暴虎の牙 の商品レビュー
いよいよ「虎狼の血」シリーズ完結編です。 「凶犬の眼」では刑事大上省吾の後継者・日岡が上司に反旗を翻し田舎の駐在所に左遷され、悶々とした日々を送っていたところ、事件が起こった物語でした。本書では、日岡刑事が登場する以前に戻ります。 物語は、愚連隊「呉寅会」の代表沖虎彦他...
いよいよ「虎狼の血」シリーズ完結編です。 「凶犬の眼」では刑事大上省吾の後継者・日岡が上司に反旗を翻し田舎の駐在所に左遷され、悶々とした日々を送っていたところ、事件が起こった物語でした。本書では、日岡刑事が登場する以前に戻ります。 物語は、愚連隊「呉寅会」の代表沖虎彦他幹部の三島孝康・重田元が、「極道がなんぼのもんじゃ!」と大暴れする。ある理由から、凶暴性はヤクザを凌ぐ勢いだった。そこに刑事の渾名・「ガミさん」が登場するのです。 ガミさんは、沖が嫌いではないと著書を読みながら考えていました。 しかし、反社会的勢力の「五十子会」を襲撃する直前に、沖を逮捕します。おそらく襲撃は成功しても返り討ちで消滅するだろう。と読んでいたのでしょう。 パクることが最大の護りだと考えたのかもしれません。 (著書には、ガミさんが直接エスから情報を得たとは記述していないし最後まで誰がチクったのか謎でした) 懲役二十年、沖は桜の代紋を恨んだのではなく、ガミさんに情報を流した裏切者を只管憎み続け復讐を決意する。 沖には長い獄中生活が何の意味も成さなかった。 柚月裕子さんが指摘するヤクザ社会の悲哀がこの物語のミソではないかと思う。 読書は楽しい。
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読み出してすぐに、アレッ!と云う想いに私は駆られた。 シリーズ第一作『 孤狼の血 』での主人公、亡くなった筈の呉原東署捜査二課主任・暴力団係の班長の「大上章吾」刑事こと、パナマ帽をあみだに被る「ガミさん」が登場してくるのだ。 つまりシリーズ第三作となる『 暴虎の牙 』は、第一作の...
読み出してすぐに、アレッ!と云う想いに私は駆られた。 シリーズ第一作『 孤狼の血 』での主人公、亡くなった筈の呉原東署捜査二課主任・暴力団係の班長の「大上章吾」刑事こと、パナマ帽をあみだに被る「ガミさん」が登場してくるのだ。 つまりシリーズ第三作となる『 暴虎の牙 』は、第一作の『 孤狼の血 』に綴られた物語よりも以前の出来事が綴られているのだ。 今回の主人公は、呉寅会を率いて極道をも恐れぬ波乱万丈の生き方をした「沖虎彦」となる。 「沖」の父親は暴力団の組員で、クズのようなどうしようもない男だった。 家の金目の物は全て金に替えてしまい、小学生だった「沖」と妹の給食代さえ博打に使い込み、母親と「沖」は父親の行き過ぎた暴力に苛まれていた。 子供ながらに「沖」は、父親に殺意を抱き続けていたのだ。 そんな家庭環境で育ったこともあり、「沖」は極道をことごとく忌み嫌い、率いていた呉寅会でもターゲットは暴力団だけに絞って動いていた。 そんな生き様が「大上」の琴線に触れたのか、「沖」に対しては密かに親しみのようなものを抱くようになる。 暴力団に対し、暴力団以上の非道な闘争を繰り返す「沖」に対し、流石に相対する暴力団は呉寅会を潰しにかかる。 いよいよ苛烈な闘いを迎えようとしている寸前に、「沖」を筆頭に幼馴染の「三島孝康」、「重田元」も警察に踏み込まれ、これまでの罪状を重ね合わせて刑に服することになる。 罪の重かった「沖」は20年の懲役刑を勤め上げ、出所と同時に広島で呉寅会の再興を決意する。 しかし何故に警察に踏み込まれたのか、服役中は絶えず警察へ垂れ込んだ奴への復讐に執着していた。
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暴力団の時代の終わり。 刑務所に入って、ある意味命拾いした沖には、時代が変わったことが分からなかった、という悲劇。 沖の怒りは理解できるが、沖ほど深掘りされていなかった三島に対しては、沖に夢を見過ぎていたのかな、と思う。 もっとちゃんと腹を割って話していれば、違う結末があったかもしれない。 でも、もしかしたら、もっと良い結末を三島自身が望んでいなかったのかもしれない。 今回、二つの時代が描かれ、大上の活躍、鬱屈、希望、は分かったけれど、それに反して日岡は全然活躍していなかったような気がする。 大上の残したノートは宝の持ち腐れで、お金は情報量として使い果たし、でも暴力団が根絶されたわけでもなく、これが日岡の正義なのだろうか。 日岡には、大上ほどの行動理由も理念もない。 日岡には、部下に託せるような何かもない。 大上の部下として配属された当初に持っていたような正義さえ、もう忘れてしまったように見える。 それが時の流れというものなのかもしれないが、それが悲しい。
