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生涯投資家 の商品レビュー

4.6

42件のお客様レビュー

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2024/08/21

今年読んだ本で、ダントツ1位に良かった。興奮して読み進めて、最後には感動した。 2000年代前半に投資家村上世彰氏が証券取引法違反の罪で逮捕された。当時いわゆる村上ファンドと呼ばれるファンドのマネージャーだった彼は、日本で初めてのTOBを仕掛けるなどで話題になった。彼が目指してい...

今年読んだ本で、ダントツ1位に良かった。興奮して読み進めて、最後には感動した。 2000年代前半に投資家村上世彰氏が証券取引法違反の罪で逮捕された。当時いわゆる村上ファンドと呼ばれるファンドのマネージャーだった彼は、日本で初めてのTOBを仕掛けるなどで話題になった。彼が目指していたものは、日本企業にコーポレートガバナンスを浸透させることである。 2006年に起きたライブドア事件では、ライブドアがフジサンケイグループを買収しようとして、堀江貴文氏が逮捕された。株式を上場するということはどういうことなのか、経営者は株主の価値を最大化する経営をしているだろうか。不必要な資金が企業内に放置されたままになっていないか。 村上氏の投資哲学がはっきりと理解できた。ただ儲けたいだけでなく、仕組み自体を改善することにより企業を成長させ、経済全体も活性化させるという野望は実は正義感からくるもので、彼の元官僚というバックグラウンドにも関連している。 執行猶予付き有罪判決後は国外に移住し、現在でもチャリティを含むいろいろな分野に投資・寄付を続けている。 本のタイトルにあるように、彼は生涯投資家である。資本主義を強く信じる私も規模は違えど投資家の端くれであり、一生投資を続けていくことを決意した。

Posted byブクログ

2024/03/07

本書内でも書かれているが、あくまでも主語は「投資家」であり、村上氏の主観/ポジショントークの部分は多分にあると言う前提はある。ただそれを抜きにしても非常にウィットに富んだ面白い内容であった。本書から明確な実用性の高い学び/スキルを得る。という側面よりも、村上氏の生き方、学び方の価...

本書内でも書かれているが、あくまでも主語は「投資家」であり、村上氏の主観/ポジショントークの部分は多分にあると言う前提はある。ただそれを抜きにしても非常にウィットに富んだ面白い内容であった。本書から明確な実用性の高い学び/スキルを得る。という側面よりも、村上氏の生き方、学び方の価値観、投資における信念(価値観と同じか?)を知る。という側面で読み始めるとギャップは無いと思う。

Posted byブクログ

2024/02/13

村上世彰って誰?悪い人?くらいの認識の人や「物言う投資家(アクティビスト)」ってなに?って人に読んでもらいたい一冊。 村上世彰が逮捕された事件は何が起きてなぜ逮捕されたのかについてや村上世彰がアクティビストとして活動してきた事例が書かれており、どういう信念に基づいて行動していた...

村上世彰って誰?悪い人?くらいの認識の人や「物言う投資家(アクティビスト)」ってなに?って人に読んでもらいたい一冊。 村上世彰が逮捕された事件は何が起きてなぜ逮捕されたのかについてや村上世彰がアクティビストとして活動してきた事例が書かれており、どういう信念に基づいて行動していたのかがわかる。ただし自分としてはガバナンス正常化を理由に利潤を得ることがメインになってるんじゃないかと思われる事例もあった。(真偽は不明だが) また村上世彰の日本に対する問題意識についてはかなり共感でき、そのために活動してきたという点も尊敬できる。 いまだ悪者として扱われることの多い村上世彰について、メディア側からの情報だけでなく村上世彰側からの情報を踏まえた上で彼が一体どういう人なのかを判断してもらいたい。

Posted byブクログ

2024/01/21

企業をあるべき姿に正すという投資の姿勢にとても感銘を受けた。 リターンばかり追い求めるのでなく、企業を応援したい、成長してほしいという想いがあっても良いと思い直せた。 自分は当時、事件があった時の社会の空気感を感じられるほど大きくなく、本書で始めて知ったが、投資家に対する世間の...

