透明人間は密室に潜む の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
4つの特殊設定が存分に活用された本格ミステリーを楽しめる短編集でした。 あとがきでも作者のミステリー愛が溢れていて楽しくなりました。 「透明人間は密室に潜む」では透明人間が普通にいる現代日本という特殊な世界が描かれています。人にぶつかられる、全裸にならなければいけない、消化中の食べ物が丸見えなどの透明人間ならではの悩みがたくさん描かれて面白かったですし、透明人間が一般的であるからこそ活かせるトリックも描かれていて驚かされました! 「六人の熱狂する日本人」では裁判員制度で無作為に選ばれた人たちが全員アイドルファンという特殊な状況が描かれています。事件に対するファンたちの気付きはファンではないと分からないような些細なことばかりで、評議室の上がっていく熱量にオタクたちの重い愛、そして予想外な着地点まで、全てが面白かったです! あとがきで作者がアイマスファンと公言されていることから、サイリウムの虹はもしかしてデレマスのあの曲……?と心当たりがあります笑 「盗聴された殺人」では耳が異常な程良い探偵が登場します。美々香と大野のお互いの足りないところを補い合うコンビは素敵でした!耳が良いという設定は便利すぎないところが良いですね! 「第13号船室からの脱出」では船上での脱出ゲームと誘拐事件が同時進行していました。少しずつタイムリミットが迫る中で進んでいく物語にドキドキしながら読みました!そしてまさかのオチに戦慄……!最後まで展開が予想できず、ふたつの謎解きを楽しめました!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
特殊設定ミステリーが思った以上に楽しすぎた! 表題作の『透明人間は密室に潜む』と『盗聴された殺人』が特に好みでした。 透明人間には色々と制約が多いのだなと。しっかりと説明してくださっているので、すんなり読めました。動機はよく分からないなと思っていたけれど、最後にわかって「確かにそれは動機になるわ」と思いました。治ったら困る人間もいるのですね。 『盗聴された殺人』は私も聴力過敏あるので、聞いたら事件解決できないかな?と少しニヤニヤしました。聞こえてくる音の描写が細かくて分かりやすく、自分が聞いているような気分になります。 そして、リアル脱出ゲーム楽しそうだった…!よく見かけるけどいつか参加したいな。 最後に『六人の熱狂する日本人』はかなり笑いました。
Posted by
短編4つ。どれも自分にとっては新鮮で面白かった。ミステリーオタクの才能ある作家の作品は、ミステリーへの愛を感じます。
Posted by
透明人間でも犯罪は難しい? 奇想天外な設定で展開されるストーリーが超絶お見事! #透明人間は密室に潜む 特殊設定を基盤にしたミステリー短編集。 館四重奏シリーズでは、ド本格ミステリーで楽しませていただいた作者ですが、本作はとてもチャレンジングな作品ですね。どれも発想が素晴らしい...
透明人間でも犯罪は難しい? 奇想天外な設定で展開されるストーリーが超絶お見事! #透明人間は密室に潜む 特殊設定を基盤にしたミステリー短編集。 館四重奏シリーズでは、ド本格ミステリーで楽しませていただいた作者ですが、本作はとてもチャレンジングな作品ですね。どれも発想が素晴らしい。 しかもミステリーとしても熟慮されていて、一筋縄ではいかないものばかりでした。 またいろんなミステリーのオマージュも小気味よく、ニヤニヤしながら読ませていただきました。個人的には12人の怒れし男、優しい日本人が大好きで、若かりし頃なんども映画を見たのを思い出しました。 ただ全般的に、若干設定にリアリティ、説得性がないのが気になったかな。短編だから仕方ないでしょうが、もう少しエピソードを入れるなどしてくれると世界観に厚みがでたのではと思いました。 ■透明人間は密室に潜む ★5 透明人間が出てくる破天荒な設定な上、倒叙モノのミステリー。 起承転結の構成が素晴らしく、よくも成立させたなという意味で凄い。真相も衝撃的でビビリました。 ■六人の熱狂する日本人 ★4 裁判員裁判をテーマにしたお話。 かなり無茶な書きぶり、展開、登場人物ですが、エンターテイメントとしては素晴らしかった。