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水を縫う の商品レビュー

4.3

338件のお客様レビュー

  1. 5つ

    129

  2. 4つ

    136

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

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2023/12/26

娘の受験でよく出た小説。男らしさ、女らしさとは、ということに悩む男女、母、祖母の話。理解があって良い家族。、みな悩みながらに生きてる。救われる。暖かい物語。読みやすい、読んでよかった。

Posted byブクログ

2024/01/12

私の祖父母・両親も、性別による役割分担や、親(大人)と子供の立場の違いについて、昔ながらの考え方をする人たちだった。よく、「女の子なのに…(女の子なのにそんな恰好をするんじゃない、女の子なのにそんな言葉を使うんじゃない)」や「女の子なんだから…(女の子なんだから手伝え)」「女の子...

私の祖父母・両親も、性別による役割分担や、親(大人)と子供の立場の違いについて、昔ながらの考え方をする人たちだった。よく、「女の子なのに…(女の子なのにそんな恰好をするんじゃない、女の子なのにそんな言葉を使うんじゃない)」や「女の子なんだから…(女の子なんだから手伝え)」「女の子らしくしろ」と言われたし、「親(大人)の言うことは素直に感謝して聞け、口答えするな」と怒られた。私は自分が抑圧されていると感じ、自我が芽生えた十代はとにかく、価値観や考え方の押し付けに反発し、抵抗した。彼らの考える「良い娘」の枠からはみ出していても、それが私なのだ。 自分がアラフィフという年齢になってみて改めて思うのは、親(大人)も未熟なのだということ。子供はもちろん人生の経験値も低く知識も少ないわけで、大抵の大人よりも未熟な部分が多いけれど、かといって、大人がいつも正しく、子供がいつも間違っているわけでもないし、大人でも正誤の区別のつかないこともある。 一人一人が人格の異なる別個の人間で、価値観も考え方も違う。それが個性なのだと思う。そしてそれぞれの個性は、性別や年齢、立場(親だから、我が子だから…)等によって一方的に定義されたり制限されるべきではないのだ。結局大切なのは、お互いが人間対人間として尊重し合うことなのだ。 この小説はとても刺さった。 自由とは「他人を害さない全てのことを成し得ること」だという。他人を害さない限りにおいて、全ての人が、性別や年齢や昔ながらの決めつけに縛られずに、その個性を尊重されながら、自由に生きられる世の中を望む。

Posted byブクログ

2023/11/17

「水を縫う」ってそういうことか。 姉の結婚式のドレスを縫う、弟。 家族それぞれの気持ち、生きてきた過程が書かれている。 父の全、祖母の文枝、弟の清澄には、好きなものがある。特に祖母の七十四歳から始めるスイミングや一人で旅行するなど、「好きなことをする」のがとても良かった。いいなと...

「水を縫う」ってそういうことか。 姉の結婚式のドレスを縫う、弟。 家族それぞれの気持ち、生きてきた過程が書かれている。 父の全、祖母の文枝、弟の清澄には、好きなものがある。特に祖母の七十四歳から始めるスイミングや一人で旅行するなど、「好きなことをする」のがとても良かった。いいなと思った。スタートは遅いけれど、何歳からでも始められるというメッセージがよかった。清澄も、学校でからかわれることを恐れて好きなことを辞めないで、好きを貫けるのっていいなと思った。 母のさつ子は口うるさい、仕事一筋の母親になってしまっているけれど、子どもを心配しての先まわりであって、子どもから見たら、嫌われる母親かもしれないが、母親としての役割や仕事をばりばりする姿はかっこよくて、決して恥ずかしい親ではないと思う。母親、父親はこうでなければならないとか、女だから、男だから、という考え方を改めて考えさせられた。

Posted byブクログ

2023/11/07

とても素敵な一冊に出会えました。 帯に書かれた書店員さん達絶賛の書評通り。 他の作品も是非とも読んでみよう。

Posted byブクログ

2023/11/04

ある家族の6人の物語。普通って何だろう、○○らしくって何だろう。現在はあまり女らしくとか男らしくといったことを声高に叫ばれなくなったけれど、それでも生きづらく感じる人もいるのだろうと思う。自分に素直に自分らしく生きたいと願う葛藤が優しく折り重なっていました。じんわりと泣けます。清...

ある家族の6人の物語。普通って何だろう、○○らしくって何だろう。現在はあまり女らしくとか男らしくといったことを声高に叫ばれなくなったけれど、それでも生きづらく感じる人もいるのだろうと思う。自分に素直に自分らしく生きたいと願う葛藤が優しく折り重なっていました。じんわりと泣けます。清澄がとても優しい男の子でそして芯のある子だった。

Posted byブクログ

2023/10/25

好きで夢中になれるものを見つけられるってとてもステキ。 こうあらねば!と言い聞かせていた自分からの解放、そして、こうありたい!という心の中の素直な想いを実現させていく変化がとても魅力的だった。 最終章はもちろんだが、第五章がまたよい。 黒田さん、いい味出してるなぁ。 ラストのシー...

好きで夢中になれるものを見つけられるってとてもステキ。 こうあらねば!と言い聞かせていた自分からの解放、そして、こうありたい!という心の中の素直な想いを実現させていく変化がとても魅力的だった。 最終章はもちろんだが、第五章がまたよい。 黒田さん、いい味出してるなぁ。 ラストのシーン、ぜひ映像で見たい。 そして、自分も夢中になれる趣味を見つけられるように色んな興味あるものに触れていきたい。

Posted byブクログ

2023/10/24

女らしさ、男らしさ、母親らしさ、父親らしさ…様々ならしさに絡め取られて息苦しく生きてきた、高校生の清澄を初めとした家族たちが、流れる水のように少しずつ変化して、柔らかく呼吸ができるようになるまでの物語。 少し、母親のさつ子の考え方が苦手だなぁと思いつつも、一生懸命に不器用に生きて...