企業をあるべき姿に正すという投資の姿勢にとても感銘を受けた。 リターンばかり追い求めるのでなく、企業を応援したい、成長してほしいという想いがあっても良いと思い直せた。 自分は当時、事件があった時の社会の空気感を感じられるほど大きくなく、本書で始めて知ったが、投資家に対する世間の忌避感のようなものが感じられた 新NISAも始まり、投資に対するイメージは代わりつつあるのではないかと思う。著者の想いが多少なりとも報われ始めていると思いたい

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2023/12/20

上場して資金調達しその金を積極的に投資に回し、やがて十分な運転資金を事業から得ることができるようになった企業は利益を積極的に株主に還元し、リターンを得た投資家が次の有望銘柄に投資することで資金が有効に活用され続ける。 これが健全な株式市場の資金循環であり、この達成のためにコーポレ...

上場して資金調達しその金を積極的に投資に回し、やがて十分な運転資金を事業から得ることができるようになった企業は利益を積極的に株主に還元し、リターンを得た投資家が次の有望銘柄に投資することで資金が有効に活用され続ける。 これが健全な株式市場の資金循環であり、この達成のためにコーポレートガバナンスの浸透と徹底が必須であるとするのが本著の主論である。 本著が執筆された2017年時点で日本の株価は低迷していたが、2023年現在東証のPBR改善命令が発動されてからバブル以来の高値に来ている。村上氏が四半世紀前から訴え続けてきた、それほど複雑というわけでも無い状況の改善に動き出しただけで、世界のリスクマネーが日本に流れはじめたことを見ると、この四半世紀という決して短く無い時間が非常に勿体なく感じる。 若干自身が従前行なってきた活動に対する正当化・美化が入っているものと感じるが、一方でマスメディア・世論の様々な批判に対し村上氏の信念や理論は一貫性をもってそれを跳ね返している。 また、東日本大震災時の支援活動について、「非営利団体への支援も投資だと考えている。リターンとして受け取るものが、金銭なのか、最終受益者の笑顔や『ありがとう』の言葉なのか、または社会環境の改善なのか、という形が異なるだけ」であるという主張を聞くと、少なくとも村上世彰という人物は世間が思っているほど悪い人間ではないと思われる。

Posted byブクログ

2023/11/13

【322冊目】非常に面白かった!企業財務や投資に関する視点を得られたので、新NISAが始まる前に読んでよかった!インサイダー情報による株式取引として逮捕されたニッポン放送事件の回想をはじめ、筆者が株主として世間の耳目を浴びた事件(東京スタイル事件、ニッポン放送事件など)が多く載っ...

