歌舞伎座の怪紳士 の商品レビュー
面白かった! 歌舞伎の世界に全く興味がなかったけれど、各話ごとに出てくる演目の説明などをみていると、みてみたくなった。何かで内向きになってしまった時に別の推しだったり熱中できるものを見つけることは生活を前向きにしてくれるなあと感じた。
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歌舞伎自体が主役ではないが歌舞伎座やオペラの劇場が小説の舞台。新卒で入社した会社で受けたパワハラが原因で引きこもってしまった久澄が立ち直るまでのストーリー。 舞台となるのは建て替え後の新しい歌舞伎座で久澄が観る演目も有名なものが多く、歌舞伎に親しんでいる人にとっては情景をイメージ...
歌舞伎自体が主役ではないが歌舞伎座やオペラの劇場が小説の舞台。新卒で入社した会社で受けたパワハラが原因で引きこもってしまった久澄が立ち直るまでのストーリー。 舞台となるのは建て替え後の新しい歌舞伎座で久澄が観る演目も有名なものが多く、歌舞伎に親しんでいる人にとっては情景をイメージしやすい物語でした。
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主人公が舞台を観覧することで、ちょっとした事件を堀口さんと解決することで、気持ちをリカバリーする姿が良かった 日本文化は良いなぁ
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カタルシスがあって、ポジティヴに終わるという好みな構成。厳格な祖母の影響で、なかば強制的に「観劇」という趣味を得たことで、少しづつ前を向く力を取り戻してゆく女性の物語。舞台にはたしかにそんな力がある。 母がある時突然お芝居にはまって以来、おこぼれにあずかるように年に幾度かか足を運...
カタルシスがあって、ポジティヴに終わるという好みな構成。厳格な祖母の影響で、なかば強制的に「観劇」という趣味を得たことで、少しづつ前を向く力を取り戻してゆく女性の物語。舞台にはたしかにそんな力がある。 母がある時突然お芝居にはまって以来、おこぼれにあずかるように年に幾度かか足を運んでいるけれど、おもしろいのだ。生身の人間のみが放つエネルギー。一回性の世界。同じ時間は二度とは訪れない、その瞬間を共有する客席という共犯性。良くも悪くも人を結びつける。
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何だか“オ〇ラ座の怪人”をモジったようなタイトルの本書。 劇場×ミステリって感じなんかな?と勝手に期待して読んでみました。 とある事情でパニック障害を発症し、仕事を辞めた久澄。 現在は実家で家事をこなし、犬のワルサのお世話をしつつ、将来の不安や焦燥感を抱える日々を過ごしています...
何だか“オ〇ラ座の怪人”をモジったようなタイトルの本書。 劇場×ミステリって感じなんかな?と勝手に期待して読んでみました。 とある事情でパニック障害を発症し、仕事を辞めた久澄。 現在は実家で家事をこなし、犬のワルサのお世話をしつつ、将来の不安や焦燥感を抱える日々を過ごしています。 そんな久澄に、祖母の代わりに芝居を観に行き感想を伝えるというバイトの話が舞い込み、貰ったチケットで早速歌舞伎座に観劇に訪れますが、奇妙な出来事に遭遇して・・・。 私も以前久澄のような状態になった事があるので(実家暮らしではないですが)、本書で綴られている彼女の焦りだったり自己否定感だったりという心理描写に、かなり共感するものがありました。 日本の社会って、メンタル疾患に対する理解が無さすぎるので、ちゃんとメンタルクリニックで“病気”と診断されているのに“甘え”と捉えられたり、本書の中でもあった、祖母のしのぶさんの「・・じゃあ、そろそろ働かないとね」という台詞のように、まだリハビリ中なのに社会復帰を焦らすような発言をされたりと(この台詞はマジでNG!焦って社会復帰しても再発しちゃうかもなのに・・)、周囲の無理解がキツイんですよね。 その点、久澄は母親と姉が彼女の状態を受け入れているので、環境的には良い方かも(あ、でもそれだけに負い目があるか・・)等々と思いながら読みました。 と、主人公にわかりみが過ぎて、つい熱く語ってしまいましたが、本書は職場のクズ男のせいで心を病んでしまった久澄が観劇を通して徐々に再生していく展開となっております。 さらに、歌舞伎やオペラといった"敷居が高い"と思われがちな、お芝居の知識や劇場の雰囲気も味わえて、且つ劇場で遭遇する様々な謎を解いていくというミステリ要素もあるという・・まさに"一粒で二度・三度おいしい"内容となっております。 観劇初心者の久澄の視点で劇場の様子や演目の説明がされているので、読んでいるこちらも一緒に舞台を観ているような気分にさせてもらえるのも楽しいですし、芝居の世界に興味を持った久澄が自分や周りと向き合って、前に進んでいくという希望の持てる爽やかな読後感というのも良きでした。 因みに、久澄が行く先々の劇場で出会う謎の紳士は、タイトルのような"怪"紳士ではなく、とても素敵なおじ様ですよ~。 ありきたりで何ですが、この作品を読むと"舞台を観に行ってみたい"と思っちゃう事請け合いでございます~。
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情景が浮かぶ描写。主人公久澄の心情、思考の変化と見える世界が変わっていく様子も読み進めたくなる。最後の一文でまたグッと引き込まれ、涙してしまった。
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主人公の設定はフィクションだなぁと感じるが、ストーリー自体はワクワクする展開が多くある。 作品一つ一つの掘り下げがしっかりしているので、観劇に行きたいと思わせられた。
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パニック障害になって仕事を辞め、実家暮らしの無職岩居久澄27歳。 ある日離婚した父方の祖母からある依頼が。それは祖母の代わりに歌舞伎やオペラを観に行き感想を伝えるというもの。おまけに五千円の報酬までもらえるというのは羨ましい。 ドキドキしながら行った場所でちょっとした事件が起...
