透明人間は密室に潜む の商品レビュー
一つ一つの作風が全く異なる短編集です。 奇想天外な状況でありながら、しっかりと謎解きが楽しめる、絶妙なバランスに驚きました。 2話目の「六人の熱狂する日本人」好きです♥️
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短編のミステリー・推理小説で私は読みやすかったです。短編集とは思わず読み始めましたが(笑) 透明人間・オタク裁判・盗聴の話・脱出ゲーム…どれもこれも内容が全然違くて面白かったです。 そんな考え発想あるんだなぁと感心に浸りました。 透明人間が1番良かったです。透明人間になる事はいい...
短編のミステリー・推理小説で私は読みやすかったです。短編集とは思わず読み始めましたが(笑) 透明人間・オタク裁判・盗聴の話・脱出ゲーム…どれもこれも内容が全然違くて面白かったです。 そんな考え発想あるんだなぁと感心に浸りました。 透明人間が1番良かったです。透明人間になる事はいい事だけじゃなくて、デメリットがある事がよくわかりましたね。そんな困るんだなぁと。もちろんフフィクションですが色々と想像できましたw
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透明人間は密室に潜む 阿津川辰海の短編集。今まで筆者の長編は読み、作品に興味を持ったので購入。 以下、簡単に感想を記載するが、短編がとても読みやすく面白い作家だなぁと感心している。 透明人間は密室に潜む 表題作。透明人間病という病が発生する世界。設定に透明人間がいる事がこ...
透明人間は密室に潜む 阿津川辰海の短編集。今まで筆者の長編は読み、作品に興味を持ったので購入。 以下、簡単に感想を記載するが、短編がとても読みやすく面白い作家だなぁと感心している。 透明人間は密室に潜む 表題作。透明人間病という病が発生する世界。設定に透明人間がいる事がこの世界での常識であるとしており、単純に透明人間になってしまう事がどれだけ危険か、恐ろしい事か等とてもリアルに定義付けしている。ある意味、この設定で無ければならないトリックや動機であり、「どうして教授は殺害されたのか」の真実については衝撃だとしか言えなかった。帯にて、東川篤哉が「表題作の真相は、おそらく誰にも見抜けないはず」と寄稿していた為、いやいや、そんな事はないぞと意気込んでみたが見事、真相に飲み込まれた。 六人の熱狂する日本人 まあ、確かに熱狂している六人だ(笑)裁判員制度がベースだが、アイドルとオタクを組み合わせる事で面白くなり、さながら「コメディミステリー」だ。凄いのはこの状態で丁寧にミステリー要素があるという部分だろう。伏線、意外なトリック、予想だにしない犯人を裁判員が 六人が解き明かし、真相を「決定」する。ある意味筆者の裁判員制度への皮肉もあるかもしれない。 最後の決着、そして「オチ」は素晴らしい。オタクの正義感は狂気だ(笑) 盗聴された殺人 誰よりも耳が優れており、小さな音も聞き分けられる。「音が聞こえる」という特殊な能力をベースにして推理小説を組み上げる。とても難しい様に思うが、完成度は素晴らしく面白い。 音の違和感を推理と組み合わせ、それが真相につながっていく。キャラクターの個性もあるし、また違った探偵ペアを登場させている。最後ちょっぴり叙述トリック的な騙しがあるが良いアクセントになっている。 第13号船室からの脱出 脱出ゲームをベースに誘拐事件を絡ませた作品。登場人物のカイトとマサルのやり取りは面白く、カイトの頭脳、行動力には脱帽だ。 弟のスグルも素晴らしいキャラクターで、登場人物がそれぞれの役割をきちんと担っている・・・と思っていたが。 どうやら解決編のあたりから二人のやり取りが噛み合わないと思ったら・・・。 最後に途方もないトリックを潜ませていた。 以上、とても有意義な読書だった。阿津川辰海は三冊目だったが一気に興味が湧いた。ひとまず、全部読んでみようか。短編集として全ての作品が驚きに満ちており、疑いなく今後も短編作品を読める作家だ(短編がつまらない作家の短編集程勿体無い時間はない)
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4篇ともそれぞれシリーズものにできそうなくらい、キャラクターが魅力的で、読み応えがあった。 あとがきを読むといかに著者がミステリー好きかわかる。 なにより驚いたのが著者が1994年生まれ。若い作家さんにもっともっとがんばってもらいたい。
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様々な設定のもとで繰り広げられるミステリーの短編集。 透明人間、裁判員裁判、聴力の鋭い探偵、リアル謎解きゲームというように各短編の設定が新鮮で面白く、展開が気になってどんどんと読み進められた。 一方で、展開に疑問を感じることがあったり、謎解きの状況説明がすんなり頭に入らず少し前に...
