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カタリーナ・コード の商品レビュー

3.8

30件のお客様レビュー

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2021/03/17

あらすじ  警部ヴェスティングは24年前の未解決事件をまだ気にかけていた。カタリーナという女性が突然失踪した事件だ。夫のマッティンのもとを毎年訪れ、友情ではないが穏やかに交流していた。しかし、国家犯罪捜査局の捜査員がカタリーナ事件の2年前に起きたナディア失踪事件とマッティンの関係...

あらすじ  警部ヴェスティングは24年前の未解決事件をまだ気にかけていた。カタリーナという女性が突然失踪した事件だ。夫のマッティンのもとを毎年訪れ、友情ではないが穏やかに交流していた。しかし、国家犯罪捜査局の捜査員がカタリーナ事件の2年前に起きたナディア失踪事件とマッティンの関係を再捜査しはじめた。ヴェスティングの娘、大手新聞社記者のリーネを巻き込んで。  着実で堅実な作品。みんなひたすら26年前と24年前の事件について考え、新しい事件は起こらない。どんでん返しもない。突飛な人物も出てこない。ぱっと見地味な作品。でも、事件当事者と細く関わりながら事件についての考察を進めるヴィスティングや、産休明けからの復帰を望みガツガツ仕事をするリーネとか頼もしかった。潜入捜査?疑心暗鬼?の状況でヴィスティングとマッティンが釣りをしている場面は、ついつい楽しそうで心が和む。

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2021/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

数十年も前の未解決に終わった女性失踪事件に取りつかれ、書類を家に持ち帰り事件の細部を日夜見直す警部ヴィスティング。 流れゆく歳月の中で、被害者の夫であるハウゲンとは交友を深め毎年事件のあった日には言わずもがな集い、想いを馳せる習慣すら生まれている。 だが、今年に限ってハウゲンを訪れると不在。 そんなとき、また別の未解決事件の新たな証拠が見つかりその容疑者として浮上したのがハウゲンだった。 クリポス(国家犯罪捜査局)からの協力要請を受け、ハウゲンに探りを入れることに半ば強引に同意させられたヴィスティングだが、肝心のハウゲンは所在不明。 容疑者不在の真相を追いかけるのかと思いきやあっけなく帰還。ヴィスティングとハウゲンの交友は実は疑いを礎に築かれていたと知らされるワンシーン。序盤から中々の引き込みっぷり。 容疑を裏付ける事実が徐々に固まり、自白を引き出そうとするヴィスティングとハウゲンの間の緊張感の高まりも読みどころ。

Posted byブクログ

2021/02/09

スリリングな展開を繰り広げるミステリではなく、人と人との対話で物語が進んでいく。疑う者と疑われる者の心理戦。 タイトルにもなっている〝code〟は予想外に呆気なかった。また、登場人物の長い名前がフルネームで何度も繰り返され読み難いと感じた。

Posted byブクログ

2020/08/30

肝心のコードの真実があっけなかった。カタリーナが道路に関わる仕事についていたのに、24年も分からないことか?と感じてしまった。

Posted byブクログ

2020/08/17

ノルウェーの地方警察署で警部をしている主人公ヴィリアム・ヴィスティングは55歳。 妻に先立たれ一人暮らしだが、近所にはジャーナリストでシングルマザーの娘リーネが住んでいて孫娘の子守を頼まれたりしている。 24年前のカタリーナという女性の失踪事件が心に引っかかっていて、事件ファイ...

ノルウェーの地方警察署で警部をしている主人公ヴィリアム・ヴィスティングは55歳。 妻に先立たれ一人暮らしだが、近所にはジャーナリストでシングルマザーの娘リーネが住んでいて孫娘の子守を頼まれたりしている。 24年前のカタリーナという女性の失踪事件が心に引っかかっていて、事件ファイルを家に持ち帰って、暇があれば眺めている。 失踪したと思われる10月10日にはカタリーナの夫のマッティンと当時の話をするうちに毎年会うようになって友人のような関係になった。 今年も10/10に訪ねたがマッティンは不在。 オスロの国家犯罪捜査局(クリポス)未解決事件班の捜査官アドリアン・スティレルが来訪する。 スティレルは、カタリーナ事件の2年前に起きたナディア・クローグ誘拐事件の再捜査を始めていた。 事件は殺人事件と見なされ、その最重要被疑者として名前が挙がったのがマッティンだった。 スティレルがヴィスティングに言う。「力を貸していただきたい。マッティンと親しいあなたに」 そんなわけで26年前の誘拐事件との関わりを探る主人公。 クリポスの捜査官スティレルは策士で、主人公の娘リーネも捜査に巻き込む。 主人公は休暇で、マッティンと電気もガスも水道も無いような山小屋へ行く。 マッティンと過ごしながら推理してカタリーナが残した暗号の解読に成功する主人公。 二人で釣りをしたり、湖をボートで移動したり、ハイキングをしたり、主人公がマッティンに仕掛ける心理戦。 盗聴器マイクでの録音など、小物を用意するが、肝心のスマホの充電を忘れるとか間抜けすぎじゃないのか? 帰り道でのマッティンの告白で何もかも明らかになる。 結局は誘拐事件も失踪事件も明らかになるのだが、最後がいささか尻切れな感じが否めない。 まあでも、心に残る物語ではある。

Posted byブクログ

2020/07/06

ノルウェー、カタリーナが行方不明になって24年経過。警部ヴィスティングは彼女の夫マッティンの友人となった。そして国家犯罪捜査局から来た捜査官スティレルが別の女性の失踪事件でマッティンの関与が疑われていると言う。最新の技術で脅迫状から指紋が出たのだ。スティレルは、ヴィスティングとマ...

