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51件のお客様レビュー

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2020/04/05
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※このレビューにはネタバレを含みます

迷える女性達を巡る短編集。 恋や仕事、家庭の不安。抱える悩みも人それぞれ。 何の根拠もないただの「占い」ではないか。当たる訳ない、と思いつつも鑑定結果がいつまでも心の内をぐるぐるかき乱す。 この心理は男性には理解されないかもしれない。 女性はおそらく多くの人から共感を得られそう。 今回の木内節も冴えていて好きだ。 「人の心はどうにもならなくて、そのどうにもならなさには、さまざまなことが絡んでいます。生い立ちや、性格、今まで経てきた体験や。ですから時には、不可解をやり過ごす、ということがあってもいいように思うのです」 占いは単なる「助言」に過ぎない。 結局進む道は、心のままに自分で選ぶほかない。 あなたは誰に認められなくても「あなた」なのだから…とは言うけれど、やはり頼ってしまうのが人の弱さ。 私ならカフェーの会計係・杣子に鑑定してもらいたい。 「稚拙な嫉妬なんて間違っても受け取ってはいけない。するりとかわして、ドブに流してしまえばいいのだ」 「このくだらない執着を手放せば、誰しも簡単に幸せになれる」 私にも心が軽やかになれるハッキリした「答え」を導き出してほしい。

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2020/04/04

これは大正時代の女性を描いた短編集。いつの時代もつい占いに頼ってしまう事ってあるんだなあ。そして深みにはまる。だから私は占いには近づかないww

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2020/03/18

短編集7編 ついつい占いに頼ってしまう心の弱みはどんどんエスカレートしていくようだ.だがこの主人公たちは最後に自分に立ち返り新たな一歩を踏み出している.その助けになるのは占いばかりではなく親しい友人だったりもするわけだが,占う方占われる方両面から描いていて面白い.また,各章にいろ...

短編集7編 ついつい占いに頼ってしまう心の弱みはどんどんエスカレートしていくようだ.だがこの主人公たちは最後に自分に立ち返り新たな一歩を踏み出している.その助けになるのは占いばかりではなく親しい友人だったりもするわけだが,占う方占われる方両面から描いていて面白い.また,各章にいろんな登場人物が重複するのが嬉しい.

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2020/03/18

七つの物語が登場人物でゆるく繋がっていて、少しの前の時代設定と融合していい感じ。ちょっとしつこいところもありますが、まずは楽しめる”ホラー”です。

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2020/03/12

占いにまつわる連作短編、7編。 時の頃はおそらく昭和初期くらいでしょうか。 「時追町の卜い家」 一人暮らしの翻訳家の桐子が、一時同居していた伊助のことを占いに何度もトい家に通ってしまうようになる話。 占い師によって言うことが違い振り回されます。 自立した女性でも、男性のことは...

占いにまつわる連作短編、7編。 時の頃はおそらく昭和初期くらいでしょうか。 「時追町の卜い家」 一人暮らしの翻訳家の桐子が、一時同居していた伊助のことを占いに何度もトい家に通ってしまうようになる話。 占い師によって言うことが違い振り回されます。 自立した女性でも、男性のことは気になるんですね。 「山伏村の千里眼」 カフェーの女給の岩下杣子は千里眼を買われて大叔母の家で、鑑定を始めます。 千里眼とはいえ半分以上はあてずっぽうで適当なことを言っているだけで、大繁盛し、占いの舞台裏がみえて面白かったです。 他にも、イタコあり、似顔絵や読唇術など占いからちょっとはずれている物語もありますが、読ませる話が多く楽しめました。 小説家の方が占いを描いたら、こんな風に描くんだなあと思いました。 小説家と占い師ってどこか共通の要素がある気がするし、本気で作り話をすれば本物の占い師よりも面白い話をでっちあげる才能のある方が他にもたくさんいらっしゃる気がしました。

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2020/02/23

大正時代の女性を主人公にした7編の短編集。タイトルからするとすべて“占い”が絡んでいるように見えるが、本当の意味での占いは最初と最後の2編だけだ。そして一見無関係に見えるそれぞれの作品が微妙に繋がっているのもおもしろい。バラエティーに富んでいて次はどんな作品だろうとわくわくしなが...

