息吹 の商品レビュー
予期される未来。 自分の頭でシミュレートを繰り返せば繰り返すほどに眩暈がしてくる……。 このサイエンス・フィクションにリアルが追い付いたとき、私は正気を失うことになるだろう。
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一番面白いと思ったのは「偽りのない真実、偽りのない気持ち」かな。実際にあったことと、自分の気持ち(記憶)が完全に同じではない。そのことによって生じる、良い面と悪い面。そんなことに思考を巡らせる機会を与えてくれるストーリー。
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読んでよかった。本当に。 単なるSFに止まらない。激しい冒険は無いが、静かな感動がそこにはある。 文章がストレートで読みやすい。 9編全てが傑作だけど特に良かったのは表題作の『息吹』、『商人と錬金術師の門』、『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』、『不安は自由のめまい』こ...
読んでよかった。本当に。 単なるSFに止まらない。激しい冒険は無いが、静かな感動がそこにはある。 文章がストレートで読みやすい。 9編全てが傑作だけど特に良かったのは表題作の『息吹』、『商人と錬金術師の門』、『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』、『不安は自由のめまい』これらは秀逸だった。 繰り返しになるが単なるSFではない、そこに描かれているのは非現実的な設定でも現実の我々と地続きの問題がリアルに横たわっている。回避し得ない困難と、それに立ち向かう知性がそこには描かれている。 特に『不安は自由のめまい』で最後にナットがより良い人になろうと思ってしたある善意の行動が良かった。
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3回目のコロナワクチン接種に行ってきました 接種後24時間くらいはちょっと注射したところが痛いくらいだったので念の為有給取った2日と元々休みの2日の計4日間本読み放題やないか!やった!と思っていたんですが そんなに甘くなかったです むしろ2回目のときよりひどかったです まあ、...
3回目のコロナワクチン接種に行ってきました 接種後24時間くらいはちょっと注射したところが痛いくらいだったので念の為有給取った2日と元々休みの2日の計4日間本読み放題やないか!やった!と思っていたんですが そんなに甘くなかったです むしろ2回目のときよりひどかったです まあ、ちょっとばかり大変な思いをしましたがこれでコロナウイルスと戦うための 『いい武器』を手に入れたわけなので良しとしましょう さて『息吹』です 自分はこのテッド・チャンさんが書くSFを「脳みそを使う方のSF」と定義しています しっかり読んできちんと理解することに努めれば物凄い面白いし、お話の先にある問題提起や理念、葛藤に気付くことができた(と思えた)らなんかステージが1個上がった気になれますw んでもなかなか評価が難しいですね すごい面白いと思えたものもあれば(『商人と錬金術師の門』『息吹』)うーんよく分からんかった〜というのもありました ただ間違く言えるのは世界を作るのに非常に長けた作家さんだなってことです 確固たる世界があってその上に物語が乗っかってる感じ? うんそんな感じ
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ハードSF脳になれたら入ってくるけど、現実に大変なことが起きていて頭の片隅にある状態で楽しみつつ同時進行することは、僕には不可能な作品群でした。中には好きな話もあった(商人と〜、大いなる沈黙)けれど登場人物にしろガジェットにしろ設定のイメージが湧かない限りは文字の上を滑り続けてし...
ハードSF脳になれたら入ってくるけど、現実に大変なことが起きていて頭の片隅にある状態で楽しみつつ同時進行することは、僕には不可能な作品群でした。中には好きな話もあった(商人と〜、大いなる沈黙)けれど登場人物にしろガジェットにしろ設定のイメージが湧かない限りは文字の上を滑り続けてしまう。修行が足りん。
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めちゃくちゃ面白かったです。 めちゃくちゃリアルなサイエンスフィクションであり、面白かったです。 ぜひぜひ読んでみてください。
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傑作です。子育てがテーマの小説は子供いない私には共感できる部分がなく退屈でしたが、他のテーマの小説は抜群におもしろい。 作品を貫くテーマは、未来のテクノロジーを前提に人間がどう行動し選択していくのかという普遍的なもの。 「商人と錬金術師の門」「不安は自由のめまい」が中でも良かった...
傑作です。子育てがテーマの小説は子供いない私には共感できる部分がなく退屈でしたが、他のテーマの小説は抜群におもしろい。 作品を貫くテーマは、未来のテクノロジーを前提に人間がどう行動し選択していくのかという普遍的なもの。 「商人と錬金術師の門」「不安は自由のめまい」が中でも良かった。他の小説も良い。 著者は非常に寡作なので、次の短編集が出るのは何十年後になるのだろうか…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
寡作作家のSFショートショート?~中長編までいろいろ。 よかった編 ・「商人と錬金術師の門」 もしこんな道具があったなら・・・なアイテムで始まるエキゾチックな描写と、ひとつの小説に3つ4つ小話を練りこめた上で最後きっちり締められてる構成と、架空の小説なのに普遍の哲学が見える文章とがすごい。最後の「ただそれだけです。けれどもそれでじゅうぶんなのです。」がイスラームの話なのに解脱に見える(イスラム教に同様の境地があるのかどうかは知らない)。 ・「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」 20年もの歳月をかけて、デジタル生物(たまごっちみたいな感じ?)”ディジェント”に愛と教育を注ぐお話だけあって本文も長ぇ~!流行の変遷、企業の方針転換、OSの取り残され感とか、確かにそんな感じでありそうかもーという見たことないのに謎の納得感。多分どこにも正解のない、愛と犠牲と優先順位のせめぎあいに自分だったらどうするかなぁとつらつら考えながら読んだ。 ・「偽りのない事実、偽りのない気持ち」 こちらも二重仕立て。忘れない、間違えないことの功罪が並べられててうまい。人間は主観的に正しいミミと、客観的に正しいヴォヴを使い分けながら生きてきた動物で、脳は多分その時その時のベストに従うように改変される記憶装置だから、リメンができたら病む人増えそうだなぁと。あと「わたしが物語を語ったのは、真実を伝えるためだ」という一文が、全編に響くなあと思った。 <総評> 詩的な文章(これは訳者の力量もあると思うけど)、独創的な筋立て、所々で頷ける警句。娯楽小説っつーより折に触れて読み返したくなる聖典っぽい。短~中編集なんだけどテーマが重複というか関連してるところもあって1冊の本としての満腹度も高い。 読みだしてすぐ「うっわー軽い気持ちで手を出しちゃったけどこれ手に負えるかどうか分からんレベルじゃんー!」と思った。やたらと訳者あとがきに”当代最高”と書いてあって「うぇー??」と疑いながら読みだしたけど、やーあながち誇大広告じゃないかも。どこか星新一っぽいと思ったら星雲賞受賞してたらしい。ファンが多いらしいのも納得。 寡作なのでもう1冊しか本が出てないらしいがこれは読まねば。よく分からない所もあったけど、今回いい本に当たったよ!
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*予期される未来 ボタンを押そうとするとLEDランプが1秒前に光るボタン型予言機を使用すると人はどうなっていくのか? *デイジー式全自動ナニー 全自動で赤ちゃんを育ててくれる乳母ロボットを使い育児をすると子どもはどのように育つのか? この2作が私としては面白かった。
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SFの面白さに加えてテクノロジーの孕む倫理的問題点にまで踏み込んだテーマでどの話もドラマチックで楽しめた。
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