オタク経済圏創世記 の商品レビュー
日本の漫画アニメなどのオタク向け文化がどのようにして商業化され、発展していき、そして世界に広がっていったかがわかりやすく説明されていた。そして、情報社会となりあらゆる情報が一瞬で消費されてしまうような状況の中で、いかにして大きく息の長いコンテンツを作っていくのか。ブシロードが手が...
日本の漫画アニメなどのオタク向け文化がどのようにして商業化され、発展していき、そして世界に広がっていったかがわかりやすく説明されていた。そして、情報社会となりあらゆる情報が一瞬で消費されてしまうような状況の中で、いかにして大きく息の長いコンテンツを作っていくのか。ブシロードが手がけるBanGDream、プロレスを例にして描かれていた。細かいところで気になる点はあったが、全体としては、非常に勉強になる内容だった。
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日本のエンタメ業界の奥深さを学べた。日本エンタメ企業のモジュール的なIPの広げ方(用途によって好きな業界と連携したりしなかったり)は、明らかに小回りが利くし、どこまでも大きくできる。まさに協調性ある日本人らしい強み。本書に書いてある通り、これはディズニーのような小回りの効かないパ...
日本のエンタメ業界の奥深さを学べた。日本エンタメ企業のモジュール的なIPの広げ方(用途によって好きな業界と連携したりしなかったり)は、明らかに小回りが利くし、どこまでも大きくできる。まさに協調性ある日本人らしい強み。本書に書いてある通り、これはディズニーのような小回りの効かないパワー型の米企業では形成できない「ゆるいネットワーク」であって、このネットワークは世界にとって大きな脅威になるはず。あぁ、なんて面白い本なんだ!
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歴史を辿りながら、きちんと数字も調べられていて、コンテンツの教科書みたいな内容だった。自分も2010-2015の間DeNAいて、幸いにもこの歴史の大部分を体験していたこともあり、きちんとまとめていくとこのように論証できるのかと思った。 詳細は下記 https://note.co...
歴史を辿りながら、きちんと数字も調べられていて、コンテンツの教科書みたいな内容だった。自分も2010-2015の間DeNAいて、幸いにもこの歴史の大部分を体験していたこともあり、きちんとまとめていくとこのように論証できるのかと思った。 詳細は下記 https://note.com/t06901ky/n/n082d3c6129e9
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この本から 「今の時代に必要なコンテンツの生み出し方、広げ方」 を学んだ 1. 複数のメディアミックスを持つ -趣味嗜好が分散された社会で同時代性を演出するには複数のプラットフォームを活用し、消費者とコミュニケーションすること ◎ポケモンはこれが上手いからキャラクターコンテン...
この本から 「今の時代に必要なコンテンツの生み出し方、広げ方」 を学んだ 1. 複数のメディアミックスを持つ -趣味嗜好が分散された社会で同時代性を演出するには複数のプラットフォームを活用し、消費者とコミュニケーションすること ◎ポケモンはこれが上手いからキャラクターコンテンツで最も市場規模がデカい -流行を維持し続けることは難しいゆえにコンテンツを様々な角度で提供し続け、忘れない存在になる ◎ポケモンは流行ってはないが、未だに売れ続けている 2. 愛着が湧く設計(ストーリー、余白) -ストーリーを生み出し、愛される ◎鬼滅の刃の鬼達が愛される理由 -余白を生み出し、ユーザーをインタラクティブに介在させる ◎ゲームがアップデート式になった理由 -物語の体験がその瞬間のみで消化しきれず、追加で深く味わう残余行動 ◎君の名はのヒット理由(複数回見に行く、聖地巡礼) 3. コミュニティ形成 -モノ消費からコミュニティ消費へ └他人と感情を共有したい、他人を応援したい ◎AKBのCD握手券販売のヒット要因 【NA】 ・多方面のチャネルを活用し、プロモーションする └twitter, note, youtube, stand.fm, イベントなど ◎キンコン西野はこれができている ・余白をさらけ出せる人になる └自分の弱みを愛する、弱みを開示する ◎あえてアプローチ法を言わないでおくのが体験価値を生むのでは??言わないでおこう。 ・自分のストーリーをさりげなく語る └キャリア支援を行ってる理由、自分の意思決定の背景、将来像 ・完璧な価値提供をし切らない └相手に課題を残す、自身の全部を開示しきらない
