十二月の十日 の商品レビュー
短篇集とのことだったので、まずはタイトルになっている「十二月の十日」のみ読んでみました。 少し翻訳が難しいのか、なかなか頭に内容が入ってこなく、感想が書けるほど内容が理解ができなく、他のお話もちょっと読むのを諦めてしまいました。 じっくりと時間をとれる時にゆっくり読み進められる...
短篇集とのことだったので、まずはタイトルになっている「十二月の十日」のみ読んでみました。 少し翻訳が難しいのか、なかなか頭に内容が入ってこなく、感想が書けるほど内容が理解ができなく、他のお話もちょっと読むのを諦めてしまいました。 じっくりと時間をとれる時にゆっくり読み進められると内容も頭に入ってくるのかなと思いました。
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翻訳でしか読めないがギリギリ人間の形を保った絶妙は細いラインを綱渡りするような文章で、概ねうんざりしつつも時にスローモーションで見える光景があり、惹かれつつも疲弊しながらなんとか読み終えた。サリンジャーが好き、というと周りの人間には共感されないがこちらも同様であろうと容易く想像で...
翻訳でしか読めないがギリギリ人間の形を保った絶妙は細いラインを綱渡りするような文章で、概ねうんざりしつつも時にスローモーションで見える光景があり、惹かれつつも疲弊しながらなんとか読み終えた。サリンジャーが好き、というと周りの人間には共感されないがこちらも同様であろうと容易く想像できます。珍味ですね。
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短編集。貧しくて冷酷でグロテスクで入り組んだ世界。作者が作り出す世界は読み手を選ぶ。けむに巻かれない忍耐強さやSF的な設定を飲み込む想像力や辛さや恐怖に負けない精神のタフネスが必要。 「スパイダーヘッドからの逃走」「センプリカ・ガール日記」が印象に残った。最後の「十二月十日」も。...
短編集。貧しくて冷酷でグロテスクで入り組んだ世界。作者が作り出す世界は読み手を選ぶ。けむに巻かれない忍耐強さやSF的な設定を飲み込む想像力や辛さや恐怖に負けない精神のタフネスが必要。 「スパイダーヘッドからの逃走」「センプリカ・ガール日記」が印象に残った。最後の「十二月十日」も。この一編には少しだけ希望と温かさがあった。
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翻訳がキレッキレ。原作を読んだわけではないけれど、それでも原作の軽妙さや言葉遊び的な部分を損なわずに伝えてくれていると感じた。翻訳物は得意ではないけれど、あまり抵抗なく読めた、というより没入して読んだ。 翻訳物はほとんど読まないので、著者の本は今作が初めてだった。風刺の利いた独特...
翻訳がキレッキレ。原作を読んだわけではないけれど、それでも原作の軽妙さや言葉遊び的な部分を損なわずに伝えてくれていると感じた。翻訳物は得意ではないけれど、あまり抵抗なく読めた、というより没入して読んだ。 翻訳物はほとんど読まないので、著者の本は今作が初めてだった。風刺の利いた独特な設定は、訳者解説によると著者の持ち味らしい。 「センプリカ・ガール日記」のSG飾りを全くのフィクションとして感じられなかった。 「スパイダーヘッドからの逃走」がわかりやすく印象的だった 。「子犬」の二人の母親も。
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全く合わなかった。面白いかどうか評価できるほど読めていない。最初の数ページて読む気が失せた。生理的に合わないというやつでしょうか。
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これはあまりに新しい体験。初めてとも言える文体に非常に苦しみ、先に訳者あとがきを読み、また読み直し。一言で表すならば、一般的とは言えない人たちの脳内ダダ漏れ?英語だともっと軽快なんだろうか。
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新鮮な感覚で読めた短編集。文体は思い切りカジュアルで登場人物の素のおしゃべりのようで、三人称への切り替えも切れ目が定かでなくわかりにくい面もあるが、そこがまたいい。思考の流れがそのまま入ってくる。 ダメな人たち、アメリカの中の下か下の上かという人たちが登場、しかし何か不思議設定...
新鮮な感覚で読めた短編集。文体は思い切りカジュアルで登場人物の素のおしゃべりのようで、三人称への切り替えも切れ目が定かでなくわかりにくい面もあるが、そこがまたいい。思考の流れがそのまま入ってくる。 ダメな人たち、アメリカの中の下か下の上かという人たちが登場、しかし何か不思議設定が一部あり強烈な社会批判となっている。 日本の純文学ならあからさまな社会批判は避けるので不思議設定も何のメタファか曖昧なのだが、この作者の場合非常に明確。 いろいろとひどいこと悪いことが起こりディストピアもあるのだが、作者の愛情の豊かさが感じられる作品群だった。
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ファッキンなSF風短編。 ピーッな設定をコミカルに語れるのもセンスだよなあ。 “スパイダーヘッドからの逃走”と“センプリカ・ガール日記”は乾いた笑いとともに寒気がする。
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頭の固い私には理解するのに苦労しました。 短編自体、実は苦手だったのに・・・ でもね、あとがきを読んだら一気に理解できた(笑) 海外小説ではあとがきって大事。 不思議なお話が多い中、タイトルの「十二月の十日」は好きかもって思いました。
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そういえば、「短くて恐ろしいフィルの時代」を読んだ後も似たような感慨にふけったなと思い出して、どんなことを書いていたのか振り返ると、その感想にも「だからこそ敢えて聞きたいのだけれど、みんなは何が面白いと思うんだろう」とある。米国人が日頃から感じる無力感や不正義のようなものをジョー...
そういえば、「短くて恐ろしいフィルの時代」を読んだ後も似たような感慨にふけったなと思い出して、どんなことを書いていたのか振り返ると、その感想にも「だからこそ敢えて聞きたいのだけれど、みんなは何が面白いと思うんだろう」とある。米国人が日頃から感じる無力感や不正義のようなものをジョージ・ソーンダーズがお伽噺風にして見せるのを、当の米国人が(それも本を買って読むような層に属する人々が)読んだとして感じる自虐的な(と言いつつそれは飽くまで自分自身が直接被る負の重しではない)感情が、適度に塗される滑稽さで受け止め易くされるのが面白いのか。 一つひとつの短篇が示す世界は、多少空想科学小説的であったりひどく単純化された視点からのみ綴られたりしてはいるが、ディストピア風の世界である。そしてそれはどこまでも現代社会に少しばかり色を付けて映した鏡像。その不幸、不運、がんじがらめの格差などから目を逸らすべきではない、と声高に言っている訳ではないけれど、リベラル風に単純に物事を切り取る様は、主張していることこそどこぞの大統領と全く逆のことかも知れないが、世の中に白黒付けようとする圧のタイプは同型で、潜んでいる白い嘘のようなものを感じてしまい手放しでは面白がれない。 岸本佐知子の翻訳するものは基本的に全て面白く読むのだけれど、ソーンダーズだけはどうもしっくりこない。
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