老人と海 の商品レビュー
老人と海との静かな対峙を描いた本書。海と向き合うことで若き日の想いや自信との遠い記憶に視界が溶けて行く。ハードボイルド作家なんて言われる所以が本人の実体験の欠片に紐付いているからなのか言葉や表現に独特の迫力がある。男性の方が刺さりやすいかも知れない。
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中盤が長く感じてしまったが、終盤のカジキやサメとの格闘シーンは鳥肌ものだった。 最後もかなり好みだった。
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2023.12.17 読了。 ヘミングウェイの代表作。84日間不漁に見舞われた老人漁師は親に反対されても漁師を慕う少年を置いて、ひとり小舟で大海原へ。そこで見たこともない大物と老漁師の闘いが繰り広げられる。 名作なのに未読だったが読む前に聞いていた印象と結構違ったが、読んで良...
2023.12.17 読了。 ヘミングウェイの代表作。84日間不漁に見舞われた老人漁師は親に反対されても漁師を慕う少年を置いて、ひとり小舟で大海原へ。そこで見たこともない大物と老漁師の闘いが繰り広げられる。 名作なのに未読だったが読む前に聞いていた印象と結構違ったが、読んで良かったと思った。 単純に巨大な魚と老人の闘いかと思っていたが漁師としてのプライドや漁師人生で培った技術、生きとし生けるものたちへの愛が描かれていた。 持っているもの全てを頭と身体でいかに効率良く使うか弱気になっても奮起して闘い続ける老人が凄すぎると感じた。 終盤の少年の姿を想像すると切ないけれどほっと温かい気持ちにもなれたのが良かった。 新訳だったからか読みやすく、言語解説や年表が巻末に載っていたのも良かった。 ヘミングウェイの最期もこの本を読んで初めて知れたし、年表を読むと情熱的な人だったのかな?と想像した。
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2ヶ月ほど前に新潮文庫の旧訳福田恆存版を読んでいたので新旧続けての読書。やはり読みやすさは圧倒的に新訳ですね。サンチアゴ(旧訳ではサンチャゴ)の老いた渋みみたいなものはむしろ文章に硬質さを感じる旧訳の方が味わえるかもしれないですが、漁の手順やカジキとの闘いや苦しい帰路の様子はスム...
2ヶ月ほど前に新潮文庫の旧訳福田恆存版を読んでいたので新旧続けての読書。やはり読みやすさは圧倒的に新訳ですね。サンチアゴ(旧訳ではサンチャゴ)の老いた渋みみたいなものはむしろ文章に硬質さを感じる旧訳の方が味わえるかもしれないですが、漁の手順やカジキとの闘いや苦しい帰路の様子はスムーズに読みやすい新訳の方がありありと浮かびながら読み進められます。いやそれにしても人間の魅力がギュギュッと詰まったいい小説だなぁ。
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昔の外国文学はハードルが高い。 でも有名作品はやっぱり読んでおきたい。 こういうお話だったんですね。想像とは程遠いものではなかったけど、奥深さをわかるには読み方がまだまだ浅い気が。 巻末のヘミングウェイの年譜を読むに、波瀾万丈の人生だったのかなと。主人公の老人と重ねて読んだこ...
昔の外国文学はハードルが高い。 でも有名作品はやっぱり読んでおきたい。 こういうお話だったんですね。想像とは程遠いものではなかったけど、奥深さをわかるには読み方がまだまだ浅い気が。 巻末のヘミングウェイの年譜を読むに、波瀾万丈の人生だったのかなと。主人公の老人と重ねて読んだこともあり、自ら死を選んでいたとは。意外とショックでした。 でも、読めて良かった。
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古い文学は当時の背景や作者が色濃く残したかったメッセージ、斬新さによって作品の評価が現れると僕は思っている。 この作品もその一つ、二次世界大戦終戦後、飛行機の事故によって失った彼のナルシズムが“老い”=”死に際“として表現された作品だったと感じた。 人には必ず老いが来る。マノーリ...
古い文学は当時の背景や作者が色濃く残したかったメッセージ、斬新さによって作品の評価が現れると僕は思っている。 この作品もその一つ、二次世界大戦終戦後、飛行機の事故によって失った彼のナルシズムが“老い”=”死に際“として表現された作品だったと感じた。 人には必ず老いが来る。マノーリンの優しさを受け入れて自分の弱さを認めるか、ライオンの夢を見続けるのは人の自由ではあるが、彼の様に若い頃の思い出に縋り続けたくは無いものではある。 追記 起承転結の承転を主人公の独り言や心理描写で済ませる異技、当時の時代にはないのかなーと思うと脱帽モノです:)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
キューバで漁師をしている老人サンチアゴの物語。84日間の不漁の翌日からの3日間が描かれる。 まず、老人が一人で海の上で3日間カジキと闘い続けるというだけの状況で小説にしてしまうのがすごい。ボリューム的には大したことない(文庫で130ページ程度)にせよ、なかなか読ませる。 ひとつひとつの場面の描写がシンプルかつ丁寧で読みやすかったが、全編にわたって滲む自然への敬意が為せる業か、と解説を読んで納得。ヘミングウェイ本人も海釣りに一家言ある人だったとのこと。 結末もすごくいい。三日三晩の死闘の末に仕留めたカジキを、帰りの道すがらサメたちに食い散らかされるという悲劇に見舞われながら、なんとか帰り着く。悲壮感、徒労感はあるのだが、絶望感はない。また次に向かって立ち上がるんだろうな、ということがありありとわかる。「人間は叩きつぶされることはあっても、負けやせん。」ってすごいセリフだよな、と思う。 弟子的な存在なのか、マノーリンという少年が登場するが、その少年との師弟のような家族のような関係性も美しい。 いずれ再読する予感。
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ヘミングウェイ読んでみた。 正直ちゃんと読めたのかはわからない。 ある程度長さもあるし、魚釣りの話を最後まで読み切れるか不安だったが、 読んでみると、命がけの老人と海との闘いに圧倒されて 最後まで読み切れた。 老人と少年との関係性が素敵だった。
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『海が見え、そこにいるような感覚』 名作中の名作 もっと早く読むべきだったと後悔 人間の動作や自然の存在を表現する文言が とても綺麗で想像したくなるような感じ その表現も最後まで描かれている訳ではなく 途中で終わりその後は読み手に任せるような 場面も感じられるためそこがまた面...
『海が見え、そこにいるような感覚』 名作中の名作 もっと早く読むべきだったと後悔 人間の動作や自然の存在を表現する文言が とても綺麗で想像したくなるような感じ その表現も最後まで描かれている訳ではなく 途中で終わりその後は読み手に任せるような 場面も感じられるためそこがまた面白い 長編では無いのにも関わらず 文量からは想像しえないような満足感がある
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作品名は知っていたものの読むには至らなかったと言う方は多いのではないでしょうか。 自分も8月頭に購入し50ページほどで中断しましたが、粘りに粘って全て読みました。 少し難しい部分もありますが、翻訳なので仕方ないかと思います。ですがそう言った面も含めて面白かったです。
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