透明人間は密室に潜む の商品レビュー

阿津川辰海(著者)

2020/06/02

最後の脱出ゲームストーリーはちょっと馴染みにくかったけれど、他三作は軽い感じで楽しめました。耳が良い女性の話、しっかり読み込んでしまいました。裁判員の話、なんとあの名作「キサラギ」にインスパイアされたとか。この作品に登場する小栗旬さんと香川照之さんが大好き！諸事情でなかなかみられなくなりましたが、これがベースとは！と取り乱すほどでした。古畑任三郎に出てきそうな話ばかり。作者もお好きなようで、同好の士同士の親近感が湧きました。

2020/05/16

表題作は透明人間の主婦が主役の倒叙もの。
その他『十二人の怒れる男』をアイドルオタクでオマージュしたものや
音のロジックを突き詰めた犯人当て
船上脱出ゲームなど手を替え品を替えで賑やかな短編集。
いろんなアイデアをちゃんと本格に仕上げててすごいなあ。‬

あとがきを読んで阿津川さんのミステリオタクぶりも知れてはえーとなれたり。
まだ若い人だったはずやけど...。
一個の短編にこれだけの過去の秀作がルーツとして流れてるんやなあと考えると感慨も湧く。
浅瀬ではしゃいでるだけでも充分楽しいけど、向こう岸はどんなものか...。

2020/04/14

透明人間による不可能犯罪計画。裁判員裁判×アイドルオタクの法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎。クルーズ船内、イベントが進行する中での拉致監禁──。絢爛多彩、高密度。注目の新鋭が贈る、本格ミステリの魅力と可能性に肉薄する４編。