ノルウェー、カタリーナが行方不明になって24年経過。警部ヴィスティングは彼女の夫マッティンの友人となった。そして国家犯罪捜査局から来た捜査官スティレルが別の女性の失踪事件でマッティンの関与が疑われていると言う。最新の技術で脅迫状から指紋が出たのだ。スティレルは、ヴィスティングとマッティンの仲の良さを利用しようとする・・・ ちょっと長いかなと思って途中まで読んで脱落していたけれど、また読み始めたら面白くなった。静かな緊張感が持続する珍しいミステリー。真相は想像だにしないものだったけれど、言われてみれば納得。

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2020/03/24

 人間に寄り添った小説、と巻末解説でミステリ評論家杉江松恋が書いている。ミステリ―国籍では珍しいノルウェイ。人口2万3千の地方都市ラルヴィクは著者の住む町でもある。ヒーローは初老の警部ヴィスティング警部。ジャーナリストの娘リーナは、組織的に対立に近い立場でありながら、作品の一方の...

 人間に寄り添った小説、と巻末解説でミステリ評論家杉江松恋が書いている。ミステリ―国籍では珍しいノルウェイ。人口2万3千の地方都市ラルヴィクは著者の住む町でもある。ヒーローは初老の警部ヴィスティング警部。ジャーナリストの娘リーナは、組織的に対立に近い立場でありながら、作品の一方のヒロインでもある。  この地方都市にやって来たのは、出世頭であり冷血ぎみの手段を択ばぬ実績主義者の捜査官スティレル。鑑識技術の進歩により、27年前の未解決失踪事件の新たな証拠が出たという。ヴィスティング担当した25年前の別の未解決事件の被害者の夫がスティレルの第一容疑者として狙われる。マッティン・ハウゲンは妻が暗号を残して失踪し、その後毎年命日が近づくとヴィスティング警部の訪問を受け、私的に親しくなっていたので、スティレルは警部を利用しようと考えたのだ。  スティレルはマスコミをも捜査に利用としてリーナにも近づき、古い事件の捜査再開ののろしをあげる。かくして出来上がる捜査のトライアングル。ヴィスティング警部と娘のリーナ、最新技術を駆使して捜査計画を描くスティレル。中心には失踪したカタリーナの残した暗号。  地方都市の暗い10月が良い。警部と容疑者の25年の関係がもたらす距離感が良い。二人の間に流れる静かな男同士の血と温もりが良い。ヴィスティングを取り巻く家族たちの温かみが良い。容疑者マッティン・ハウゲンとの山小屋でのアウトドア・キャンプのシーンがクライマックスとなる。映画の如くノルウェイの美しい森と湖。小さなボートでのルアー・フィッシング や薪ストーブにコーヒーとコニャック。  とてもとても大切に事件を扱うヴィスティングを、とてもとても重厚に、人間愛で包み込むように描く作家のペンが良い。疾走型のサービス過剰な作品が多い中で、時にはゆっくりした時間の中で、人間たちの営みを深く描きこむようなシック極まりない作品に飢えることがある。そうした望みを満たしてくれる時間が、この作品にはこめられている。  極上のミステリ。優しさと残酷さが交差する北欧の家族や兄弟や夫婦や恋人たちの物語。本編は毎年一作ペールのシリーズ作品ということだが『猟犬』(こちらも素晴らしい作品である)以来邦訳は二作目。これだけ魅力的なレギュラー・キャラたちだ。日本でも人気シリーズとなって邦訳が進むことを強く願いたい。

Posted byブクログ

2020/03/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終えてからじわじわと来た。地味で、最初からその方向でしたよね?ともやもやしたが、最終盤の急展開に、人間とはわからないものなのだなぁという感慨深いと言ってよい読後感が残り、忘れ難いものとなった。

Posted byブクログ

2020/03/17

ノルウェー警察の24年前と26年前の失踪事件。失踪前に残されたメモが暗号として題名になっている。主人公とチーム、さらに記者である娘らが真相に迫る。主人公のキャラに好感が持てた。

Posted byブクログ

2020/03/09

ラルヴィク警察の警部ヴィリアム・ヴィスティングが、失踪したカタリーナ・ハウゲンの行方を追い始めて二十四年がたっていた。事件が起きた十月十日、今年もヴィスティングは夫のマッティン・ハウゲンを訪ねたが、彼は不在だった。異例のことだった。翌日、国家犯罪捜査局のアドリアン・スティレルが来...

ラルヴィク警察の警部ヴィリアム・ヴィスティングが、失踪したカタリーナ・ハウゲンの行方を追い始めて二十四年がたっていた。事件が起きた十月十日、今年もヴィスティングは夫のマッティン・ハウゲンを訪ねたが、彼は不在だった。異例のことだった。翌日、国家犯罪捜査局のアドリアン・スティレルが来訪する。スティレルはカタリーナ事件の二年前に起きたナディア・クローグ誘拐事件を殺人事件と見なして再捜査を始めていた。そしてその被疑者としてマッティンの名をあげた。 「猟犬」に続いて、翻訳は二作目だが、原書ではシリーズ12作目なのだそうだ。ツイストは一切なく、ひたひたと物語が進行するのだが、それがかえって良かったりする。

Posted byブクログ