冬雷 の商品レビュー
今年知って、この本から読み始めた作家さん。重苦しいストーリーながら、ぐいぐい読ませる文章力が魅力的。最後の方、読んでいて、とても美しい映像が脳裏に浮かび上がってきた。他の作品も読もうと思った。
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因習が支配する横溝的地方都市で、入り組んだ人間関係に翻弄される少年の悲劇。読み始めると巻を措けなくなる、力のある作だけれど、主人公の代助の境遇はきつすぎて、読むのが辛いとも感じる。とは言え、これだけはっきり救いのあるラストは遠田作品としては珍しい気もする。
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読んでいて、いつの昔のストーリーかと思った。携帯電話が出てくるので現代の話とわかるが、主人公の古臭い名前や因習に縛られた昭和前半の話のようで楽しめなかった。
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よく練られたお話だし、巫女とか鷹匠とかビジュアルが脳内でわきやすくて漫画になったら綺麗だろうなとか、久しぶりに『それから』を読んでみようかな、とか色々盛り沢山の思いがあるのだけれど、いかんせん、じっとりねっとりした暗さがしんどかった。 緑丸をみろりまるって言ってた翔一郎ちゃんが可愛いのにあんなことになって、可哀想で……。 愛美ちゃんがホントにムリ。 妄想日記が怖くて斜め読みしか出来ず。 もう誰も信じられない~って気持ちに。 最後にちょっとだけホッと出来て良かった。
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第一回未来屋小説大賞受賞作 圧倒的な筆力で人間の激情を描ききった 先が気になり、寝不足になりながら読み進めた。そういう意味では、帯の通り「圧倒的な筆力」なのだろう。 そして、読後感も悪くはない。ずっと続く重く暗い雰囲気と、旧い因習にとらわれた小さな田舎町の人々の陰湿さと、読んでいて重たくなる一方の気持ちだが、最後は少し救われる。 評価をそこまで高くしなかったのは、個人的には、 これを現代の話の設定としては入り込めなったことと、なぜ倫次が愛美をそこまで好きになり(年の差も含めて)、甥っ子を殺めてしまったことを隠すことまでしたのか、徐々に事実が明らかになればなるほど、納得や共感よりも、なぜ?と言う感覚になったから。 そんな田舎町の歪んだ狭い関係性の大人たちからでも、 結季と言う、希望のような存在が生まれたことが救い。 結季が大きくなって、望まなくても自分や周りに関する情報を知ってしまったとしても、残すべき文化・伝統と、残すべきでない因習を分けて考えて、嘆き諦めるのではなく、賢さと可愛さを失くさずに、新しい世代を作っていってくれるといいな。
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辛い物語だった。 因習とは、そんなにも強く人々を縛るものだろうか? 「自分たちの代で習慣を変えるのが怖いのよ」と言っていたが、そんな理由では弱い気がする。
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遠田潤子は期待を裏切らない。 この作品もよく練られたストーリー、プロットにいろいろな愛を絡ませた秀作だった。 古い習慣に縛られた町の閉塞感の中、もがく若者達の姿がいたいたしいほどに描かれていて、早く先を読みたい衝動に駆られる作品だった。
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古風な本格ミステリー。 横溝正史のような古風なシキタリに縛られた街の中で繰り広げられる愛憎劇だが、青春要素もありミステリ要素もあり非常に面白い。 登場人物は少ないので犯人は検討がつくが、辿り着くまでがロジカルに展開され楽しかった。
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ありえない、マニアックな設定の小説だな。と最初は思いましたが、どんどん引き込まれました。前に読んだ、雪の鉄樹もわりと暗い感じ。たまに浸りたい世界間。暗いよ!
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時間があったこともあり一気読み。 そこまで面白いわけではないけど、淡々とテンポよく読みやすい。 田舎の何とも言えない因習や人間関係。 主人公に対してやったことはひどすぎるけどね。でもそれが現実なんだろうなー。 ラストは・・・こうなって欲しかったような、つまらないような。
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