冬雷 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
伝統を引き継ぐことが時には人の命よりも重きを置かれる町。鷹匠の跡継ぎとなるために施設から引き取られた主人公。跡取りの自覚を持って鷹と向き合ってきたのに、不妊だった師匠夫妻に予期せず子どもができて、たちまち蚊帳の外。痛ましい事件が起きて犯人扱いまでされ、町を出て行くことになります。 終盤は駆け足でバタバタした感があり、遠田さんの作品でいちばんのお気に入りとは言えないけれど、ビジュアルに訴えかける力が凄い。どのシーンも想像できてしまう。慣習と因習は紙一重なのだと思わずにはいられません。映像化を望みたい作品。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
続きが気になって一日で読了。因習にとらわれた田舎で起こった事件の謎が明かされてゆく。代助の気持ちを想像すると読むのがつらかったが、誠実で良い青年だ。個人的には、ケンカをしたから謝りたいという弟のセリフを読んだときが一番切なくなった。最後は救いがありそうでホッとした。
Posted by
ベースにあるのはやはり贖罪。でも本作は、他とは少し趣を異にしていて、ミステリ色が強い印象。そしてそれは、自分的には好もしい系統。謎解きモノとしても、結構趣向が凝らされたものになっている。最後、唐突にファンタジーの世界が現実化したのには面食らったけど、クライマックスまで含めて、かな...
ベースにあるのはやはり贖罪。でも本作は、他とは少し趣を異にしていて、ミステリ色が強い印象。そしてそれは、自分的には好もしい系統。謎解きモノとしても、結構趣向が凝らされたものになっている。最後、唐突にファンタジーの世界が現実化したのには面食らったけど、クライマックスまで含めて、かなり楽しめた一作でした。
Posted by
主人公の葛藤、覚悟、諦め。心理描写が素晴らしく、だからこそ読み進めるのが辛いのに、一気に読み込みました。
Posted by
面白くて一気に読んでしまった。 閉鎖的で時代錯誤な町に翻弄された代助と真琴が可哀想で辛くて。 翔一郎を殺した人物は誰なのかも気になるけど、やっぱり町の人々の冷たい閉鎖的な感じがびっくりだった。一番ひどいのは雄一郎だったけど。
Posted by