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パラ・スター〈Side 百花〉 の商品レビュー

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33件のお客様レビュー

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2020/04/21

北上次郎が各所で絶賛しているのを見て。そして”いきなり文庫”だからハードルが低かったのもあって入手。 少なくとも、社会人になって奮闘中の現在パートは秀逸。あえて難点を挙げるなら、主人公の高校生時代を描くパートがやや中だるみ。あと細かいことだけど、さほど重要とも思えないセンテンスが...

北上次郎が各所で絶賛しているのを見て。そして”いきなり文庫”だからハードルが低かったのもあって入手。 少なくとも、社会人になって奮闘中の現在パートは秀逸。あえて難点を挙げるなら、主人公の高校生時代を描くパートがやや中だるみ。あと細かいことだけど、さほど重要とも思えないセンテンスが、数ページのうちに繰り返し使われるのは、どういう意図を狙ってのもの?確かに、そこで少し引っ掛かりはするんだけど、それはネガティブな引っ掛かり。 些末なことはさておき、基本的には読ませられる内容。件の書評では、後半にこそ涙腺刺激点満載ってことだったので、大いに期待。

Posted byブクログ

2020/04/08

車椅子メーカーで働く百花と、車椅子テニスプレーヤーの宝良の話で、こちらは百花サイド。 20歳前後の女性主人公のストーリーにここまで心揺さぶられるとは思ってもいなかった。友達を想う気持ちや、自分が叶えたいと思っていることが本当なのか疑う気持ち、仕事に向き合うとはどういうことなのか...

車椅子メーカーで働く百花と、車椅子テニスプレーヤーの宝良の話で、こちらは百花サイド。 20歳前後の女性主人公のストーリーにここまで心揺さぶられるとは思ってもいなかった。友達を想う気持ちや、自分が叶えたいと思っていることが本当なのか疑う気持ち、仕事に向き合うとはどういうことなのか、そもそも人と向き合うこととは?自分にできることとは?...というような、車椅子を通じながら普遍性をもった感情が迫ってくる。車椅子をどうやって作るのか、車椅子の生活がどういったものなのか、そういった自分が知らなかった世界についても新たに知ることができた。

Posted byブクログ

2020/03/10

車いすテニス。思わずネットで動画を探して見まくりましたよ。 すごいとかすごくないとか、もう、言葉がないくらいすごすぎますわ、この競技。 車いすを操作してボールに追いつき、あるいはボールの行方を予想して先に動き、そして止まり、打つ。 全身で、打つ。身体が車いすに固定されているのだか...

車いすテニス。思わずネットで動画を探して見まくりましたよ。 すごいとかすごくないとか、もう、言葉がないくらいすごすぎますわ、この競技。 車いすを操作してボールに追いつき、あるいはボールの行方を予想して先に動き、そして止まり、打つ。 全身で、打つ。身体が車いすに固定されているのだから通常のあの文字通り全身を使って打ち返すのとは違うのだけど、それでも「全身で打つ」としか言いようのない動き。これはもう言葉にできないほどのすごさだ。 そんな車いすテニスを余儀なくされた同級生のために、車いす製造会社へ就職した一人の少女の物語。 読む前から、モノづくり系でありスポーツ小説であり青春ものであり、と自分の好きな要素だけでできているのはわかっていたのでちょっと気合が入っていた。 だがしかし、読み始めてすぐに、この主人公にイライラし始める。おいおい、ちょっと甘いんじゃないの、と。 モノづくりってそんなに簡単なものじゃないでしょ、たかが一年やそこら働いたくらいでなに焦ってまえのめりになっちゃってるの、甘いよ甘い甘い、と。 自力で歩けない人のための「足」である車いす。しかもスポーツのためのものとなればどれだけ繊細な作業と熟練の技が必要か。なぜそんなに焦る。もっとじっくり修行すりゃいいじゃん。 その焦りの意味、そしてなぜ友達のためにそこまで熱くなるのか、その理由が語られてからイライラがおさまっていく。二人がめざすもの。その理由。そうかそうか、と見守る目が優しくなる。 でも、私はたぶん今月出る『宝良side』のほうが好きだろうな、という予感。早く読みたい。

Posted byブクログ