巴里マカロンの謎 の商品レビュー
「パティスリーはパティスリーにふさわしく、ホームメイドはホームメイドなりに、駄菓子は駄菓子として素敵ならそれでいいのよ。いつだって最高のものを求めるのは求道者っぽくて格好よう見えるかもしれないけど、実際は何を食べても『あれに比べればね』なんて言っちゃうスノッブに過ぎない」
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小市民シリーズ11年振りの新刊、自分がシリーズを読んだのは最近だと思っていたけど前巻を読んだのが4年前でびっくり。 今回は短編集。小市民シリーズは長編だとキャラの性格上どうしても思わせぶりな展開が続くから、短編集の方がサクサク進んでストレスがなく合ってる気がする。
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小市民シリーズの短編集。とても楽しかった〜! 読んでいて、マカロン食べたくなっちゃいました。 『紐育チーズケーキの謎』と『伯林あげぱんの謎』が好きです。特に『伯林あんぱんの謎』は直ぐに犯人(?)が分かったのですが、なぜそうなったのかが分からず…悔しかったです。 最後の『花府シュークリームの謎』で、小鳩くんがなぜ辞書を読んでいたのか全然わからなかったのですが、結末を見てスッキリしました。ラストの小佐内さん可愛い。 でも調べたら春と夏の間の時期のお話なのですね。次はその順で読みたいです。
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感想を書く前に私事だが、最近ASD傾向を指摘された。振り返れば、自分が向いた方に突き進んだり、頭でいろいろ考えたりして、周囲から浮いた学生だったかもしれない。個性の範囲内とも言えるが、この社会でより生きやすくなるためには、周囲を観察し学習するという、「知的に克服」という作業が必要...
感想を書く前に私事だが、最近ASD傾向を指摘された。振り返れば、自分が向いた方に突き進んだり、頭でいろいろ考えたりして、周囲から浮いた学生だったかもしれない。個性の範囲内とも言えるが、この社会でより生きやすくなるためには、周囲を観察し学習するという、「知的に克服」という作業が必要らしい。 前作と本作の間で上記傾向を指摘されたのだが、その間で小鳩くんと小佐内さんの人物像の捉え方が少し変わった。 本作の小鳩くんと小佐内さんは模範的な「小市民」を目指して学生生活を送っている。しかしながら時に予期せぬ事件に巻き込まれ、片鱗が見え隠れしてしまう。 さて、二人が自分と似た傾向にあるのではないかと、下記の点から感じた。 ・コミュニケーションではあんまり表情が出ていなさそうなところ(おそらくそれを意識していない) ・言われた意味をそのまま受けとる ・スイーツの前では素直に破顔するところ(顔に出る?) ・事件の真相解明に重きを置き、関係者の心情や事件後の経過(大きく言うと人間)にはそこまで興味がないところ ・事件が起きれば基本方針を忘れてのめり込むところ 二人は、自分たちが普通の人たちとは違う思考をしていることを理解していて、「普通」を学びながらいつもは擬態しているのだろう。私も意識しているし、大事なことだと思う。 一方で、昨今流行りのダイバーシティではないが、社会には少しずれた人がいる方が面白いと思うし、学校にはちょっと鋭い生徒がいてもいいのではないか。 小鳩くんと小佐内さんには、自身の平穏のために小市民を目指しつつも、周囲にピリッと刺激を与えるスパイス的存在であり続けてほしいと願う。 心配せずとも、完全なる小市民にはなりきれない二人であろうが。
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次は冬、かと思いきや1年生の頃のお話。こうやって掘り下げてくれるのは嬉しい。 短編集ながら関連があり読み応えあり。伯林あげぱんの謎が好み。
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一年生の小佐内さんと小鳩くんの、スイーツ探訪記。冬をやるのかは全く不明な状況で短編集が出たそれだけで飛び上がるほどに嬉しい。短編集だから情報量も多いし展開も早いけど、遊び心のある会話も挟みつつすっきりとまとめてくるのはさすが。地の文での人物たちの描写が間接的なのに雄弁でとってもす...
一年生の小佐内さんと小鳩くんの、スイーツ探訪記。冬をやるのかは全く不明な状況で短編集が出たそれだけで飛び上がるほどに嬉しい。短編集だから情報量も多いし展開も早いけど、遊び心のある会話も挟みつつすっきりとまとめてくるのはさすが。地の文での人物たちの描写が間接的なのに雄弁でとってもすき。あとあとのことを考えるとぜんざい食べても厄払い出来なかったね…二杯目を食べそこねたから!伯林あげぱんが微笑ましくて好きだけど、色んな意味でご褒美な花府も好き。冬を待つ。
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次回作も楽しみにしています。 小市民を目指す二人が今作でもやはり小市民になりきれない。 むしろ小佐内さんが加速気味に見えたのは気のせいか…。 ちゃんと読者にヒントが与えられていてミステリ要素も楽しめる一品です。
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ちょっとした人の悪意や割り切った感情など、こういう感じだったなーと思い出しながら読みました。 間が空きすぎて2人の設定を忘れてしまっていた!もう少し頻度が上がると良いですね…
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小市民シリーズの短編集。久しぶりでしたが読み進める内にそうだったこの感じと楽しく読めました。米澤さん直木賞取られましたが(おめでとうございます)小市民も古典部も大好きです。
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+++ 11年ぶり、シリーズ最新刊!創元推理文庫オリジナル そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を。 謎に遭遇しがちな小佐内さんと、結局は謎解きに乗り出す小鳩君 手に手を取って小市民を目指すふたりの高校生が帰ってきました! ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタード...
+++ 11年ぶり、シリーズ最新刊!創元推理文庫オリジナル そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を。 謎に遭遇しがちな小佐内さんと、結局は謎解きに乗り出す小鳩君 手に手を取って小市民を目指すふたりの高校生が帰ってきました! ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。なぜかスイーツがらみの謎に巻き込まれがちな、小鳩君と小佐内さんの探偵行。「小佐内先輩が拉致されました! 」「えっ、また」?お待たせしました、日々つつましく小市民を目指す、あの互恵関係のふたりが帰ってきます。人気シリーズ11年ぶりの最新刊、書き下ろし「花府シュークリームの謎」を含めた番外短編集。四編収録。 +++ 結局謎があれば解いてしまう二人なのである。そして謎を引き寄せている節もある。これはもう避けては通れない宿命なので、抗わない方がいいと思う。秋桜ちゃんという、小山内さんの熱烈なファンも登場し、新たな謎解きの場も、贔屓のお店もできた。そして、小山内さんが拉致される事態も出現し、小鳩君宛てに残されたヒントによって、見事ひとりで謎を解いてみせたりもした。短い物語ながら、充分愉しめる充実ぶりの一冊だった。
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