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暴虎の牙 の商品レビュー

3.9

163件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    65

  3. 3つ

    48

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2022/10/15

狐狼の血シリーズ完結編。 最初から三部作の設定だったんでしょうか、よくできたストーリーで面白い。 昭和の終わり頃と平成の中頃が舞台となっている暴力団・愚連隊(暴走族も)の抗争劇で、昔ながらのヤクザ映画を見たような感覚になります。 暴力シーンはおぞましさを感じながらも、読んでいて...

狐狼の血シリーズ完結編。 最初から三部作の設定だったんでしょうか、よくできたストーリーで面白い。 昭和の終わり頃と平成の中頃が舞台となっている暴力団・愚連隊(暴走族も)の抗争劇で、昔ながらのヤクザ映画を見たような感覚になります。 暴力シーンはおぞましさを感じながらも、読んでいて力が入ってしまいます。 シャブ中の父親に手をかけた沖虎彦、暴力団に妻子を殺されたマル暴の大上章吾など、負の連鎖とでもいうような、やるせない人生の登場人物たち。 ラストシーンはドラマチックですが、虚しさが残ります。 2021年8月に映画化されたようですが、「狐狼の血 LEVEL2」というタイトルで、オリジナルストーリーのようです。(沖虎彦を誰が演じたのかと期待してしまい、ちょっと残念。) 第45回日本アカデミー賞で最多13部門受賞とのことで素晴らしいですね。 ※日岡秀一は松坂桃李さんが演じたそうで、大体イメージ通りかと。 ちなみに、ヤクザ・警察もの特有の言葉なども面白さと懐かしさを感じさせてくれ、タイムスリップした感覚がします。 以下、参考まで シノギ、ヤサ、娑婆、短刀(ヤッパ)、拳銃(ハジキ、チャカ)、拉致る(しゃくる)、覚せい剤(シャブ)、密告(チンコロ)、命(タマ)、メンチ切る、匕首(あいくち)、取り立て(キリトリ)、強盗(タタキ)、殴り込み(カチコミ)、牽制(クンロク)、恐喝(ハイダシ)、45口径(ヨンハン)、 被疑者(マルヒ)、被害者(マルガイ)、暴力団員(マルジー)、遺体(おろく)

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2022/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ガミさんが出てくる前半の昭和編は 沖の行動にも理解できるところがあったけど 平成編は沖の行動がめちゃくちゃな感じで 鼻白むところが多かった。 だからこそ、 破滅という終着を迎えることになる という流れは理解できるんだけど、 後半はあんまり面白みを感じなかったというが 正直なところ。 前半の昭和編はガミさんが輝いてて すごく面白かっただけに、落差を感じた。

Posted byブクログ

2022/09/04

シリーズ第三弾。今回は大上でも日岡でもなく、沖の物語だと思いました。暴力では誰も救われない。ラストは衝撃の展開でした。

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2022/08/28

孤狼の血シリーズ3部作の完結編。孤狼の血の前段階の話(昭和編)と凶犬の眼の後の話(平成編)。沖虎彦という暴虎を中心に昭和編では大上が、平成編では日岡が奮闘する。ヤクザを目の敵にし、ヤクザを全く恐れず手段を選ばない手法が、暴虎の名にふさわしい。広島を統一するという野望を掲げて沖を中...

孤狼の血シリーズ3部作の完結編。孤狼の血の前段階の話(昭和編)と凶犬の眼の後の話(平成編)。沖虎彦という暴虎を中心に昭和編では大上が、平成編では日岡が奮闘する。ヤクザを目の敵にし、ヤクザを全く恐れず手段を選ばない手法が、暴虎の名にふさわしい。広島を統一するという野望を掲げて沖を中心とした愚連隊が暴れ回る。沖は悲しい結末を見る。不良仲間故に信頼関係が大事だったところに裏切りの気配があり昭和編ではその犠牲に。平成編ではその裏切り者を探そうとするが、最後の結末は沖としては予想外だっただろう。

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2022/08/23

沖虎彦、三島孝康らが組織的な暴力団に対して、一匹狼的な行動で広島、呉原を掻きまわす物語だが、対する警察の側にも大上章吾という単独行動を認められた刑事がいて話を展開させる.随所に広島弁が出てきて雰囲気をうまく醸し出していたが、沖らを取り巻く真紀らの女性陣も重要な役割を与えられていた...

