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十二月の十日 の商品レビュー

3.3

39件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

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    11

  3. 3つ

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2022/10/12

アメトーークで紹介されていた1冊。 Aマッソの加納さん推薦。 翻訳は独特の言い回しで読むのにすごく時間がかかることがおおいんだけど、 これは「え?翻訳物?」って思うくらいするりと入ってきた。 聞いていた通り、翻訳家の岸本佐知子さんの手腕によるものなのだろう。 表題作の「十二月...

アメトーークで紹介されていた1冊。 Aマッソの加納さん推薦。 翻訳は独特の言い回しで読むのにすごく時間がかかることがおおいんだけど、 これは「え?翻訳物?」って思うくらいするりと入ってきた。 聞いていた通り、翻訳家の岸本佐知子さんの手腕によるものなのだろう。 表題作の「十二月の十日」にいたっては、翻訳前はどうなっているのか気になるくらい、日本語の作品に感じられた。 世界観は理解し難いものも結構あったけど 翻訳ものが翻訳ものと感じない初めての体験ができた。 岸本佐知子さんの作品他にも読んでみたくなった。

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2022/10/03

てっきり長編小説かと思ったら独立した10編を収めた短編集だった。 しかも全米ベストセラー1位を獲得しているらしい。 作者の著作は他にも気になるものはありつつ、本書が初読。 なかなか癖が強い。 世界観に慣れるまで結構かかった。岸本さんいわく(いい意味で)「バカSF」と呼びたくなる...

てっきり長編小説かと思ったら独立した10編を収めた短編集だった。 しかも全米ベストセラー1位を獲得しているらしい。 作者の著作は他にも気になるものはありつつ、本書が初読。 なかなか癖が強い。 世界観に慣れるまで結構かかった。岸本さんいわく(いい意味で)「バカSF」と呼びたくなるような設定。 たしかに、言い得て妙。 慣れたらじわじわ意味や設定が理解できてきてなるほどぉ…と面白くなる。理解が少し進むだけで、フワァっとした印象しかなかった導入部分もそういう設定で書かれてたのか〜!とピースがはまる感じが面白いので読み返しありかも。 でも個人的にめっちゃ面白い!とまではいかなかった。ザ・アメリカンって感じの小説、意外とそこまでハマらないのは(面白いとか感想はいろいろ出てくる)単に私の好みとの相違のせいか。 でもアメリカの人たちに支持された理由は分かる気がする。 訳者の岸本さんがあとがきで書いているように、登場する人物の多くが、貧乏だったり、社会的に弱い立場だったり、社会に対して不満を抱えていたり…なんというか、荒唐無稽な設定の中に、共感できる人間像があるというか。 そういう意味では、日本人にも共感できる部分はあると思う。 私の場合、ちょっとでも共感しちゃった話は、作者は笑える話としても書かれたのだろうけど、なんか登場人物のことを思うといくら滑稽でもあまり笑えないなぁ…笑い飛ばせる心持ちでは少なくとも今はないんだなぁと思った(批判ではない)。 かと言って辛い死にたい時に読んだら辛くて読めないと感じるのか?と思ったら多分そうでもない…むしろ死にたいような時にボーッと読むのもありかもしれない…??うーん、不思議な作風だ。 ちなみに読み応えあるな〜なんかむしろ泣けちゃうな〜と思ったのが「スパイダーヘッドからの逃走」「センプリカ・ガール日記」「ホーム」。 後からじわじわ沁みてくるのが「ビクトリー・ラン」「わが騎士道、轟沈せり」「十二月の十日」。 物語として読んでいいのかよくわからなかったのが「訓告」。 どれも最初はなんだこりゃ〜から読み始めるのがいいと思うので、感想やあらすじは書かないでおこうかと。 最後に。表紙が良いですね…それとなく各話のモチーフがあって…Q-TAさんによる装画とのこと。 以下備忘録がてら各話のタイトルを。 ・ビクトリー・ラン ・棒きれ ・子犬 ・スパイダーヘッドからの逃走 ・訓告 ・アル・ルーステン ・センプリカ・ガール日記 ・ホーム ・わが騎士道、轟沈せり ・十二月の十日 謝辞 訳者あとがき 

Posted byブクログ

2022/08/28

たぶん本としては初めて読む作家なのだけれど、この作家のこの短編集、全米でベストセラーだったらしい。 また文体も学生たちがたくさん真似するような人らしい。 ということは本を読んだ後、あとがきで翻訳者の岸本佐知子さんが書かれていたから知ったこと。 これがベストセラーになったんや〜と...

