水を縫う の商品レビュー
寺地さん、好きです。 でも、清澄と水青の視点だけで十分だった。黒田さんは第三者として面白かった。おばあちゃんは清澄の視点からは素敵だったけど、おばあちゃんのところになると、もうお腹いっぱい。理屈いっぱい。読んでて疲れた。 フジテレビの上納事件を思い出した。YouTubeでも色...
寺地さん、好きです。 でも、清澄と水青の視点だけで十分だった。黒田さんは第三者として面白かった。おばあちゃんは清澄の視点からは素敵だったけど、おばあちゃんのところになると、もうお腹いっぱい。理屈いっぱい。読んでて疲れた。 フジテレビの上納事件を思い出した。YouTubeでも色々やってるけど男視点なんだよね。女の人で実際に被害に遭った人は、声をあげられないよね。
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胸が熱くなる話だった。 好きなものが一般的でないけど好きな気持ちを押さえられない高校生清澄。先まわりして心配ばかりの母さつ子。気を使いすぎ自分の気持ちを表に出せ無くなってしまった姉の水青。そんな彼らをあたたかく見守る祖母文枝。 水青の結婚をきっかけに離婚した父との複雑な関係にも変...
胸が熱くなる話だった。 好きなものが一般的でないけど好きな気持ちを押さえられない高校生清澄。先まわりして心配ばかりの母さつ子。気を使いすぎ自分の気持ちを表に出せ無くなってしまった姉の水青。そんな彼らをあたたかく見守る祖母文枝。 水青の結婚をきっかけに離婚した父との複雑な関係にも変化がおこる。 清澄が自分の実力のなさを思いしるところ、それでも自分に出来ることをさがしていくところが印象に残った。
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水青が着るウェディングドレス、とっても素敵なんだろうな。実物を見てみたくなりました。 女だから男だからと決めつけてしまう世界ではなく、誰が何をしても自由で優しい世界になったらいいなと思いました。
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男子高校生の清澄が、姉の結婚式のドレスを作る6ヶ月間。 姉の水青にはかわいいものが苦手な理由がある。なのに清澄はかわいいドレスばかり作ろうとする。「男なのに」手芸が好きな清澄は、どうしても姉がかわいいドレスを着たくないことを理解できない、水青の思いは伝わらない。…伝わらないとい...
男子高校生の清澄が、姉の結婚式のドレスを作る6ヶ月間。 姉の水青にはかわいいものが苦手な理由がある。なのに清澄はかわいいドレスばかり作ろうとする。「男なのに」手芸が好きな清澄は、どうしても姉がかわいいドレスを着たくないことを理解できない、水青の思いは伝わらない。…伝わらないというか、そもそもちゃんと伝えていないのか。 「普通」とはなにか。 普通っていうのは単なる多数であって、普通と普通でないことには優劣、とまで大げさではないが、それに近いものが世の中にある気がする。また自分の普通を人に押し付けがちでもある。 多分この先も、普通という概念が無くなることはなくて、でも普通の範囲を変えることは出来る。裁縫や料理が出来ることは女子力ではなく生活力だし、血の繋がりだけが家族じゃないし、つらさの感じ方は人によって違う。似たもの同士で「わかるわかる」と言い合うより、似ていない方がずっと楽しい。 ドレスが作り上がるまでに、家族たちが持っていたそれぞれの「普通」がコツンコツンとぶつかり合った。ゴツゴツした違和感が川の流れの中で丸くなっていく。離婚した父も、友人の黒田さんも、清澄も水青も、母も祖母も。 結婚式の朝、水青が着たドレスがキラキラと輝いて見えた。まだ結婚式は始まっていないのに、感動して涙が出た。
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好き! 姉のために結婚式のドレスを用意する弟の物語。 なのだけど、生きづらさがある中でも不器用にも一生懸命に生きる人たちの群像劇だった。 作中に出てくる様々な年齢性別の登場人物たち、なのに全員に「わかる」となぜか共感してしまう不思議な物語だった。 日常の話なのに苦い気持ちになっ...
好き! 姉のために結婚式のドレスを用意する弟の物語。 なのだけど、生きづらさがある中でも不器用にも一生懸命に生きる人たちの群像劇だった。 作中に出てくる様々な年齢性別の登場人物たち、なのに全員に「わかる」となぜか共感してしまう不思議な物語だった。 日常の話なのに苦い気持ちになったり、じんわりと優しさに包まれたり、何度も心を揺さぶられた。 女だからとか、歳だからとか、母親だからとか…今はもうそんな時代じゃ無いよね。とわかっていても、案外自分が自分にその呪いをかけてたりするんだよな、と思ったり。 好きを大事に楽しく軽やかに生きていきたいな。
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図書館のYAコーナーが大好きな私。 「令和3年度課題図書」のシールが貼られているのでずっと気になっていたのですが、ようやく手にしました。 やっぱり寺地はるなさんは、様々な境遇にある人達(今時だと多様性ですかね…)の気持ちをさらりと描いているのがとてもいい! 寺地さんの作品を読ん...
