水を縫う の商品レビュー
家族の物語。 過干渉になっている母親さつ子に自分が重なる…。 失敗したっていいじゃない、と思ってはいるのでこの母親よりはマシかな…と思ったり、過干渉な自分を見ているかのようで痛かったり…。 私の場合、上の子が高校生の頃が過干渉な自分について反省するピークだったかも...
家族の物語。 過干渉になっている母親さつ子に自分が重なる…。 失敗したっていいじゃない、と思ってはいるのでこの母親よりはマシかな…と思ったり、過干渉な自分を見ているかのようで痛かったり…。 私の場合、上の子が高校生の頃が過干渉な自分について反省するピークだったかもしれない。(今もまだまだではあるけれど。)そんな上の子も20歳だ。 多分、この本に出会うタイミングで自分を投影する登場人物は変わるだろうし、思わず誰かに自分を投影しつつ読んでしまうのではないだろうか。 「男だから」「女だから」「父親だから」「母親だから」 無意識のうちにとらわれてしまっていることってたくさんある。 そんな事にとらわれなくていい、とも思わせてくれた。 出会えて良かった1冊。
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【流れる水のように】 多岐に渡る人生のテーマが詰まっているお話。 他者への想像力、ジェンダー、親子関係、家族の形、仕事、世代間の価値観の違い… … もうすぐ結婚する姉の水青(あお)のウェディングドレスを縫うことになる、弟の清澄(きよすみ)。6章あって、1と6は清澄の語りで、2-5は、姉、母、祖母、そして離婚した父の雇い主の黒田さん。 ・・・ 「そしたら、刺繡の意味なくない?」 「あるよ。見えない部分に薔蔵を隠し持つのは、最高に贅沢な「かわいい」の楽しみかたや」(本文より) 言葉を自分がどう使うか、自分で定義できる。過去への執着やトラウマを克服する手助けになる視点かも。 清澄のしなやかな人とのかかわり方。他者への好奇心が、また、自分には知らないこと、分からないことがある、という無知の知みたいなものの自覚。 「…好きなことと仕事が結びついていないことは人生の失敗でも何でもないよな…」(本文より) 石好きな高杉くるみちゃんを忘れない。 失敗する権利。親子関係であったとしても、他者に対して、傷つかない、を願うのは無駄だなー。 いろんな世代の人が共存する社会。過去の価値観にこだわって生きる人と、新しい時代に自分も含めていく人とは何が違うのだろう。世代じゃないんだろうな。自分の生きてきた時代、環境、経済社会システムからの影響を自覚し、時に抵抗してでも自分の好き、や感性を大事にできるか。 ・・・ 流れる水のように、自然にしなやかに生きること。それは前に読んだ中野善壽さんの本でもテーマだった。 形なんて本来なくて、何を信じるかなんだろう。 何を信じるかをその時々で自分で決める人生か。
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面白かった!”これから”を生きるすべての人々に読んでほしい 姉・水青の結婚式に向けて、ドレスを作ることにした弟・清澄 水青と清澄のほかに、母や祖母、父と働いている黒田さんの目線で物語は綴られていく 母や祖母の目線の章で2人の世代の価値観や気持ちをつぶさに書かれていることで何となく...
面白かった!”これから”を生きるすべての人々に読んでほしい 姉・水青の結婚式に向けて、ドレスを作ることにした弟・清澄 水青と清澄のほかに、母や祖母、父と働いている黒田さんの目線で物語は綴られていく 母や祖母の目線の章で2人の世代の価値観や気持ちをつぶさに書かれていることで何となく”こうしなければ”の世の中の枠組みを感じる ”男らしさ”や”女らしさ”そして”普通”って一体何だろうとじっくり考えながら読んだ 男だから刺繍を趣味にしたら変?女だから可愛いものを着るべき? どの世代の人たちもみんなが少しでも呼吸しやすくなる世の中のため、価値観をアップデートし続けなくてはいけないと思う そしてどんな自分でもいいと大きく包みこんでくれるような優しさをこの本から感じた
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どうやったらこんな綺麗な心になれるんだろう、そしてこんな綺麗な心の人に出会えたとしてもほれを受け入れられる自信がない、自分には。
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手芸が好きな高校生、 結婚を控えた、堅実な姉、 子どもたちに失敗してほくしないが故に 口うるさくなってしまう母、 家族の潤滑剤の祖母、 離婚した父の雇い主兼家族 家族の中でそれぞれが、家族に対して 素直になれなかったり、 ぎくしゃくする思いを抱えたりしてる。 でも、ふとちょっ...
