息吹 の商品レビュー
映画メッセージの原作を書かれた著者の数少ない小説集、その最新作。哲学的なテーマ×物理学×SFが混ざり合う。どれも面白いが、哲学と物理学の混在が時折すごく難しく、若干ついていけない部分も正直あった。 場合によっては、末尾の作品ノートを読んで、何をテーマにしている作品なのかを頭に入れ...
映画メッセージの原作を書かれた著者の数少ない小説集、その最新作。哲学的なテーマ×物理学×SFが混ざり合う。どれも面白いが、哲学と物理学の混在が時折すごく難しく、若干ついていけない部分も正直あった。 場合によっては、末尾の作品ノートを読んで、何をテーマにしている作品なのかを頭に入れてから読んだ方が、読んでいてあれこれ考えることができて、楽しいかもしれない。 個人的にはAI生物をテーマに扱った「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」、タイムリープ的側面のある「商人と錬金術師の門」、どこか絶望的だが希望を見出そうと感じられた「息吹」が気に入った。
Posted by
収録作品の『息吹』を読んだのは、コロナ下の2020年春。散りはじめた桜の木の下で一人、お花見をしている時でした。 小さな違和感の先に待ち受ける、自分たちの運命に気づいた時、私ならばどうするか、と考えていました。が、よく考えてみれば、私たちのたどり着く先が彼らと大きく変わるわけでな...
収録作品の『息吹』を読んだのは、コロナ下の2020年春。散りはじめた桜の木の下で一人、お花見をしている時でした。 小さな違和感の先に待ち受ける、自分たちの運命に気づいた時、私ならばどうするか、と考えていました。が、よく考えてみれば、私たちのたどり着く先が彼らと大きく変わるわけでなし。文中の、未来への励ましともとれる言葉は、自分にも向けられたメッセージとして受け取りました。 なんにせよ、桜が舞い散る中で読んだという読書体験が気に入り、毎年お花見をしながら『息吹』を読んでいます。
Posted by
9本の作品の短編集。短いのは数ページでおわるものも。時間がない中読んだのもあるが何度も読み返して深さにはまりそう。ただ設定や世界観が次々に変わるので「どんどん読みたい」とはならなかった。
Posted by
とても評価の高いテッド・チャンのSF短編集「息吹」を読みました。 さて、どう評価しよう…。 正直言って、私にはよくわかりませんでした。 どの物語も現代に似たパラレルワールドの話で、タイムパラドクスや、並行世界線や、極端に進化したパーソナルガジェット(記憶・検索装置やAI...
とても評価の高いテッド・チャンのSF短編集「息吹」を読みました。 さて、どう評価しよう…。 正直言って、私にはよくわかりませんでした。 どの物語も現代に似たパラレルワールドの話で、タイムパラドクスや、並行世界線や、極端に進化したパーソナルガジェット(記憶・検索装置やAIデジタルペット)などに翻弄される人々の話。 文章は、ほとんどが一人称視点で、誰かに当てて書かれたというテイになっていて、出てくる技術やガジェットについてはあまり説明されない。あまりにも普通の言葉のように「プリズム」だとか「リメン」だとか仮想ワールドの固有名詞だとかが出てきて、読者は短編ごとに「その世界での常識」を「推測」しながら読み進む感じになっている。 多分、それが面白いんだと思う。わかる人には「あぁ、この技術は、現在あるあの技術に対応するものなんだろうな。くすっ」とか「あぁ、あの技術をこういうふうに使うと仮定したらこうなるのかな。くすっ」とか笑いながら読めるのだと思う。 けれど、私にはどうやらそこまでの知識がないようで…。 そして、物語の終わり方も、きっと「くすっ」の延長上にあるらしくて、私には、「え?え?え?何がどうなった?」という感じでした…。とほほ。 一般的にはとても素晴らしい評価を得ている作品なので、きっと私だけがわからないんだろう、ってことで、評価はしないでおきます。 図書館で借りて2週間で読まなくてはならない&年末年始の忙しい時期だった、ってことも原因の一つかもしれません。もっとじっくり読むことができれば、違った感想になったのかも。 わからないなりにも、「オムファロス」という短編の描こうとしている世界は面白かった。この世界が神に作られたものである、ということが科学的に示されている世界。ヘソのないミイラ(進化したわけではなく最初の人間は神に作られたからこそ存在する)とか、全ての樹木の年輪が同じ年に始まっているだとか。神に作られたなら、そいういう「物証」が見つかるんだろうな、っていうのを小説に落とし込んでいる、というところまでは分かった。小説丸ごと皮肉なんだと思うけれど、どこまでをどう皮肉っているのか、すっきりしないまま終わっちゃったので、結局わからんままだったけど…。 これは、アメリカと日本の宗教観や文化価値の違いだったりするのかも?
Posted by
現代の科学を通して、人間の構造の良さを考えさせられる本であった。なんでも科学で実現させられることをただ単に受け取るだけでは自分という存在を傷つけてしまう恐れがある。これから受け入れる未来とどう向き合い取捨選択していくかそれが大事だと思った。
Posted by
現実にはない不思議な道具について書かれていて初めはなんだこれと思っていたが、日常生活に関するものもあり考えさせられた。 特に最後の不安は自由のめまい。パラレルワールドの自分と話すことのできるプリズムとの関わりを描いている。自分も過去の行動について後悔することがあり、あの時別の選択...
現実にはない不思議な道具について書かれていて初めはなんだこれと思っていたが、日常生活に関するものもあり考えさせられた。 特に最後の不安は自由のめまい。パラレルワールドの自分と話すことのできるプリズムとの関わりを描いている。自分も過去の行動について後悔することがあり、あの時別の選択をしていたら、と思うことはあるけれど、結局どの選択をしてもそうなる時はなるしならない時はならないと考えると気が楽になった。
Posted by
初テッド・チャンさん。 最初のタイムマシンものが良かった。 あとライフログの、SFというよりは親子関係というか身につまされる事あって、反省しつつも手遅れというか... 雰囲気は面白いんだけど、読んでるうちに、眠くなった。体調のせいかもしれないけれど。
Posted by
テッド・チャン初めて読んだけど、私には合わないらしい。 読み終えて「で、だから何なの?」と思ってしまうのは悲しい。私も他の人みたく「最高のSF!」とか言って盛り上がりたかった。 「大いなる沈黙」だけすごく良かった。感動した。 他は別に…。
Posted by
オバマ元大統領も読んで好きになってたとか。 うううん。ふだんSFとか読まないし 表題作は読んだけど イマイチ、ピンと来なかった。 SFと、そーじゃない小説って、どう違う? なぜ、そういうククリというか、ジャンルが必要なんだろ?
Posted by