三体 Ⅱ(上) の商品レビュー
1年放置していた1巻を数週間前に読んで、もう2巻の上巻を読み終えましたよ!! 陰鬱な「人間」とか「社会」の息苦しさでなかなか手が進まなかった1巻と比べると、分かりやすいほどの面白さで。 新たな「三体」関係を生み出そうというのかな? 突然何の説明もなくヤン・ウェンりーが出てきて...
1年放置していた1巻を数週間前に読んで、もう2巻の上巻を読み終えましたよ!! 陰鬱な「人間」とか「社会」の息苦しさでなかなか手が進まなかった1巻と比べると、分かりやすいほどの面白さで。 新たな「三体」関係を生み出そうというのかな? 突然何の説明もなくヤン・ウェンりーが出てきてとても良かったです。 下巻も頑張る。
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「お前たちは虫けらだ」 三体星人からのメッセージに、地球人は絶望する。しかし我らが大史は言う。 「虫けらはいままで1度も敗北したことがない」 有史以来、人間だって虫けらを駆除しようと幾度となく試みながら、未だ成功していないではないか――。 三体文明から送り込まれた、原子よりも...
「お前たちは虫けらだ」 三体星人からのメッセージに、地球人は絶望する。しかし我らが大史は言う。 「虫けらはいままで1度も敗北したことがない」 有史以来、人間だって虫けらを駆除しようと幾度となく試みながら、未だ成功していないではないか――。 三体文明から送り込まれた、原子よりも小さなスーパーコンピュータ・智子(ソフォン)によって人類の物理学発展の芽は摘まれ、今や地球上のすべての情報が三体星人に筒抜けとなってしまっている。しかし、彼らが決して理解できない、解析不能の不可侵領域がたったひとつ残されていた。智子も、人間の脳内の思考だけは覗けない。 かくして国連惑星防衛理事会(PDC)は面壁計画を立ちあげ、対三体文明の切り札として4人の面壁者を選び出す。元米国国防長官、元ベネズエラ大統領、ノーベル賞候補の科学者、若き大学教授。彼ら4人は、存在する地球上のリソースを自由に使う権限を与えられるが、そのかわり自分ひとりだけで考えた作戦を、敵も味方も欺きつつ遂行し、必ず三体文明に勝利しなければならない。 人間の頭蓋の内の暗闇で練りあげる起死回生の謀略は、果たして地球を救えるのか? 圧倒的な絶望感からの虫けら上等! で熱く〆た『三体』に続くシリーズ第2部『黒暗森林』は、一転して「愛するひと、終末決戦で待っていてくれ」なんて甘ったるいセリフが飛び出してくるけど相変わらず展開がジェットコースター。 主人公のひとり羅輯(ルオ・ジー)は、天文学者から社会学者に転じた異色の大学教授。面壁者のひとりに選ばれ、人類の命運をる預かる重大な使命を担うこの男、自分の脳内で作りあげた「理想の彼女」に入れあげすぎてリアル彼女に振られるというアニメの主人公みたいなキャラ設定。彼が人類を救う(かもしれない)重要人物になるなんて、やっぱりアニメの(以下略)で先行き不安しかないけれど、そんな羅の警護役として前作から引きつづき登場するのが史強(シー・チアン)兄貴。兄貴がいれば人類安泰じゃね? ってくらい頼もしい活躍を見せてくれる。 そして地球には、三体文明の到来を歓迎する地下組織・地球三体協会(ETO)も存在している。彼らは面壁計画を打破すべく、その思考ゆえに欺瞞や駆け引きができない三体星人に代わって面壁者の真意を看破する”破壁人”を選び出す。上巻は、この面壁者vs.破壁人の腹の探り合いが中心。上下巻一緒に発行してくれてよかった。一気に読める。上巻は陰陰滅滅とした色ボケからの下巻で大量殺戮カタストロフの流れが最高。中国でアニメ化したりNetflixで英語版ドラマの製作が決まったりと、やはりエンタメ向きSFなんだと思う。
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面白い。3対文明という宇宙人と人間文明の戦いというSFだけど、すごくリアルに描いている。面白かったのは、人間の精神をコントロールして、圧倒的な技術力を誇る3体文明に対しても挫けないマインドを鍛えようと考えたところ。そして、人間の本音と建前は3体文明には理解できないという発想
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※このレビューにはネタバレを含みます
