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わかれ縁 の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2020/06/28

公事宿狸穴屋は駆け込み寺ともまた少し違うが,女だけでなく離婚調停を専門にする.どうしようもない夫に追い詰められた絵乃は狸穴屋の手代の椋郎に助けられる.そして見習いとして持ち込まれる離縁の調停に関わりながら自分の離縁に立ち向かう. 女の哀しさたくましさを,外には見えていない夫婦の情...

公事宿狸穴屋は駆け込み寺ともまた少し違うが,女だけでなく離婚調停を専門にする.どうしようもない夫に追い詰められた絵乃は狸穴屋の手代の椋郎に助けられる.そして見習いとして持ち込まれる離縁の調停に関わりながら自分の離縁に立ち向かう. 女の哀しさたくましさを,外には見えていない夫婦の情愛をユーモアと前向きな明るさで描いて,最後ハラハラしながらも見事に着地.シリーズ化してほしいです.

Posted byブクログ

2020/06/08

+++ 結婚して五年、定職にもつかず浮気と借金を繰り返す夫に絶望した絵乃は、身ひとつで家を飛び出し、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」に流れ着く。夫との離縁を望むも依頼できるだけの金を持たない彼女は、女将の機転で狸穴屋の手代として働くことに。果たして絵乃は一筋縄ではいかない依...

+++ 結婚して五年、定職にもつかず浮気と借金を繰り返す夫に絶望した絵乃は、身ひとつで家を飛び出し、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」に流れ着く。夫との離縁を望むも依頼できるだけの金を持たない彼女は、女将の機転で狸穴屋の手代として働くことに。果たして絵乃は一筋縄ではいかない依頼を解決しながら、念願の離縁を果たすことができるのか!? +++ 理不尽な江戸のしきたりの中で、健気に生きていく女性と、その縁の物語である。幼いころに母に出ていかれ、父娘二人で生きてきた絵乃だが、その父も病で逝き、好きで嫁いだ夫はろくでなし過ぎて、なんの望みも持てなくなっている折、狸穴屋の手代・椋郎とひょんな縁で繋がったのが物語のはじまりである。離縁の調停を得意とする公事宿である狸穴屋で、人々のさまざまな揉め事を見聞きしながら、絵乃が少しずつ自分の考えをしっかり持つようになり、明日を生きる光をみつけていくのが心強く、応援したくなる。この先も好い縁に恵まれることを祈らずにはいられない一冊である。

Posted byブクログ

2020/05/30

三行半は夫の側からしか出せないとは知っていたが、妻の方から離縁を望む場合は縁切り寺に駆け込むしかないと思っていたので、公事宿なるものがあって今でいう離婚訴訟もあったのかと知ってびっくりでした。江戸時代とはいえ法律というか、結構ちゃんとしてたんだなぁ…。これはいろいろ続編書けそうで...

三行半は夫の側からしか出せないとは知っていたが、妻の方から離縁を望む場合は縁切り寺に駆け込むしかないと思っていたので、公事宿なるものがあって今でいう離婚訴訟もあったのかと知ってびっくりでした。江戸時代とはいえ法律というか、結構ちゃんとしてたんだなぁ…。これはいろいろ続編書けそうですよねぇ…絵乃と椋郎のその後も気になるし、女将の元亭主達(笑)もいろいろネタになりそうだし、お志賀は今後も武家の妻女が務まるのかも気になるし(笑)

Posted byブクログ

2020/04/04

初出 2017〜19年「オール讀物」の6章 夫の女癖と借金のために絶望的になっていた23才の絵乃は、公事宿(訴訟を助ける行政書士のような宿屋)の手代と道でぶつかり、その公事宿「狸穴屋」が離婚専門だったため、そこで働いて夫から離縁を勝ち取ることを決意する。 10代の兄妹が父母を...

初出 2017〜19年「オール讀物」の6章 夫の女癖と借金のために絶望的になっていた23才の絵乃は、公事宿(訴訟を助ける行政書士のような宿屋)の手代と道でぶつかり、その公事宿「狸穴屋」が離婚専門だったため、そこで働いて夫から離縁を勝ち取ることを決意する。 10代の兄妹が父母を離縁させてほしいと依頼に来る。白粉紅問屋の妻である母がが浪費癖がある上に、実家の借金取りが来るようになって、このままでは離縁するしかないと長男が考え、弟と妹は財産をできるだけもらって母について行こうという魂胆だった。絵乃たちはみんなの考えを聞き出して、結局肝心の夫婦は離縁せずただ働きとなる。 武家の嫁と姑の諍いが絶えず、悩んだ夫が離縁を依頼しに来る。絵乃たちは妻も母も離縁するという案を出して、嫁と姑は仲直りの方向に向かう。 離縁した双方の芸術的工芸職の家が、才能のある孫の取り合いをする争いに、絵乃たちはどちらのい跡取りにもせず、才能だけを両方に提供する案を出して和解させる。 11年前に絵乃と父を捨てて出て行った母が見つかった。夫が刺され母が自首するが、絵乃たちは真犯人は別にいると推理して調査を始め真犯人を見つけるが、同情せざるを得ない状況に、刑を軽くして原因となった夫を罪に落とすよう計略を巡らす。最後だけちょっとミステリー風。 母親が出て行かざるを得なかった理由もわかり絵乃は一緒に暮らすようになる。

Posted byブクログ

2020/02/17

【人情時代小説の名手が描く江戸の離婚と家族模様】最低亭主から逃げた絵乃は、離縁調停の達人のもとで働くことに。一筋縄ではいかない依頼を解決しながら、念願の離縁を果たせるか。

Posted byブクログ