文身 の商品レビュー
ブク友さんの熱いレビューをみて、読まずにはいられなくなった本。岩井圭也さんは初読み。 これは、すごい! 読み終えてタイトルの「文身」という言葉(入墨という意味があることは知らなかった)、装丁の石(虹の骨)を改めて見ると、その意味がぐっと心に押し寄せてくる。 物語の中の小説は多くの...
ブク友さんの熱いレビューをみて、読まずにはいられなくなった本。岩井圭也さんは初読み。 これは、すごい! 読み終えてタイトルの「文身」という言葉(入墨という意味があることは知らなかった)、装丁の石(虹の骨)を改めて見ると、その意味がぐっと心に押し寄せてくる。 物語の中の小説は多くの人に嫌悪感を持たせるであろう内容なのに、これほど惹きつけられてしまうのが不思議。 そして、ラストは「え?どういうこと???」となりながら、何が真実で何が虚構なのか最後の最後まで迷いながら読んだ。 岩井さんの他の作品も読まなくては!
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またすごい本に出会ってしまった… 衝撃の一冊でした 楽園の犬を読み終わって みなさんのレビューを元に 次は文身!!と思って意気込んでいましたが やっと借りられました 近くの図書館にはなくて 取り寄せちゃいました 読了後みなさんのレビューを読むと 熱量がすごい。 でもそれ...
またすごい本に出会ってしまった… 衝撃の一冊でした 楽園の犬を読み終わって みなさんのレビューを元に 次は文身!!と思って意気込んでいましたが やっと借りられました 近くの図書館にはなくて 取り寄せちゃいました 読了後みなさんのレビューを読むと 熱量がすごい。 でもそれも納得の一冊です これは兄弟の物語…といえばいいのでしょうか 弟が書く小説の通りに生きていく庸一 その設定も驚きですが だんだんエスカレートしていく内容に 嫌悪感を感じずにはいられません 終盤は二転三転と展開していき もう読む手が止まりませんでした 虚構と現実が入り乱れ なにがなんだかこちらまで混乱させられ そしてラスト ぞぞぞぞっ…ときました。 語彙力がなくて申し訳ないですが すごい作品でした タイトルの『文身』はピッタリですね 刺青という意味があることを初めて知りました まだ岩井さんの作品は2作目ですが どちらも違う魅力のある作品でした まだまだ他の作品も読んでみたいです!!
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初めての作家さん。 一気に引き込まれた。 分かっていたはずの虚構と現実が、最終章でぐちゃぐちゃになる。何度も読み直して、時々思い返して悩む。何日も掛けてようやく答えが出た。 娘明日美を描いてこなかった理由。しばらく放心した。
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面白かった。2度のどんでん返しより、父の存在意義を見出せなかった娘が、最後父と同じ生き方を選択する、それも同じ理由である所が血は争えないというか、そういった親子の絆の描き方もあるのかと感心した。あと庸一の娘を不要と位置付けて小説では描いてこなかった賢次が、兄が亡くなった後最後の文士に明日美を選ぶことで、兄が情をかけていた娘の存在を認めたことにより初めて兄の意思を汲んだ様に取れて、歪な兄弟の絆からまだ解放されない賢次にぞっとする様な嬉しい様な複雑な気持ちにさせられた。 人として生を受けた以上は何か残して死にたい、後世まで語り継がれる自分の存在という何かを。(私が勝手に受け取ったメッセージ)自分の生きる意味を渇望してたようにとれる明日美の最後の独白にひどく共感してしまって、私もこの小説を読んだ意味はそれに気がつくことなんだと思わされてしまった。
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ん??どゆこと??そゆこと??物語終盤危うく超ガッカリするところだったが、何とか持ち直してくれ煙に巻かれたような不思議な感覚を残してくれた。そして終始振りまかれた壮絶で陰鬱な感触はなかなかのもの。酒豪で乱暴者で破天荒さに定評のある作家の本当の正体。それは考えることが極端に苦手な平...
