まだ温かい鍋を抱いておやすみ の商品レビュー
食べ物にまつわる短編集。 私はこの中ではかなしい食べものが印象に残った。 思い出の食べ物があった時に、それにまつわることが悲しかった時に、食べられなくなったり、見たくなくなるものかと思ったけれど、その思い出を思い出にできるようにするために、食べる行為が必要なこともあるのかと感じた...
食べ物にまつわる短編集。 私はこの中ではかなしい食べものが印象に残った。 思い出の食べ物があった時に、それにまつわることが悲しかった時に、食べられなくなったり、見たくなくなるものかと思ったけれど、その思い出を思い出にできるようにするために、食べる行為が必要なこともあるのかと感じた。
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食に関する短編集。食べ物で人に寄り添い、そして食べることで元気になる。 特に最後の「大きな鍋の歌」が良かった。万田は松ちゃんや娘の野栄の身の上に大変なことがあった時には、思いやりの料理で励ましてくれる。そして、小さかった野栄にもその気持ちはしっかり通じていた。独身で通した万田だ...
食に関する短編集。食べ物で人に寄り添い、そして食べることで元気になる。 特に最後の「大きな鍋の歌」が良かった。万田は松ちゃんや娘の野栄の身の上に大変なことがあった時には、思いやりの料理で励ましてくれる。そして、小さかった野栄にもその気持ちはしっかり通じていた。独身で通した万田だが、優しい人生を過ごした人なんだろうなと思った。 私も今受験に向けて頑張る息子のために料理を頑張っている。今朝、息子から「お母さんは毎日料理を頑張っている」との言葉をもらい嬉しかった。会話しながらの家族のご飯は楽しい。来年には家を出る息子との限られた月日、大事に過ごしていきたいと思う。
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なかなか切り離せない過去に囚われてしまっていたり、自分だけがなぜ?と思ってしまうような日々を送ってしまっていたり、何をどうして良いかわからなくなってしまったり…生きていればいろいろな事がある。 どんなにつらくても、つまづいても悩んでいても、温かいものを食べて休息をとれば生きていけ...
なかなか切り離せない過去に囚われてしまっていたり、自分だけがなぜ?と思ってしまうような日々を送ってしまっていたり、何をどうして良いかわからなくなってしまったり…生きていればいろいろな事がある。 どんなにつらくても、つまづいても悩んでいても、温かいものを食べて休息をとれば生きていけるんだと思わせてくれる短編集だった。 「シュークリームタワーで待ち合わせ」の主人公 夜子の「親と子も、夫と妻も、二つの家も、ぐちゃぐちゃべたばたくっついて、当たり前のように一方の力や物を奪ったり、自分と相手を病的に同一視したり、問題の本質を無視してくだらない体裁をつくろったり、なんでそうなるか全然わからない。」という言葉にはなんとなく共感。 「大きな鍋の歌」もなんだか心に響いた。 どの話もちょっと問題を抱えている人の物語で、食べることで救われる感じ。 生きることは食べることなんだな、きっと。
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食事とともに紡がれる人間関係の短編作品集。 すごく好きな話もあったのだけど、個人的にもやもやする話もあったので評価がつけられませんでした。 以下、好きな作品 「シュークリームタワーで待ち合わせ」 大切な息子を亡くした友人と、だれかと家族になるのは難しい「私」の話。主人公の淡々とした、でも細やかな優しさが滲む文章で描かれる喪失と再生のお話。激しさはなくても読み手を感傷的にさせられる名作だった。 タイトルの意味もすてきで泣ける。 「大きな鍋の歌」 最期まで主人公の理解者で味方で、理想からはみ出ずにあろうとした万田。万田のおおきな愛に甘えっぱなしのラストがすこしほろ苦い。
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食事をキーにした6つの短編集。特に「シュークリームタワーで待ち合わせ」と「大きな鍋の歌」がよかった。夜子が何となく自分に似てる(笑)夜子が幸のために食事をふるまっていくのはすごく良かった。 特に後半の2編に食と生のつながりを強く感じて心に響いた。 普段自分は別に料理が好きでもないし、人にふるまうよりふるまわれる方が好き。でもスキルのない人でも容易に、あたたかく優しさを伝える事ができるものに料理や食があるんだなと温かい気持ちになった。
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食事を通じて変わっていく人間関係を描いた6つの物語。 現代に生きる私たちが抱える不安や悩みが、それぞれの食事を通して解消されていく。どの物語も読み始めはザラザラとした感覚が心の中に生まれるけど、登場人物が咀嚼するほどに滑らかになっていく感覚。 子育て中の女性が主人公ということ...