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
FBのGフレンドからの紹介で読む。背景や目的なく。 コンテンツビジネス(特にキャラクタービジネス)のお話。 クールジャパンの根幹のアニメを中心とした。 <漫画→アニメ の、当初のビジネスモデル> 当初の漫画のビジネスモデルは、 雑誌で試して、単行本で回収するビジネスモデル。 雑誌連載時は、薄利。 漫画文化を支えているのは、現場のブラック職場。 (アマのアシスタントなどが支えている) 漫画大国タイル所以の一つ。 たくさんの漫画が切磋琢磨することで、レベルが高まる。 (アメリカなどのように、規制が入ったり、 (アメリカでは。、漫画表現に規制hが入り、社会的に正しい模範になるテーマしかできない(スーパーマンとか、ヒーローもの。)→ ユーザーが離れる → 賭博から、やくざ者なと、非常の幅広い作品が展開される。 大手による合併が続くということも画一化→競争がなくなるとったことで、レベルの向上にはつながらなかった。 (WWWEとプロレスの関係性においても) (日本語という言語の独自性が、その環境を育てたのかもしれない。ガラパゴスの恩恵の一つ) 雑誌→単行本というビジネスモデルから、 単行本→アニメ→メディアミックスというモデルへ 転換せざるを得なかった。 (アニメでは利益が出ないので) アニメ委員会方式(テレビ、広告代理店、映像、音楽玩具などが出資する) テレビの深夜枠+ビデオレコーダー (CMでペイするというモデルではなく、その後の著作権ビジネスで儲けるモデルへ) メガヒットアニメ、大人向け、ホームビデオという3つで、アニメ産業の変革。 その後、 ・深夜アニメ、BS,CSなど枠の拡大 ・アニメ委員会というファイナンス手法 ・ビデオ、など、OVAなどマネタイズ方法が多様化 することで、ビジネスモデルが進化。 動画配信によって、世界展開へ 15000億 市場だったが、海外だけで10000億に。 <ゲーム→キャラクタービジネス:任天堂→ポケモン> 2010年までは、日本のゲーム会社トップ6社が、 ゲーム業界の利益を独占してきた。 2010年ごろから、中国をはじめとする海外勢に、浸食された。 ドラクエ 漫画とゲームを組み合わせた(ジャンプ放送局、鳥嶋編集長、鳥山明)新しいモデル。 漫画では、メディアミックスの起点になるのは難しい。 (決まっていないことが多すぎる) 拝啓、声、音楽、など情報密度が不十分。 なので、アニメ化は、「その世界を取り巻く情報を固める良い機会」なので、ライセンスのハブとなりえる。 ポケモン: ゲーム→TGC(任天堂にはノウハウがないので、外注) ゲーム会社は、ゲームで儲けるノウハウ。 小学館というrライセンシングビジネスにたけた会社がいたからこその展開。 1業種1企業 → 70社に ゲームを出すのは数年に一回。その間もブーム、キャラクターの鮮度を保つために、とても重要。 パッケージメディアの衰退。 ゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスは、伸長している。 ほとんどが、携帯コンテンツ消費。 携帯によって、隙間時間を制した。 次の駅までとか、数分を蓄積することで新しい時間を創出した。 にほんは特殊CDの売り上げが、そこまで落ちていない。 AKB商法のおかげ。 応援するという動機付け。 サブカル→メインカルチャ サブカルのほうが、顧客単価が高い。 アナ雪は、1600万ぐらいいるが、市場規模は50億程度 一方、ラブライブなどは300万人ぐらいいるが、439憶 テレビのライブ感を支えるコンテンつとしてのスポーツ。 世界のどこにもないからグローバル化できる コンテンツを生み出すプラットフォームの変遷 日本的コンテクスト 日本的経営、非効率的な経営がもたらす、豊富な中小企業群の切磋琢磨から、 優れた製品が結果として生まれてくる。 欧米のように、すぐに合併してしまわない、ことは、生産性の低さにつながるが、 そこで製品力が高まる。 伝統的企業が変われるのも日本的特徴。
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昨年4月6日、新日本プロレスがあのMSGで興行を行ったというニュースにびっくり!MSGはWWEになる前のWWFのマットにドラゴンやタイガーが単発で上がるか、あるいはシリーズ名で冠されるか、ぐらいの距離感しかないオールドファンにとって、今の新日どうなってるの?なのですが、新日をどう...