女らしさ、男らしさ、母親らしさ、父親らしさ…様々ならしさに絡め取られて息苦しく生きてきた、高校生の清澄を初めとした家族たちが、流れる水のように少しずつ変化して、柔らかく呼吸ができるようになるまでの物語。 少し、母親のさつ子の考え方が苦手だなぁと思いつつも、一生懸命に不器用に生きていることで、みんなどこかしらそうだよなぁと思わされる。さつ子に限らず、この物語の登場人物に限らず、この世界に生きている人たちみんな。 するりと読めました。

Posted byブクログ

2023/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

じんわりと心に沁みるお話。みんなそれぞれ生き方、考え方がさまざま。登場人物たちが楽しんで生きる道を見つけていくのが楽しかった。ブラボー!

Posted byブクログ

2023/10/08

寺地はるなさんは、2冊目なんですけど世の中の普通に問いかける普通に良い作品でしたって書いたらマズイかもw 「男なのに」 刺繍が好きな弟の清澄キヨスミ 「女なのに」 かわいいものが苦手な姉の水青ミオ 「愛情豊かな母親」 になれなかった颯子サツコ 「まっとうな父親」 になれなかった全...

寺地はるなさんは、2冊目なんですけど世の中の普通に問いかける普通に良い作品でしたって書いたらマズイかもw 「男なのに」 刺繍が好きな弟の清澄キヨスミ 「女なのに」 かわいいものが苦手な姉の水青ミオ 「愛情豊かな母親」 になれなかった颯子サツコ 「まっとうな父親」 になれなかった全とその友人、黒田 「いいお嫁さん」 になるよう育てられた祖母、文枝 6人の家族の物語なんですが、素敵に見えたのはお婆ちゃんの文枝さんでした。家族をサポートしてきた良妻賢母なんですが74歳にして水泳始めたり、一人旅に出たりと好きなことに挑戦していく姿が輝いてみえました。 姉の水青が結婚することになってウエディングドレスが可愛すぎて着れないとか、えぇええ、そんな感覚の人もいるんだという思いも本人に圧をかけることになるわけで尊重することも大事なんだと、息子が裁縫始めたら大丈夫だろうかって心配する気持ちもわかるんですが、好きなことするのに男も女もないですよね。男装する女性は別に抵抗ないし素敵だと思えるのに、女装する男性は勘弁してって思うところは差別じゃなく区別だなんて詭弁使ってましたけど偏見なんでしょうね。 私としてはそこは普通であって欲しいと思ってしまうんですけど、うーむ悩ましい。石を磨く少女とかはセーフなんですけど。 あと母親の颯子さん、素直でないところツンデレな感じ、演劇とか始めると感情表現とか豊かになると思うんですがコミュ症の私がゆうのもお節介でしょうねw

Posted byブクログ

2023/10/05

━…━…━…━…━…━…━…━ 1.感想 ━…━…━…━…━…━…━…━ なぜだか、じわっと、涙が溢れてくるような作品でした。ゆったりと、流れる空気感を感じられたと思います。 「決めつけてはダメだよ」というメッセージが聞こえてくるような作品でした。自分が持っている常識や偏見を意...

━…━…━…━…━…━…━…━ 1.感想 ━…━…━…━…━…━…━…━ なぜだか、じわっと、涙が溢れてくるような作品でした。ゆったりと、流れる空気感を感じられたと思います。 「決めつけてはダメだよ」というメッセージが聞こえてくるような作品でした。自分が持っている常識や偏見を意識させられます。 私の父は縫製の仕事をしていたんですが、縫い物ができて、ミシンも使えて、すごいな〜と、子どもの頃、感じていたのを思い出しました。縫製工場のシーンがあって、私の父も個人事業主で何名かの人を雇って仕事をしていたので、すごいあの頃を思い出していました。 父はまだ生きていますが、あの頃を思い出すと同時に、それぞれが抱える優しさが見えてくると、なにか、じわっと泣けてきました。 全というお父さんメインの話がないんですよね。 なんか、そこがまた、なんとも言えない感じ。 それぞれの人生、それぞれにスポットライトがあたって、それぞれに流れがあるんだな〜と、しみじみと感じます。 一度きりの人生、どう流れていくか、、、 ━…━…━…━…━…━…━…━ 2.あらすじ ━…━…━…━…━…━…━…━ 連作短編集です。 4人で暮らす松岡家と、離婚した父の全と、全の友人の黒田が主人公となって、それぞれの立場で物語は進んでいきます。 家族は表面上仲良しという感じではなく、ギスギスする部分や、言い争うことが多い家族です。 そんな家族がそれぞれの考えをあらため、新たな一歩を踏み出していきます。 清澄 ↓ 水青 ↓ 颯子 ↓ 文枝 ↓ 黒田 ↓ 清澄 ━…━…━…━…━…━…━…━ 3.主な登場人物 ━…━…━…━…━…━…━…━ 松岡清澄 きよすみ、キヨ 松岡水青 みお、清澄姉 松岡颯子 さつこ、清澄母、市役所勤務、離婚者 松岡文枝 清澄祖母 全 清澄父 紺野 水青結婚相手 黒田 高杉くるみ 清澄同級生 竹下 颯子同僚、30代、離婚経験者

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