食事を通じて変わっていく人間関係を描いた6つの物語。 現代に生きる私たちが抱える不安や悩みが、それぞれの食事を通して解消されていく。どの物語も読み始めはザラザラとした感覚が心の中に生まれるけど、登場人物が咀嚼するほどに滑らかになっていく感覚。 子育て中の女性が主人公ということもあって、「ミックスミックスピザ」「ポタージュスープの海を越えて」「シュークリームタワーで待ち合わせ」は頷く部分が多かった。3つとも「完璧でなくていい」「母親になっても自分は自分でいい」というメッセージが伝わる。大切なものを大切にしながら自分の人生を生きていくという、覚悟を決めた主人公たち。登場人物から勇気と力強さをもらった。
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食べることは生きること。自分や大切な人のために美味しいと感じられる料理を作りたい、美味しいものを誰かと楽しくいただきたい、そんな時間を大切にしたいと改めて思わせてもらえる本でした。
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食べることとは生きること、を実感した1冊でした。 温かいご飯が出てくる食卓を家族や仲間と囲む幸せ…みたいな感じのお話かなと思いきや、意外と世間や人とうまく行かない女性や、子育てに疲れ自分の好きな食べ物を忘れてしまう母親、一昔前の息苦しくなるようなステレオタイプの男女観や家族観を持つ人たちもサラッと描かれているので、読みながらどことなくもやもやした気持ちになりつつ、読後感は、そんなに悪くないよな、暖かいものでも食べてまた前向ければいいよなって思わせるところが彩瀬まるだなあって思いました。 ポタージュスープの海を越えて、のクリーニング店の2階での1シーンや、シュークリームタワーで待ち合わせの毎日毎日おいしいものを作り続ける夜子と、泣きながら食べる幸のシーンが、なんだか寂しいんだけど懐かしさとかあったかさがあるような気がして特に好きでした。 ひと匙のはばたき かなしい食べもの ミックスミックスピザ ポタージュスープの海を越えて シュークリームタワーで待ち合わせ 大きな鍋の歌 1冊のタイトルももちろんだけど、短編もれなくほんとにタイトルがうまいですよね、この作家さん。
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6つの短編。心の機微の描写が細かくて、自分の身近な人の物語みたいに近しく親しく感じます。あたたかい誰かの手作りの食事を食べたくなりました。どれも素敵ですがコーンポタージュの海が1番好みかなあ。
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食をキーにした短編集。著者は、女性の心の揺らぎ、シスターフット系の作品に長けている。 ふと道を外しジャンクなピザの味に恍惚としたことで、逆にメンタルを病んだ夫を理解し包摂できるようになる「ミックスミックスピザ」子を亡くした友人を引き取って食を与え続け自らの喜びを知る「シュークリー...
食をキーにした短編集。著者は、女性の心の揺らぎ、シスターフット系の作品に長けている。 ふと道を外しジャンクなピザの味に恍惚としたことで、逆にメンタルを病んだ夫を理解し包摂できるようになる「ミックスミックスピザ」子を亡くした友人を引き取って食を与え続け自らの喜びを知る「シュークリームタワーで待ち合わせ」がんで味覚を失い死にゆく優しい友人が残してくれた鍋「大きな鍋」がよかった。 P172「家庭は、異世界だよ。社会とは違う。ちょっとずついろんなものがずれる。愛情で、何らかの磁場が狂う。」 P182それは奇妙に甘美な体験だった。一つの命にずっと触って、それが太くしたたかになるのを待っているのだった。【中略】私はたぶん今後も、満ち足りた人を祝福するヒトサラは作らないのだろう。そういう食卓を、心の底では信じていない。それよりも幸のような人に食べてほしい。苦しい時間を耐えていく人の食卓に豊かさを作りたい。 鶏とセリのさっぱり煮:鶏とセリに細切りにしたゴボウ。薄味に仕上げてお酢とごま油で風味をつける。
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