天上の葦(下) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
怖かった… ここ数日、アフリカのホームタウン問題に、アメリカのチャーリー・カークさん、フランス、ネパール、ドイツ…世界中がえらい事になっているのにTVでは全然報道されない。 というかここ数年TVの報道の在り方に疑問が生じてもうそれほどTVを付けていない。 だから、今生きている現実と本があまりにもリアルすぎて怖かった。 正直、TVの言っていることを鵜呑みにしてのほほんと生きていられた頃に戻りたい。 でもそんなことしてたら、また気付いた時には何も言えなくなっている時代に戻ってしまうんじゃないかという恐怖もある。 今はTVも新聞もネットの情報も全てどこかに何かに忖度しているんだろうと疑いの目をもって見ている。 正しい情報を得る力が欲しい。 それに負けない強い精神力が欲しい。 戦時中の描写も生々しくて本当に怖かった。 入り込みすぎて出口が分からなくなった頃にふっと時代が現在に戻る。そこでハッと気付いてようやく息ができる。 こんなに読んでいて怖かったのいつ以来だろう。 この本はフィクションだから、ホッと終わるけど、現実世界、まだ間に合うのか⁉︎間に合ってほしい!と祈りながら本を閉じた。
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なぜ今になって 老人はあの空を指ささなければならなかったのか… まるで残された命を燃やし尽くすようにして… 老人の不可解な死と 公安警察官の失踪を調べるために 鑓水、相馬、修司は瀬戸内海の小島にたどり着く 老人が絶命した瞬間から 小島では大きな歯車が動き出していた… ...
なぜ今になって 老人はあの空を指ささなければならなかったのか… まるで残された命を燃やし尽くすようにして… 老人の不可解な死と 公安警察官の失踪を調べるために 鑓水、相馬、修司は瀬戸内海の小島にたどり着く 老人が絶命した瞬間から 小島では大きな歯車が動き出していた… 穏やかな島の営みの裏では 大きな秘密を隠すべく 公安の警察官をも巻き込みながら 巧妙なトリックを仕掛けていく… 人生の最期に流れる時間は 降り積もる雪のように 現在の風景を覆い隠して 過去へと押し戻すのかもしれない… 闘えるのは 火が小さなうちだけだ やがてその火が繋がり 風が起こり 風がさらに火を煽り 大火となれば誰もなす術がない もう誰にも どうすることができなくなる… そうなる前に 鑓水たちは大きな敵に 真っ向から向かい 最後の賭けにでる 大きな敵に挑んでいる時は 特にハラハラドキドキした!! まるで自分が目に見えない何かに 追われてるようだった そして老人が雲ひとつない空を指さしながら 絶命した意味を知ったとき… また上巻の1番はじめの文章に戻ってくる構成に ぞわぞわと鳥肌がたった!! すごい!すごい!すごい!すごい!すごい! 今日はこの余韻を味わいながら 眠りにつきたいと思う(大満足!!)
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言いたい事を言い、やりたい事を自由にやれる今の世の中を当たり前のように思っていた。しかし、それが当たり前ではない時代があったという事実に目を背けてはいけない。同じ間違いを繰り返してはいけない。
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苦しみと喜びと入り混ざりながら、本当に読めてよかった1冊になりました。 上巻からのスピード感を失うことなく、白虎を突き止めるまで、そして公安との駆け引きの緊張感でページを捲る手が止められませんでした。 上巻から引き続き情報量は多いし、内容的にも苦しくなる瞬間も多々ありました。そ...
苦しみと喜びと入り混ざりながら、本当に読めてよかった1冊になりました。 上巻からのスピード感を失うことなく、白虎を突き止めるまで、そして公安との駆け引きの緊張感でページを捲る手が止められませんでした。 上巻から引き続き情報量は多いし、内容的にも苦しくなる瞬間も多々ありました。それでも読んでよかった。 ジョージオーウェルの「1984年」を思い出しながら、「1984年」を読んだ後と同じく満足感でも喜びでもない、でも確かに頭と心が満たされている気持ちになりました。 結末も、個人的には前作の「犯罪者」より好み。未来に希望を持てる。 鑓水たちのシリーズはこの3作で終わりなのかなあ、もっと読みたいなー! 太田愛さんの作品、ハマりそうです。
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白昼渋谷で死を遂げた老人が指さした先に何があったのか? きな臭い依頼から公安に追われることになった探偵たち "権力による言論統制"で繋がってきたのは先の大戦の記憶 複雑に絡まった事実と虚偽と迫りくる公安の手が緊迫感を膨らまし、物語に没頭させられる はたして事件...