沖虎彦、三島孝康らが組織的な暴力団に対して、一匹狼的な行動で広島、呉原を掻きまわす物語だが、対する警察の側にも大上章吾という単独行動を認められた刑事がいて話を展開させる.随所に広島弁が出てきて雰囲気をうまく醸し出していたが、沖らを取り巻く真紀らの女性陣も重要な役割を与えられていた.暴力団の抗争で情報の入手先が重要であり、沖は大上とうまい関係を保っていた.目に余ると判断した大上の動きで沖は逮捕され18年の刑を務めて娑婆に戻るが、古い仲間とさらに激しい行動を起こす.大上は亡くなり日岡秀一が取り締まりの役を担っていたが、沖は仲間の中に潜んでいたスパイの摘発に集中する.意外な人物に予想外の供述をされて驚く沖.501ページへの大冊だったが一気に読破できた.

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2022/08/06

シリーズ3部作中の完結編である、この『暴虎の牙』が一番暴力的なシーンが多くて読むのにも力が入った気がします。 ガミさんの活躍がまた読めたのは何だか嬉しい トレードマークのパナマ帽の経緯もあかされている。 育った環境って大事だなぁ。沖は人の心を持ってない夜叉の様だけど、人格形成した...

シリーズ3部作中の完結編である、この『暴虎の牙』が一番暴力的なシーンが多くて読むのにも力が入った気がします。 ガミさんの活躍がまた読めたのは何だか嬉しい トレードマークのパナマ帽の経緯もあかされている。 育った環境って大事だなぁ。沖は人の心を持ってない夜叉の様だけど、人格形成したであろうエピソードは心が痛みます 最後残るのがあの男だったかぁ〜!

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2022/07/15

壮絶! プロローグからして、目を覆いたくなる。 この具体的な内容は、22章で明らかになったのですが…。 柚月さん、作品を重ねるごとに狂暴化していません? 一作目「虎狼の血」の主人公は、肝の座った警察官、大上(ガミさん)。 二作目「凶犬の眼」は、ガミさんの秘蔵っ子刑事・日岡の話。...

壮絶! プロローグからして、目を覆いたくなる。 この具体的な内容は、22章で明らかになったのですが…。 柚月さん、作品を重ねるごとに狂暴化していません? 一作目「虎狼の血」の主人公は、肝の座った警察官、大上(ガミさん)。 二作目「凶犬の眼」は、ガミさんの秘蔵っ子刑事・日岡の話。 三作目「暴虎の牙」は、恵まれない過去を持つ男、沖 虎彦 の物語。 とはいえ、三作目で語られる年月は28年以上。 元気なガミさん 再び登場で、わくわくしました。 このシリーズは、ガミさんあってこそ。 沖の最初の事件は、プロローグで語られた、おそらく1976年のもの。 その後、多島港での覚せい剤強奪(4章)、1980年。 極道老舗組織の賭場荒らし(1章)、1982年。 この頃は、ガミさんが活躍していた時期で、 野生の虎のような沖に近づき、手なづけようと試みる。 ガミさんの言動が、とても魅力的。 緊迫したやり取りの中、パナマ帽のいきさつには心が和みます。 2004年の夏以降は、刑務所を出た沖を 日岡が追う。 情報を金で買い 極道と親しく話す日岡は、ほとんどガミさん。 ひたすら まっすぐで、迷いがない。 そしてエピローグでは、日岡が 沖に あと少しのところまで迫る。 ただ、沖の最後の行動は、はっきりとは描かれてはいない。 仄めかされてはいるのだけれど…。 それにしても、一章とエピローグの場所設定が 心憎い。 多島港といえば、ガミさんとゆかりの深い土地。 狼の彫り物のジッポーを購入したのも ガミさんが最後に消えたものこの港。 「多島港」と出てくる度に、様々なシーンを思い出してしまう。 ガミさんは、牙をむく虎のような沖を 巧妙な手段を使って “救った” のですが 再び野に放たれた虎は さらに狂おしく暴走することに。 救いのない流れに心が痛みました。 でも、でも、たまらなく面白かった!

