 この本は比較的出版が古く名著とされているが、「経済学者たちの日米開戦」、「失敗の本質」の方が説得力と知的好奇心があったかな。
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昭和16年に実在した「総力戦研究所」という、若手精鋭で構成された「模擬内閣」が何を行っていたかを中心に太平洋戦争に向かう経緯と同研究所の構成員の行く末を追ったノンフィクションです。「総力戦研究所」という組織が有ったこと自体を初めて知り、実際にどのような貢献をしたのかを知ることがで...
昭和16年に実在した「総力戦研究所」という、若手精鋭で構成された「模擬内閣」が何を行っていたかを中心に太平洋戦争に向かう経緯と同研究所の構成員の行く末を追ったノンフィクションです。「総力戦研究所」という組織が有ったこと自体を初めて知り、実際にどのような貢献をしたのかを知ることができ僥倖でした。今迄、東條英機に対して抱いていた独裁的イメージが大分変りました。
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総力戦研究所の存在に衝撃を受けたとともに、史実が詳細に描かれており当時の状況がよく理解できた。 しかし素人には少し難しく読みにくく感じた。
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「失敗の本質」とはまた違った視点を示してくれた良本。ただ、記録に忠実であろうとするが故に、素人には読みにくかった。半藤一利さんのように軽妙な文体であれば幅広い読者に届くのでは
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今、自分が当時のこの場所に送り込まれたとして、何か変えることができるのだろうか? 今、自分が置かれている環境と重なり、無力感に苛まれた。
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