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わかれ縁 の商品レビュー

3.7

25件のお客様レビュー

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2024/04/20

公事宿の手代に拾われた絵乃。見習いとなって経験を積みながら、踏み切れずにいた亭主と離縁する覚悟を決めるが、そこで事件が発生 やっと出発点で、話は終わった感。続きを期待です。7人もの亭主がいる女将の桐の詳しい話もぜひお願いしたい。そして、公事宿と言えば、澤田ふじ子作の公事宿事件書...

公事宿の手代に拾われた絵乃。見習いとなって経験を積みながら、踏み切れずにいた亭主と離縁する覚悟を決めるが、そこで事件が発生 やっと出発点で、話は終わった感。続きを期待です。7人もの亭主がいる女将の桐の詳しい話もぜひお願いしたい。そして、公事宿と言えば、澤田ふじ子作の公事宿事件書が初で、その時江戸時代に民事訴訟を担うような役目の人たちがいたことにびっくりしたのでした

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2024/06/14

最低亭主から逃げた絵乃は、離縁の調停を得意と する公事宿「狸穴屋」の手代として働くことに。 一筋縄ではいかない依頼を解決しながら、念願の 離縁を果たすことができるのか!?

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2022/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

公事宿が舞台の話は初めて読むので新鮮。 江戸時代の三行半での離婚の仕方というのは知っていたけどこれで詳しく読んで、まあ女側の位の低さが出てるシステムという事がよくわかる。 そのシステムがクズ旦那のクズ具合に拍車をかけるんだな。 お母さんの来し方が辛くてもっと何か方法があったのではと思うと同時に知恵とか情報は身を守るなとも思った。母娘二人幸せになって欲しい。 あとこの時代で刑事と民事がこんなにしっかりと分かれてるというのも驚きだった。 狸穴屋の人々がみんな気のいい人でストレスなく読める。みんなキャラが良すぎる。 続編とかあればいいな。

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2022/08/26

公事宿「狸穴屋」 奉行所で訴訟を起こすまでもない諍いを間に入って解決する公事宿 駆け込み寺の話は読んだことがあったが公事宿の小説は初めてで設定は面白い。 ただ主人公がいまいち好きになれなかった(´ー`) 女将さんは素敵だったんだけどな…

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2022/05/05

主人公の絵乃(えの)は、浮気と借金を繰り返す富次郎に人生を狂わされながらも別れることができずいた。ある雨の日、小伝馬町の辻で、帰る家がないと絶望し立ち尽くしてしまう。そこへ急ぎ足の男が通りかかり、避けきれずに衣を汚してしまい、立ち寄った甘味処で、知らぬ者同士だからこそ言えることも...

主人公の絵乃(えの)は、浮気と借金を繰り返す富次郎に人生を狂わされながらも別れることができずいた。ある雨の日、小伝馬町の辻で、帰る家がないと絶望し立ち尽くしてしまう。そこへ急ぎ足の男が通りかかり、避けきれずに衣を汚してしまい、立ち寄った甘味処で、知らぬ者同士だからこそ言えることもあると促され身の上を話すと、「その離縁、うちに任せてもらえませんか?」男は公事宿の手代だったのだ── 経済力のない女は、どうしようもない旦那でも別れることが出来ないのは、今も昔も同じなのですね。公事宿・狸穴屋で、富次郎から離縁状を取るために、手代として働きはじめた絵乃が扱う離縁のエピソードを、連作短編で描いています。 私も経済力があれば、もしかしたら別れていたかもしれません。でも、別れずに28年過ごしてきて、今は良かったと思っています。もちろん、浮気も借金も富次郎ほどではありませんし、今は改心していると私には思えますし。 別れるも別れないも、決めるのは自分自身。どっちの道を進んでも、みな幸せになれますように。

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2021/11/09

お江戸で判じ物設定はまず捕り物系、十手もちで善悪を問うみたいなのを連想しちゃうけど、公事宿かー。そうきたかー!な着眼点。お江戸離婚事情。どっちにも言い分のある、身内だからこその揉め事はいつの世もあるし、主人公側のキャラ(狸穴屋メンバー)がとっても気持ちのいい性格揃いだから、割り切...

お江戸で判じ物設定はまず捕り物系、十手もちで善悪を問うみたいなのを連想しちゃうけど、公事宿かー。そうきたかー!な着眼点。お江戸離婚事情。どっちにも言い分のある、身内だからこその揉め事はいつの世もあるし、主人公側のキャラ(狸穴屋メンバー)がとっても気持ちのいい性格揃いだから、割り切れない人間関係を描きつつも、さっぱり読めた。続編出てほしいなあ、お絵乃もいいけれどお志賀さんのファンになっちゃった。 だれでも悪循環に絡めとられる時期ってあって、人生は紙一重だなあとつくづく。クソ男が2名ばかり出てくるけれど、こいつらだって、どこかで歯止めをする出来事に出会っていれば、ちがう生き方があったろうにねえ、という同情心もすこし沸く。ラストはすこしあったかいし、襟を正す気持ちになれる一冊。オススメ。

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2021/06/23

離婚の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」 自身の離縁を目標に手代として再就職する主人公絵乃。頑張る姿に希望をもらう。 この時代の女性からの離縁が困難なことがうかがえる。女性から別れられる現代のありがたいこと。書評にカバーを外して見て欲しいとあったが、図書館の本なので出来なかった。ど...

