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逃亡者 の商品レビュー

3.5

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    3

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2023/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幻の楽器ということですごく惹かれたのだけど.. その出自を説明するために多くの回りくどい(失礼)話が挟まれる。例えばキリシタンの弾圧とかフィリピンでの日本兵の蛮行とか。ところどころカタカナになるとことが正直読みにくかった。 テーマ自体は素晴らしいのだけど。冗長さは否めない。

Posted byブクログ

2023/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人種差別や長崎の隠れキリシタンや戦争のことやいろいろしんどい本だった。最近流行っている宗教2世のことも思いつつ読んだ。こんな辛い目にあっているのに、なぜ神を信じられるのか。孤児の養育に力を注いだ岩永マキという人は実在したのか。福祉を学んだはずなのに全然知らなかったなぁ。この戦争の話が出てくるお盆の時期にこの本を読んだのも何かの縁か。ほんと人間は何でこんなに残酷になれるのか。かといって、岩永マキのような人もいるわけで。結局何かカテゴリーでくくるのが間違いなんだろう。右翼も左翼もよく分かってないから、今ネットで見たわ。でもすぐ忘れちゃうんだよな。

Posted byブクログ

2023/06/28

冒頭は中村文則作品によくある、主人公が巨悪から理不尽な運命を宣告されて逃げ始める物語だった 進むにつれ、宗教や第二次大戦、政治問題などが闇鍋的に物語に絡んできて正直500pに収めるには風呂敷畳切れていないようなところが感じられた そのせいで「逃亡者」のタイトルから感じるものよりあ...

冒頭は中村文則作品によくある、主人公が巨悪から理不尽な運命を宣告されて逃げ始める物語だった 進むにつれ、宗教や第二次大戦、政治問題などが闇鍋的に物語に絡んできて正直500pに収めるには風呂敷畳切れていないようなところが感じられた そのせいで「逃亡者」のタイトルから感じるものよりあまり逃げてる感が無く、ストーリーの起伏やスリラーな展開が少なかった 幅広いテーマを扱ってるのは挑戦的ですごいと思うけど、帯に中村文学の集大成とあるのは首肯できないかなあ…

Posted byブクログ

2022/11/16

私の中では三振かホームランかという中村文則著作。本作は当たりの部類か。 宗教、戦争、思想というセンシティブなテーマのオンパレードだが、凄まじい筆力でグイグイ読ませる。 でも終盤さすがに疲れた。てか飽きた。

Posted byブクログ

2022/11/03

中村文則さんは公正世界仮説が好きだな。 自業自得の考えや、こんだけ頑張ったんだからみたいな期待、自分もしてるな。

Posted byブクログ

2022/10/10

公正世界仮説の話が興味深い。 理不尽な世界に屈した人、抗い戦っている人、意識したことすらない人、、、 人はどの立場でもBのような存在には耐えられず、都合の良いことだけを信じるということ。

Posted byブクログ

2022/08/29

非常に深くて重い話だった。ストーリーは難しくて私には一度では理解できない内容だったけれど、戦争や慰安婦問題、隠れキリシタンなどの歴史と中村氏が日頃から思っている社会問題を色濃く小説に落とし込んでいて読みごたえのある一冊でした。最後に登場するN氏はリアルNなんだろうな。うっすらと希...

非常に深くて重い話だった。ストーリーは難しくて私には一度では理解できない内容だったけれど、戦争や慰安婦問題、隠れキリシタンなどの歴史と中村氏が日頃から思っている社会問題を色濃く小説に落とし込んでいて読みごたえのある一冊でした。最後に登場するN氏はリアルNなんだろうな。うっすらと希望がある。

Posted byブクログ

2022/08/27

何度か読んでも、なんとなく全貌がつかみきれない、なかなか手強い小説。 主張が両極端になりやすい題材を扱う記者が、あるトランペットを偶然?に手に入れる。その時点から、彼は「逃亡者」になる。得体の知れない追手と宗教組織。その前に、彼は最愛の人を、ささやかな悪意により失っている。物語は...

何度か読んでも、なんとなく全貌がつかみきれない、なかなか手強い小説。 主張が両極端になりやすい題材を扱う記者が、あるトランペットを偶然?に手に入れる。その時点から、彼は「逃亡者」になる。得体の知れない追手と宗教組織。その前に、彼は最愛の人を、ささやかな悪意により失っている。物語は、彼やその婚約者、トランペットのルーツを含め、複雑に語られていく。 ひとつひとつの章の、書き手の混乱をそのまま文字にしたような文体は引き込まれるものがあるが、全貌が上手く掴めないので、すっきりと終われない。それを狙っているなら上手いが、個人的にはあまり好みではなかった。

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2022/08/14

魔のトランペット=社会を国粋の熱狂に陥れる道具 を権力の手に渡さないよう逃亡者になった青年。 その背景に隠れキリシタンの弾圧の歴史や、戦時中日本軍がアジア諸国でやってきたこと、現代のヘイトなどが絡み合う。 一つ一つのテーマが重く、消化しきれなかったけど権力の不気味さ、キリシタン弾...

魔のトランペット=社会を国粋の熱狂に陥れる道具 を権力の手に渡さないよう逃亡者になった青年。 その背景に隠れキリシタンの弾圧の歴史や、戦時中日本軍がアジア諸国でやってきたこと、現代のヘイトなどが絡み合う。 一つ一つのテーマが重く、消化しきれなかったけど権力の不気味さ、キリシタン弾圧の象徴である浦上天守堂のうえで原爆が爆発したことなど、欠片がたくさん残る読後感。 一つの小説にまとめず、もう少し分けて語って欲しかったなぁ。

Posted byブクログ

2022/06/06

ご本人の言う通り、代表作であると思います。本作を読んだことで読書欲が湧き起こりたくさん読めるようになりました。ディストピア小説と一口に言えない深さと重さと、それ以上の殺気というか禍々しいものを感じますが、何故かふとあたたかさを感じる。

Posted byブクログ