ん??どゆこと??そゆこと??物語終盤危うく超ガッカリするところだったが、何とか持ち直してくれ煙に巻かれたような不思議な感覚を残してくれた。そして終始振りまかれた壮絶で陰鬱な感触はなかなかのもの。酒豪で乱暴者で破天荒さに定評のある作家の本当の正体。それは考えることが極端に苦手な平凡な男。頭脳明晰な弟の書いたシナリオどおりに人生をなぞる操り人形だった。ゴーストライターというのは巷でもたまに聞く話だが、本書はゴースト側のパワーバランスが凄い。弟のまぁ恐ろしいこと。凡人には理解しがたい兄弟の絆のお話だった。
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どんでん返しのどんでん返し。 1回目のどんでん返しではちょっとガッカリしたけど やはりラストは裏切らなかった! よしっ! しかし私小説って面白いのかな。 文章読んだ感じではそんなにヒット作になるような作品ではなかったけど。(奥さんの死のとこは除く) とりあえず弟の人生は嫌だ。 波乱万丈だった兄の方がマシだ。
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波瀾万丈で破天荒な私生活を小説に綴り最後の文士と言われ亡くなった男が娘に実は自分が小説を書いたのではなく弟が小説を書きそれを自分が実行に移してきただけだったという衝撃的な事実を手紙で送ったことから始まる物語。 自分で決めた事とはいえ表に出ない弟と自分は描いてないのに持て囃され人気者にある兄と関係性の変化がリアルだった。 そして最後に衝撃的な内容が書かれており、さらに最後の一文でまたどんでん返しのようなものが待っている作品。 途中読むのやめようと思ったけど読んで良かった。
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己の分身にして、決して消えることのない刺青ー文身 ちょっとこれ凄いじゃないのよあーた(いきなりの美川憲一) いやもうこれ★3以下の人とは友達になれないわほんと そのぐらい凄い! 特に最後の一行はゾワゾワゾワーっと鳥肌が立ちまくりです そして消えない まさに鳥肌が文身のよう!...
己の分身にして、決して消えることのない刺青ー文身 ちょっとこれ凄いじゃないのよあーた(いきなりの美川憲一) いやもうこれ★3以下の人とは友達になれないわほんと そのぐらい凄い! 特に最後の一行はゾワゾワゾワーっと鳥肌が立ちまくりです そして消えない まさに鳥肌が文身のよう! よっしゃ!うまいこと言うたった 小説というのはもともと虚構であるわけなんだけど、私小説という作者の実体験を元にした小説が真ん中にいることで、どこまでが虚でどこまでが実かの境界線が曖昧になってるんです そしてラストに向けてどんどんぐちゃぐちゃになっていく感じが見事すぎるのよ これは虚なの?実なの?虚?実?虚?実? 虚虚実実虚虚虚実虚虚…うきょーー!!
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初めから衝撃的でグッと掴まれた。弟の書いた筋書き通りの破天荒な生き方を兄が実行して生きていく。この二人の切れない絆が、物語がエスカレートしていくにつれて怖かった。だけど後半にまた一番の衝撃があり、最後は頭が混乱。結局庸一の人生は誰が決めたものなんだろう。悲しくて虚しい人生。でも小...
初めから衝撃的でグッと掴まれた。弟の書いた筋書き通りの破天荒な生き方を兄が実行して生きていく。この二人の切れない絆が、物語がエスカレートしていくにつれて怖かった。だけど後半にまた一番の衝撃があり、最後は頭が混乱。結局庸一の人生は誰が決めたものなんだろう。悲しくて虚しい人生。でも小説だから本当のところはわからないということなんだな。
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続きが気になってしょうがなかったので、ほぼ一気読みした。 エンディングでは、弟の堅次は生きているのか死んでいるのか、もうどっちが真実なんだか訳わからない状態になってしまった。 庸一の妻、詠子の死に方が本当に作中作「文身」の通りであるならば、詠子も庸一も堪らないだろう。 詠子の台詞。 『〈本当の須賀庸一〉なんか好きじゃないから。あたしが愛してきたのは、傍若無人で社会不適合な、文士の須賀庸一なの。作り物の、虚構の、操り人形の須賀庸一なの。あなたの自由意志なんか知らないし、聞きたくもない』 庸一が、電車の中で会った初対面の一家に対して、泣き喚く弟を泣き止ませるよう兄に命令し、兄が実行する場面、それがその二人のそれ以降の兄弟関係に大きな意味を持った、という、設定が、この作品中唯一といっていい位、「いい話」だった。 プロットは全く関係ないが、作品の匂いとして、米澤穂信さんの『追想五断章』を思い出した。
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