面白い!4日くらいで読み終えた。 面白すぎてこの本を拝んだりウオオオオと表紙を撫で回したりと奇行が目立った。そんな本ありますか? 1巻の主人公のひとり、ワン・ミャオが出てこなくなって他の登場人物もかなり入れ替わっていることにまず驚いた。地球文明と三体文明の対決は、一個人のみの視点で語るには壮大すぎるんだな。自然と前巻から登場している史強が出てきた時に読者も一緒に安心するようになっている。 わたしは文系なので、ぼんやりと抽象的にしか理解できない部分も増えてきたが、それでも話の面白さを損ねることはなく、この程度が作者の想定している理解度なのでは?という気すらする。 そして相変わらず作者の発想力と話の組み立て力に翻弄されるばかりだった。想像外の出来事につぐ想像外の出来事。 このスケールの大きな話で読者を丁寧に絶望させていく。 「このあとの流れちょっと長引いたらダルいな…」というところはごそっと省いてくるし、「つまりどういうことだ?」と思うとキチッと具体例もしくは抽象例を出して拾ってくれる。ここの裁量がお見事だ。 今まで遭遇したことのない概念なのになぜか短い言葉簡単な言葉で理解できるのは、翻訳の大森望さんの力量の高さか。 今のところ日本では黒暗森林の下巻までしか出ていないのが恐怖ですらある。下巻を読み終わったとき「なぜ完全に出版されてから読まなかったんだ!」という怒りを抑えられるかどうか。
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三体人にはなくて、地球人にできる最も大きなこと、思ったことと伝えることを変えられること。 面壁者は、来るべき400年後の終末決戦に向けて、三体人、地球人さえも騙し、地球を救うための策略を練る。それを阻止する破壁者。スケールの壮大さ、それによりリアリティを加える物理学の技術開発の具...
三体人にはなくて、地球人にできる最も大きなこと、思ったことと伝えることを変えられること。 面壁者は、来るべき400年後の終末決戦に向けて、三体人、地球人さえも騙し、地球を救うための策略を練る。それを阻止する破壁者。スケールの壮大さ、それによりリアリティを加える物理学の技術開発の具体性。4人の面壁者それぞれの策謀がたまらなく面白かった。 章北海めっちゃ好きだわ、自分の中では冷酷で縁無しの丸メガネかけた塩顔の白人っぽい軍人のイメージ(笑) 小説のキャラクターを考えるときは自分の世界の中にその人物を投影して、共に過ごす。マンガだけど、宇宙兄弟の作者もそんなこと言ってたな。より魅力的な人物を作り出せる作家は、本当にそういうことをやってるんだろうか。 ルオジーの思い浮かべた理想の世界、最高すぎるな、ああいう場所で余生を過ごしたいな
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冬眠技術、宇宙エレベーターと技術爆発が第三者の圧力で起こっている。猜疑連鎖とは?これからの物語のキーとなりそう。
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一作目の流れを受けてスケールがさらに大きくなっています。ページを巡る手が止まりませんでした。ところどころに中国のお国柄が滲んでいるのが面白いです。日本についての記述も出てきます。少なくとも作者にとって過去はともかく今の日本に対してそれほど悪い心情は無さそうです。むしろ驚くほど深く...
一作目の流れを受けてスケールがさらに大きくなっています。ページを巡る手が止まりませんでした。ところどころに中国のお国柄が滲んでいるのが面白いです。日本についての記述も出てきます。少なくとも作者にとって過去はともかく今の日本に対してそれほど悪い心情は無さそうです。むしろ驚くほど深く理解しています。そう言う文化論としても読めるかと思います。
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前作のときも思ったけど、想像以上に泥臭いというか、昭和っぽい展開の上巻であった。特にルオジー。本人も気づかぬ素質を見込まれて面壁者に抜擢されるあたりはまるでスポ根ドラマ。でも根性で乗り切るのではなく、放蕩に溺れて大石内蔵助になるあたりがまた昔風。 そもそも面壁者というのが、「外...
