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あやかし草紙 の商品レビュー

4.4

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    9

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2020/07/12

カバーの綿帽子をかぶった花嫁御寮と「白猫」。買った時からもしやと思っていたが、おちかの幸せを読めて良かった。「開けずの間」では、人間の弱みに付け込むあやかしの、語り終えた後に本当の怖さが伝わる。本書の中でも最もページ数を割いた「だんまり姫」は遠州弁とおぼしき語りに癒やされる感じだ...

カバーの綿帽子をかぶった花嫁御寮と「白猫」。買った時からもしやと思っていたが、おちかの幸せを読めて良かった。「開けずの間」では、人間の弱みに付け込むあやかしの、語り終えた後に本当の怖さが伝わる。本書の中でも最もページ数を割いた「だんまり姫」は遠州弁とおぼしき語りに癒やされる感じだった。さて、彼岸と此岸を行き来できる謎の男に認められた小旦那・富次郎の今後が楽しみだ。

Posted byブクログ

2020/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おちかが聞き手を務めるのはこの巻で終了. 1.開けずの間:行き逢い神の話.結構,怖い. 2だんまり姫:もんも声のおせいさんの話.「一国の城主よりも,はるかに偉いものになってやろうぞ」か,一国様,よくぞ申された.これを聞いて,腹を切った滝沢新右ヱ門も成仏できたと信じたい. 3.面の家:災いをなす面を保管する家で「犬」を勤めたお種の話.外に出れば,面を見える人が沢山いるというのは,笑い話か,怖い話か. 4.あやかし草紙:写本の内職で糊口を凌いでしる浪人栫井十兵衛の話と6度も嫁に行った婆様の話と,それに絡んで瓢簞古堂の勘一の話.おちかが勘一にプロポーズ. 5.金目の猫:三島屋の伊一郎と富次郎兄弟の幼い頃にあった不思議な話.ここから聞き手が富次郎にバトンタッチ. やっぱり宮部先生は(話も面白いが)文章が圧倒的にうまい.なんて読みやすいのだろう. 一区切りついたところで,なんとなく1巻から読み直したくなった.読み直そうかな.

Posted byブクログ

2020/07/05

三島屋黒白の間で、おちかが聞き手となる第一期完結。 区切りも、物語での展開もおめでとうございます。 第二期を前に、顔を出した伊一郎兄さん登場になんだか盛り上がった。富次郎さん頑張ってね。

Posted byブクログ

2021/08/07

おちかが黒白の間の聞き手を「卒業」するということが評判になっていたので、どういう成り行きなのだろうと楽しみに読み始めましたが、1話目がいきなり怖かった(><) 2話目は一転、心があたたかくなるお話でした。話せなくなったお姫様の声が戻った瞬間の一言に嬉しくなりました。でもそれよりさ...

おちかが黒白の間の聞き手を「卒業」するということが評判になっていたので、どういう成り行きなのだろうと楽しみに読み始めましたが、1話目がいきなり怖かった(><) 2話目は一転、心があたたかくなるお話でした。話せなくなったお姫様の声が戻った瞬間の一言に嬉しくなりました。でもそれよりさらに胸がすく思いがしたのが、お家騒動のために幼くして悲しい死を遂げた若君が去り際に残した「一国の城主よりも、はるかに偉いものになってやろうぞ」という一言。気高く美しいことばに胸が熱くなりました。この巻の中でいちばん好きなお話です。 4話目はおちかが大きな決心をします。覚悟を決めたんだなぁ。 最終話の『金目の猫』はせつないお話でした。運に味方してもらえなかったおきんさんが、その分幸せになっているといいのだけど。 聞き手が変わってからのお話も楽しみです。おちかの今後もときどき織り交ぜてもらえるだろうと楽しみにしつつ、次の文庫化を待ちます。

Posted byブクログ

2020/07/04

ずーっと追っていたあやかしシリーズの第1章が完結しました。 心に傷を負ったおちかが、百物語を通して、三島屋を通して、このような結末を迎えて本当によかった。そしてこの結末をリアルタイムで見えて本当によかった。 百物語はまだまだ続くから、第二章が楽しみです。 こんなにも分厚い小説なの...

ずーっと追っていたあやかしシリーズの第1章が完結しました。 心に傷を負ったおちかが、百物語を通して、三島屋を通して、このような結末を迎えて本当によかった。そしてこの結末をリアルタイムで見えて本当によかった。 百物語はまだまだ続くから、第二章が楽しみです。 こんなにも分厚い小説なのに一気読みしてしまった。

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2020/07/03

シリーズとしては第一期完結編となっています。 文庫の表紙を見ればなんとなく予感されるように、 第五話で、今までこの物語の主役であった「おちか」が嫁入りします。 お相手はお察しの通り瓢箪古堂の若旦那。 つまり「おちか編」は今巻で終わり、 次巻の「黒岳御神火御殿」からこの百物語の聞き...

