怨毒草紙 よろず建物因縁帳 の商品レビュー
シリーズもの。 想いを伝えることができて良かったなと思いました。 しかし、物の怪異もえげつなさを感じました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
怨毒草紙というテーマだからだろうか、グロい描写が多め。 本文中にも触れられているが、エロとグロの融合なのでサディストの素養がないとつらいかもしれないと思った。 これまでは同情するような悲しみを含んだ話が多かったが、本作は"吐き気を催す"ような悪が登場する。前作でも敵は悪魔であったので、「シリーズの終盤に向けて"悪意"との戦いが展開していくのだろうか?」と思いながら読み進めた。 前作は"悪"とはいえ超自然の存在が敵であったが、今作は人間、それも情状の余地のない悪意を持つ人間であったことで前作との違いがある。 物語が始まった直後は様々な姿を持つ謎の敵であり、問題を起こしていると思われる建物には異常は無く、しかし、怪異が起きる際には空間を支配し明瞭に物理的に干渉してくる(しかも無作為ではない感じがする)。 と、前作と似たような強い脅威の印象を受けるも、祓うべき対象が見えない不気味さがあった。 物語が進展していくと怪異が様々な姿を見せる理由がわかり、敵が純粋な悪(少なくとも快楽のために罪のない他者に強い苦痛を味わわせる悪意の塊ではある)とも言える存在であることもわかる。 今回も「塚を移せるのか?お堂(仏像)を元に戻すしかないんじゃないか?」と思わせ、対処のしようがない感じに見えたが、怨毒草紙とそれを描いた血の筆とを祓うことで解決した。 また、同情できる部分がないと思っていた人喰いウンソウも鬼(?)に心身を操られ苦渋の自害だったことがわかり同情できる部分もあって、最後は丸く収まった。 珠青が出産(妊娠でだったか?)してサニワを失い、短期的にもその能力に頼ることができなくなる一方、春菜のサニワとしての能力は明確になっているように描かれている。 隠温羅流の秘密やはじまりに迫っていく動きもあり、作品全体の終盤へも向かっていく。
Posted by
よろず建物因縁帳シリーズ、7作目。 今作はいつにも増して描写の残虐さが凄まじい。この光景を目の前で見せられるサニワの春菜ちゃんが気の毒だわ。民俗学的考察も面白い。江戸風俗や残虐絵が描かれる背景など、興味深く読めた。日本画にしても洋画にしても、結構残虐な絵が多いのは分かる気がする...
よろず建物因縁帳シリーズ、7作目。 今作はいつにも増して描写の残虐さが凄まじい。この光景を目の前で見せられるサニワの春菜ちゃんが気の毒だわ。民俗学的考察も面白い。江戸風俗や残虐絵が描かれる背景など、興味深く読めた。日本画にしても洋画にしても、結構残虐な絵が多いのは分かる気がする。シリーズを通してよく調べられているのか、舞台設定も違和感なく、怪異にリアリティを感じてしまう。 そして、今作の読みどころは春菜ちゃんが仙龍にぶつける決意。大袈裟になりがちな場面だけど、この二人だからか、私はグッときて涙出た。温羅=鬼が島伝説の鬼からして、そこに隠温羅流のルーツがあるのか、その謎の解明も楽しみ。
Posted by
いよいよシリーズも後半戦へ! 第7弾。 祓い時を引き寄せるサニワなる主人公と祓い屋である曳家の二人の距離もググっと近づきました。 そのあたりのなかなか感動的に仕上がってます。 曳家の宿命とは何か。その核心に迫る前段階としてすばらしい一冊。 今後のラストスパートへの期待大。 終...
いよいよシリーズも後半戦へ! 第7弾。 祓い時を引き寄せるサニワなる主人公と祓い屋である曳家の二人の距離もググっと近づきました。 そのあたりのなかなか感動的に仕上がってます。 曳家の宿命とは何か。その核心に迫る前段階としてすばらしい一冊。 今後のラストスパートへの期待大。 終わらないでほしいと思う一方早く読まなくてはと焦る。 そんなシリーズです。
Posted by
10月-04。3.5点。 よろず建物因縁帳、第7弾。他の曳家業者がある寺を曳いた。その後怪異が起こるようになり、人も2名死亡。 仙龍を支えると決めた春菜、また首を突っ込むが。。 面白い。覚悟を決め、先週に接する春菜、フォローする周囲。 メインの呪も強く、一気読みした。
Posted by
シリーズ7作目。 春菜と仙龍にようやく動きが見える。 がしかし、予想通り私は春菜がどうしても好きになれず。 何だか可愛くないんだよなー。 仙龍の運命は如何に。
Posted by
腹を掻っ捌いて狼に喰わせ、蛇がうじゃうじゃいる大きな樽の中に少女を入れ蛇が穴という穴から入り込み窒息死させたり、見るも無残な数々の絵。その絵は殺された人達の血で描かれた物だった。 仙龍と春菜は結ばれたのか? 今回は2人や導師の因縁や珠青の出産などにスポットが当たった内容だった...
腹を掻っ捌いて狼に喰わせ、蛇がうじゃうじゃいる大きな樽の中に少女を入れ蛇が穴という穴から入り込み窒息死させたり、見るも無残な数々の絵。その絵は殺された人達の血で描かれた物だった。 仙龍と春菜は結ばれたのか? 今回は2人や導師の因縁や珠青の出産などにスポットが当たった内容だった。 仙龍の家族の事とか知れたから良かった。
Posted by
怖さというより惨さが際立っていた。 六道の中では餓鬼道の話になるのかな? 今回はそれよりも春菜と仙龍の関係に重きが置かれていた印象。個人的には2人の展開を待っていたのでよかった。
Posted by
よろず建物因縁帳シリーズ 第6弾 木賀建設の曳家を見学させてもらった春菜。 社長は仙龍の昔馴染みだったのだが、持仏堂を曳いた後、 怪異が起こるようになり、住職に相談されて鐘鋳建設を 訪れていたが、隠温羅流の因はなくても春菜が来た。 ってことは、そういうことでしょうと依頼を受ける...
よろず建物因縁帳シリーズ 第6弾 木賀建設の曳家を見学させてもらった春菜。 社長は仙龍の昔馴染みだったのだが、持仏堂を曳いた後、 怪異が起こるようになり、住職に相談されて鐘鋳建設を 訪れていたが、隠温羅流の因はなくても春菜が来た。 ってことは、そういうことでしょうと依頼を受ける。 こういう瞬間がワクワクします。 待受けていたのは凄まじい恨みと呪い。怨毒(エンドク)。 それが凝ると鬼になる。 シリーズの転機となる本作。 春菜は、いよいよ隠温羅流の過去に立ち向かう覚悟を決める。 棟梁から大切な手帳を預かって、前に進む。 春菜と仙龍の背中を押したのは、コーイチだよねぇ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
怪異自体はそんなに怖くないのだけど、元となった事は恐ろしい。 人の血で書いた怨毒草子って! 残忍過ぎて読んでるだけでも目を背け、震えるほどだった。 今回は四天王もでるし、ようやく春菜が仙龍に自分の気持ちを伝え、新たな展開を迎え物語の終わりに向かう巻だった。 コーイチいい仕事するなぁ。
Posted by
- 1
- 2