様々な設定のもとで繰り広げられるミステリーの短編集。 透明人間、裁判員裁判、聴力の鋭い探偵、リアル謎解きゲームというように各短編の設定が新鮮で面白く、展開が気になってどんどんと読み進められた。 一方で、展開に疑問を感じることがあったり、謎解きの状況説明がすんなり頭に入らず少し前に戻って読み直すこともあったりと、物語に入り込みにくい部分もあった。
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2章「六人の熱狂する日本人」はやや冗長な部分が多くて最後の方飽きてきちゃったけど、それ以外は面白かった。 表題作の「透明人間は密室に潜む」が一番好きなテーマ。 透明人間なんて完全犯罪が容易そうと思っていたけど、意外と色々な制約があるのがおもしろい。 「盗聴された殺人」も、SF...
2章「六人の熱狂する日本人」はやや冗長な部分が多くて最後の方飽きてきちゃったけど、それ以外は面白かった。 表題作の「透明人間は密室に潜む」が一番好きなテーマ。 透明人間なんて完全犯罪が容易そうと思っていたけど、意外と色々な制約があるのがおもしろい。 「盗聴された殺人」も、SFとまではいかない特殊能力のテーマが好き。犯人が分かるところではハラハラさせられた。 ------------------------------------ 透明人間による不可能犯罪計画。裁判員裁判×アイドルオタクの法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎。クルーズ船内、イベントが進行する中での拉致監禁──。絢爛多彩、高密度。注目の新鋭が贈る、本格ミステリの魅力と可能性に肉薄する4編。
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『透明人間にだって、人に言えない悩みがある…?』 バラエティに富んだ4編の短編ミステリー。 作者自身がミステリーを楽しんでるな、っていう雰囲気が伝わってくる、細部にまでこだわった表題作がお気に入り。 久しぶりに楽しいミステリーを堪能しました!
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透明人間(病として)が普通に存在している世界観ってすごいなぁ。ミステリーとしてどうなのかはわからないけど、エンタメとして面白かった。
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面白かった。同作者の『紅蓮館〜』より好きでした。 特殊設定×濃いキャラクターを書かれる方なので、長編より短編(中編)の方がアラ探しせず集中して読めたのかもしれない。 両作の共通点として、登場人物の過去や未来に関心をもった。どう表現したらよいか分からないが、「イキイキとして」いる。作者の中で、登場人物の輪郭がかなりハッキリしているのだと思う。 ※一気に読んだため固有名詞がぜんぜん覚えられず、そのまま感想を書いています ■透明人間 ・妻はメイクアップアーティスト職に就いたことはない、というくだりから 犯人が過去の経歴を偽っているセンを追って読んでいた。例えば、実際は30歳くらいの頃、メイクで女子大学生に扮して夫と出逢いそのまま10歳サバを読んで生活しているとか… 年齢どころか別人になっていたとは。 教授を迷わずころしにゆく度胸も、翻ってみれば肝が座りすぎている。確かに、既にふたりころしているなら、あと一人増えるくらいどうってことないよなあ。 ・赤の他人の、しかも裸のシタイの上に、自らもハダカの状態で乗るなんて、尋常ではない。更に自分の肩口まで切るとは。(ひとを殺めている時点で、ふつうの精神状態であってほしくもないが) ・探偵が透明人間であることは見当がついていたが、警察公認は意外だった。そんなことが許されるなんて、しかも読者が密かに知るのでもなく 犯人にも情報共有される=その程度の機密レベルだなんて。そんなイレギュラーが許されている世界で生きるのこわすぎる〜! ■アイドルオタク裁判員 ・自分の好きなグループが話題に出たとき、推しだと名乗り出るべきかどうかは、ヲタクにとって悩ましい問題である。自分以外のオタクが先に名乗り出ているのなら、尚更。流派が違っても、みんなが仲良くできたらいいのだが。 自分が同じグループを推していたら、6番のような感情爆発オタクは揉めるのが怖くて近寄れない。ちょっとでもズレたことをしたら、お気持ちブログを書かれそう。 この後、彼らはどういう気持ちで現場に通うのだろうか。 ・あとがきにあった、「作者が激推していて、解散してしまったアイドルグループ」ってどこなんだろう。阿津川フリークの方、ご存知でしたら教えてください。 ℃ute説:作中グループ「Cutie Girls」からの類推。しかし、作中はCutie Girlsのメンバーが犯人 という結論なわけで、オタクだったらそんな風に書けるだろうか? 地下アイドルグループ説:作中のオタク描写が、地上しか見ていなかったら書けない内容だと感じた。単に調査の賜物かもしれないが。 作者のTwitterアカウントに「2017」とあることから、それが転機=解散年かと思って調べたが、同年は解散グループが多すぎて、目星もつけられなかった。どるえれもちあちあRevも竜人くんのとこもこの年だそうです。 ■テディベア ・「足音の大きさがが一定」→抱えて移動している 「14秒間何かが鳴った」→ファックス機(最近でも、ファックスって個人宅にあるものだろうか?) あたりは予想できたが、深沢くんが犯人だったとは。 ・地獄耳探偵の人間性がかわいらしくて良かった。能力が万能ではないライン設定や、頭の横を二度叩く仕草も 愛すべきキャラクターである。一方で、先輩探偵は“ただ推理がデキるひと”の印象だったので、もっと違う側面を見たい。このコンビには続編があるらしいので、またいつか。 ■船 ・脱出ゲームは自分も嗜む。ミステリー小説を読みながら脱出ゲームに参加できるとは、一話で二度美味しい。小謎→大謎の流れや、いわゆる「解き直し謎」などのお決まりが出てきて嬉しかった。 ・13号室の中での探索が目まぐるしく、絵的にイメージできなかったので、10歳向けに説明してくれて助かった。 しかし、人は感電でしんでしまうこともあるのに、ずいぶんアクロバティックなことする…探偵役にしては雑だな。と感じていたら、やはり彼は本命ではなかった。 ・兄の金縁の帽子が、本人の言う“スポンサー枠”の証なら、兄弟ふたりに与えられるべきである。かつ わざわざそれをクローズアップする描写が挟まれたので、弟のモノを兄が奪って被っている とは推理できた。 金縁招待された弟にノコノコついてきて、まんまと自分がハメられる兄、不憫だ。しあわせになってほしい。
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やっと楽しみにしていた一冊を手にしました。 阿津川作品初読みですが、本物ですね♪ 4つの短編がおさめられていましたが、表題作でもあり、巻頭におさめられていた「透明人間は密室に潜む」から個人的にはドストライク! その後、「六人の熱狂する日本人」「盗聴された殺人」「第13号船室からの脱出」と続きますが、全てにおいて趣が違うのに、しっかりと仕込まれていました、大好物のどんでん返し。 巻末の「第13号船室からの脱出」ではこれでもかぁ〜ってぐらいに詰め込まれていましたね。 それぞれのキャラもいい味を出していましたが、著者は特にシリーズ化を意識はしていないとのこと。 そして4作の趣が違うのは著者の言葉を借りればそれが「実験」だからだそうです。 化け物かよ。 1994年生まれのまだまだ若い阿津川辰海、今後も追い続けることになるであろう作家との本書が出会いとなる。 説明 内容紹介 透明人間による不可能犯罪計画。裁判員裁判×アイドルオタクの法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎。クルーズ船内、イベントが進行する中での拉致監禁──。絢爛多彩、高密度。注目の新鋭が贈る、本格ミステリの魅力と可能性に肉薄する4編。 内容(「BOOK」データベースより) 透明人間による不可能犯罪計画。裁判員裁判×アイドルオタクの法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎。クルーズ船内、イベントが進行する中での拉致監禁―。絢爛多彩、高密度。ミステリの快楽を詰め込んだ傑作集! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 阿津川/辰海 1994年、東京都生まれ。東京大学卒。2017年、『名探偵は嘘をつかない』が、光文社の新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」に選ばれ、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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