シリーズとしては第一期完結編となっています。 文庫の表紙を見ればなんとなく予感されるように、 第五話で、今までこの物語の主役であった「おちか」が嫁入りします。 お相手はお察しの通り瓢箪古堂の若旦那。 つまり「おちか編」は今巻で終わり、 次巻の「黒岳御神火御殿」からこの百物語の聞き手はいとこの、 三島屋の小旦那・富次郎が引き継いでいくことになります。 ちょっと寂しい感じもしますが、これからも「おちか」は時々顔を見せます。 絵のどこに何を見るのか、見つけるのか、見いだすのかは、見る者の目と心にかかっているのだ。―――描く者はただ無心に己の心に浮かんだものを写すつもりで描くことが肝要だ。人に見せつけようとして描けば描くほどに、見せたいものは見てもらえなくなる、と これは第四話「あやかし草紙」の中の言葉ですが、 一応、未熟ながらも写真などで表現をする立場のものとして、 この言葉は心しておきたいと思いました。 今巻も期待通りの江戸あやかし話。 宮部ワールドでたっぷり楽しませてくれます。 今回も期待を裏切らない安定の高評価、★4.5で。

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2020/07/01

宮部みゆきのあやかし草紙を読みました。 三島屋変調百物語伍之続ということで、三島屋の黒白の間で店主の姪のおちかが来客の怪異の話を聞くというシリーズの最新刊でした。 1話目が陰惨な救いのない物語だったので、どう展開するんだろうと読み進めたところ、2話目がちょっとコミカルな話、3話...

宮部みゆきのあやかし草紙を読みました。 三島屋変調百物語伍之続ということで、三島屋の黒白の間で店主の姪のおちかが来客の怪異の話を聞くというシリーズの最新刊でした。 1話目が陰惨な救いのない物語だったので、どう展開するんだろうと読み進めたところ、2話目がちょっとコミカルな話、3話目からはおちかの今後に関わってくる明るい話だったのでほっとしました。 特に2話目の化け物を呼び出してしまう「もんも声」を持った女性の物語が気に入りました。 今巻でおちかは百物語を卒業してしまいますが、三島屋の店主の次男が百物語をつづけるとのことなので、続きが楽しみです。

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2020/06/28

おちかちゃんの嫁入り、こんなにも感慨深い…お、おめでとう〜嬉しいよ〜嬉しいのにしみじみしちゃって私まで泣きたくなる〜!! 三鬼を読み終わって割とすぐに文庫落ちしてくれて嬉しい。こんなにすぐ読めると思ってなかった! 富次郎と伊一郎の兄弟もいいなあ。続きも楽しみ。 宮部みゆきの描くキ...

おちかちゃんの嫁入り、こんなにも感慨深い…お、おめでとう〜嬉しいよ〜嬉しいのにしみじみしちゃって私まで泣きたくなる〜!! 三鬼を読み終わって割とすぐに文庫落ちしてくれて嬉しい。こんなにすぐ読めると思ってなかった! 富次郎と伊一郎の兄弟もいいなあ。続きも楽しみ。 宮部みゆきの描くキャラクタが、生き生きしていて個性的で、やっぱりいいよなあ、好きだなあって改めて思った。満足!

Posted byブクログ

2020/06/12

三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒すため、語り捨ての変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。彼が語ったのは、読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。勘一の話を引き金に、おちか...

三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒すため、語り捨ての変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。彼が語ったのは、読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。勘一の話を引き金に、おちかは自身の運命を変える重大な決断を下すが・・・。怖いけれども癖になる。三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!

Posted byブクログ

2020/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

単行本の方で読んだけど、文庫しか出てこないからこちらで。面白かった!読み出したら先が気になって、久しぶりに一気に読み通した!おちかの周りはいい人ばかりだから、たまーに語りの中で性根の腐った奴が出てくると嫌さ加減が余計ひどく見える。人の親切に仇で返す奴は救わなくていいと思うのよ。むしろバチ当たれ!しょっぱなから怖かったけど、二話目がいじらしくて泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。この世の衆生を守るものとなろう。みんなのために犠牲になった十の男の子が、なんでそんなこと思うのさ。泣くわー、そんなこと言われたら。・゚・(ノД`)・゚・。でも救われるのは、一国様の思いを知っているおせいがいたこと。おせいが、おちかに伝えてくれたこと。後は、情より義を選んだ爺様が、ずっと一国様のそばにいたこと。手を合わせるヤモリに泣けるよね、おせい。ありがとう、一人で頑張ってくれて。後は、猫になって大好きな人たちを見守りたかったおきんの哀れさが。そしておちか、幸せになるんだよ。

Posted byブクログ