離婚の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」 自身の離縁を目標に手代として再就職する主人公絵乃。頑張る姿に希望をもらう。 この時代の女性からの離縁が困難なことがうかがえる。女性から別れられる現代のありがたいこと。書評にカバーを外して見て欲しいとあったが、図書館の本なので出来なかった。どうなっているのかどなたか教えていただけませんでしょうか…。

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2021/04/09

離縁の調停を得手とする公事宿に、手代見習いとして雇われた絵乃。 女はあくまで男に従い、一人前とはみなされない時代。 絵乃を含めそれぞれの、この先を生き抜くため別れる縁もあり、新たに繋がる縁もある。 西條さんの時代小説はあたたかい。 本作も楽しかった。

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2021/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女たらしで金にだらしなくどうしようもない亭主に愛想をつかしていた絵乃は亭主のせいで勤め先に高利貸しの取り立てが押しかけもう3度目のヒマをもらってしまい自暴自棄になって家に帰る途中雨の中うっかり男とぶつかり泥濘に倒れこんでしまう。ぶつかった男は公事宿で働いている手代の椋郎という男だった。 椋郎の勤める旅籠は主に離縁を得意とする公事宿で狸穴屋という。絵乃の話を聞いた椋郎は絵乃にそんな亭主とは別れた方がいいと説得し絵乃を連れて旅籠に帰り主人の桐に引き合わせる。絵乃の話を聞いた桐は絵乃を見込み、家を出てここに勤める覚悟があるなら、とりあえず主人と別れると話をしてなら雇うと話をする。 決心をして家に帰り亭主の富次郎にその話をするが受け入れてもらえなく身体を引き寄せられまたものとの木阿弥にさせられそうになった時、絵乃が気になりやってきていた椋郎が中に入り、公事宿の手代だと離縁に向けて進めると言い渡し絵乃を連れて帰る。 それから、絵乃の手代見習いとして修業が始まる。その中で様々な離縁の形やその公事宿としての手代の仕事を桐や先輩の椋郎などに教えてもらいだんだんと力を付けていく。 さてどうしようもない亭主の富次郎は頑として離縁は認めないと立ちはだかるのだが、それに対して立ち向かう絵乃の結末は!? という事であとは小説をお読みください。 江戸時代の公事宿という離縁専門の仕事とか風情や江戸の雰囲気が感じられ、手代としての離縁の持って行き方など駆け引きが面白くあっという間に引き込まれる上質の小説だと思います。

Posted byブクログ

2021/02/07

夫の浮気と借金の繰り返しで働き口を三度も首になった絵乃。良からぬ思いを抱えながら歩いていた時に出会った椋郎に連れていかれたのは、様々な訴訟事を引き受ける公事宿〈狸穴屋〉。離縁を得意とする〈狸穴屋〉で働くことになった絵乃は自らの離縁を成し遂げたいと考えるのだが…。 金遣いの荒い母...

夫の浮気と借金の繰り返しで働き口を三度も首になった絵乃。良からぬ思いを抱えながら歩いていた時に出会った椋郎に連れていかれたのは、様々な訴訟事を引き受ける公事宿〈狸穴屋〉。離縁を得意とする〈狸穴屋〉で働くことになった絵乃は自らの離縁を成し遂げたいと考えるのだが…。 金遣いの荒い母親と倹約家の父親を別れさせたい子供たち、嫁と姑のいさかいに辟易する夫、子供ながら並外れた絵の才を持った息子をそれぞれ自分の家の跡継ぎにしたい元夫婦。 公事宿のお仕事物かと思っていたが、いわゆる訴訟事が描かれるのではなくその前の段階で解決させている。現代で言えば弁護士または司法書士による無料相談の段階で解決という感じだろうか。 夫婦双方、さらには子供側までの話も聞いてどのような解決法が良いのかを提示。 その解決法はいわば喧嘩両成敗のようなもので、どちらも譲らなければならないけれど、どちらにも有利も不利もあるのだから平等といえる。 実際の公事に発展すれば現代同様、時には何年も掛かるような大事なので出来ればその前の話し合いで済ませたいというのは分かる。しかし実際の公事の様子や手続きの様子も見たかったなと思う。 公事という珍しいお仕事物ではなく、公事宿〈狸穴屋〉を舞台にした様々な人間ドラマだった。 七度も離縁したという女将の桐の腹の据わり方、手代の椋郎の人の好さが良い。 ささくれだち、諦めの境地にまで至っていた絵乃を前向きにしてくれる。 絵乃の夫の狡猾さにはゾッとする。終盤は絵乃の母親が登場するが、悪い女かと思われた母親にも別の物語があった。 絵乃の離縁の顛末については痛快とは言い難い。しかしこの時代ならではの、女性の置かれた苦しい状況を逆手に取った離れ業とも言える。 ただやはりもう少し爽快な方が良かったかとは思う。 女性側からの離縁と言えば駆け込み寺くらいしかないと思っていたので公事でも解決出来るとは知らず興味深かった。それでも公事にするならかなりの時間とお金が必要で、それだけの覚悟も必要。そこは現代と変わらない。

Posted byブクログ