図書館のYAコーナーが大好きな私。 「令和3年度課題図書」のシールが貼られているのでずっと気になっていたのですが、ようやく手にしました。 やっぱり寺地はるなさんは、様々な境遇にある人達(今時だと多様性ですかね…)の気持ちをさらりと描いているのがとてもいい! 寺地さんの作品を読んでいるといつも、家族であっても自分意外の人がどんなふうに感じたり考えているかなんて勝手に決めつけちゃダメだなって思う。 刺繍や裁縫が好きな高校生の清澄。 かわいいと言われることが落ち着かない姉の水青。 シングルマザーとして二人を育てるさつ子。 裁縫が好きな祖母の文枝。 さつ子の前夫 全と旧友黒田。 始めはよくわからないと思っていた一人一人の気持ちが読み進めるうちに共感へと変わっていく。 そして、一人一人がとても愛おしく感じた。 私の亡き母も自宅で裁縫をしていた。 道具があったから私もほんの少しだけ裁縫する。 最近はデザインを学ぶ息子の課題で、服のデザインから縫製までを少し手伝ったばかり。 作り手として着る人の気持ちを一番に作るのは大前提とはいえ、作り手と着る側の思いが一致したものを作るのはホントに難しい。 そんなことを考えている矢先にこの本を手にしたのは、やはり必然だったようだ… 水青と清澄の父、全の章だけがなかったのだけれど、彼の思いを代弁する黒田の章が泣けた。 芸術の世界には、やはり天才を陰で支えるありがたい存在がいるものだな…と思う。 彼らだけで一冊本が書けるのではと思う。 息子が通っていた総合高校の服飾デザイン科には男子生徒の数は少なかったけれど、思えば裁縫が得意な男子は息子の周りにいなくはなかった。 彼らが本当に楽しそうに裁縫している姿とその作品に、驚きつつも感動したものだ。 清澄のように、好きなことを堂々とすること それこそが、これからの時代という川で上手く流れに乗っていくコツなのだろうな…
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男の子なんだから、女の子なのに そんな言葉は過去になりつつある現代 自分もそんな中で生きて来たなとつくづく思う 淀まなく流れる水のようにありたい 清澄が刺繍したドレスの水の流れが 目に見えるようだった それぞれの目線で書かれていて とても良い作品でした
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4に近い星3 裁縫が好きな高校生の清澄。 姉のウエディングドレスを作る事になるお話し。 清澄目線の話し、姉・水青(みお)目線、母・さつ子目線、祖母目線、黒田目線、そして清澄目線の話しとなっていました。 母・さつ子の子どもに対する愛情の表現の仕方に、頷ける所がありました。 子...
4に近い星3 裁縫が好きな高校生の清澄。 姉のウエディングドレスを作る事になるお話し。 清澄目線の話し、姉・水青(みお)目線、母・さつ子目線、祖母目線、黒田目線、そして清澄目線の話しとなっていました。 母・さつ子の子どもに対する愛情の表現の仕方に、頷ける所がありました。 子どもに好きだという事を伝える事が苦手だと思います。 本当は違うのに、この思いの後にはこんな思いが、あるのに…不器用だと思いました。 私も祖母の様な態度を取りたいけど、なかなか難しいな〜と思います。
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これはきっと、この先何回も読み返したくなる本。物語のあちこちに大事にとっておきたくなる様な言葉がちりばめられていて、こんな風に思ったことないのに、メモしておきたくなる瞬間がなんどかあった。高校生の男の子が本当にいい子。しなやかで強く優しいこの子がやりとげたラストがとても良かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
親が明治生まれで、「男らしい女らしい」ことをするのが当たり前という環境で育った祖母。 その祖母に育てられたが、家事が苦手な母。 小学生の時に見知らぬ人から通りすがりにスカートをきられたり、高校生の時に電車内で痴漢にあったりした姉。 どんなリクエストでも完璧に洋服をデザインする父親に似て、幼少期から裁縫が趣味の男子高校生(主人公)の日常の物語だった。 ある日、主人公の姉が結婚式をあげることになった。しかし、学生時代の、トラウマから女の子らしい服(レースやフリル、露出のあるものなど)は嫌いな姉。 主人公が、得意の裁縫で姉のウェディングドレスを祖母と協力してつくることに。 しかし、姉の希望通りにできない。 最終手段として、離婚しているがよく会っている父親に頼むことに。父親だけでなく父親が住み込みで働いている会社の社長やその会社のスタッフも協力して無事に姉の希望通りのウェディングドレスができた。 男らしさ女らしさについて考えなおす きっかけになった。また2021年高校生読書感想文課題図書になっていることをしり、読書感想文課題図書にぴったりだなと思った。
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