哲学の先生と人生の話をしよう の商品レビュー
まず、相談文を何とか理解しようとする姿勢に感服しました。そして多角的な見方による考察の鋭さが素晴らしかったです。 面白かったのは「イロニー」を持ち出して回答していたこと。たまに自分も実行していたが、言語化出来ていないことだったので、なるほどと腹落ちしました。人間の精神エネルギーや...
まず、相談文を何とか理解しようとする姿勢に感服しました。そして多角的な見方による考察の鋭さが素晴らしかったです。 面白かったのは「イロニー」を持ち出して回答していたこと。たまに自分も実行していたが、言語化出来ていないことだったので、なるほどと腹落ちしました。人間の精神エネルギーやプラス思考についての考え方も非常に共感できる内容でした。総じて勉強になる読書体験でした。
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送られてくる人生相談に高解像度で回答する國分功一郎。最初の頃はまだ38歳。書かれていない背景を推測する力に恐れ入る。優しい人。
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「書かれていることだけを読んでいてはダメである。人生相談においてはとりわけ、言われていないことこそが重要である。人は本当に大切なことを言わないのであり、それを探り当てなければならない」(本書あとがきより) 相談者にかなりキツめの回答もあるが(というか殆どそんな感じだが)、哲学の...
「書かれていることだけを読んでいてはダメである。人生相談においてはとりわけ、言われていないことこそが重要である。人は本当に大切なことを言わないのであり、それを探り当てなければならない」(本書あとがきより) 相談者にかなりキツめの回答もあるが(というか殆どそんな感じだが)、哲学の知見に基づいて的確に丁寧に答えており、思いやりも優しさもあり、また自分自身の抱えている問題にも通じるエピソードもあり、大変面白く読めました。
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人の悩み聞くのって面白い。えっ?そんなことで悩むの?って思うこともあるし。分かる分かるってのもあって人の多様なとこが見れて面白い。 自分の悩みを解決するヒントになるのも良い。
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メルマガPLANETSが初出。参考図書も記載されているので、深堀りしたい場合に参考にできる。 哲学とは何かを知らなくとも、この本はかなり面白かった。 問いとして挙げられているのはいずれも人生相談なので、自分でもあるあるといった内容が多かった。 それゆえ、自分の中でも経験した問い...
メルマガPLANETSが初出。参考図書も記載されているので、深堀りしたい場合に参考にできる。 哲学とは何かを知らなくとも、この本はかなり面白かった。 問いとして挙げられているのはいずれも人生相談なので、自分でもあるあるといった内容が多かった。 それゆえ、自分の中でも経験した問いに対する、答えの1つをこの本では示していた。 これだけだと他の本との差別化はないですが、その答えが哲学という観点で述べられているので、回答としてはかなり珍しい内容であることが多かった。 読み終えて長らく経つが、記憶している面白い本。
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2012年から翌年にかけてメールマガジンに連載された人生相談の文庫版。タイトルのとおり哲学者である著者が一般の読者から寄せられたさまざまな相談に回答していく。全34件、約250ページ。三部立てだが、構成を意識することはなかった。悩みごとの傾向としては恋愛関係が多いように感じる。 ...
2012年から翌年にかけてメールマガジンに連載された人生相談の文庫版。タイトルのとおり哲学者である著者が一般の読者から寄せられたさまざまな相談に回答していく。全34件、約250ページ。三部立てだが、構成を意識することはなかった。悩みごとの傾向としては恋愛関係が多いように感じる。 人生相談も回答者によって方向性は人それぞれだと思うが、著者に関しては大胆な推測も交えた切れ味の鋭い回答が見所だ。帯にもある「人生相談においてはとりわけ、言われていないことこそが重要である」という一文はまさに著者の人生相談のスタイルを表すものであり、私が想像もしない相談者の心理的な背景を推論・展開するさまは、ときには推理小説のようにスリリングだった。 本書については「哲学者が人生相談を受けるとどうなるか?」というコンセプトが売りになっており、哲学者という俗世間から乖離した印象のある専門家が実際に人生の悩みごとを解決できるのかという興味深い試みでもある。著者の回答の多くは本業の専門性を感じさない非常に親しみやすい率直な言葉で語られており、「哲学者だから」という敷居の高さを感じさせない。回答についても先のような鋭い洞察力も見せながら、相談によっては深い共感も示し、何より、深く記憶しておきたいと思わせられるような人生訓を目にするとができる。本書は哲学者が市井一般の問いに見事に答えた好例ではないだろうか。人生相談ものの書籍はいくつか読んできたが、そのなかでももっとも面白かった部類に入る。機会があれば、ぜひまた本書の続編を読んでみたい。 以降、印象的だった著者の言葉のいくつかを引用する。 「決断はあれこれと計算した結果としてなされるものではないからです。意図せずに行われていた逡巡と熟考の末に、「ああ、これがなすべきことだった」という仕方で、既に決心ができている自分に気付くのです」 「焦ってはいけません。焦りは、いま心の中に出来上がりつつあるパターンから目を背けさせます」 「プライドなどは、はっきり言って何の役にも立たない。