思い切りの良さが気持ちよかった。 ■盗聴された殺人 ★4 聴力がやたらよい探偵が活躍する、これもありそうでなかった作品。 少し地味目に見えますが、構成と展開が超絶お見事! 本格ミステリー作家のパワーが感じられました。 ■第13号船室からの脱出 ★5 脱出ゲームをテーマにしたミステリー、これもぶっとんだ作品。 パズル要素もたくさんあり、読んでて楽しい!舞台も展開もキャラクターも素晴らしく、そのまま映画でいけるじゃんと思いました。 短編の特殊設定なので、なんとなく書いてもミステリーなるような気がするんですが、決してそうではなく、作者のこだわりと厚みがしっかりと感じられる本作。ミステリー好きには是非よんでもらいたい作品でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ノンシリーズのミステリー短編集。 ・透明人間は密室に潜む ・六人の熱狂する日本人 ・盗聴された殺人 ・第13号船室からの脱出 の4編収録。 ミステリー好きの作者が趣向を凝らした本格的ミステリーで、久しぶりの頭の体操ができました。 聴覚探偵なんかはシリーズ化できそうですね。 ただ、ちょっとコメディ―よりなのが自分的にはマイナスかな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
目次 ・透明人間は密室に潜む ・六人の熱狂する日本人 ・盗聴された殺人 ・第13号船室からの脱出 設定がトンデモなのに、実にフェアで本格的なミステリでした。 突拍子もない設定を補足するための説明がすべて、必要のある、犯人あるいはトリックを示唆するものであり、ちょっとでもひっかかる部分があれば、それは必ず事件解明に役立つヒントなのです。 これほど無駄のないミステリもないのではないでしょうか。 例えば表題作は、「透明人間病」にかかった女性が殺人を犯す話なのだけど、まず透明人間は何ができて何ができないのかを懇切丁寧に説明してくれる。 だから彼女が殺したい人のところへ行くのがまず大変困難を伴うものだということがわかる。 案の定アクシデントに見舞われて、予定通りにいかなくなったあたりから緊迫の度が増してくる。 透明人間がドアを開けて部屋に入るところを誰かに見られては困るので、誰かがドアを出入りするタイミングで部屋に入らなければならない。 そして犯行後も、誰かがドアを開けてくれるまで部屋にいなければならない。 ところが思いがけず早くに犯行が露呈し、彼女は部屋に閉じ込められてしまう。 そして、絶対にこっそり脱出できないようにされてから、探偵たちは彼女を探すのだが、絶対にいるはずの透明人間が見つからない。 さて、どうする? 条件もヒントもすべて書いてあるので、注意深く読めばわかりますが…想像を絶する場所でした、とだけ言っておきます。 「六人の熱狂する日本人」 タイトルだけでニマニマしちゃう。 「十二人の怒れる男」は大好きで、映画のショートヴァージョンもロングヴァージョンもロシア版も観たし、『12人の優しい日本人』も何度も観たくらい大好き。 で、ちゃんとそれ風の作品になっているとこが笑える。 そして何よりも、オタクの生態に詳しくなれました。笑
Posted by
本格ミステリ好きな人なら多分気に入るのでは。トリックが満載です。ちょっと特殊設定使ったりしますが、それがまた、こういう条件ならどう解く?みたいに挑戦されている気分になります。 性描写あるので、中学生以上から。
Posted by
表紙に惹かれて読み始めたが、どの作品も面白く一気に読んでしまった。短編で長くないからということもあり、どの作品も読みやすかったように感じる。 4作とも好きだったが、特に、六人の熱狂する日本人はオチも含め面白く、読みながら声をだして笑ってしまった。 純粋に4作とも面白かった。
Posted by
「六人の熱狂する日本人」最高でした。オチも好きだけど、6人の推理の熱狂するサマが本当に面白すぎて! あとはリアル脱出ゲームが好きだけに「第13号船室からの脱出」も良かった。これ、実際に脱出ゲームそのもの自体はあっても面白そう。
Posted by
六人の熱狂する日本人が面白かった。自分の本の好みのせいか、本を読みながら笑うことがあまりないので新鮮だった。
Posted by