東京百景 の商品レビュー
ふらっと手に取った本だった。想像以上に面白かった。 又吉さんの文章綺麗だったな。軽くてスイスイ読めちゃうのに、彼からみえる世界が感情を伴って自然に伝わってくるのがすごい。1つ1つのエピソードへの思い入れを感じるし、自分の特性をよく分かっていながら自我でもがいている感じがたま...
ふらっと手に取った本だった。想像以上に面白かった。 又吉さんの文章綺麗だったな。軽くてスイスイ読めちゃうのに、彼からみえる世界が感情を伴って自然に伝わってくるのがすごい。1つ1つのエピソードへの思い入れを感じるし、自分の特性をよく分かっていながら自我でもがいている感じがたまらなかった。考え方もすごく好き。表現力も想像力も卓越した人だな。奥行きのある人というか中身がぎっしり詰まっている人というか…。とにかく素敵な人だと思った。 純粋に本が大好きなんだということがありありと伝わってきた。共感できる言葉、納得できる言葉、笑える部分が多くて、期せずして自分もこの本に結構救われた。 他の作品を読むのをなんとなく敬遠していたけど、この機会に読んでみたい。
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又吉直樹が東京で見た景色と自身の日々を綴ったエッセイ。 卑屈で少しネガティブな文章は不器用なりにまっすぐに自分らしく生きようとする意志を感じる。 良い意味で芸能人らしくなくて、親しみが持てる。 特に警察官に職務質問されるくだりの「渋谷道玄坂百軒店」や僕の東京ハイライトと自らが述べ...
又吉直樹が東京で見た景色と自身の日々を綴ったエッセイ。 卑屈で少しネガティブな文章は不器用なりにまっすぐに自分らしく生きようとする意志を感じる。 良い意味で芸能人らしくなくて、親しみが持てる。 特に警察官に職務質問されるくだりの「渋谷道玄坂百軒店」や僕の東京ハイライトと自らが述べる「池尻大橋の小さな部屋」が個人的に好き。 本当この人は感受性豊かで文章が上手い。 そして本編にほぼ出てこないが、最後の綾部との話しにはコンビ愛を感じた。
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読み終わった。 というか、読み終えてしまった。 自分に重ねるように、大切に読み進めていたが、 遂にだ。 泣けて、笑えて、少し寂しくて、でもたくましくて。 青春と言うには老け込んだとあるが、 読み進めながら、私はたしかに青春していた。 もう一度、読み返す。 読み終えて間もな...
読み終わった。 というか、読み終えてしまった。 自分に重ねるように、大切に読み進めていたが、 遂にだ。 泣けて、笑えて、少し寂しくて、でもたくましくて。 青春と言うには老け込んだとあるが、 読み進めながら、私はたしかに青春していた。 もう一度、読み返す。 読み終えて間もなく、すぐに。 こんな本は初めてだ。
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くすっと笑えるところもあり、 どういうこと?と全くわからないまま終わるところもあり。 それが又吉さんの世界観なのかなと。 同じ場所にいても、 一緒にいる人、その時の状況、その人の感性によってこんなにも見える景色が違うんだな、と改めて感じました。 こうやってその時に感じたこと、考えたことを文章にすることって素敵だなと思える作品でした。 最後の綾部さんに対する思いが、 普段テレビなどではわからない部分で良かったです。
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又吉直樹『東京百景』角川文庫。 まるで30年前の日本のあちこちでちらほら目にした、人生を諦め、世の中を憂う文学青年がしたためたようなネガティブなエッセイ100編と文庫書き下ろしエッセイ1編を収録。 高校卒業後にお笑い芸人を目指して上京。なかなか上手く行かない鬱屈とした青春に過...
又吉直樹『東京百景』角川文庫。 まるで30年前の日本のあちこちでちらほら目にした、人生を諦め、世の中を憂う文学青年がしたためたようなネガティブなエッセイ100編と文庫書き下ろしエッセイ1編を収録。 高校卒業後にお笑い芸人を目指して上京。なかなか上手く行かない鬱屈とした青春に過去を呪い、自身を責める。本当にこの人は真剣にお笑いを目指したのだろうか。普通でありたいと吹聴しながら、実は破天荒を気取っているだけではなかろうかと思うような文章が並び、読むと気が滅入る。 『花火』は非常に良かったが、『劇場』は一生懸命ブンガクしようとしていて好みではなかった。本作はさらに好みではない。 本体価格660円 ★★★
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読み終わって感じたこと ピース 又吉は、プライドが高くて外見ではわからない内なる熱い情熱を秘めた男ということがわかった。そして、誰よりも相方綾部祐二を尊敬していることがわかった。 又吉から見た繊細な外界の視点と、柔軟で豊かな内界の世界。この世界観がピースのネタを作り、小説へと昇華されているのかと思うと、なんだかトリハダがたった。 たいていの人は日常を日常として、現実的に生きようと目の前にあるものをなにも疑わずに信じて過ごしている。又吉の世界は、狂気にも似た空想の世界をギリギリ現実味を持って体験している。そこにコミカルさが生まれ、引き込まれていく。 引き込む力が強いあまり、かつての恋人は黄色い光を失い、深い森のような雰囲気へと変化してしまったのではないかな。 相方綾部が、又吉と違うようで同じエネルギーを持っていたからこそ、お互い殺し合わず、対等にコンビを続け、より高みを目指して自分の表現の場所を選んでいったのではないかな。 とにかく、毎エピソードおもしろかった。
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訪れた土地には、必ず何かしらの思いが絡まる。住む街はもちろん、それが単に仕事であっても、通り過ぎただけだったとしても、一瞬であっても、その時、たしかに、私はそこにいた。 著者が見る東京と、私が見る東京は、同じ街で、でも視点が違っていて、その違う視点から見た東京はとても面白い街だっ...
訪れた土地には、必ず何かしらの思いが絡まる。住む街はもちろん、それが単に仕事であっても、通り過ぎただけだったとしても、一瞬であっても、その時、たしかに、私はそこにいた。 著者が見る東京と、私が見る東京は、同じ街で、でも視点が違っていて、その違う視点から見た東京はとても面白い街だった。 読後は、前より少し東京が好きになった。疫病が落ち着いたら、自分の視点で東京を見直して歩きたい。
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又吉直樹さんの「夜を乗り越える」でもこの連載の話がよく出ていたので手に取った。面白かった。 私のお気に入りは山王日枝神社と麻布の地下にある空間、昔のノートの3本。 最後に相方の事がたくさん書いてあったからニューヨークの綾部さんが読んでるといいな、と思った。
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彼の小説よりエッセイの方が好き。最後に掲載されている文庫化のために書き下ろした作品が愛に溢れていて、又吉をもっと好きになった。
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こういう短編情景小説は読書初心者には読みやすいなぁ クスって笑えたり、ニコニコしちゃうところもあって 私的にくるりの東京が出てきた時にすごくあがった
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