【322冊目】非常に面白かった!企業財務や投資に関する視点を得られたので、新NISAが始まる前に読んでよかった!インサイダー情報による株式取引として逮捕されたニッポン放送事件の回想をはじめ、筆者が株主として世間の耳目を浴びた事件(東京スタイル事件、ニッポン放送事件など)が多く載っている。それぞれにつき、当時の対象企業の状況や筆者の株式取得・株主提案の意図が説明されており、全盛期(?)を知っている私としては大変興味深く拝読。今は「村上ファンド」は解体し、シンガポールで奥様・4人のお子様と暮らしながら個人投資家として生活しているそう。  御本人曰く、金に物を言わせて傲慢に経営者たちに株主への利益還流を迫ったように見える姿勢は、日本の上場企業にコーポレート・ガバナンスを浸透させたいという熱い思いから出たものだということで、確かに本書の最初から最後までその理屈・理念は一貫しているように思われます。  そのため、一度その理屈を理解できれば、本書は大変読みやすいです。筆者が重視するというROEを始め、企業財務や投資に関する専門用語は複数出てきますが、本書の内容が難解と感じられるほど多用されているわけではなく、かつ、ここに出てくる程度の専門用語は個人投資家初心者であっても知っておいて損はないようなものかと思います。    筆者は、企業は必ずしも上場する必要はないと考えています。ただ、(筆者の視点からすると)何の考えもなく漫然と上場を継続するのは得策ではありません。株式価格と比較して企業の価値・財産等が高いにもかかわらず、利益を溜め込んだり、経営者が不当にその利益を自己のものとしたりなどするのであれば、それは配当という形で株主に還元したり、新たな利益を生むべく新たな事業に投資したりすべきであると筆者は信じています。筆者が株主になって経営者に色々と物申すのは、こうした信念を実現するためだとのことです。←企業は手元に金をためこまず、その金を使って企業価値の向上に努めるべきという主張は説得的に聞こえます。しかし、新型コロナのような未曾有の災厄を経験した後では、企業の価値向上というよりそもそも存続のために内部留保を増やすという選択がとられざるを得ないのではないか?と考えました。コロナ禍のようなケースをどのように考えるのか、筆者の考えを知りたいです。そういうときのために上場しているのだから、株式市場から資金調達すればいいだろ?ということなのかもしれません。  意外だったのは、筆者が自身の投資スタイルを、企業価値と比較して割安に評価されている企業に投資するシンプルなものだと説明していることです。一瞬「私にも真似できるのでは!?」と血迷ってしまいました(笑)また、これに加え、IT企業を正しく評価することへの苦手意識を表明していることは、投資の神様バフェットと同じであり、「パクってません?」と疑ってしまうほど(笑)  言い方や態度がキツく、そのせいで随分と攻撃的だと誤解されており、そこは反省すべき点だと筆者自身が述べています。ただ、本当に筆者の説明どおりの理念なのであればそれは一つの国や企業の在り方を示しているように思います。とはいえ、当然ながら自己弁護を多分に含んだ内容だと思いますので、これまで煮え湯を飲まされてきたと感じている人たちにとってはどう映るのかは分かりません…

Posted byブクログ

2023/09/18

【選書理由】 直前に、『ブラックストーンウェイ』を読み、世界的PEファンド創設者(スティーブシュワルツマン)の世界の見方を覗くことが、こんなに読書体験として面白いものかと気づき、その日本人バージョンということで、村上ファンドの村上世彰氏の自伝的本を読みたいと思い、メルカリにて購入...

【選書理由】 直前に、『ブラックストーンウェイ』を読み、世界的PEファンド創設者(スティーブシュワルツマン)の世界の見方を覗くことが、こんなに読書体験として面白いものかと気づき、その日本人バージョンということで、村上ファンドの村上世彰氏の自伝的本を読みたいと思い、メルカリにて購入。 【感想】 とても骨太な内容であった。 当初の予想を大きく上回ることが書かれていた。 回顧録や自伝では、出来事が抽象的に描かれることが多い中で、各案件について、当時の意図ととも事細かに書かれていて、読み応えがあった。 ありきたりな感想になるが、村上氏の資本主義社会を見る眼鏡をかけられるのが、この本の醍醐味である。 投資家として生きてみたいと思わせてくれる本。 解説に池上彰氏を用いているのも、良い。 (余談だが、お二人の名前が似ているのも縁を感じる。) とりわけ、解説のタイトル、『「コミュ障」の投資家の真意は』は絶妙であると感じた。 6ページの紙幅ではあるが、的確にこの本を客観的な立ち位置から評価してくれており、池上氏の凄さを感じた。 【印象に残った箇所】 12p 2000年代に入ってからITブームが来て、有形資産をもたないIT企業の株価が「成長性」をもとに高く評価されているが、私には理解できない世界だ。「売上が毎年倍になっていって」とか、「今は赤字だけど、十年後には一千億円の利益を出します」という事業計画を、精査するスキルが私にはない。だから、IT企業への投資を躊躇してきた。 私の投資は徹底したバリュー投資であり、保有している資産に比して時価総額が低い企業に投資する、という極めてシンプルなものだ。 25p 私が投資する企業は、現預金をたくさん保有していたり、財務状況も良く、銀行からの借り入れ余力もあって、直接金融で資金を調達する必要のない企業がほとんどなので、上場している意味が見出せないからだ。 31p 企業の経営方針は、株主総会を通して株主が決めていくと法律が定めているにもかかわらず、実質的な意思決定の実態はあまりにも違いすぎると感じていた。 37p 政府としては、法律の整備などをいくら行っても、実際に活用する人がいない状態で、市場を動かすことができなかった。 コーポレートガバナンスを軸に置くプレイヤー、不在の中、私の研究は机上の九龍となっていた。私は官僚と言う立場から資本市場を変えることに限界を感じ、投資家として自らプレイヤーになって変えていくしかない、と思うようになった。 52p 私はこれまでの経験から、人をマネジメントしたり、日々の授業を運営することが苦手であることを自覚している。投資家と経営者は、全く違うのだ。 75p 経営者は、安定間のために手元に資金を確保確保したい気持ちが強い。それが純資産の過剰な増大につながるため、ROEは米国に比べて著しく低く推移している。コーポレートガバナンスを理解しない。古い経営者は、会社は自分の家計と勘違いしている。だから、借金を嫌い、現金に余裕があれば安心する。そんな余剰資金を循環させるために、ROEを重視するルールができたのだ。 261p ライブドアの堀江貴文氏が私に言った「ニッポン放送の株式を5%以上買いたい」と言う趣旨の言葉がインサイダー情報に該当するとされ、その情報をもとに株の取引を行って利益を上げたと言う容疑で、私は逮捕されたのだった。 302p “金の亡者"であるかのような印象が世間に広まった村上氏ですが、本書を読むと、まるで少年のような正義感を持った人物である姿が見えてきます