パニック障害になって仕事を辞め、実家暮らしの無職岩居久澄27歳。 ある日離婚した父方の祖母からある依頼が。それは祖母の代わりに歌舞伎やオペラを観に行き感想を伝えるというもの。おまけに五千円の報酬までもらえるというのは羨ましい。 ドキドキしながら行った場所でちょっとした事件が起こる。そしてなぜかその場所にいつもいる老紳士の堀口。1つ1つの事件の謎解きも堀口の正体もちょっとしたミステリー仕立てで楽しめました。歌舞伎やオペラて難しくて初心者だと敷居が高い気がするけれど、行ってみたいな…と思う人もいるのでは?登場した歌舞伎の演目の解説もわかりやすかったです。 そして飼犬のワルサ。うちのワンコに似てて可愛かったです。ワルサのようにストレスでハゲにならないようにお留守番の時間が長くならないようにしてあげなくちゃ。
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職場が原因でメンタルを病んでしまったニートの久澄(27歳)。 家族に生活費を全て負担してもらう代わりに、家事手伝いとチワワの世話をし、月三万円の報酬を貰っている。このぬるま湯感凄い。 舞い込んできたバイトは、観劇(歌舞伎、オペラ)をし、感想を教えること。 毎回出くわす親切な紳士は...
職場が原因でメンタルを病んでしまったニートの久澄(27歳)。 家族に生活費を全て負担してもらう代わりに、家事手伝いとチワワの世話をし、月三万円の報酬を貰っている。このぬるま湯感凄い。 舞い込んできたバイトは、観劇(歌舞伎、オペラ)をし、感想を教えること。 毎回出くわす親切な紳士は誰。 歌舞伎、オペラの知識、謎解き、久澄の心情の変化がバランスよく描かれ、観劇の雰囲気が伝わりました。いつか歌舞伎を観たいと思っています。しかし難しくて自分には場違いなイメージがありましたが、少しだけ取っ付き易くなりました。 久澄がいつもと違い、着飾って観劇に行く場面が好きでした。心の内面が沈んでいるとき、まずは外見から、この気持ちは大切と思う。久澄の心の葛藤の部分で、共感するところがありました。 誰かがあなたを責めようとして発することばは、自分がいちばん言われたくないことば。刻んでおこう。 何がきっかけで、再生への道が開けるかわからないと思えた作品でした。
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劇場に行って、観劇するのは楽しい。 私はどこへ行くにも普段着だが、初めて歌舞伎を観に行った時は確かに何を着て行けばよいか迷ったことを思い出した。おしゃれをしていくのも楽しいだろうし、幕間に食べるものを考えるのもまた楽しい。 私は失業しているわけではないが、日常から離れた、そんな特...
劇場に行って、観劇するのは楽しい。 私はどこへ行くにも普段着だが、初めて歌舞伎を観に行った時は確かに何を着て行けばよいか迷ったことを思い出した。おしゃれをしていくのも楽しいだろうし、幕間に食べるものを考えるのもまた楽しい。 私は失業しているわけではないが、日常から離れた、そんな特別な1日がたまにあったら楽しいし頑張れる、わかるなぁ、と主人公に感情移入しながら読んだ。 主人公は、歌舞伎や観劇について知識や経験がないようなので同じ素人として安心して読める、と思っていると教養や理解力があるので、ちょっと焦る。 演目についての紹介が魅力的で、そこに劇場での事件や謎の紳士、家族の謎も絡んで、さらに主人公の成長物語でもある。とても楽しい読書だった。
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