大正時代の女性を主人公にした7編の短編集。タイトルからするとすべて“占い”が絡んでいるように見えるが、本当の意味での占いは最初と最後の2編だけだ。そして一見無関係に見えるそれぞれの作品が微妙に繋がっているのもおもしろい。バラエティーに富んでいて次はどんな作品だろうとわくわくしながら読んだが、一番好きなのは「頓田町の聞奇館」、行ってみたいのは「宵待祠の食い師」かな。

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2020/02/23

木内昇先生の新作。占いにまつわる短編ということで、過去に何度も占いにハマったわたしはとても期待。笑 どの話の主人公の気持ちもわかる。というか、男女問わずですけど、人は迷ってるときはなにかに縋りたいって思ってしまうんですよね。けど、自分の中でこういう結果が出て欲しいと思うところがあ...

木内昇先生の新作。占いにまつわる短編ということで、過去に何度も占いにハマったわたしはとても期待。笑 どの話の主人公の気持ちもわかる。というか、男女問わずですけど、人は迷ってるときはなにかに縋りたいって思ってしまうんですよね。けど、自分の中でこういう結果が出て欲しいと思うところがあるから、占い等で相談したとしても、それにそぐわぬ結果が出れば認めたくない。 結局は自分の中にある程度答えはあるのだなあと思いました。特に女性は。双六堂の話が怖かった。知らないこと、他人と比べること。これってとても、怖い。

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2020/02/18

【収録作品】時追町の卜い家/山伏村の千里眼/頓田町の聞奇館/深山町の双六堂/宵待祠の喰い師/鷺行町の朝生屋/北聖町の読心術

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2020/02/16

大正末期、町場で、住宅街の路地裏で、占い師、口寄せ師、喰い師、読心術師らに悩みを吐き出していく女たち。 ある者は好いた男の心を知りたいと思い、またある者は仕事の憂さをただただぶつける。平凡な主婦がよその家庭をマウンティングし、職業婦人(懐かしい言葉)も主婦も、独身も既婚者も、この...

大正末期、町場で、住宅街の路地裏で、占い師、口寄せ師、喰い師、読心術師らに悩みを吐き出していく女たち。 ある者は好いた男の心を知りたいと思い、またある者は仕事の憂さをただただぶつける。平凡な主婦がよその家庭をマウンティングし、職業婦人(懐かしい言葉)も主婦も、独身も既婚者も、この世の全ての者は自分にないものを求めて悩むのが常なのか・・・ 占いで悪いことを言われれば信じ難く、そんなはずはないと抗い、いいことを言われればそんなうまい話はないと疑い、それでも占い師詣でを辞めることのできない女たち。 身の内に飼いならしていく「疑心暗鬼」という鬼が彼女達を蝕んでいく怖ろしさ。特に「鷺行町の朝生屋」はもうホラーです。怖かった~。 7つの短編は、どれも人間の業を描いてゾッとさせる。 悩んだ者は占いを頼るけれども、結局のところ悩みの種も解決策も我が身の内にあるということか・・・。

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2020/02/14

大好きな木内さんなんですけどね~~~。 タイトルが示すように占いに嵌る女性を描いた7つの短編。「時追町のトい家」「山伏村の千里眼」「頓田町の聞奇館」「深山町の双六堂」「宵町祠の喰い師」「鷺行町の朝生屋」「北聖町の読心術」。各編の登場人物が別の短編に顔を出したりしています。 時代は...

大好きな木内さんなんですけどね~~~。 タイトルが示すように占いに嵌る女性を描いた7つの短編。「時追町のトい家」「山伏村の千里眼」「頓田町の聞奇館」「深山町の双六堂」「宵町祠の喰い師」「鷺行町の朝生屋」「北聖町の読心術」。各編の登場人物が別の短編に顔を出したりしています。 時代は大正でしょうか、ややノスタルジックな雰囲気は有るのですが、それ以上に主人公の女性たちの”自己”の弱さを時代が示しているようです。自己が弱く、疑心暗鬼に陥り、ひたすら他者の目に映る自分を気にして占い(や口寄せ、読心術)に頼る。中には部分的には覚醒する人も居るけれど逃れきれるわけでもない。元々占いには興味がなく、神社に行ってもおみくじさえ引かぬ私から見れば、どうにももどかしいだけで感情移入ができません。前半ではややポジティブな「頓田町の聞奇館」が印象に残ったくらい。 後半は少し良くなります。「宵町祠の喰い師」の綾子の思い切り、「鷺行町の朝生屋」のホラー、「北聖町の読心術」のエンディング。 とは言え、全体としては肩透かしかな。

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