人間の自由を邪魔するだけのものです」 「「モテる」とは「敷居が低い」ことを意味している--これが私の結論です」 「幸せな人というのは、その「心の穴」を無理に塞いだりしようとせず、折り合いをつけているのです」 「「運がいい」人は、これまで積み上げてきた膨大な情報処理に基づいて、無意識のうちに適切な選択をこれまた積み上げている。「運が悪い」人は、情報をできる限り排するようにして生きていて、計算結果を積み上げていないため、無意識のうちに行われている無数の選択の場面で利用できる情報のリソースが乏しく、適切な選択が行えない」 「「プライドが高い」というのは、もちろん、言うまでもなく、「自信がある」の正反対です。自信がない。だから誰かを見下すことで自分のプライドを維持しようとする」 「どんな悩み(問題)も一般的・抽象的である限りは解決しないのです」 「何かを変えるためには、気持ちよくなるのでも、我慢するのでもダメなのです」 「そして誰かと話をしてください。いいですね。誰かと話をするのです。人間は一人でものを考えていると、大抵、碌でもないことになります」 「自分の目の前で起こったことに対し、ありのままの気持ちで応える時、人は責任というものを引き受けるようになるんじゃないか」 「歴史は常に、既にあるものの上に作られます。革命なんてものはありません。あるのは、「革命が起こって欲しい」と願う人の気持ちだけです。その意味で、私たちは反革命でなければなりません。特に人との付き合いにおいては。なぜなら、反革命の思想こそがやさしさをもたらすからです」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『暇と退屈の倫理学』が滅法面白かったので、こちらも手に取ってみたが、期待以上に面白かった。 哲学の先生である國分さんが、メルマガに寄せられた相談にこたえる、という一般的な人生相談スタイル。 相談者の相談文に書かれていることそのまま受けとるのではなく、書かれていないことも読み取り、背景まで推察し、相談者が本当は何を求めているのか探り当てる、という行為は、小説や何かのテクストを批評するという行為にそっくりだ、と思いながら読んでいたら、あとがきでご本人が「まるで哲学者が書き残した文章のように一つのテクストとして読解していたことに気がついた」と、書かれていた。 自分だけの発見かと思って興奮してしまっていたが、ご本人は執筆途中で気づいてらっしゃった。そして途中から意識されて書かれていたのだろうか。何、東大准教授の裏をかいたと思ってるんだ自分、と思った。 ホームズの推理に驚くワトソンのように、國分先生のアンサーを堪能。 辛辣な物言いが小気味よく感じられもしたが、相談者に自分を引き付けて考えてヒヤッとしたり、痛みを感じたりもした。 一気読みだった。
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國分さんの著書をもっと読んでみたくて手に取った本。そういう動機で読むのに適切だったかどうかは分からないけど笑 限られた相談文から状況を推測していくのが見事で、探偵とか、はたまた占い師ってこんな感じなのかも〜と思った。自分だったらなんと言うだろう?と考えながら読んでみると、バッサ...
國分さんの著書をもっと読んでみたくて手に取った本。そういう動機で読むのに適切だったかどうかは分からないけど笑 限られた相談文から状況を推測していくのが見事で、探偵とか、はたまた占い師ってこんな感じなのかも〜と思った。自分だったらなんと言うだろう?と考えながら読んでみると、バッサリ切り捨てるようなところと掬い上げるところが國分さんと違うところが結構あった。 そんなこんなで、私は読解能力とか想像力がないなあ…と思ってしまっていたけれど、千葉雅也さんの解説がとてもよかった。自分とは違う人間、それでいいんだ。(私はすぐに他人と比べて自分を誤っていると思ってしまう傾向があることに改めて気付かされた)
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チープな言葉で言えばレベルの高いYahoo!知恵袋みたいな本。 自分も他の人も今まで生きてきた歴史が地層のように堆積して今を形成しているから、すぐに考え方やその人の性格が変わらないし根本の部分を見つめることが大切だと感じた。 あと人は無意識に言葉や内容を良くも悪くも自分の都合のい...
チープな言葉で言えばレベルの高いYahoo!知恵袋みたいな本。 自分も他の人も今まで生きてきた歴史が地層のように堆積して今を形成しているから、すぐに考え方やその人の性格が変わらないし根本の部分を見つめることが大切だと感じた。 あと人は無意識に言葉や内容を良くも悪くも自分の都合のいいように選んで話していることが多いからその背景にも気付けるようにいつかなることができたらいいなと思った。
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どんな悩みも一般的・抽象的である限りは解決しない。(なぜならそれらは存在しないものだから) いかなる状況も個別具体的な事例の中にあり、 調べて情報を集め理解する事で、それを分析する事が可能になり突破口がみえてくる。 上記の筆者の提言を知れただけでも大変読む価値ある本だと思った...
どんな悩みも一般的・抽象的である限りは解決しない。(なぜならそれらは存在しないものだから) いかなる状況も個別具体的な事例の中にあり、 調べて情報を集め理解する事で、それを分析する事が可能になり突破口がみえてくる。 上記の筆者の提言を知れただけでも大変読む価値ある本だと思った。
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