手芸が好きな高校生、 結婚を控えた、堅実な姉、 子どもたちに失敗してほくしないが故に 口うるさくなってしまう母、 家族の潤滑剤の祖母、 離婚した父の雇い主兼家族 家族の中でそれぞれが、家族に対して 素直になれなかったり、 ぎくしゃくする思いを抱えたりしてる。 でも、ふとちょっとしたきっかけや周りの言動で、 頑なな気持ちが少しだけほぐれる。 ほぐれた気持ちで人に接したら、 ちょっと上手くいったりする。 そんな様子にホッとした。 清澄くんの、好きなものは これからの人生の支えになる。 それを見つけられたのはしあわせだなぁと 思った。
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じんわりあたたかい家族小説。しかし子どもを心配しているという大義名分を掲げて自分が正しいと思っていることを押し付ける無神経さがどうしても無理でさつ子だけは受け付けず…。この家族みんなどこかしら不器用だから仕方ないにしても。刺繍が祈りであるという話はとても良かった。あとはとにかく黒...
じんわりあたたかい家族小説。しかし子どもを心配しているという大義名分を掲げて自分が正しいと思っていることを押し付ける無神経さがどうしても無理でさつ子だけは受け付けず…。この家族みんなどこかしら不器用だから仕方ないにしても。刺繍が祈りであるという話はとても良かった。あとはとにかく黒田さんに幸せになってほしい。
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手芸が好きな男の子の家族それぞれの目線から書かれているお話です。 日常の中でほかの人との小さな違いに気づいた時、孤独感や劣等感、疎外感を感じたことがあると思います。そんな時、自己否定する必要はないということをこの本を読んで感じました。 集団で浮いているように感じたことがある...
手芸が好きな男の子の家族それぞれの目線から書かれているお話です。 日常の中でほかの人との小さな違いに気づいた時、孤独感や劣等感、疎外感を感じたことがあると思います。そんな時、自己否定する必要はないということをこの本を読んで感じました。 集団で浮いているように感じたことがある人や他人と比べて落ち込んでしまう人に読んでほしいと思いました。
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主人公から、姉、母、祖母へと語手を変えて綴られる不器用な家族の物語り。寺地はるなさんがそんな家族を優しく描いてます。ほんとに家族の描き方が上手い。第5章がいちばん感動的でした。
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ブクログの皆さんの本棚で良く見かける寺地さんを初読みです。 高校に入学した刺繍好きの男子である清澄と、ある事情で可愛いものがダメになった姉の水青が中心だが、祖母も母親もそれなりに個性が強い。それにお金の管理が出来ずに離婚された父親と、その父親を見守る親友の6人が、それぞれの章で主...
ブクログの皆さんの本棚で良く見かける寺地さんを初読みです。 高校に入学した刺繍好きの男子である清澄と、ある事情で可愛いものがダメになった姉の水青が中心だが、祖母も母親もそれなりに個性が強い。それにお金の管理が出来ずに離婚された父親と、その父親を見守る親友の6人が、それぞれの章で主役となる構成。各自の個性が良く分かる。 他人と一定の距離を保とうとする水青が結婚するのも不思議だが、結婚式も開きたく無いほどの水青のウェディングドレスを作ろうとする清澄。 可愛いさを嫌う水青のドレスに可愛さを足してしまう清澄。困った時に頼るのが父親の親友である黒田さん。そして父親の登場。 文章は淡々としているのだが、内容が非常に濃く、あっという間に最後まで読んでしまった。6人の関係と結末に感動してしまった。
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すごく、ものすごく良かった。 これはもうおそらく、今年1番好きな本決定です。 「男らしく」とか「女らしく」とか「いい母親」とか「普通の家族」とか、そういったある種の呪いのような固定観念に人生を縛られてきた家族が、娘の結婚を機に自分の人生を考え、他人の優しさに気づき、気持ちに正直...
すごく、ものすごく良かった。 これはもうおそらく、今年1番好きな本決定です。 「男らしく」とか「女らしく」とか「いい母親」とか「普通の家族」とか、そういったある種の呪いのような固定観念に人生を縛られてきた家族が、娘の結婚を機に自分の人生を考え、他人の優しさに気づき、気持ちに正直になっていく。 6章ある全ての物語が感涙ものでしたが、自分が父親であるせいか第5章の「しずかな湖畔の」が笑えるくらいに泣けました。40頁ほどを読むなかで何度も泣いて何度も熱くなって。 嫌な人が1人も出てこないこともあり、とても気持ちよく読み切ることができました。 寺地はるなさんの本は初めて読みましたが、とりあえず図書館で他の作品を借りてみたいと思います。あと、「水を縫う」は本屋で買って、本好きな義母にプレゼントしたいと思いました。
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