オタク経済圏創世記 の商品レビュー
例えば、漫画『チェンソーマン』のアニメ化の様子を見ていると、OP映像で小ネタを散らし、洋画とリンクさせて海外ファンの好奇心をくすぐり、妥協のない作画と週替わりのEDで話題性MAX、以後クロスメディア戦略で影響範囲を最大化するなど、この本に書かれているブシロードのレッスンはすでにデ...
例えば、漫画『チェンソーマン』のアニメ化の様子を見ていると、OP映像で小ネタを散らし、洋画とリンクさせて海外ファンの好奇心をくすぐり、妥協のない作画と週替わりのEDで話題性MAX、以後クロスメディア戦略で影響範囲を最大化するなど、この本に書かれているブシロードのレッスンはすでにデフォルトになっているようだ。入念に練り込まれた仕掛けによるコンテンツ全体の消費。勝つ経営には明確な理由がある。
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#日本人は20年を失っていなかった ## 面白かったところ * `ポケモン` や `バンドリなど` エンタテイメント塗れの文章ながらも起承転結が効いており、各章でしっかりまとまっているところ * 数字や図などを用いて、あくまでも事実ベースで日本のオタク産業を分析しているところ...
#日本人は20年を失っていなかった ## 面白かったところ * `ポケモン` や `バンドリなど` エンタテイメント塗れの文章ながらも起承転結が効いており、各章でしっかりまとまっているところ * 数字や図などを用いて、あくまでも事実ベースで日本のオタク産業を分析しているところ * 歪なコンテンツ大量生産の土台が、経済的な文脈でどのように成長してきたのかがわかるところ ## 微妙だったところ * 著者自身の経験の話題について述べられる箇所が、唐突に現れるところ。 ## 感想 高度経済成長のあとは失われた 20 年などと言われ、リーマンショックで世界的な経済が後退した。 と思われていたが、世界のオタク経済圏はそれどころか成長していたことを読んで知った。 オタク文化の経済規模はクルマ業界と比較され、あのディズニーとも協力し合うキングダムハーツというコンテンツも登場した。 義務教育レベルで日本人は皆読んでほしいと思える一冊でした。
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新日本プロレスの興行がニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンを即時満員にする。その背景を皮切りにオタク経済圏を分析していく一冊。 プロレスの例で言うと、もともと日本人レスラーが海外挑戦する土壌があり、レスラーのキャラクター性、服装やマスクなどのファッション性、マイクパフォー...
新日本プロレスの興行がニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンを即時満員にする。その背景を皮切りにオタク経済圏を分析していく一冊。 プロレスの例で言うと、もともと日本人レスラーが海外挑戦する土壌があり、レスラーのキャラクター性、服装やマスクなどのファッション性、マイクパフォーマンス等のエンターテイメント性を備えていた。 アニメを中心とした広がりがグローバル化に繋がった。アニメはコンテンツの世界観を最も伝えやすい。 エヴァンゲリオンから変わった。アニメ委員会方式を最初にとったのもエヴァンゲリオン。 1995年を境にパッケージからデジタル・ライブにコンテンツがシフト。 コンテンツが「生きた」状態を維持するため、アニメ放映終了後も、ラジオ・ライブ・ゲーム化などでコンテンツの鮮度を保つ。 などなど、オタクビジネスの特徴が非常に分かりやすく解説されている。
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オタク文化に関する統計的な一冊 創世記から近代まで、よくぞここまでといった膨大な調査量と、詳細なデータに基づくファクトがつらつらと語られる それを知るだけでも価値があるし、オタク経済に関する教科書的な一冊にもなり得るように感じた
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一つのコンテンツをライブコンテンツ化させることでユーザーの興味を惹きつけ続け影響範囲を最大化させる仕掛けづくりの話と、日本国内のニッチコンテンツがグローバルでヒットしたものを分析した話の二本立て。面白かった。文化的土壌のない他国にコンテンツを持ち込む際は、そのコンテンツだけで戦う...