白昼渋谷で死を遂げた老人が指さした先に何があったのか? きな臭い依頼から公安に追われることになった探偵たち "権力による言論統制"で繋がってきたのは先の大戦の記憶 複雑に絡まった事実と虚偽と迫りくる公安の手が緊迫感を膨らまし、物語に没頭させられる はたして事件は解決し、謎は解かれるのか? とても楽しめました
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上下巻、長かった〰️ 挫折しそうだった。 公安がよくわかってないからか難しかった 戦争末期 都合の悪いことは隠し報じない報道機関。 情報操作 なんとなく人々も戦争に負けると気づきながら 口には出せない。 この時代の軍部の情報操作に恐ろしさを感じる 鑓水、修司、相馬の3人...
上下巻、長かった〰️ 挫折しそうだった。 公安がよくわかってないからか難しかった 戦争末期 都合の悪いことは隠し報じない報道機関。 情報操作 なんとなく人々も戦争に負けると気づきながら 口には出せない。 この時代の軍部の情報操作に恐ろしさを感じる 鑓水、修司、相馬の3人のシリーズ3作目 前作2作と比べて、 暗い戦争時代 と現在の公安の情報操作がテーマ で少しわかりづらいところはあったけど、なんとか読み終えた。 また、この3人のシリーズ続編書いてほしいな
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ホームパーティーで出会った男女がとある異国で再会して真実の愛を見つける物語と酒をこよなく愛する知人に勧められて手に取る。 後半の怒涛の追い上げ、残りページ数から、これ終われるの?と思ったけど、めっちゃスッキリした。
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まさか戦争時代の話とリンクしていくなんて思わなかった! 鑓水の出生の秘密が戦争と関係があったり。戦時中の理不尽さとか恐ろしさとかと読んでいて辛かった。 現代の事件と戦時中の後悔が重なり合うお年寄りたちの連携プレイが良かった! 寿命が尽きてしまい切なかったけど、やり切った感がある!...
まさか戦争時代の話とリンクしていくなんて思わなかった! 鑓水の出生の秘密が戦争と関係があったり。戦時中の理不尽さとか恐ろしさとかと読んでいて辛かった。 現代の事件と戦時中の後悔が重なり合うお年寄りたちの連携プレイが良かった! 寿命が尽きてしまい切なかったけど、やり切った感がある! 相変わらずハラハラドキドキ! 鑓水、修司、相馬の活躍をもっと読みたい!
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フィクションとしてもちろん面白かったですが、戦時中の話は読んでいて胸が苦しくなりました。そして、この3人のシリーズはどれを読んでも面白いです。
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相変わらず社会派ミステリーとして圧倒的な読み応えと面白さでした。 報道の自由が奪われていき、弾を補充するように人の命が投入されては消えていった戦時の話の数々を通して、「今現在があの時にどんどん近づいていっていないか?」という警鐘を鳴らす作品。 社会派作品としてのメッセージ性の強さや素晴らしさはもちろん、ストーリー展開もすごく良い。 文量がかなりあるけれど、中盤から終盤にかけて頁をめくる手がどんどん早くなるし、止まらなくなる。太田愛先生の作品らしく今回もまるでドラマを見てる時のような、ハラハラドキドキを味わえました。 やっぱり太田愛先生はすごまじい…『犯罪者』も『幻夏』も良かったけれどこちらの作品もすごくすごく良かった。読み終わったあと、なかなか余韻が抜けなかったです。 あと鑓水、相馬、修司のキャラクターや関係性がとても良く、読んでいるうちに愛着が強まって同シリーズをもっともっと読みたくなりました。 これだけ重厚感ある話が続いていると、次の作品も自然とハードルが上がってしまい執筆が大変だとは思うのですが…。それでもシリーズの続きを強く期待しています。
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