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の商品レビュー

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51件のお客様レビュー

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2020/11/14

短編集で、所々ホラーもあり、読みやすかった。 山伏村の千里眼と宵待祠の喰い師が、お話としても占い師としても好き。 双六堂が人間くささがあって面白い。 しつこいお客あっての高い壺とか石なのかなと思ったり。

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2020/11/01

占いに翻弄される女性たち。 自分の思う結果が出るまで占いをやめられない、いつの間にか占い師にされていた、など他人のことだから笑っていられるのかもしれない。 一番面白くゾッとしたのは『鷺行町の朝生屋』

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2020/09/08

 「茗荷谷の猫」でも感じたことだけど、人が翻弄されながらも自分で道を選ぼうとすることが著者にとって一つのテーマなのではないかと感じた。それは「茗荷谷の猫」で各作品において偶然に繋がっている人物や出来事からそう感じられたのだが、本作では「卜い家」の桐子の心情としてよりはっきりと語ら...

 「茗荷谷の猫」でも感じたことだけど、人が翻弄されながらも自分で道を選ぼうとすることが著者にとって一つのテーマなのではないかと感じた。それは「茗荷谷の猫」で各作品において偶然に繋がっている人物や出来事からそう感じられたのだが、本作では「卜い家」の桐子の心情としてよりはっきりと語られている。  表題の「占」というのも、本書の主題というよりは、そうした偶然の繋がりを示す一つの糸として受け取った方が良いだろうか。本書の作品はすべて占いの話ではなくて、占いを一つのターニングポイントとして、女性たちがどのように決断したかという話である、と見たほうが、単純化しすぎているにせよ妥当ではあるだろう。  この「女性たちが」というのも本書の一つのテーマである。思い計ることのできない恋人の思いに煩悶し、他者との比較において自分の立ち位置を確認する。こういういかにも女性らしい嫌らしさを描き出されるところと、「占いは助言に過ぎない」と切り捨てたり、自我の確立を訴える部分は女性の共感を得やすいだろうし、著者のメッセージだろうと感じた。(「千里眼」「読心術」など)  この関連で、「千里眼」で3人の女性を服装で区別しているのも印象的だった。不幸な自分に言い聞かせるように「結婚は良いものよ」と説教する大島紬、説教される銘仙、自立した女性像のワンピース。女性の「マウント」の取り方は男性とは違って、自分の不幸を埋め合わせるために「あなたのほうが不幸である」という主張を裏に秘めた婉曲的な嫌らしさがある……と言ったら男女差別かもしれないが。あーそういう女性いるよなぁ、と思ったりもする。  個人的に面白かったのは「頓田町の聞奇館」である。現代はなんでも即断即決、善悪の判断が拙速になりがちだと感じていたところ、この物語はそうした先入観を覆し、言葉にならない感情のつながりを描いている。主人公は柔和にほほ笑む男性の写真に惚れこむが、「聞奇」に霊を呼びだしてもらうと実は”べらんめえ”調のガサツな人物であったと分かる。主人公は幻滅し、家庭を顧みないとんでもない男だと思い込むのだが、これまた口寄せによって現れたその妻から語られる言葉がこれを覆す。読者の先入観を二転三転させる。「一緒に居ても寂しい人」「離れていても寂しさが無い人」とは、目に見えないものへの想像力が疎かになりがちな(と私は勝手に思う)現代の人びとに今一度考えてみてほしいことである。  とまあ、面白い話だらけで刺さったので、本(特に小説はなおさら)を滅多に買わない私が買ってしまった。 収録作品: 時追町のトい家 山伏村の千里眼 頓田町の聞奇館 深山町の双六堂 宵町祠の喰い師 鷺行町の朝生屋 北聖町の読心術

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2020/08/04

占いを必要とする女性を描く短編集 背中を押してくれたり聞きたくもないことだったり 疑心暗鬼が渦巻く最中の女性たちは なにを見つけたのだろう もしくは見つけるのを拒むのだろうか

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2020/07/09

短編7編。 大正末期、男の本心が知りたくて占い師巡りを止められない翻訳家。恋愛相談に適当に答えるうち人気の「千里眼」になってしまったカフェーの会計係など、恋や仕事、家庭に悩み迷える女性たちが占い、イタコ、透視などにより自分を見つけていく。 どの話も味わい深く、外れなしの短編集。...