たぶん本としては初めて読む作家なのだけれど、この作家のこの短編集、全米でベストセラーだったらしい。 また文体も学生たちがたくさん真似するような人らしい。 ということは本を読んだ後、あとがきで翻訳者の岸本佐知子さんが書かれていたから知ったこと。 これがベストセラーになったんや〜という率直な感想。 変わってます。かなり。 特別な刑務所に入っていて、感情に効くいろんな薬を注入されて、(恋愛感情とか操作される)人体実験される男の話 とか、 ある未来の大金持ちは庭に〇〇を並べて吊るして飾っているんだけど、その〇〇の実態が明らかにされると…恐ろしすぎる事だったり 戦争から帰ってきて、精神的にちょっとおかしくなってしまった男の実家を訪ねる話とか… 変な話 と思って読んでいたら、表題作のラストが泣かせる… もちろん入り方は普通じゃなくて、 男の子(たぶんいじめられっ子)が独り言を言いながら森に入っていく。色んな人と頭の中で会話しながら。 それと並行してガリガリの男が森の中に入っていく。こちらは着てたコートを脱ぎ捨て、このまま病気が悪くなる前に…という悩み事を頭の中で繰り返しながら。 そして起こる出来事は この作家の作品では、今まであまり無かったらしい最後の救いがある。そこが最初の頭の中の支離滅裂な話からどんどんリアルになっていって結ばれる。あーいい本読んだな〜って気持ちになるラストでした。 この本のタイトル「十二月の十日」、これを書くまで「十二月十日」と思ってました…

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2022/05/16

岸本佐知子さんの翻訳なので手にとりました。 どのように評価すればよいのだろう…… 貧乏や精神に異常を持った人、病気の人など世の中の底辺にいる人々が主人公。 ちょっと……て思うほどの下品な言葉を使うんだけれど でも、この小説の場合はそれが適切な表現で他の言葉に置き換えられない。 ...

岸本佐知子さんの翻訳なので手にとりました。 どのように評価すればよいのだろう…… 貧乏や精神に異常を持った人、病気の人など世の中の底辺にいる人々が主人公。 ちょっと……て思うほどの下品な言葉を使うんだけれど でも、この小説の場合はそれが適切な表現で他の言葉に置き換えられない。 重くのしかかってくる、どうしてこんなこと思いつくのかしらと思うストーリーだけれど それぞれの主人公に少し心を寄せると不思議と理解できて 彼らの言葉や行動のなかの真実や愛やまっとうさに突き当たる。

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2022/04/29

貧乏だったり、頭が悪かったり。 ちょっとかなりダメで愛すべき主人公たちが、荒唐無稽な世界観のなかで更にダメになっていく。(時には希望もある) いわゆる下流の人々の生活の書きっぷりもさることながら、やっぱり世界観の作り込みが素晴らしいと思う。 普通のアメリカの風景、と思いきや少し...

貧乏だったり、頭が悪かったり。 ちょっとかなりダメで愛すべき主人公たちが、荒唐無稽な世界観のなかで更にダメになっていく。(時には希望もある) いわゆる下流の人々の生活の書きっぷりもさることながら、やっぱり世界観の作り込みが素晴らしいと思う。 普通のアメリカの風景、と思いきや少し違う。突拍子もないややSFチックな設定に驚かされる。 日常の風景の中になんの前触れもなくSF設定が紛れ込んでくるのだけど、あまりにも溶け込みすぎて疑問を持つ間を与えてくれない。 「センプリカ・ガール日記」の〝SG飾り〟とか。SGの正体が明らかになった時にゾッとする感じめちゃくちゃ楽しかった。 そしてその後にうううんと考えされられる。重い。 あと「子犬」がよかったな。 子どもって。 そしてやっぱり岸本佐和子さんの訳が最高に上手い。 特殊な文体とか言葉あそびを違和感なく日本語にしてくれてる。 「わが騎士道、轟沈せり」とかの発言がかなりヤバくなってるあたりの表現がとてもよかった〜。

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2022/03/26

文化的背景なのか、登場人物の性格や言い回しに馴染めないところがあった 虚航船団を読んだあとのような感じで 設定自体は面白いものもあるが、自分の中でそれを楽しめる素地ができていないように感じる 十二月の十日だけは直前にビターエンドロールを読んでたこともあり楽しめた 自分の最期の時...