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シリーズ完結ということで期待して読んだが、日岡との絡みが全く来ないし、このまま終わってしまうのかなぁと途中から拍子抜けしてしまった。 序盤のガミさんの部分は良かったものの(パナマ帽とか)、日岡パートは物足りなさを感じた。 完結なのに、終わり方がこれなのは残念
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読みやすい。 殴ったりとかの痛々しい表現が苦手ではあるんですが…。 シリーズ2作目飛ばして読んでしまった…。
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『狐狼の血』を読んで、読みたいと思って図書館で借りました。ヤクザ、マル暴、愚連隊のお話でした。小説ではありますが社会の裏側を向いて生きる人物達の悲哀のようなものを感じました。最後のシーンの後、生き残った人物のその後がどうなったかが気になります。。
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シリーズ前作の【凶犬の眼】は 好きにはなれなかったけど、 今回は良かった。特に前半! 単純にガミさんが好きなのかなあ。 後、前作はヤクザを少し良く書いていたのが 個人的にちょっと違和感を感じた。 確かに任侠はありかもしれないが ヤクザを美化してはいけません。 後半は日岡が登場...
シリーズ前作の【凶犬の眼】は 好きにはなれなかったけど、 今回は良かった。特に前半! 単純にガミさんが好きなのかなあ。 後、前作はヤクザを少し良く書いていたのが 個人的にちょっと違和感を感じた。 確かに任侠はありかもしれないが ヤクザを美化してはいけません。 後半は日岡が登場したが、 終始、主役は沖虎彦。 なんか、シリーズ完結より、スピンオフ作品 という印象で評価は普通の3
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途中で途切れちゃっていたけど、読み始めたらさすがに面白い。ガミさんの意志をついだ日岡がやけにおじさんっぽく感じたのは広島弁のせいか。 愚連隊の沖を止めたのは結局…。 読み応えのある完結編でした。
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舐められたら… ってな事で、柚月裕子の『暴虎の牙』 虎狼の血シリーズの完結編。 もうね、ガミさんっ!日岡っ!って叫びたくなるで バリバリの呉弁になるんじゃろうなぁ 柚月さんって岩手県出身なのに呉弁よく書けたね 沖もええ味出しと...
舐められたら… ってな事で、柚月裕子の『暴虎の牙』 虎狼の血シリーズの完結編。 もうね、ガミさんっ!日岡っ!って叫びたくなるで バリバリの呉弁になるんじゃろうなぁ 柚月さんって岩手県出身なのに呉弁よく書けたね 沖もええ味出しとる 映画も観たいね。 500ページあるけど、あっちゅう間に読み倒せるで ホンマ、このシリーズは最高じゃわ しかし、タバコ吸うシーンが多くてタバコ吸いたくなるで(吸ってない) 2022年22冊目
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作品としては面白かったが、シリーズの完結編として読むと、物足りないと言うかこれで終わりにして欲しく無いと言う感じ。 沖が出所後にもっと大物感のある男として登場するかと思ったら、期待よりスケールダウンした男に成り下がってしまい、ちょっと物足りなさがあった。 でも最後を考えるとしょうがないのかなと思いますが。 けどやっぱりガッチリと日岡中心のストーリーで締めて欲しかった。
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