昨年4月6日、新日本プロレスがあのMSGで興行を行ったというニュースにびっくり!MSGはWWEになる前のWWFのマットにドラゴンやタイガーが単発で上がるか、あるいはシリーズ名で冠されるか、ぐらいの距離感しかないオールドファンにとって、今の新日どうなってるの?なのですが、新日をどうにかしたブシロードの役員が書いた本です。副題の「GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件」も気合十分。その気合十分に負けない内容充実、気づき満載の啓蒙の書でした。コンテンツビジネスの歴史もを俯瞰できるし、数々のプロジェクトの成功と失敗も分析されているし、さらには日本の産業が、自らの持っている国家的コンテクストを武器に世界でビジネスをしていくための未来指針も明確に打ち出されています。もちろんIPビジネスがテーマではありますが、5G社会がプラットフォームからコミュニティベースにビジネスを変える、というビジョンがケヴィン・ケリーの「〈インターネット〉の次に来るもの」ともシンクロしていると思いました。副題の気合もここから来ています。だからこそP198『マーケターの役割は「コミュニケーションマネージャー」に』は大切なフレーズになってくると思います。さてさて、しかし新日の二回目のMSG大会が一年延期されたように、コロナ下の世界ではライブイベントが厳しい状態になっています。1995年、2010年と同じように2020年もコンテンツ産業において、三度目の大きな転換点になるような気もします。そこらへんの著者の考えも聞いてみたい!
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ブクログのタイムラインで見かけ、気になったので購入。 ポップなサブカル本かと思いきや、内容はとても体系的。アニメ・ゲーム・プロレス(?!)がたどってきた歴史を解説し、その可能性と海外への展開について語る。最後には、日本的経営に関する筆者の見解が述べられる。 筆者の中山淳雄さん...
ブクログのタイムラインで見かけ、気になったので購入。 ポップなサブカル本かと思いきや、内容はとても体系的。アニメ・ゲーム・プロレス(?!)がたどってきた歴史を解説し、その可能性と海外への展開について語る。最後には、日本的経営に関する筆者の見解が述べられる。 筆者の中山淳雄さんは現在、ブシロードの役員を勤める。海外展開のためにカナダに赴任もしていた。なるほど。知識と経験を兼ね備えた語り口には納得感がある。 非常に学びの多い一冊だった。日本発のポップカルチャーのパワーを再認識できる一冊。 (詳細は書評ブログの方でどうぞ) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%99%BA%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BD%93%E7%B3%BB%E6%9B%B8_%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%82%AF%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%9C%8F%E5%89%B5
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日本のアニメーションが発展したのは海外に比べて、規制が厳しくなかったから。 インターネットやスマートフォンの発達により、エンタメの楽しみ方は媒体の保有から利用へと移り変わる。 また、売り上げの明暗も分かれていく。 ゲームセンターやカラオケなどの売り上げは落ちているが、劇場などの売...
日本のアニメーションが発展したのは海外に比べて、規制が厳しくなかったから。 インターネットやスマートフォンの発達により、エンタメの楽しみ方は媒体の保有から利用へと移り変わる。 また、売り上げの明暗も分かれていく。 ゲームセンターやカラオケなどの売り上げは落ちているが、劇場などの売り上げは上がっている。 これは、アニメのキャラクターが劇場でライブするなど、2.5次元のビジネスが活況を迎えているのである。 つまりオタクがお金を落としているのだ。 ゲームやアニメにおいて、オタクが入り込みやすい仕組みを考える事が重要である。 ラブライブでは数十名いるメンバーから数名のメンバーを選出することで、自分がプロデュースしている気持ちにさせている。 プロレスにおいても、選手にキャラクター性を持たせる事やストーリー仕立てにすることでオタクファンを増やしている。 エンターテイメントは一方向の提供型から双方向の共感型(ライブ感)に移り変わり、そこにお金が落ちている。 ポケモンGoしかり、AKBの投票チケットをCDを買うことで手に入れられることしかり。
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本書は日本のコンテンツビジネスに関する教科書と言うより演習問題として読むのがお勧めである。1〜4章は売り手視点からのわかりやすい概観となっており、5章については全章までを踏まえつつ他の文献を読みながら考察してみると新しい発見があるだろう。
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噂通り面白かった。失われた20年で日本経済が凋落する中、数少ない成長産業として快進撃を続けてきたオタク産業の成功要因をビジネス視点で析出していく内容。 マンガ、アニメ、プロレスといったコンテンツが題材なので、これらが身近な人ほど楽しめると思います。
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