短編7編。 大正末期、男の本心が知りたくて占い師巡りを止められない翻訳家。恋愛相談に適当に答えるうち人気の「千里眼」になってしまったカフェーの会計係など、恋や仕事、家庭に悩み迷える女性たちが占い、イタコ、透視などにより自分を見つけていく。 どの話も味わい深く、外れなしの短編集。 一番面白かったのは、家業の大工の会社を継いだ若い女性の話。いい加減で努力せず、無責任な職人への対応に悩む。 占いにすがりたいという気持ちはとてもよくわかる。 仕事も恋も、何かを始める時、やめる時、諦める時も。 しかし決めるのは自分自身であり、占いは背中を押してくれるものだったり、自分の考えや事実を自分に認めさせるものであると思う。 (図書館)

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2020/07/06

今も昔も男も女も、未来のことや他人の心の中を知りたいという願いは変わらない。人はそんな心理を持っているから、「占い」が行われ、「占い」に頼ろうとする。 本書は、大正時代の若い女性たちが自らの迷いを占いで解決しようとする様を描いた短編小説集。占いをされる者も登場すれば、占う者も登...

今も昔も男も女も、未来のことや他人の心の中を知りたいという願いは変わらない。人はそんな心理を持っているから、「占い」が行われ、「占い」に頼ろうとする。 本書は、大正時代の若い女性たちが自らの迷いを占いで解決しようとする様を描いた短編小説集。占いをされる者も登場すれば、占う者も登場する。悩みを解決するために占ってもらったはずが、より深い悩みにおちいったり、適当に発した言葉が相手にとっての占いとなったり。 結局、彼女たちが占いでわかったことは自分のことだ。未来や他人どころか自分のことすらわからないから、人は占いにすがる。同時に、占いは助言にすぎない、自分の道は自分で選ぶしかないことも彼女たちは知る。そして、自分なりの結論を見つけて新たなる一歩を踏み出していく。 占いに期待し、占いのおかげで、自分に占いが必要ではないことを知ることになることは皮肉だ。だけど、その占いが無駄だったわけではない。彼女たちには、とりあえず背中を押してほしい何かが必要だったわけだから。

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2020/06/25

人生の分岐点に立ち、決断できずにいる女性たちが 頼るのは「占い」。 答えは出ているのに、何度も占師の元へ通うのは 最後のひと押しがほしいからか。 悩みながらも自分の道を力強く歩き出す女性たち。 生きていく上で勝ち負けなど重要なことではないのに なぜ人と比べてしまうのだろう。 「...

人生の分岐点に立ち、決断できずにいる女性たちが 頼るのは「占い」。 答えは出ているのに、何度も占師の元へ通うのは 最後のひと押しがほしいからか。 悩みながらも自分の道を力強く歩き出す女性たち。 生きていく上で勝ち負けなど重要なことではないのに なぜ人と比べてしまうのだろう。 「深山町の双六堂」がおもしろかった。

Posted byブクログ

2020/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

相手の心が読めない辛さ、将来が見えない辛さ、周りの人と自分との比較等々、人は目では見えないことを不安に思い、何かにすがりたくなる。占いであったり、人のアドバイスであったり…そのようなことを題材にした短編7篇。時代ははっきりとは言及されないが、登場人物の言葉遣いや生活ぶりから大正時代頃。江戸時代や明治時代のような時代がかった設定でなく、だからと言って現代的ではないところがこの小説のテーマにはぴったりだと感じた。 現代に置き換えても心模様は全く同じではないだろうか。 恋愛で相手の心が読めず、ヤキモキしたり、不安になったり、その不安を消すために占い等に走る。占い師に答えを求めるのではなく、自分が「期待する」答えを求めるのである。読みながら、「相談事をしているときはすでに自分の中に結論は出ている」という昔から言われる一言を思い出した。 人の心理と行動を繊細な描写と言葉で短編に仕上げ、読み応えのある作品だ。

Posted byブクログ

2020/04/13

時代背景が古いものばかりで現代物も読みたかったし、「占い」というものに対しての物語へのアプローチが浅い気がした。

Posted byブクログ

2020/04/05

自分の思った結果が出るまで占いに頼り嵌まっている女性を面白おかしく描いていてそこはかとなく馬鹿にしているなぁ

Posted byブクログ