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2023/08/23

 あんまり稼ぎがなさすぎて困っているので、何かお金を稼ぐヒントでもないかと思ったのだけど企業の買収など次元が違って参考にならない。専門用語などいちいち調べずに読んだのでさっぱりわからないところも多い。こんな世界もあるのかと普段の実生活とはかけ離れた次元の話なのだけど、しかし大きな...

 あんまり稼ぎがなさすぎて困っているので、何かお金を稼ぐヒントでもないかと思ったのだけど企業の買収など次元が違って参考にならない。専門用語などいちいち調べずに読んだのでさっぱりわからないところも多い。こんな世界もあるのかと普段の実生活とはかけ離れた次元の話なのだけど、しかし大きなお金の流れが自分の生活にも影響を及ぼしているようだ。金の亡者のような印象の著者だったが良かれと思っての行動で、それを世間が悪く受け止めるので気の毒だ。

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2023/07/28

あのライブドア事件のトバッチリで逮捕された村上さんの人生を振り返った著作。確かに元官僚でオリックスの宮内氏やラストバンカー西川氏などとも交友がある割に人脈を意識しない行動や、失敗しても引きずらずに次の事業に取り組むあたりは起業家というより投資家で、この本の名に違わぬマインドをお持...

あのライブドア事件のトバッチリで逮捕された村上さんの人生を振り返った著作。確かに元官僚でオリックスの宮内氏やラストバンカー西川氏などとも交友がある割に人脈を意識しない行動や、失敗しても引きずらずに次の事業に取り組むあたりは起業家というより投資家で、この本の名に違わぬマインドをお持ちだ。またアメリカ式投資でコーポレートガバナンス重視の是非はともかく方針がブレないのも大したもの。 全ての意見に賛同できる訳では無いが、こういう経済の考え方の人もいるという点では非常に勉強になった。

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2023/07/17

村上さんの自伝。 自分の経済の知識が足りてないのを実感もしたが、それでも十分面白く読めた。 結構叩かれてる人後ろ指を指されてる人みたいなイメージを勝手に持ってたけど、企業の内部留保の吐き出しのために尽力したり社会貢献活動とかボランティアのための財団運営もされてて好感度が上がった...

村上さんの自伝。 自分の経済の知識が足りてないのを実感もしたが、それでも十分面白く読めた。 結構叩かれてる人後ろ指を指されてる人みたいなイメージを勝手に持ってたけど、企業の内部留保の吐き出しのために尽力したり社会貢献活動とかボランティアのための財団運営もされてて好感度が上がった。(何様) こういった意志を持って闘う姿勢のある人みたいに自分もなりたいと思った。

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