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2022/06/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

NORAxxさんの熱いご感想で図書館予約入れました。 ほんと、面白かった ページを繰る手が止まりません。 でも、婆さんには暴力シーンが過激すぎて 眠られなくなりました。 やはり年齢的にもう少し穏やかなものにします。 でも、面白かったー! ラストが「ああー!」と ≪ 牙をむく 暴れる虎は ただ孤独 ≫

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2022/06/07

全シリーズ一気読みしたけれど、1弾から段々の面白みが薄くなっていったかな?と思う。 でも一気に読めてしまう面白さはあるし、個人的にガミさんのストーリーは日岡のより好きなので、よかった。

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2022/06/05

私が敬愛する作品『孤狼の血』シリーズ完結作。 私の所属するブク友会の相棒NORAxxさんの超熱レビューにより感化。文庫本一択だった私が生まれて初めて買った単行本小説。レジで店員さんに本書を渡すときに、プルプルと手が震えたことは、ここだけの話にしてつかあさい。 本作は完結作に...

私が敬愛する作品『孤狼の血』シリーズ完結作。 私の所属するブク友会の相棒NORAxxさんの超熱レビューにより感化。文庫本一択だった私が生まれて初めて買った単行本小説。レジで店員さんに本書を渡すときに、プルプルと手が震えたことは、ここだけの話にしてつかあさい。 本作は完結作にして『孤狼の血』より6年前、昭和57年広島の舞台から始まる。愚連隊の【呉寅会】リーダー沖虎彦はヤクザに臆することなく、暴力と暴走により影響力を拡大していく。そんな沖の暴走を利用と抑止のために奔走する大上。そうだ。ガミさんだ。会いたかった。自然と脳内で映像が再生、役所広司が広島弁を捲し立てる。 作中ではガミさんが被っていたパナマ帽の由来、過去にガミさんの家族を襲った惨事が明らかになる。なぜガミさんが五十子会の壊滅に躍起になっていたのか、数年の時を経て私も腑落ちする。 しかし本作『暴虎の牙』の主役は沖虎彦だ。父親は五十子会の組員で、家の金を奪い家族に暴力を振るう鬼畜者。沖は子どもの頃から父親を、そしてヤクザを憎んで育つ。 同じく家庭環境に問題を抱えた三島考康、重田元と小学生時代に知り合い意気投合、後の【呉寅会】結成へと繋がる。 本作の見どころはこの3人を中心とした【呉寅会】の快進撃だろう。掟、縄張り、仁義など型にハマらない暴走劇はヤクザ以上にタチが悪い。特にヤクザや愚連隊との抗争シーンは容赦なくエゲツない。どうやら人間とは死を恐れず、怖いものを知らず、憎しみに暮れたその果てには化物となるらしい。その鬼畜っぷりは圧巻であり悪漢である。 しかし、やはりヤクザこそタチが悪い。これぞ仁義だと、負けず劣らずの報復劇がこれまた容赦なくエゲツない。どうやらこのシリーズ作には文字から痛みが伝播するサブリミナル効果が埋め込まれているらしい。読んでいると痛みが走るのだ。 そして沈静化にガミさんが動き、沖たちの逮捕により一旦は幕引きとなる。 そこから時は流れ20年後、懲役を終え出所した沖の前に立ちはだかるのは、ガミさん亡き後継者の日岡だ。自然と脳内で映像が再生、松坂桃李が広島弁を捲し立てる。(ちなみに映像は孤狼の血LEVEL2の日岡の方である) 沖は自分を嵌めた裏切りを許さず、広島制覇を目論み再び暴れ狂う。 ここからは怒涛の展開から、衝撃のクライマックスを迎え読了。約500ページに渡る盛り沢山な内容に、久々の徹夜読書により興奮冷めやらず、ナチュラルハイで今このレビューに至っている。 時代は常に「可変」するもの。国も組織も環境も人もモノも。そんな時代に「不変」であることの逞しさと虚しさを味わうことができる1冊であった。 求む、本シリーズファン 求む、本シリーズ完結撤回と続編(署名活動も辞さない) ここまで私を虜にする恐るべし柚月裕子の虜である私。 ぶち煙草吸いたい。 4年6か月と3日前にやめたけど。 ぶち酒呑みたい。 1年11か月と20日前にやめたけど。

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