前作のときも思ったけど、想像以上に泥臭いというか、昭和っぽい展開の上巻であった。特にルオジー。本人も気づかぬ素質を見込まれて面壁者に抜擢されるあたりはまるでスポ根ドラマ。でも根性で乗り切るのではなく、放蕩に溺れて大石内蔵助になるあたりがまた昔風。 そもそも面壁者というのが、「外へ向かって説明してはいけない」という発想が基盤なので(そのわりにしょっちゅう公聴会とかやってるのが謎だけど)、根本的には、西欧的ロジックを否定して禅問答のようにならざるを得ない。その東洋的(中国的?)な心理戦を、少しもすっ飛ばすことなくみっちり描いていく密度の濃さよ。 史強さんは健在で一番たよりになる存在。彼はいいですね。 大石内蔵助ルオジーが、覚醒する(ように見える)ところまでが上巻。(でもそのあとすぐ冷凍睡眠で眠りにつく)
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一巻でも評価が難しかったけど、ますます評価がしづらくなってきた。 一巻で三体世界から宇宙人が攻めてくるぞ!がラストシーンだった。 二巻からは、三体世界からの侵攻に対して、面壁者を世界から四人を選び出し、彼らに防衛計画を立案させるというもの。 三体世界は外界に対するコミュ...
一巻でも評価が難しかったけど、ますます評価がしづらくなってきた。 一巻で三体世界から宇宙人が攻めてくるぞ!がラストシーンだった。 二巻からは、三体世界からの侵攻に対して、面壁者を世界から四人を選び出し、彼らに防衛計画を立案させるというもの。 三体世界は外界に対するコミュニケーションを全て察知されてしまうため、面壁者には自らの思考のみで計画を立案することが求められる。 四人目の面壁者、羅輯はかつて自分が理想としていた女性を探すように指示し探し出す。 理想の生活をしていたはずだったが、妻と子はある日突然姿を消す。 三体艦隊到着まで、4光年強。 地球への侵攻は4世紀後と予測される。 4世紀に渡る三体世界からの侵略者からの防衛計画が始まる。 という内容なのだが、本当に評価に困る。 面白いか?と言われると面白くなりそうだから読み進めてるけど、イマイチまだ面白くない。 本当に、面白くなるんでしょうかと一抹の不安を抱えつつ二巻(下)に続く。
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※このレビューにはネタバレを含みます
私は、本格的なSF小説を読んだのは『三体Ⅰ』がおそらく初めてだと思います。 『三体Ⅰ』はよくわからない部分も多かったのですが、バーチャルゲームの三体世界が非常に面白かった印象があります。 最後は三体文明が地球を侵略する計画が明らかになりました。 今回の『三体Ⅱ黒暗森林』はその続編です。 今回は主人公ルオ・ジーの行動が一番面白かったです。 以下完全にネタバレですので、これから読まれる方はご注意ください。 三体文明が智子(ソフォン)という改造された陽子を地球に発射します。人類の活動は智子に監視されています。 智子の監視の唯一の盲点は「人間の思考」なので、対する人間は「面壁計画」を実行し、四人の「面壁者」が選ばれます。 面壁者は三体文明と全人類を騙さなければなりません。 その面壁者四名は、この小説の主人公であるルオ・ジーという『三体Ⅰ』の主人公葉文潔とも面識のある、全く無名の天文学者。あとの三人はフレデリック・タイラー、マニュエル・レイ・ティアス、ビル・ハインズ。 三人三様の計画を立てようとしますが、三体世界が最も重要視して恐れているのはルオ・ジーのみ。かなり以前から三体世界はルオ・ジーを暗殺しようとしてきていたのです。 そしてルオ・ジーは全くのマイペースで、面壁者としての権利を利用して、美味しいお酒を用意させたり、享楽的な生活をし始め、果ては自分好みの理想の女性まで連れてこさせ、家庭生活を営み始めます。 しかし、その生活は邪魔が入り長続きはしませんでした。 ルオ・ジーは三体世界に打ち勝つことができるのか…。 (下巻に続く)
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