一つのコンテンツをライブコンテンツ化させることでユーザーの興味を惹きつけ続け影響範囲を最大化させる仕掛けづくりの話と、日本国内のニッチコンテンツがグローバルでヒットしたものを分析した話の二本立て。面白かった。文化的土壌のない他国にコンテンツを持ち込む際は、そのコンテンツだけで戦うのは無謀だから、他のチャンネルからの仕掛けも必要、などなど。
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ライブ化とメディアミックスによりコンテンツを常に生かして接触させることの重要性はわかった。日本企業のゆるい協業的・ジェネラリスト中間管理職による現場からのボトムアップマネジメントが武士の歴史を発端としているという分析が面白かった。なかなか変わらんし馴染まないのはそういうところがあ...
ライブ化とメディアミックスによりコンテンツを常に生かして接触させることの重要性はわかった。日本企業のゆるい協業的・ジェネラリスト中間管理職による現場からのボトムアップマネジメントが武士の歴史を発端としているという分析が面白かった。なかなか変わらんし馴染まないのはそういうところがあるなと。ただ結局海外に展開していくにあたるベストプラクティスはあまり分からず。キャラものではない物語性の強い作品も増えてきてると思うが、その場合はどうするのかな〜とか
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これは読んで良かったです。 日本発のオタクカルチャー経済の成長要因がとても分かりやすく、かつファクトを以て説明されています。 日本発だからこその要因の説明が興味ぶかっかったです。 今後のオタクカルチャーのみならず、日本発のコンテンツビジネスに類するものを考えていく上でも大変為に...
これは読んで良かったです。 日本発のオタクカルチャー経済の成長要因がとても分かりやすく、かつファクトを以て説明されています。 日本発だからこその要因の説明が興味ぶかっかったです。 今後のオタクカルチャーのみならず、日本発のコンテンツビジネスに類するものを考えていく上でも大変為になる本でした。
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「オタクビジネス」「サブカルチャー」。 アニメやゲームの関連はこう呼ばれ、何と なくネガティブ的にこう呼ばれますが、そ れは日本だけの話です。 海外からはこれらをポジティブな意味を込 めて「ポップカルチャー」「クールジャパ ン」と言われます。 その通りなのです。もはや日本の産...
「オタクビジネス」「サブカルチャー」。 アニメやゲームの関連はこう呼ばれ、何と なくネガティブ的にこう呼ばれますが、そ れは日本だけの話です。 海外からはこれらをポジティブな意味を込 めて「ポップカルチャー」「クールジャパ ン」と言われます。 その通りなのです。もはや日本の産業の根 幹をなす一大ビジネスなのです。 この本ではその規模感を示すだけではなく、 なぜ日本においてこういう「ポップカルチャ ー」が生まれ、世界で受け入れられてきた か、歴史や理由を紐解きます。 実はそこには、テレビや漫画の黎明期から 続くコンテンツの歴史とも大いに関係して いることが理解できます。 全てのビジネスパーソンが読むべき、一大 ビジネス叙述史です。
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2019年初版 ジャパンコンテンツが関係性資産(いわゆる仲間)で文化コンソーシアム(いわゆる制作委員会)を作り、ライブと非ライヴのネタを餅屋は餅屋で絶え間なく打ちまくることで、ファンとのコミュニティを形成していく その中においてライブコンテンツは数年もの制作期間のかかるアニメ...
2019年初版 ジャパンコンテンツが関係性資産(いわゆる仲間)で文化コンソーシアム(いわゆる制作委員会)を作り、ライブと非ライヴのネタを餅屋は餅屋で絶え間なく打ちまくることで、ファンとのコミュニティを形成していく その中においてライブコンテンツは数年もの制作期間のかかるアニメや映画の間を埋める欠かせないものであり、これこそが経済圏拡大に寄与した最大の体験価値であると コロナが止めるのはライブのみにあらず世界に誇る文化なり
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
身近なエンタメ素材が題材なので、入りやすい。 その1面、ロジカルなストーリーテリングを意識しているためか、内容が中々頭に入って来づらいのが残念だった。 その一方でやはり、著者のプロレスに関連した記述はライブ感があって、とても理解し易かった。 個人的には、このアプローチで全体題材を記述すると、より素晴らしい著になるだろうと確信しました。
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