文化的背景なのか、登場人物の性格や言い回しに馴染めないところがあった 虚航船団を読んだあとのような感じで 設定自体は面白いものもあるが、自分の中でそれを楽しめる素地ができていないように感じる 十二月の十日だけは直前にビターエンドロールを読んでたこともあり楽しめた 自分の最期の時はどのようになるのだろうか

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2022/02/21

海外ミステリーや海外SFは読むけど、海外文学はあんまり読んでいないので(ジョン・アーヴィングを除く)、どうしてこの本をもらったのかは分からないけど(岸本佐知子のエッセイが好きだから?)去年の誕生日にもらったので読んだ。 まぁ、SFっぽい話(ディストピアもの)や、主人公がどんどん追...

海外ミステリーや海外SFは読むけど、海外文学はあんまり読んでいないので(ジョン・アーヴィングを除く)、どうしてこの本をもらったのかは分からないけど(岸本佐知子のエッセイが好きだから?)去年の誕生日にもらったので読んだ。 まぁ、SFっぽい話(ディストピアもの)や、主人公がどんどん追い込まれていく話など、読後感的には筒井康隆っぽかった。

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2022/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ダメ人間たちの短編集 翻訳とは思えない読みやすさでした。 どれも好きですが、スパイダーヘッドが特に好きです。 段々薬がきれていく感じの表現を英語から日本語にする技術が素晴らしいです。

Posted byブクログ

2022/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

正直、独特すぎて理解が難しかった‥ 単語、言葉の使い方、展開など、翻訳された本らしく新鮮だった 短編集ながら世界観がそれぞれあり、日本の小説よりも前触れなく事態が進んでいく形が面白い 所得の格差があることへの劣等感を感じているキャラクターの印象が強い 宝くじを当てても結局は幸せになれない お金持ちとの境遇の違いを嘆く思いを作者を感じたことがあるのだろうか‥?

Posted byブクログ

2022/01/23

全米凄いな 無論Aマッソ加納さんが薦めていたというので手に取ったのだ。Aマッソは昔から好きだった。ミーハーだ。ミーハー上等!ミーハーから世界がひろがることもあるはず。短編集。恐ろしく面白い短編もあるにはあったがほとんどは理解するのが難しそうか何回も読めばなんとかとうい話だった。そ...

全米凄いな 無論Aマッソ加納さんが薦めていたというので手に取ったのだ。Aマッソは昔から好きだった。ミーハーだ。ミーハー上等!ミーハーから世界がひろがることもあるはず。短編集。恐ろしく面白い短編もあるにはあったがほとんどは理解するのが難しそうか何回も読めばなんとかとうい話だった。そう5回か10回か。いやこの言い方は正しくない5回から10回あるいは5回か6回か7回か8回か9回か10回と言うべきだ。段落が極端に少ない文章も読みづらいことこの上ない。原作の雰囲気を残すための苦肉の策だったのかもともとそうだったのか。英文で書かれた文章を想像してみたが想像できるほど英語力がなかった。etc.etc. 評価と感想だ。★5だ。★5に決まっている。そうすれば加納さんと同じセンスの持ち主と思ってもらえるはずだ。他の★5をつける人たちがそうだと言っているわけではない。自分が★5をつけるとしたらそれが理由だというだけだ。だが★2だ。分からなかったのだからしょうがない。というかアメリカ社会もしくはアメリカの社会構造を土台にしてある話なのだからアメリカ人かアメリカに住んでいるアメリカの社会の中にいる人間でなければ難しいと思われる。でなければよほどセンスがある人間だ。そういえばAマッソの加納さんといえば今やセンスある芸人の代名詞のような言われ方だ。本人か望んだことなんだろうか(!)。まあいい。 それにしても全米ベストセラー第1位だそうだ。この難解な物語が№1(!)。凄いな全米。センスの固まりだな全米。etc.etc.

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